2012年7月10日火曜日

毎日新聞・みんなの広場「(大飯原発再稼動反対)決議案否決の福島市議会に問う」


毎日新聞「みんなの広場」 2012.07.10
震災被災地から 
決議案否決の福島市議会に問う
翻訳業 井上 利男67(福島県郡山市)
本紙福島版によれば622日、福島市議会は「大飯原発34号機再稼動に反対する」決議案を賛成17、反対19で否決したそうだ。
社民、共産両党議員団が提出した決議案の「福島第1原発事故の原因究明や国会・政府事故調の最終報告が無い中、暫定的な安全基準が拙速に決められた」「市民は未曾有の被害に今も苦しんでいるのに、安全確認を後回しにした」などの趣旨は、同じ福島県民としてよくわかる。
福島県民のだれもが、多かれ少なかれ事故の影響を受け、その苦しみはいつ尽きるのかさえもしれないと感じているからである。原発再稼動は、事故被害者の心の傷に塩を塗る行為だと思う福島県民も多いはずだ。


19人の市議たちが決議案に反対票を投じて原発再稼動を容認したのはどのような理由によるのか、その本音をじっくり聞きたいものだ

1 件のコメント:

  1. 法律をなりわいにやっている者です。
    裁判を仕事にしている者からみて、昔から、ずっと議会(立法機関)にいかがわしさを感じてきました。
    それは、議会が決議したことについて、その根拠・理由を明らかにしないということです。
    裁判ではそんないい加減な態度は通用しません。自分の主張については、なぜそう主張するのか、その根拠。理由を明らかにしなくてはなりません。裁判官も自分が下す判決について結論だけではダメで、必ず理由を示さなければなりません。
    それは、代表民主制のもとで、彼らは、市民から権力を行使することを委託された以上、権力の行使にあたってそれが正当なものであることを市民に証明する責任があるからです。

    本来、権力を持つ立法機関もそのように振舞うべきです。それは権力者たるものの最低限の責任です。

    その意味で、今回、福島市議会の大飯原発再稼動反対」決議案否決について、否決票を投じた19人の市議の人たちは、「なぜ否決したのか、その理由を明らかにして欲しい」と市民が求めたら、それに答える説明責任があります。

    しかし、そんな責任、どこにも法律に書いてないと反論するかもしれない。しかし、法律は常に時代に遅れるという宿命にある。
    議員が自己の行動の理由・根拠も明らかにできないで、好き勝手に決議だけすればよいという時代はもう終わっている。そんなことが未だに通用すると思っているとしたら、時代錯誤も甚だしい。代表民主主義は進化するものだし、進化が止まったときには廃棄処分になるしかない。

    否決票を投じた19人の市議の人たちは、廃棄されたくなかったら、己の行動の理由を市民の前に明らかにすべきである。

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