2012年7月14日土曜日

福島に伸びるエートスの手~「人間性」「住民主体」を装って


エートスということばをご存知でしょうか?
ちなみに、ネットで検索してみると…

エートス - Wikipedia
エートス (古希: θος, θος; ethos, : θη θεα; ethe, ethea) は、「いつもの場所」 (θεα ππων) を意味し、転じて習慣・特性などを意味する古代ギリシア語である。他に、「出発点・出現」または「特徴」を意味する。
エートス は - コトバンク
世界大百科事典 第2版の解説
冷静
さと情熱理性情念合理非合理,といった異質要素の何らかの結合によって生み出された行為への一定の傾向性。エートスを,人間社会相互規定性をとらえる戦略概念として最初に用いたのはアリストテレスであり,社会認識基軸として再びとらえたのがM.ウェーバーである。ウェーバーによれば,この行為性向は次の三つ性質をあわせもつ。(1)ギリシア語の〈習慣(エトス)〉に名称由来していることからうかがえるように,エートスは,それにふさわしい行為を実践するなかで体得される〈習慣によって形作られた〉行為性向である。・・・
デジタル大辞泉の解説
 アリストテレス倫理学で、人間が行為の反復によって獲得する持続的な性格習性。⇔パトス
 一般に、ある社会集団民族を支配する倫理的な心的態度
そして、次の項目がつづきます…
ETHOS IN FUKUSHIMA
原子力災害後の福島で暮らすということ。それでも、ここでの暮らしは素晴らしく、よりよい未来を手渡す事ができるということ。それを、少しずつ、かたちにしていく事を目指しています。 9月にいわき市で放射線勉強会を開催、そこから、日本版エートス目指して、模索中。
twitter: @ando_ryoko
 
201279日月曜日
NHK: ICRPダイアログセミナーとエートスの報道
昨日、7月8日の18:45と20:55の2回、NHKの地元ニュースとして、ICRP第三回ダイアログセミナーと、福島のエートスが放送されました。
記事:「ICRPと住民が食の安全議論」
http://www3.nhk.or.jp/fukushima/lnews/6053333241.html
(削除済み)
 
動画も載っています。このニュースは短い枠の中で要点を抑えて(ママ)上手に作っています。
ICRP主委員会委員、ジャック=ロシャールさん。
ジャック・ロシャール氏は、ICRP国際放射線防護委員会)主委員会委員という大物ながら、人物や経歴とかをコンパクトにまとめた記事は見当たらないようです。そこで、あれこれ検索しなければなりませんが、まずは、エートスを探ってみましょう…
ETHOSはベラルーシで行われた復興プログラムの名前です。 EC各国の専門家チームがベラルーシ政府とベラルーシの民間の計測研究所のベラルドと協力して行いました。住民が主体となって、検査体制と医療体制といった行政のバックアップを背景に積極的に汚染地内での経済活動を復興させていく試みです。住民が実計測によって不安を解消し、工夫をしながら生きていくプロセスを作り出すのを目標としています。そもそもの語源は、おそらくギリシャ語のETHOS。「エトス(信頼)とパトス(感情)ロゴス(論理)」アリストテレスの説得のための3つの要件のうちの一つです。何よりも信頼が大事という意味でつけられたのではないでしょうか。
母体はいわき市の安東さんが継続して開催している放射線勉強会の活動です。 11月後半に訪日されたICRPのロシャール氏のフリップ(ベラルーシのETHOSについて触れていました)を翻訳配布しようということから、ツイッター上で数人のメンバーが集まり始めました。地元での勉強会と並行して、翻訳活動も続いています。


team329
ジャック=ロシャールさんについて。ICRP=International Commission on Radiological Protection(国際放射線防護委員会)のメンバー。20年近くICRPにかかわるフランス人。 http://t.co/XqXPMJRR
ICRP について。International Commission on Radiological Protection(国際放射線防護委員会) 本部組織無し。世界各国で放射線関連の研究や業務に携わる約250人の専門家のネットワーク #エートス雑
エートス活動って何? これを読んで頂くのが一番早いかもですエートス活動の抜粋 @Eikoyamashita さんの訳 http://t.co/DKz775rN #エートス雑
次に、ジャック・ロシャール氏について、彼を崇拝してやまない、いわき市の安東量子さんのツイートから…
togetter
あんどーさんがジャック・ロシャールさんから聞いた
エートス(本場?)でのエピソード

あんどーさんがジャック・ロシャールさんから直接聞いたエートス(本場?)でのエピソードをツイートされていたのでまとめました。
まだあれば今後も追加する予定。
ICRP
伊達市ダイアログセミナー1日目(2012/2/25)
 http://togetter.com/li/263347
ICRP
伊達市ダイアログセミナー2日目(2012/2/26) http://togetter.com/li/263857
水野先生による「ICRPダイアログセミナー第2回(福島県伊達市)の結論文書」読み解き+α
http://togetter.com/li/274430



ando_ryoko 
エートスの理念は、現状を否定しない、という人間肯定からはじまる。いかに、非科学的な態度であったとしても、それにはそれなりの理由がある、と、まず肯定する。その理由はなんなのか、それをどうなるのが望ましいのか、そのためにはどうするのがいいか。自分達で考えて進めていく。
今日、国内ICRP委員のおひとりと雑談で話していたとき、ロシャールさんは、ICRPの心なんだって、言ってらした。ICRP勧告と言うと、皆、基準の計算の仕方とか、そう言う事ばかり見るけど、そこだけが大切なんじゃない。心の所も大切なんた、そこを引っ張っているのがロシャールさん、と。
ベラルーシで、今、課題になっているのは、汚染地域と非汚染地域の関係性のような雰囲気だった。国内でもそうだし、国外との関係性でもそう。ベラルーシ=汚染地域とのイメージ払拭が、課題なんだと思う。だから、ソーシャルメディアの活用は、興味をひいたのだとも思う。
ロシャールさんに、ベラルーシの写真を沢山見せてもらった。30kmの境界のすぐ側で、楽しそうに暮らしている人がいる。川で遊ぶ子供がいる。森でピクニックする人がいる。きっと、もし、あなたが故郷を愛して、そこで暮らし続けたいと思うなら、あきらめるな、と、写真の笑顔は言っていた気がする。
悲しい話も聞いた。そういう計測に関わっているひとりのおばさん、仕事はきちんとしているのに、どこか距離を置いた雰囲気で、なぜ、そんな雰囲気なのに、計測に関わったりするのだろう、とロシャールさんは、内心不思議に思っていたそう。
ある時、森でみんなでピクニックしていた時のこと。彼女の旦那さんが一緒に来ていた。お仕事は何?と尋ねると、バスの運転手、と。事故の時は?と聞いたら、その時も運転手をしていて、強制避難区域から住民や家畜を避難させるために、何度も避難区域と行ったり来たりしていたそう。
息子さんがいて、息子さんも運転手だったそう。やはり同じように、事故の時に避難させるために何度も強制避難区域と出たり入ったりしていた。今、息子さんは?と尋ねると、亡くなった、と。事故から10年後。原因は心臓病。母親である彼女は、それを放射能のせいだと思っていた。
ロシャールさんは、Maybe not. それは違うと思うよ、と言った。彼女は、Only God knows.とだけ答えた。今でも、息子さんのしたことは、誇りに思っているけれど。その時、ロシャールさんは、彼女がなぜ距離を置いたような態度で計測に関わるのか、理解した、と言っていた。
心臓病で息子さんを亡くした原因が放射能と思っている母親に向かって、さりげない一言May be not…ロシャール氏を崇拝する人には、これが「人間味」あふれることばと思えるのでしょうか?
では、つづいてロシャール嫌悪派のツイートに耳を傾けてみましょう…



morecleanenergy
ICRP
のジャック・ロシャールは、最初は経済学を学んでいるのか。http://t.co/40dwh2WI
ジャック・ロシャールはICRP委員の経済学者。ベラルーシでの放射線防護活動(エートス、CORE)を指導。「あなたたちの生活は美しい」と詩的アプローチで住民が被爆地に住むことを推奨する。原発こそ農村での生活と相容れないものであることを全く無視した言動にはイライラする。
@flurry ジャック・ロシャールは2009年時点でCEPN(放射線影響研究所)所長のようですhttps://t.co/oh9PJpKE フランス原子力村(放射線防護担当)の中核ではないかと。



flurry
ジャック・ロシャール氏のCurriculum Vitae(経歴書)を後ろのほうまで読んだら「核燃料サイクルの健康や環境に対するリスクアセスメント手法を」などと書かれており。想像以上にフランス原子力村のひとのようであった。


ICRP 4 専門委員会ポルト会議報告 甲斐倫明https://t.co/b7TY7VXG C4Committee 4,第4 専門委員会)の座長もAnnie SUGIEからJacques LOCHARD(ジャック・ロシャール) に代わった」
放射線防護の専門知を活かし、福島の生活再建に「連帯」を 2回伊達市ICRPダイアログセミナーの経緯と結論・勧告の方向性 http://t.co/GEePeNkcICRP-111の文面は硬質で、抽象化された一般化理論の体裁をとっている。しかし中身は極めて人間的なものである」
ETHOS IN FUKUSHIMA  2012229日水曜日 チェルノブイリ事故によって汚染された地域における利害関係者の関与による生活環境の回復 :ベラルーシのエートス計画(ジャック・ロシャール) http://t.co/aXHGt3Wu
住民対話重視で除染を 福島民報 http://t.co/eZKRql4G :ICRPのジャック・ロシャール「勧告は参考で、基準値ではない。20ミリシーベルトまでの幅の上を取っても健康への影響はまずない」。おいおい、ICRPは自らの勧告を否定するつもりなのか?
【ジャック・ロシャールについて】その原発の本質を無視して、ジャック・ロシャールがベラルーシや伊達市で「あなた方の生活は美しい」と述べて住民に対し被曝に耐えることを暗に勧めるというのは、どうしても許せない。そういう生活を美しいとするのなら、原発なんぞ最初から作らなければいいのだ。
SYNODOS JOURNAL : 【ふくしまの話を聞こう】チェルノブイリが生んだ「エートス」との出会い 安東量子 http://t.co/O1RVVzKL ロシャールお得意の写真もあります。
この手前の30キロの手前のところまではずっとこんな感じで、ヤギを飼って普通の暮らしを送っているんですよね。これはあとでご本人にうかがったことですが、ロシャールさんは写真を撮るのが大好きらしくて、若い頃からいろいろ撮影しておられるそうなんですが、「自分が撮った写真のなかでは、このベラルーシで撮ったものがいちばんで、これ以上の写真は撮れていない」というふうに言われていました。
これは子供たちが川で遊んでいるところですね。チェルノブイリの原発は湖のそばに建っているんですが、この写真で子供が遊んでいる川はあの湖とつながっているはずなんです。
では、最後に福島民報記事を抜粋してみましょう…

住民対話重視で除染を ICRP、現地意見交換会で提言
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/11/post_2606.html

東京電力福島第一原発事故の影響を受けた国際放射線防護委員会(ICRP)の現地意見交換会の最終日は27日、福島市の県庁で開かれ、政府と県への提言をまとめた。提言では、「汚染地域の除染や復興には住民との対話が重要」とし、専門家と行政、住民が一体となったプロジェクトを発足させるよう求めた。被ばく線量の限度については地域の実情や住民の意見を踏まえて基準を考慮するよう訴えた。…
ICRPは勧告で、復興段階の目安とすべき線量の幅を年間1~20ミリシーベルトと設定している。ICRPのジャック・ロシャール氏は政府が除染目標で掲げる年間1ミリシーベルトに触れ、「勧告は参考で、基準値ではない。20ミリシーベルトまでの幅の上を取っても健康への影響はまずない。住民の意見を踏まえ、長期間で段階的に下げるべき」と述べた。
丹羽京都大名誉教授も「線量は地域によって違い、1ミリシーベルトにこだわるといつまでも古里に帰れなくなる」と説明。「地域ごとに、きめ細かに変える必要がある」との考えを示した。…
ジャック・ロシャール氏は27日、ICRPの中枢を成す主委員会を来年10月に本県で開催すると発表した。地方での開催は日本初。
2011/11/28 12:06
さて、本稿は、とりあえずこれで閉じますが、エートスとジャック・ロシャール氏について、あなたのご感想はいかがでしょうか?
わたし?…いうまでもなく、嫌悪派にくみします。この件について、折にふれ考えたいと思います。よって、この項は、つづく…


【関連記事】
【資料】ジャック・ロシャール略歴

【論考資料】エートス・プロジェクトについて
<エートス・プロジェクト>の実態/フェルネックスの証言

2 件のコメント:

  1. 悪魔はやさしい声音と慈悲深い仮面をつけて、立ち表れるのです。くれぐれも騙されてはいけない。

    返信削除
    返信
    1. あるいは、「善意」と書かれたタイルを敷きつめて、地獄への道を造るのです。

      削除