2012年7月17日火曜日

7.16 さようなら原発17万人集会: ネットメディア拾い読み


レベッカ・ソルニット『暗闇のなかの希望~非暴力からはじまる新しい時代』から――
「ニュースがお気に召さないようでしたら、あなたご自身で出ていって、ご自分のニュースをお創りになれば、よろしいのです」
             ――報道記者ウエス・ニスカー(1970年代、KTIMニュース番組の降板あいさつ)

【東京新聞】

さよなら原発 「17万人」集う 

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東京電力福島第一原発事故を受け、作家の大江健三郎さんらが呼び掛けた「さようなら原発10万人集会」が十六日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。三連休の最終日で全国から参加者が集まり、関西電力大飯(おおい)原発3号機に続き、4号機でも再稼働を決めた政府への抗議の声に包まれた。
 参加者数は主催者発表で約十七万人で、警視庁関係者によると約七万五千人。主催者によると、反原発を訴える集会としては、昨年九月に東京都新宿区の明治公園で行われた集会を上回り、過去最大規模という。
 公園内のサッカー場に設けられたステージには呼び掛け人の著名人らが登壇。音楽家の坂本龍一さんは「電気のために美しい日本、国の未来である子どもの命を危険にさらすべきではない」と訴えた。参加者はサッカー場を埋め尽くしたほか、野外音楽堂前の広場や公園内の道路などにも広がった。「福島につながろう」「再稼働おことわり」などと書かれたパネルなどを掲げた。
【スポニチ】

さようなら原発“17万人集会”
坂本龍一「たかが電気のために…」

脱原発を訴える「さようなら原発10万人集会」が16日、東京・代々木公園で開かれ、主催者発表で約17万人が参加した。呼び掛け人の一人で音楽家の坂本龍一(60)は、国内の全原発が停止した1970年にも同所での抗議行動に参加。「たかが電気のために、なんで命を危険にさらさなければいけないのか」と語気を強めた。 
 ……
 今月6日には首相官邸前でのデモに加わり、同7、8日には脱原発をテーマにした音楽フェスティバル「NO NUKES 2012」を千葉・幕張メッセで開くなど精力的に活動している。「たかが電気のために、なんで命を危険にさらさなければいけないのか。美しい日本、国の未来である子供の命を危険にさらすべきではない」と強調した。
 参加をツイッターなどで呼び掛け、主催者発表では目標の10万人を大きく上回った。作家の瀬戸内寂聴さん(90)は「暑いから家にいるようにと言われたけれど、冥土の土産に皆さんがこんなに集まる姿が見たかった」。作家の大江健三郎さん(77)は「原発大事故がなお続く中で、関西電力大飯原発を再稼働させた政府に、侮辱されていると感じる」と怒りをあらわにした。
【中国新聞】
東京都内で16日にあった「さようなら原発」の集会に、島根原発(松江市)の廃炉や上関原発(山口県上関町)の建設中止を求めるそれぞれの市民団体も参加し、全国から集った「脱原発」の訴えに、声を重ねた。
 メーン会場近くの車を通行止めにした車道では、各地の脱原発団体が街宣車の上から現状を報告した。「さよなら島根原発ネットワーク」は4人が参加。事務局の芦原康江さん(59)=松江市=は島根県などが進める事故時の住民の避難計画作りに触れ、「机上の計画にすぎない。原発を止めるのが一番の安全対策だ」と強調した。
 「上関原発止めよう!広島ネットワーク」の木原省治共同代表(63)=広島市佐伯区=は環境保護の観点からも建設反対を訴えた。
 また、別の場所では日本被団協の岩佐幹三代表委員(83)=千葉県船橋市=が広島での被爆体験を語り「核被害の脅威のない時代をつくるため一緒に頑張ろう」と呼び掛けた。

■デモ・集会 ネット通じ拡大
 16日に東京で開かれた「さようなら原発10万人集会」に呼応し、道内でも市民によるデモや集会があった。インターネットなどを通じて参加者が集まり、札幌市では主催者発表で約400人、函館市でも約100人が脱原発を訴えた。
 ……
 函館市大森町の大森浜では、原発の再稼働に反対する「傘を重ねて大きなNO! 函館アクション」が、「バイバイ大間原発はこだてウオーク」と「大間原発訴訟の会」の主催であった。
 雨の中、傘を差した参加者が並ぶと、縦10メートル、横20メートルの「NO」の傘文字が表れた。海に向かって「大飯原発、泊原発、再稼働NO」、さらに青森県で建設中の電源開発大間原発の「建設NO」と叫んだ。
 福島県に夫らを残し、3人の子と函館市に避難している小松幸子さんは「大間原発を建てさせないよう頑張ってきた皆さんだからこそお願いしたい。福島の子どもたちを疎開させたい」と訴えた。
(石橋亮介、伊藤政明)
【レイバーネット】
私は今回、福島県白河地域の人たちがバスを出すことになったので、そのバスに便乗し、7時30分に出発しました。首都高は3連休のせいかガラガラで、10時半前には会場に着きました。「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんによれば、郡山からバスは5台出たとのことで、福島からだけでも参加者は300人を超えていたと思います。 
私はデモ終了後、すぐに帰りのバスに乗らなければならないので、白河組と一緒に行動しました。福島からの参加者は、午後1時半すぐにデモに出発したので、メインステージは全く見ていません。神田香織さんの元気のいい司会の声だけが時々聞こえるという状態でした。 
デモ隊がなかなか動かず、代々木公園を出るか出ないかという頃、「参加者17万人」という声だけははっきり聞こえました。その瞬間、拍手が沸きました。大江健三郎さんや澤地久枝さんが私たちのデモ隊のすぐ前を通って退場されるときにまた大きな拍手と歓声があがりました。 
代々木公園を出ても、デモ隊はのろのろ状態でなかなか進みません。責任者からは「デモの距離は2.7kmなので1時間ほどで終わり」と聞いていましたが、そんな短時間で解散地点に着けるとはとても思えず、改めて17万人の巨大さを感じました。 
白河地域からの参加者は民主商工会や農民連関係者が多く、「子どもを守れ」「東電は賠償しろ」等のシュプレヒコールをあげながら進みました。各地で猛暑日を記録する中、東京都内でも猛烈な日差しが照りつけましたが、風も強く、体感的にはそれほど暑くは感じませんでした。 
午後3時半頃、新宿中央公園の解散地点に着きました。予定の2倍、2時間かかりました。 
帰りのバスの中で、参加者それぞれが感想を出し合いました。「17万人の1人になれて、巨大な力をもらった」(民主商工会・女性)、「原発事故前まで米と野菜を作っていた。事故後、米も野菜も産直として出荷できなくなり、夢も希望も未来もなくなって落ち込んでいたが、巨大な人たちが原発反対を訴えていることがわかって希望が見えた」(農家・男性)、「双葉町から西郷村に避難してきた。夫婦2人だけでいると落ち込むことが多いが、今日は元気が出てきた」(避難者・男性)、「今日は、何か行動を起こさなければと思ってこのバスに乗った。黙っていたら(原発推進、再稼働を)認めたことになってしまう」(民主商工会・男性)などの感想が出されました。 
福島の怒り、悲しみはずっと続いています。事故直後よりもそれは大きく、深くさえなっています。それらを表現する場をうまく作ることができれば大きなエネルギーを生み出すことができます。 
最後に、責任者の男性が「これからもずっと訴え続けていくことが必要だ。何度でも行動し続けよう」と締めくくりました。 
(黒鉄 好)
【レイバーネット】


原発に不満充満一七万  英卯蝶 
今日の「さよなら原発10万人集会の参加者は17万人(主催者発表/警察発表7万人)と聞いたのは、延々と続くデモ出発を待つ人たちがまだいる会場でだった。早速英卯蝶(はなぶさうちょう)さん、別名ジョニーHさんが作ったのが上記の句。
1ステージは、サッカーグランドを埋め尽くす人だったし、第2ステージの前は、労組など、日本各地の地名を染め抜いた団体系の幟が林立していた。市民運動系の第3、第4のステージも、たくさんの人がいたので、感覚的にはもっといたと思う。
まわりをみれば、もちろん近頃のこの手の集会ではすっかりおなじみになった赤ちゃんからお年寄りまでであふれている。今回は、車いすの方の割合が多い。この熱気は、同じ考えの人たちと想いを共有したくて駆けつけてきた、来たくて来ている人ばかりだからだろう。
デモ中のコールが止まれば、だれかがコールを始める。するとみんなもついていく。私も静かになった一時、「再稼働ハンザイ」とやった。
ネットで見た朝日ニュースや他のメディアの空撮映像に、日本も変わるかもしれない。もしかしたら、私が生まれてから初めて、民衆の力で何かを変えられるかもしれない、原発を止められるかもしれないと、興奮したのでした。
そんな中で、私たち、レイバーネット日本の川柳班の呼びかけで、川柳を持って集まったのは、なんと4人と写真撮りに忙しく作品だけ参加の1人。しかし、しかしである。その迫力は人目を惹き、カメラの放列とインタビューとで、なかなか前に進めないありさまだった。
少し、というか大いに大げさだけど、乱鬼龍さんはフランスだか、ドイツのTVのインタビューを受けたし、私も若い女性にインタビューを受けた。写真を複数回撮られたのも本当で、まんざら嘘ではない。体調不良だったなずなさんも、レイバー映画祭のチラシのはけがよかったり、現場の強いプラス思考の気に当たり、すっかり体調が快復した。
世の中を変える一つのツールとして、川柳も期待できそうだ。次回はもっと仲間を増やしたい。
それぞれの句の紹介
・大きな紙に大書した
都民らの町民一揆だ思い知れ    やせ蛙
・団扇に書かれた
停電ですむなら未来暗くない    笑い茸
・小さい紙にやさしく(2011年レイバーフェスタ壱花花賞)
忘却が何より味方推進派      なずな
・古すだれを加工した
再稼働ゼロに戻すも民ちから    白眞弓
民の声騒音と聞く君はだれ!     白眞弓
・圧巻筵旗、先には矢車ならぬ紫陽花の咲く
原発NO! みんなでつくる新時代  乱鬼龍
(笠原眞弓記)

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