2014年6月10日火曜日

【海外論調】リチャード・ウィルコックス「安全な線量はない~日本の低線量放射線危機」

当ブログでは、リチャード・ウィルコックス博士のルポルタージュ「日本の放射性ポチョムキン村~政府の裏表あるデータ」を64日付けで掲載しましたが、今回は同博士による低レベル放射能被曝の危険性に関する論考をお届けします。
原文の初出は20127月であり、少し古いといえば古いですが、リスクの全体像を理解するうえで、まったく色褪せていないようです。被曝による健康リスクは、数十年、数百年のタイム・スケールでわたしたちと子々孫々が付き合わなくてはならないはずの課題ですので、古びないのも当然ですね。


安全な線量はない~日本の低線量放射線危機
No Safe Dose - Japan's Low-Dose Radiation Disaster
リチャード・ウィルコックス Richard Wilcox
Rense.com
独占記事 201279
「グローバル化は、金持ちが計り知れないほど、悪辣なまでに、さらに富みを増やしさえすれば、貧乏人も少しはましになるという約束を前提にしている。地球の破滅が人類の望みとするなら、これほど効率的な定式は想像できない」――ジェレミー・シーブルック1
「核科学者らと技術者らは核の力を宗教のように抱きしめている。『核の司祭』という用語は、オークリッジ国立研究所の所長を長く務めていたアルビン・ワインバーグがつくった新造語である…オークリッジや他の米国立核研究所の科学者たちがみずからを『ニューキーズ(核族)』と呼ぶのは、珍しいことでない。オークリッジのウェブサイトは、ワインバーグを『核エネルギー』の『預言者』と称している」――カール・グロスマン2
わたしたちは、フクシマ核惨事後の空気、食品、水の安全に関して、日本政府や国際核機関、企業に操られたメディアを信頼すべきだろうか? 多くの人たちは正当にも疑っているが、一日の終りには、飲み食いしなければならず、息だってしなければならない。多くの人たちにとって、少しばかりの放射能に怒ることはないと見せかけるほうが楽である。
結局、ただ1回のCTスキャン(コンピュータ体軸断層撮影)を受けることによって、6ないし10――正常な背景放射線の数年分――という、途方もないミリシーベルトを浴びることになる3, 4。このような説明を、患者の健康を気づかうとされる医者たちが眉ひとつ動かさずにするのである――医者はあるとき、「安全です」と筆者にいった。先進諸国では、人びとに浴びせかける放射能の大部分が医療技術の寄与分であり、これは吟味に値する問題である5。正当にも「喫煙しないように」と患者に忠告する医師たちが、どれほど煙草が実質的な放射線源であるのか、たぶん知らないのは皮肉なことである。
だからといって、核汚染が疑わしい話題であるということにはならない。核の専門家、アーニ―・ガンダーセン氏によれば、フクシマ核惨事は、現実に起こった原子炉3基のメルトダウンにとどまらず、もっと多くのメルトダウンが起こっていたとしてもおかしくなかったという。予備電源を喪失した原子炉が14基あり、その大多数がギリギリの瀬戸際で電源を回復しなかったならば、「人類全滅の危機」になりえたという6。ガンダーセン氏はまた、日本で30年以内に「100万人」の人びとが福島第一原子力発電所事故関連の死を迎えると信じている7。筆者は以前に、惨事のためにどれほどの人命が失われ、あるいは寿命を縮められるかを計算した8
真実は浮上する
「何人かの地震学者、技術者、政治家が、昨年のマグニチュード9の地震が福島第一原子力発電所の破壊に一役買っており、大規模な放射能放出に寄与していたと信じていると発言している……政府機関、日本原子力研究開発機構の元上級研究主席、田辺文也氏は……2号炉のサプレッション・チェムバーと呼ばれる冷却設備が地震によって重大な損傷を受けたようだと結論した」9
これは、津波の襲来よりずっと前に設備が崩壊するのを、多くの目撃者たちが眼前に見た1号炉に加わるものである10。ガンダーセン氏は最近、4号炉が地震のために「歪んだ」と述べており、このことが原発と地震の基準に疑問を投げかけている11。日本政府は「福島の原子力発電所における事故は、地震とその後の津波によって引き起こされただけでなく、部分的には人的要因も原因になった」こと、それに「政府、規制当局、東京電力は国民の生命と社会を守るという責任感を示すことに失敗した」12ことをついに認めた。事故による放射能――チェルノブイリのそれにほぼ匹敵する量13――の78パーセントが、陸の方向ではなく、海上に吹き流されて14、日本は運がよかった。どこまで多くの放射線をわたしたちに一気に浴びせれば、核産業の気が済むのだろう? 核の申し子たちは、事故で一人も死んでおらず、放射線量は微々たるものと言いはる。なにが真実なのだろう?
論拠が端からデタラメである核推進派に辛辣な懐疑の狙いを定め、彼らの言い分のいくつかについて、論理の一貫性を検証してみよう。他の形態のエネルギー生産が必ずしも穏当とはいえない――たとえば、木炭生産は降雨林存続に打撃をあたえかねない――にしても、核エネルギーは世界の一次エネルギー生産量のたかだか2.5パーセントをまかなっているにすぎない15
核のウソ~あなたはトマトといい、わたしはシーベルトという
まず第一歩として、ウィキペディアは放射線用語の知識獲得に役立つ16。イアン・グダードによる教育ビデオ17, 18は、放射線の危険性について、いかにメディアが国際的にウソをついているかを見せてくれる。BBCが伝える半生の真実からCBSニュースまで、視聴者に伝えるさいのズル賢い姿勢は、次のフレーズによく表されている――
「住民たちは上京して、政府による安全限度の緩和に抗議しました。もっとも、低線量放射線による長期的影響に関する事実は、わかっていません」
ハァ~? あの日本の人たちは、放射線が無害であることを知らないなら、なぜ時間を無駄にして、馬鹿げた抗議行動に参加したのだろう? だが、ゴダードが示してくれるように、低線量放射線のリスクは確定した科学的事実として、よく理解されている。CBSが「低線量放射線による長期的影響に関する事実は、わかっていません」とはっきりいうのは、「地球が丸いか、平らか、四角形か、あるいは逆立ちしているか、わかっていません」というのに等しい。ゴダートの警告は、フクシマ核事故後の大気中に放射性粒子を見つけた科学研究者、マルコ・カルトーフェンによって確認された。カルトーフェンによれば、それらの粒子は、生体の肺に沈着し、人間の生理機能に影響をもたらすのにビッタリのサイズだった19
似而非(えせ)科学~スルーマイル・アイランドの事例
スティーヴン・ウィング博士は、1979年のスルーマイル・アイランド(TMI)核惨事の影響による疾患に関して、公式統計データが最悪とはまったくいえないシナリオをでっちあげるために歪曲された経緯を示してくれている20。ウィングはこう報告する――
TMI原発の周辺における癌罹患率に関するわれわれの再分析は、事故に由来する放射能が放射性プルーム通過経路にあたる地域における癌罹患率の上昇を誘発したとする仮説と一致している。線量が業界や政府当局による推計値よりもはるかに高くなければ、これは短期間のうちに一般住民におこると予測できないことである。正しくいえば、皮膚の紅斑、脱毛、嘔吐、愛玩動物の死に見舞われたと報告された地域の一般住民は、情緒的なストレスを苦にしていたというより、高レベル放射能に被曝したという申し立てを、この知見は支持するものである」21
核保健物理療法士、ランドール・トムソンは、TMIの放射能放出量の値が「政府や業界による認定値より、数千倍とまではいかなくても、数百倍は高かった」22ことを見つけたが、その一方、アーニー・ガンダーセンはTMIからの放射性物質放出量を関係当局による認定よりも「1000倍は大きい」と計算した23TMIは米国最大の産業事故であり24、反核活動家、ハーヴィ・ワッセマンは、30年後のいま「約2400名の地域住民が、家族を見舞った死や疾病の苦痛に対する損害賠償を求めて集団代表訴訟をずっと前に提起している」と報告した25
低レベルだが、低リスクではない
わたしが『原子力科学者会報』低レベル放射能特集号(前出)を読んだ感想の結論は、わたしたちの健康に対する新規な二大脅威が核産業および医療技術産業であるというものだった。両業界ともに、わたしたちの寿命を縮めるが、彼らの利益になる実験をやってのけている。低レベル放射線の専門家、ジャン・バイアは「疫学データが、0.1シーベルト(100ミリシーベルト)を上回る場合の遅発性癌罹患症例の過剰リスクが、平均的アメリカ国民にとって、自然背景放射線による不可避の被曝の40年分によるそれに相当することを明らかにしていることは、ほぼ万人に支持されている」と書いている26。ヒルは、低レベル放射能の有害な影響には、次のものが含まれると記す――
「バイスタンダー効果とは、電離放射線が一細胞を照射し、それが信号を発すると、細胞から細胞への通信伝達によって…照射されていない細胞にまで効果がおよぶことであり…」、そして「遺伝子が不安定になり、最初のDNA損傷が細胞またはその複製メカニズムを改変し、それ故、生き残った細胞がその後の分裂するさいに追加的な遺伝子改変の頻度が増える」27
もうひとり別の研究者が記すように、「低線量放射線は長期にわたると人を病気にさせ、殺す」。たとえ科学が「しっかり確立していても…この(安全な放射線量はないとする)仮説をめぐる合意は、人が科学の領域から政治の世界に移ると雲散霧消する」28。このようにして、政治的打算と科学の尊厳との戦いがはじまる。
ズタズタにされるデータ
フォックスTVの通俗ジャーナリスト、アン・コールティアは、ファンから愛情たっぷりに「老いぼれ馬面」と呼ばれることが多いが、低レベルの放射線は健康によく、これが「放射線ホルメシス」理論に関連していることを「科学者たち」と「ニューヨーク・タイムズ」が明らかにしました、と弁舌の腐臭をぷんぷんと匂わせて視聴者にお知らせしてくれる29
だが、バイアが、ホルメシス理論について「いまでも進取果敢なジャーナリストご愛顧の話題ではあっても、放射線ホルメシス理論はもはや研究者の関心をあまり集めていない」と記すように、この仮説は実のある結果を出していない。核推進派がもっと大きな関心を寄せている新しい理論があって、それによれば「適応反応とは…低線量の放射線が細胞に後の高線量の放射線を浴びるときの体制を高めさせるというもの…その概念は、非常に低い線量が予防接種のように体に放射線で傷んだ細胞を認識して、修復するなり、除去するなりするように教えるというものである。したがって、その後の長期にわたる線量の危険性が減じることになる」。しかしながら、この被曝に期待される利点は、いずれにしても「非常に低い線量」で生じるはずであり、それも制御された実験によってであり、さまざまな要因が奔放に変動する現実世界でのことではないだろう(前掲書)。
民衆のための科学~欧州放射線リスク委員会(ECRR
日本の医師たちは放射線のリスクを真剣に受け止めており、たとえば東京都下のクリニック院長、布施純郎医師はECRRの「内部被曝によるリスクは外部被曝によるリスクより200600倍大きい」という説を唱導している30
ECRR31(最も高名なメンバーはクリス・バズビー博士)は、核テクノクラシー(技術官僚主義)の偏向ぶりに対抗するために集まった自然志向の市民社会グループであると自己規定している。ECRRは「人為的に改変された核種や新規な形で流通する自然由来の核種の分を合算した、公衆の最大許容年間被曝線量限度は、ECRRモデルを用いて計算される0.1ミリシーベルト以下に維持されるべきである」(p. 181)と勧告する。この数値は、主流メディアの情報源によれば、安全であると通常考えられている数値よりも大幅に低い。言い換えれば、目標を命の保全に置くなら、正常な背景線量をいささかでも超える放射線は許容できないということである。
ECRRはその放射線リスク・モデルを従来のモデルと対比して、次のように説明する――「入手可能な科学的証拠を考慮に入れて、問題を調査し、最終的に報告する。とりわけ委員会の付託事項に関して、先行する科学についてなにごとも前提とせず、国際放射線防護委員会(ICRP)、放射能の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、欧州委員会やEU加盟諸国のリスク評価機関など、従来からのリスク評価委員会からの独立を維持する」(p. 1)。
ECRRの使命は、破綻した公衆健康防護システムへの緊急対応である――
ECRRの初回会合においても、STOA(欧州議会/科学技術選択肢評価委員会)会合においても、当時、人工の放射性物質への低線量被曝が健康障害を引き起こす証拠が十分あり、ICRPおよびそれと同じ放射線リスク・モデルを使っている他の機関による従来のモデルがこのような作用を予測し損ねていたことは広く共有されていた見解であった(p. 2)……内部被曝放射線量に関して、委員会はICRPの外部被曝モデルを拡大し、適用することは科学手法の重大な誤用であると認定している…そのような誤用は政治的な思惑のためでなければ、ずっと以前に捨てられていただろう(p. 11)」
この所見は、放射線リスク科学が、公衆の安全となるかぎり別物であると認めたバイアと彼の仲間たちに傾聴した結果である。
ECRRは「人工の放射性核種は『ホット・パーティクル』の形で存在することが多く、癌や白血病が集中する原発の近隣地域、原発や核実験場の風下住民、フォールアウトで被曝した人びとのあいだでは、ありふれた汚染物質である」(p. 11)と記す。たとえば、体制側(ICRP)モデルは内部放射線被曝モデルを軽んじているが、ECRRモデルによれば、100ミリシーベルト未満の内部放射線量被曝の場合、ICRPモデルが1ないし2000(!)の不確実性要因を抱えており、適用できないことになる(p. 123.1)。
クリス・バズビー博士は、この2011年の核惨事の直後に撮影されたビデオ・プレゼンテーションで、国際核犯罪シンジケート(INCS)が放射線の危険性にまつわる真実を隠蔽している実情を説明している32
ホット・パーティクルの環境ローンダリング
真実を隠しているのは、日本政府やINCSだけではなく、「スウェーデン出身の日本消費者連盟スタッフ、食品安全専門家、マーティン・J・フリード」といった、いわゆる環境保護運動家たちも、核産業の地に落ちたイメージの回復に一役買っている33。フリードはジャパン・フォーカスのサイトで、「最新鋭の検出器」を用いて日本で計測した結果の「現実のデータ」が次のことを明らかにしたと書いた――
「全国各地で12万点を超える食品が検査され、基準を上回った事例の総数は1162件であり、たかだか1パーセント以下だった。したがって、この数値を見ると、食品の汚染状況はもっと悪くなっていてもおかしくなかった(!)と理解できる……今後、栽培される食品が高レベルに汚染されることはありそうもないし、あるいは少なくとも、そのような事例の数は非常に限られているだろう……3.11災害がもたらしたあらゆる損失にもかかわらず、驚くべき事実として、日本は食品の高レベルな安全性を享受しており、継続してきた注意深い検査の結果、国内外で日本は賞賛されつづけるだろう」
日本はほんとうに「食品の高レベルな安全性」を享受しているのだろうか? フリードは「最新鋭の検出器」の詳細を明かしていないし、さらに重要なこととして、20113月以降の政府のふるまいが信用できないというのに、なぜ政府の「現実的な計測」を信頼すべきだというのだろうか? 彼は独立系の研究者らによる放射線データが「現実的」でないとほのめかしながら、政府や米国の「エデン・フーズ」のような海外の輸入業者は信用できるという。フリードは自分が引用したり解説したりしないデータは、なんでも「憶測」とあざけるが、独立系の情報源から簡単に入手できる大量の矛盾するデータを無視してもいる。なるほど、独立系の情報源は検証するべきだし、額面通りに受け取れないことには同意するが、政府のデータも同じであるはずだ――たしかに、フリードはダブル・スタンダードを使いこなしているのだ。フリードは、内部被曝の危険性や、彼自身または彼の勤め先、日本消費者連盟が安全だと信じる放射能量の危険性を分析しない。「状況はもっと悪くなっていてもおかしくなかった」と説いて聞かせるだけである。彼の記事は消費者保護団体のために書かれたはずだが、予防原則34をおろそかにし、放射能の危険性を見くびり、またECRRのアセスメントを考慮していない。
政府の食品モニタリング手法の欠陥をさらけだす格好の記事があるので、2例あげてみよう――「放射性セシウム1110ベクレル/kgのもち米が福島県伊達市の農家直売スタンドで販売された」35、最近の記事の見出し「公的機関による食品検査の結果は実際の放射能含有量の3分の136
政府による隠蔽工作
政府が食品業界に対し、公定の放射線安全許容基準を採用し、それを改正しないように指示しており、少量の放射能は安全だと断言する動きがつづいている37。食品の小売大手、イオンが放射能許容値ゼロを宣伝すると、政府の一スポークスマンが「ゼロ・リスクの達成が進むべき正しい道だという風潮を社会に醸成する」だけだと攻撃した38。「食品安全の専門家」唐木英明氏は、大手企業がゼロ検出食品だけを販売するわけにはいかないかもしれない小規模生産者に対して不公正な経済的優位に立っていると当を得た指摘をしていながら、それでもなお放射能の安全レベルを想定している。唐木氏ご自身は、放射線学科ではなく獣医学科を卒業しており、原発ムラの一族として名高い東京大学とつながっていることを考えると、疑わしいところのある人士である39。さらに最近の発言では、彼は幼児の体内のセシウムは「間違いなく」安全であると主張している40。わたしには、まるでこのドッグ・ドク(訳注:学者犬=ゲームのキャラクター)が蚤を飼っていて、大枚を獲得せんものと、原発ムラ収入役のお気に入りになるために御用科学の生業にお励みのヤブ獣医であるかのように聞こえる。
日本政府は福島の海産物が「食べても安全」であると国民を説得しようとしている41が、20キロ圏避難区域の内側で独自のモニタリングをすることは許されていない42
政府は福島第一原発に非常に近接した沖合で捕獲した「魚の体内のプルトニウム」を見つけた43, 44。プルトニウムの最大検出値は、日本で食卓によくのぼるカタクチイワシの0.019ミリベクレル/kgだった。この値は0.000019ベクレル/kgと非常に低いが、プルトニウムは宇宙で知られているかぎり最も強い毒性の物質である45。さらに悪いことに、宮城県は20127月、同県沖合で捕獲されたチムから3300ベクレル/kgのセシウムが検出されたと報告した――これは極めて高い値である46
カリフォルニア近海で捕獲されたマグロがフクシマ由来のセシウムを吸収しているのが見つかったが、その理由は「放射性セシウムは他の化合物と違って、速やかに海底に沈着しないで、海中で拡散したままになる。魚類はそれを突っ切って泳ぎ、エラを通してセシウムを体内に吸収する」からである。カリフォルニア州の核専門家は「サンディエゴの近海で漁獲したマグロで見つかった低レベルの放射能は、癌のリスクをわずかに高めるだろう」と述べた47。どれほど多くの汚染水がいまだ海中に漏れ出しつづけているのかについて、多くの疑問が残ったままだが、おそらくマグロの放射能は事故当初のファールアウトに由来するのだろう48, 49, 50, 51, 52
東京の放射性降下物:新たな標準
日本政府によれば、人災であるフクシマ核惨事から1年以上たった20124月、同月中に1平方キロメートルあたり2500万ベクレルのセシウムが東京に降り注いだ53。これを1平方メートルあたりに換算すれば、25ベクレルになる。これを一月30日で割り算すれば、1日あたり1ベクレル未満になるが、その場ですべての空気を吸えば、放射性降下物の幾分かは吸入することになる。ウォール・ストリート・ジャーナルは「日本最大の核事故の現場、福島第一原発から10キロ南…この地域にいまだに福島第一原発からの放射性廃棄物が大量に降り注ぎ」、そのレベルは「20113月の事故の以前より16倍ないし33倍も高い」と伝えた54。東京のレバルはもっと低いにしても、福島第一原発からいまだに漏れ出しつづけている放射能のフォールアウトが、200キロメートルに達する距離さえ超えて降り注いでいることを証している。これから何か月、何十年、東京に放射性降下物が標準的な気候現象として届くのだろうか?
奇妙なことに、東京の放射性降下物データは周囲の県より少し高く、数値が高いのは、東京23区の焼却場の瓦礫焼却のせいなのだろうかという疑問が湧く55。わたしはオルタナティブ(代替)メディアからも、焼却データを公表しない政府からも、この件に関する確証データ(つまり、焼却炉の型式、メーカー、フィルタの仕様など)を得ていない。"Please send your opinions and suggestions to the Ministry of the Environment"(「環境政策に関するご意見・ご提案、お問い合わせを受け付けています」)56と書かれたウェブページを開けば、英語で環境省に問い合わせることができる。お役人たちは礼儀正しくあなたのメッセージを印字して、「ご提案、ありがとうございます」と書かれたゴミ箱に放り込むのだろう。
米国環境保護局(EPA)はそれにひきかえ、わたしの放射性廃棄物焼却に関する質問に一日以内に答えてくれた――
EPAにご連絡、ありがとうございます。EPAの管轄区域は米国およびその領土であります。わたしどもは日本国の焼却炉に関する情報を保有しておりません。米国には、放射性瓦礫を地方自治体の焼却場で燃やした経験がございません。米国内で稼働する焼却炉はすべてEPA排出基準で規制されております」(2012425日付けEメール通信)
日本の独立系団体が実施した検査によって、事故由来のフォールアウトと継続中の放射能蓄積のために、東北産と東京産の食品が汚染されたことが明らかになった。店に多く出回る日本茶のセシウム測定値は0.32ベクレル/kgもあった57。東京産の園芸スモモは8.6ベクレル/kgだった58。これは放射能が検知されない西日本産のスモモと対照的である59。山形県産のサクランボは3.1ベクレル/kgであり、東北および東京地域の産品が低レベル放射能で汚染されている可能性があることを示している。
少量とはいえ、この放射能は世界を移動する。ジュール・ヴェルヌは、いまではすっかり鈍足になった彼の気球が世界一周に80日間かかったのに引き比べ、放射能が世界を一周するのにその半分の40日しかかからないと知れば、墓のなかでもんどり打つだろう。このところ、空中のセシウムはひたすら飛ぶばかりである。
【筆者】
リチャード・ウィルコックスは、総合的な視野の社会科学の立場による科学研究で博士号を保持。東京のいくつかの大学で教えている。フクシマ核惨事に関する記事をCounterpunchGlobal ResearchDissident VoiceActivist PostRense.comに寄稿。ウェブサイトwww.rense.comにジェフ・レンスによるインタビューを収録。環境関連記事の多くを次のウェブサイトで保管している――
【参照文献】
3.      You're being exposed to radiation -- but it's the amount that counts
http://articles.latimes.com/2011/mar/15/world/la-fg-radiation-comparison-20110315
4.      Radiation: How much is harmful?(リンク切れ)
5.      Bulletin of the Atomic Scientists May/June 2012; 68
http://bos.sagepub.com/content/current
6.      June 8, 2012, WBAI's Robert Knight Hosts Arnie Gundersen: Latest Fukushima Issues and the U.S. Domestic Nuclear Environment
http://www.fairewinds.org/wbais-robert-knight-hosts-arnie-gundersen-latest-fukushima-issues-and-the-u-s-domestic-nuclear-environment/
7.      As Japan Says Fukushima Disaster "Man-Made" & "Preventable," Fears Grow for Nuclear Plants Worldwide
http://www.democracynow.org/2012/7/6/as_japan_says_fukushima_disaster_man
8.      Japan's Near Miss With Massive Nuclear Catastrophe
http://www.rense.com/general95/nuclearcatss.html
9.      Report on Nuclear Disaster Holds Key to Reactors' Fate
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304441404577482113658775518.html
11.   July 6, 2012, Pacifica Radio Host Ian Masters and Fairewinds' Arnie Gundersen: Lessons Not Learned From Fukushima Daiichi(リンク切れ)
13.   Fukushima-derived radionuclides in the ocean and biota off Japan
http://www.pnas.org/content/early/2012/03/26/1120794109.full.pdf+html?with-ds=yes
14.   TEPCO Cheapskate Tactics Put Entire World At Risk
http://www.rense.com/general95/tepcosvs.html
15.   Martin Cohen and Andrew McKillop, The Doomsday Machine: The High Price of Nuclear Energy, The World's Most Dangerous Fuel (Palgrave, 2012, 242 pgs.)
http://www.amazon.co.jp/Doomsday-Machine-Nuclear-Energy-Dangerous-ebook/dp/B0065RUW6E/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1402363197&sr=8-1&keywords=The+Doomsday+Machine%3A+The+High+Price+of+Nuclear+Energy%2C+The+World%27s+Most+Dangerous+Fuel
19.   Hot Particles and Measurement of Radioactivity
https://www.youtube.com/watch?v=9lA4SgUCnZw
(関連記事:名古屋の住宅で見つかった一番ホットなホット・パーティクル
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2014/04/fairewinds.html
20.   Epidemiologist Steve Wing Discusses the Increases in Cancer Rates After Three Mile Island Accident (Part 2)
http://www.fairewinds.org/epidemiologist-dr-steven-wing-discusses-global-radiation-exposures-and-consequences-with-gundersen/
21.   A Re-Analysis of Cancer Incidence near the Three Mile Island Nuclear Plant
http://www.strahlentelex.de/PORTS_Wing.pdf
22.   Startling Revelations about Three Mile Island Disaster Raise Doubts Over Nuke Safety
http://www.alternet.org/story/134977/startling_revelations_about_three_mile_island_disaster_raise_doubts_over_nuke_safety?page=entire
23.   Three Myths Of The Three Mile Island Accident
http://vimeo.com/39710686
24.   Three Mile Island Revisited: Enviro Close-UP with Karl Grossman
http://www.nuclearfreeplanet.org/three-mile-island-revisited-enviro-close-up-with-karl-grossman.html
26.   The scientific jigsaw puzzle: Fitting the pieces of the low-level radiation debate
http://bos.sagepub.com/content/68/3/13.full.pdf+html
27.   The low-dose phenomenon: How bystander effects, genomic instability, and adaptive responses could transform cancer-risk models
http://bos.sagepub.com/content/68/3/51.full
28.   Unmasking the truth: The science and policy of low-dose ionizing radiation
http://bos.sagepub.com/content/68/3/44.full
29.   Ann Coulter Says Radiation Is Good For You
http://www.youtube.com/watch?v=FXFUUGeV1DI
30.   Head of Tokyo-area Medical Clinic: "Risk from internal exposure is 200-600 times greater than risk from external exposure"
http://enenews.com/head-of-tokyo-area-medical-clinic-risk-from-internal-exposure-is-200-600-times-greater-than-risk-from-external-exposure-video
31.   The Health Effects of Exposure to Low Doses of Ionizing Radiation
http://www.euradcom.org/2011/ecrr2010.pdf
33.   Food Safety in Japan: One Year after the Nuclear Disaster
http://japanfocus.org/-Martin_J_-Frid/3722
35.   Two Ways to Sell Contaminated Fukushima Rice: Sell Direct, and Discount for Wholesalers
http://ex-skf.blogspot.jp/2012/01/two-ways-to-sell-contaminated-fukushima.html
36.   Official Radiation Test for Food Showed Only One-Third of What Was Actually In the Food
http://ex-skf.blogspot.jp/2012/06/radioactive-japan-tsukuba-city-ibarakis.html
37.   Ministry of Agriculture to Food Industry: Don't Use Own Radiation Standard, Use Government's
http://ex-skf.blogspot.jp/2012/04/ministry-of-agriculture-to-food.html
38.   With so many food safety standards, it's no surprise consumers are confused
http://ajw.asahi.com/article/0311disaster/fukushima/AJ201201200053
39.   The Right Level of Concern about Radiation
(訳注:リンク先は削除されているようなので、代わりに…
☆御用学者追放運動★ 唐木英明
http://counter-massmedia.com/utagai/?p=664
40.   Cesium found in urine of Fukushima children
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120702a5.html#.T_IhpUvs-6V
41.   "Fukushima sea food 'safe' for eating"
http://www3.nhk.or.jp/daily/english/20120623_27.html
43.   Gov't tests find plutonium in fish caught off Japan coast
http://enenews.com/plutonium-detected-fish-caught-deeper-waters-japan-coast-samples-june-2011-frozen
47.   California Nuclear Professor: Radioactive tuna may raise cancer risks
http://enenews.com/california-nuclear-professor-radioactive-tuna-may-raise-cancer-risks-video
48.   Radioactivity concentration in the seawater near TEPCO Fukushima Dai-ichi NPP (Sampling Jun 6, 2012)
http://radioactivity.mext.go.jp/en/contents/5000/4674/view.html
49.   TEPCO seeks to reduce groundwater flowing into reactor buildings
http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20120424p2g00m0dm036000c.html
50.   After The Media Has Gone: Fukushima, Suicide and the Legacy of 3.11
http://japanfocus.org/-Makiko-Segawa/3752
53.   Reading of environmental radioactivity level by prefecture (Fallout)(April, 2012)
http://radioactivity.mext.go.jp/en/contents/5000/4590/view.html
55.   Japanese Government's All-Out Offensive to Push Disaster Debris All Over Japan
http://ex-skf.blogspot.jp/2012/03/japanese-governments-all-out-offensive.html
56.   Please send your opinions and suggestions to the Ministry of the Environment.
https://www.env.go.jp/en/moemail/
環境政策に関するご意見・ご提案、お問い合わせを受け付けています。
https://www.env.go.jp/moemail/
57.   Green teas compared for radiation
http://securitytokyo.com/data/ocha.html
58.   Plums from garden in central Tokyo (Takadanobaba, Shinjuku ward) measure 8.6 bq/kg of cesium
http://securitytokyo.com/data/tokyo_ume.html
59.   Plums from West Japan (Wakayama prefecture) measure ZERO radiation
http://securitytokyo.com/data/nankoume.html
60.   Cherries from Northeast Japan (Yamagata prefecture) measure 3.1 bq/kg of cesium
http://securitytokyo.com/data/yamagata_s.html
61.   Radioactive particles circulate the world taking 40 days
http://fukushima-diary.com/2012/06/radioactive-particles-circulate-the-world-taking-40-days/
【ブログ内リンク】
【関連記事】

0 件のコメント:

コメントを投稿