2012年7月27日金曜日

7.27永田町官邸前・JR郡山駅西口広場:同時アクション報告に代えて


719日、官邸前でおこなわれた「ふくしま集団疎開裁判」アピール行動の申し入れ書を掲載します。これは、同時に開催されたJR郡山駅西口広場「原発いらないトーク集会においても読み上げられました。
2012727
野田佳彦 内閣総理大臣
細野豪士 内閣府特命原子力行政担当大臣
「ふくしま集団疎開裁判」の会
「ふくしまの子どもの集団避難の即時実現」の申し入れ
昨年6月、郡山市の小中学生たち14名は被ばくについて「安全な場所での教育の実施」を求めて福島地方裁判所郡山支部に救済を申し立てました(通称「ふくしま集団疎開裁判」)。14名の現地・郡山市では、「放射線量が落ち着いている」「除染によって、さらに線量の低下が期待できる」などという安全宣伝・安心キャンペーンとは裏腹に、今なお放射線量が1時間あたり0.8マイクロシーベルトを超えるホットスポットがあちこちにあります。法規によって部外者の立ち入りが禁止される放射線管理区域(0.6μSv/h)に該当するような場所で、学齢前の幼い子どもたちが遊んでいるのを見て、こころ痛めぬものがいるでしょうか?この国はいつから、法治国家ならぬ、放置国家に成り下がったのでしょうか?
その上、福島県では、既に多くの子どもたちに被ばくによる深刻な健康被害が発生しています。本年4月26日発表された甲状腺の「福島県民健康管理調査」で13市町村の3万8000人の子どもたちの35%に「のう胞」が発見されました。これは山下俊一氏らが放射能非汚染地域の長崎の子どもたちを検査した結果(甲状腺のう胞が見られたのは0.8%)、チェルノブイリ地域の子供たちを調査した結果(甲状腺のう胞が見られたのは0.5%)と比べて途方もない数字です。この結果を知った被曝問題に詳しいオーストラリアのヘレン・カルディコット博士はこう警告しました。
「この子供達は追跡調査をしてる場合じゃありません。のう胞や結節などの全ての異常は直ちに生体組織検査をして悪性であるかを調べるべきです。 こういった甲状腺異常が一年も経たないうちに現れるというのは早過ぎます。普通は510年かかるものです。これは、子供達が大変高線量の被曝をしたことを意味します。もしも悪性なら、甲状腺の全摘出が必要です。 子供達に甲状腺結節やのう胞があるのは、まるで普通ではありません!」
ところが、こともあろうに山下俊一氏らは、日本甲状腺学会の会員宛てに、のう胞が見つかった親子たちがセカンドオピニオンを求めに来ても応じないように求める内部文書を出し、人権蹂躙行為を行っている有り様です。この国は放置国家どころか、最悪のならず者国家に成り下がったとしか言いようがありません。
そして、こうした事態を招いた責任者は、政府・自治体・御用団体・御用学者などすべてのレベルで多方面にまたがり数多くいる筈ですが、根本的には3.11以来、チェルノブリ事故で取ったソ連政府のやり方から学んで、「情報を隠すこと」「事故を小さく見せること」「様々な基準値を上げること」の三大政策を行ってきた政府が元凶です。政府と国会の原発事故調査委員会の報告書を見ても、政府の無策や怠慢、不作為は目を覆わんばかりです。
我が国の政府は3.11以来、チェルノブリ事故のソ連政府から実に多くのものを学んで実行してきました。しかし、その中で唯一まだ実行していないことがあります。それがソ連が崩壊直前に決定した住民避難基準の採用です。これはベラルーシで5年半、子供たちの甲状腺ガン手術など医療支援をおこなった菅谷松本市長が「そもそも日本では、放射能汚染基準として世界中が採用しているチェルノブイリ基準を採用していない。これも驚くことだ。」と指摘した基準です。しかも、チェルノブイリの住民避難基準は事故後5年も経過してようやく採用されたため、もし事故直後に採用されていれば98万人もの人たちが死亡しないで済んだのです。日本政府は、今こそ、この教訓を学んで即刻、世界標準であるチェルノブイリの住民避難基準を採用し、福島の子どもの集団避難を実行すべきです。「子どもの命を救う」ことはかつての軍国主義国家日本で、また全体主義国家ソ連ですら行った国の最低限の道徳的責務です。もし現代の日本政府がそれすら出来ないようであれば、日本政府は歴史的にも、世界的にも最低の国に成り下がったことを意味します。私たちはそのような国の市民であることを心から恥ずかしく思う!
わたしたちは、満身の怒りと慙愧を込めて、以下のように要求します。
n      ふくしまの子どもたちを、ただちに被ばくの安全な場所に集団避難させよ。
その上、政府は国民大多数の世論を無視して、関西電力大飯原子力発電所の再稼働を強行しましたが、これはいまなお苦しむ原発事故被災地の人びとを切捨てる行為、彼らの怒り、悲しみ、願いを踏みにじる行為です。
そしていままた、新たに設置される原子力規制委員会の委員長に田中俊一氏を内定しましたが、田中氏が副理事長を務める「NPO放射線安全フォーラム」のウエブサイトを一瞥するだけでも、田中氏がいわゆる原発ムラの顔役であることは一目瞭然です。また、5人の委員候補者についても、彼等の経歴を精査すれば、殆どが原発ムラの関係者であることが明らかです。
わたしたちは、満身の怒りを込めて、さらに、以下のように要求します。
n      関西電力大飯原発の運転を差し止め、国内すべての原発の廃炉に向けた道筋を明確に示すこと
n      原子力規制委員会における田中俊一氏の委員長と5人の委員全員の内定人事を取り消すこと
以 上

郡山駅西口広場で高だかと歌いあげられた“We Shall Overcome 2012歌詞カード
中川五郎新聞・みちのく版
We Shall Overcome」をもっと歌いやすくすること、もっと歌詞を推敲することも含め、原発をなくすための抗議行動の中でみんなで一緒に歌える新しい歌の必要性を痛感しました。中川石郎(談)
We Shall Overcome 2012
大きな壁が崩れる
大きな壁も ぶつかり 崩す
あなたとわたし みんなの力で
おお あきらめず 立ぢ向かおう
大きな壁が崩れる
手を取り合って 声かけ合って
あなたとわたし みんなの力で
おお 未来見つめて 立ち向かおう
大きな壁が崩れる
恐れはしない 恐れはしない
あなたとわたし みんなの力で
おお あきらめず 立ち向かおう
大きな壁が崩れる
必要なものは 大切なものは
もう一度 考えてみよう
おお 便利な暮らしか みどりの自然か
100
年後に生きる子どもたち
作・中川五郎
中川五郎 facebook http://www.facebook.com/NakagawaGoro


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