2013年9月24日火曜日

【海外論調】アブダビ発:オリンピック浮かれ騒ぎに暗い影を落とすフクシマ

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日本の2020年オリンピック浮かれ騒ぎに暗い影を落とすフクシマ
Dark shadow of Fukushima over Japan’s 2020 Olympic revelry

ダニエル・ディメトリオ Danielle Demetriou
2013
922 Updated: Sep 22, 2013 15:40:00


【東京】歓喜の祝祭、積極的な経済見通し、光輝く新スタジアム計画のさなか、東京2020年オリンピック招致成功に影をさす暗い存在、フクシマがある。
北東太平洋沿岸に位置する原子力発電所は、2011年の地震と津波によって深刻な破壊をこうむり、最近の日本に最も壮大な課題を突きつけている。
東京が2020年オリンピックの準備にかけなければならない7年間に比べて、フクシマの未来に伸びる時間はかなり長い――骨身を削るような廃炉プロセスが何十年もつづくと予測されているのだ。
すでにフクシマはオリンピックに絡んで悶着(もんちゃく)を引き起こしていた。フクシマは招致活動の結果が出る前の決定的な最終の数週間、急ごしらえの貯蔵タンクや現場放射能ホットスポットのあちこちから汚染水漏れという文字列を伴って、繰り返しヘッドラインを賑わしていた。
それでも東京がなんとか招致を勝ち取ったのはおそらく、安倍晋三首相が、原発の状況は統御されていると主張し、240キロメートル南に位置する東京は安全であると強調した、11時の熱のこもったスピーチのおかげだったのだろう。
安倍首相は同時に政府による介入を強化し、汚染水の原発からの浸出を止めるために地下30メートルの深さに達する巨大な凍土壁を築くという劇的な計画を明らかにした。
だが、成功裏に終わった招致プロセスの歓喜のほとぼりが冷めて、あのスピーチの効果がすでに向きを変え、安倍首相を苦しめているのかもしれない。
批判者たちが、原発はほんとうに「統御」されているのか、とますます異議を唱えるにつれ、首相は先週、みずから述べたことを擁護するために、本人が原発を訪問せざるをえないと感じた。
フクシマ訪問を終えた安倍首相は、これから7年間の新規安全回復ロードマップの概略を述べ、新たに1兆円(アラブ首長国連邦通貨370億ディルハム)を原発事業者に拠出すると保証するとともに、国際オリンピック委員会に安全な夏季大会を保証する責務をまっとうすると語った。
「今回の訪問の主要な目的のひとつは、いかに汚染水が制御されているかに関してわたしが見解を述べたあと、自分でそれを見ることでした」と首相は語った。「わたしはブエノスアイレスで申しあげたとおり、汚染水漏れは原発そばの港湾内0.3平方キロメートルの区画内にブロックされていると確信してります」
「そのことに照らして、福島原発の安全性に疑いを入れる流言に対抗して一所懸命に頑張ります」
しかし、国民は警戒したままであるらしい。強固な反核感情が残り、オリンピックへのカウントダウンがつづくあいだ、原発は政治的に最も微妙な問題のひとつのままであるようだ。
2011年の災害の結果、燃料棒がメルトダウンし、周辺環境に放射能汚染を撒き散らしたあと、何万もの人びとが日本中の仮設住宅暮らしをつづけている。
係累、住宅、仕事を失ったことに関し、何千人もの元住民が政府や原発事業者を訴えている、何年もつづくと見込まれるおびただしい数の複雑な訴訟事件もまた続行中である。
いまだに打撃を受けたままの原発を顧みずにオリンピックを開催することについて、健康への影響を懸念する声を上げた人たちのひとりに、オーストラリアの反核キャンペーン運動家、ヘレン・カルディコット氏がいる。
「健康な若い肉体を、放射能を帯びた空気、水、そしておそらくは食品にさらすのは、極めて危険なことです」と彼女はいう。「オリンピック大会は、医学的見地から見て、間違いなく中止されるべきです」
「マグニチュード7以上の新たな地震があれば、非常に深刻な事態になりうるでしょう。ひとつ、または複数の建屋が崩壊し、膨大な量の放射能を大気中と海中に放出して、すでに著しく汚染されている東京を、ほぼ確実に汚染するでしょう」






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