2013年11月18日月曜日

#AFP「気候変動防止目標に関する国連会議、守勢の日本に集中砲火」

フランス通信社 20131115
気候変動防止目標に関する国連会議
守勢の日本に集中砲火
  


日本が温室効果ガス排出量の目標を大幅に後退させたことから、国連、ヨーロッパ、世界の小島嶼とうしょ諸国は失望で応え、環境団体は憤激の声を浴びせた。
この動きに、国連気候変動枠組み条約のクリスティアーナ・フィゲレス事務局長は「遺憾」の意を表明し、他のワルシャワ世界会議参加者らは、すでに紛糾している交渉に対する新たな一撃であると攻撃した。
だが、日本は立場を堅持し、この方針の変更は2011年の福島事故のために余儀なくされたものであると発言した。
日本は、以前の目標である1990年レベルからの25パーセント削減に替えて、2020年までに2005年レベルから3.8パーセント削減することを目指すと表明した。
矢面に立たされた特使、南博(外務省国際協力局参事官)は、11日間の日程で開かれた毎年恒例の炭素排出量制限に関する会合に集まったジャーナリストらに、「わたしは、わが国がいまでも気候変動に関して野心的であることをみなさんに保証いたしたいと思います。わが国の総理大臣は気候変動の課題に対して全力を投じております」と語った。
これまでのもっと野心的な目標は、日本のエネルギー供給に占める原子力発電所のシェアが拡大をつづけるという想定を前提にしていたが――現時点で稼働する原発が皆無であり――この見通しは成り立たないことになった。
「日本は高度に先進的な国です……日本はエネルギー効率の向上と太陽エネルギー投資の両面で印象的な前進を達成しましたし、わたしたちの感覚では、日本はこの前進を継続できるし、そうするでしょうから、ほどなく現在の目標はやはり保守的であると見なすことになるでしょう」と、フィゲレス事務局長は別個におこなった背景説明で語った。
欧州連合が日本に同国の行動の結果を考慮するように迫るとともに、小島嶼国連合(AOSIS)は、この動きは地球規模の努力にとって「巨大な一歩後退」であるといった。
欧州委員会はプレス声明において、EU諸国が、2011年に地震と津波のあと、原子力部門の閉鎖に追い込まれた日本の難局を「理解する」が、それでも約束を守るべきであると表明した。
「欧州連合とその参加28か国は日本に対し、国際的な(気候変動)緩和行動における日本の貢献において、新たな目標の意味するものを考慮するように求める」
海面上昇に対して無防備である貧しい島々の諸国の集まり、AOSISは、2009年のコペンハーゲン国連気候サミットにおける約束を裏切ったとして、日本を糾弾した。
AOSISは、同国の発表が巨大な一歩後退を表明するものであり……われわれの諸国民を大いなるリスクを負わせるものであると深甚に憂慮するものである」と同連合は表明した。
連合諸国は、スーパー台風ヘイアン(海燕)がフィリピンに痛撃を与えたが、これは「気候変動に関連した一連の極端な気象災害の最新版」にすぎず、地球温暖化のもとで、このような災害が増えるはずであると指摘した。
国連加盟諸国は、地球表面の平均気温の上昇を産業革命以前のレベルから最大2.0℃に抑えることになる温室効果ガス協定を2015年までに締結したいと奮闘している。
日本の環境省によれば、新たな日本の目標では、1990年の排出レベルに3パーセント以上を積み増しすることになるという。
「われわれは世界第3位の経済大国にもっと多くのものを期待していました。だが、それどころか、底辺へ向けてまっしぐらです」と、気候行動国際ネットワークのウォル・メイデン代表は不満を表明した。
「転換点」が気候会議で恐れられている。
監視団体、クライメート・アナリティックス(Climate Analytics:気候分析)によれば、日本の新たな目標は、「排出ギャップ」――国際炭素公約と2℃目標達成に必要な排出削減の差――を3ないし4パーセント拡大するという。
「この日本の逆戻りは、気候政策を自国の排出量の削減から増大に転じさせるもので、世界的に見て、士気が下降スパイラルに向かうことになる転換点になりかねない」と、政策分析担当のマリオン・フューヴェグは語った。
日本は、炭素公約の規模を縮小させる先進国の最新例である。
カナダが、長年にわたり炭素排出限度を超過したあげく、2011年の京都議定書に背を向けたし、オーストラリアの保守党新政権は今週、大規模排出事業者に課していた炭素税の撤廃に向かっている。
日本は国際エネルギー機関によれば、中国、アメリカ、インド、ロシアにつづく世界第4位の二酸化炭素、すなわち主要な温室効果ガスの排出大国である。
気候交渉は、アマゾン一帯の森林破壊が昨年に比べ28パーセント拡大したとブラジルが発表した一夜をもって、さらなる一撃をこうむった。
Copyright AFP, 2013.



Al Kinley/Oxfam/AFP
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/The Maldives Presidency/AFP/File
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Str/AFP/File

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