2014年8月24日日曜日

参考人「健康調査や線量評価の抜本見直しを」【資料】福島第一原発事故に伴う 住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第8回議事録





投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 07/16/2014 - 17:42








8
716日(水)

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う
住民の健康管理のあり方に関する専門家会議
8回議事録
日時: 平成26716日(水)
場所: イイノカンファレンスセンターRoomB4階)
議事次第
  1. 開会
  2. 議事
    (1)ヒアリングについて
    (2)被ばくと健康影響について(その4)
    (3)その他
  3. 閉会
事務局配布資料
資料1-1
資料1-2
資料2
参考資料
参考資料1-1
参考資料1-2
参考資料1-3
参考資料1-4
参考資料2-1
参考資料2-2
参考資料3
参考資料4
【専門家会議委員名簿】
明石 真言
独立行政法人放射線医学総合研究所 理事
阿部 正文
公立大学法人福島県立医科大学 理事兼副学長
荒井 保明
国立がん研究センター中央病院 病院長
石川 広己
公益社団法人日本医師会 常任理事
遠藤 啓吾
京都医療科学大学 学長
大久保一郎
国立大学法人筑波大学 大学院 保健医療政策分野 教授
大久保利晃
公益財団法人放射線影響研究所 理事長
春日 文子
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長、日本学術会議副会長
佐々木康人
医療法人日高病院 腫瘍センター特別顧問
宍戸 文男
公立大学法人福島県立医科大学 医学部放射線医学講座 教授
清水 一雄
日本医科大学付属病院 内分泌外科 主任教授
鈴木
国際医療福祉大学クリニック 院長
祖父江友孝
国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科社会環境医学 教授
長瀧 重信
国立大学法人長崎大学 名誉教授
中村 尚司
国立大学法人東北大学 名誉教授
丹羽 太貫
公立大学法人福島県立医科大学 理事長付特命教授
信彦
東京医療保健大学 大学院 看護学研究科 教授
本間 俊充
独立行政法人日本原子力研究開発機構 安全研究センター長
(敬称略、五十音順)

午後5時00分 開会

得津参事官 本日は、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。

定刻になりましたので、ただいまから第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康のあり方に関する専門家会議を開催いたします。 
本日は、荒井委員、佐々木委員、宍戸委員よりご欠席のご連絡をいただいております。 
また、祖父江委員におかれましては、途中からご出席という旨をご連絡いただいております。 
また、事務局に人事異動による交代がございましたので、ご報告いたします。
環境保健部長の塚原にかわりまして北島が、放射線健康管理担当参事官の桐生にかわりまして、私、得津が、技術総括補佐の前田にかわりまして佐藤が着任しております。ご報告を申し上げます。 
議事開始に先立ちまして、本会議の傍聴者の皆様へ留意事項を申し上げます。
円滑に議事を進行させるため、事務局の指示に従っていただきますようお願い申し上げます。 
傍聴中は静粛を旨とし、発言・拍手などの賛否の表明や、これらに類することによる議事の進行を妨げる行為はご遠慮ください。 
また、ご質問やご意見のある方は、お配りした用紙にお書きいただき、事務局のほうにご提出いただけますようお願い申し上げます。 
携帯電話、アラーム付きの時計等は、音が出ないようにしてください。
そのほか、事前にお配りした内容についてご注意をいただきたいと思います。これらをお守りいただけない場合には退場をいただくこともありますので、よろしくご理解のほどお願いしたいと思います。 
それでは、浮島大臣政務官より開会のご挨拶いただきます。
2:00
浮島環境大臣政務官 皆さん、こんばんは。ご紹介いただきました環境大臣政務官の浮島でございます。

本日は、本当に夕刻の遅い時間からにも関わりませず、皆様の貴重なお時間帯にもかかわりませず、ご参加いただきまして、ご出席を賜りましたことを、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。 
また、今、事務局の方からご紹介させていただきましたけれども、このたび人事異動がございました。環境省といたしましても、これからも一丸となって仕事をしてまいりますので、どうか、今後とも皆様のご指導を賜りますよう、改めて心からお願いをさせていただきたいと思います。今後とも、どうかご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。 
また、これまでこの会議におきましては、線量の把握、そして評価について意見集約を図っていただくとともに、被ばくの線量に基づく健康の影響について、検討を重ねていただいたところでもございます。 
概ね前回もそうでしたけれども、被ばく線量に関わる評価をいただいたところで、委員外の専門家のご意見を賜りたいということで、本日は5人の先生方にお越しをいただきました。本当にありがとうございます。 
また、この本専門家会議といたしまして、事故に伴う放射線の健康の影響につきましても、専門家の皆様にしっかりとご評価をいただき、被ばくと健康のリスク、これについてご議論をいただきたく、今は重要な段階に入ってきていると承知をいたしているところでもございます。 
本日お招きをさせていただきました専門家の皆様のご意見、そして、委員の皆様方のご意見をしっかりと踏まえまして、本会議でいただいたご議論を、これからしっかりと集約をさせていただき、そして、速やかに中間的な方針、そして、方向性をおまとめいただきたいと考えているところでもございます。 
本日も本当に皆様方には大変お世話になりますけれども、どうか最後までよろしくお願いいたします。本当にありがとうございます。
3:55
得津参事官 ありがとうございました。 
浮島政務官は、公務多忙によりまして、これにて退席させていただきます。 
続きまして、本日お配りした資料について確認をいたします。 
議事次第のところに配付資料の一覧がございますが、事務局からのお配りしている資料につきましては、資料1、健康リスク評価に係る論点メモ、資料1-2、健康リスク評価に係る論点メモ(たたき台)、それから、資料2、住民の被ばく線量把握・評価について(まとめ)、こちらをお出ししております。 
それから、本日ご出席いただいております先生方の資料ということで、木田先生提出の資料、木村先生提出の資料、菅谷先生提出資料、津田先生提出資料、森口先生提出資料、これが配付されているかと思います。 
それから、参考資料として番号どおり申し上げますが、参考資料1-11-21-31-4、これら4点と、参考資料2-12-22点ですね。それから、参考資料の3、参考資料の4、こちらのほうを配付しております。 
資料がそろっていますことをご確認いただき、過不足などございましたら、事務局までお申し出いただきたいと思います。 
なお、机上には、石川委員よりご提供いただきました資料3点がございます。本会議での議論には直接関係をするものではございませんが、緊急被ばく医療に関連した資料ということで、ご提供いただいたものでございます。そのため資料番号はつけず、委員のみの配付とさせていただきました。石川委員、ありがとうございました。 
それでは、議事に入りますので、以降の進行につきましては、座長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
6:25
長瀧座長 それでは、第8回の専門家会議を開始いたします。

本日は5名の講師の方においでいただきまして、後ほどお話を伺いますが、本当に暑い中をおいでいただきまして、ありがとうございました。 
ヒアリングが主になりますが、その前に、今までの確認という意味で、事務局から少しまとめについて、お話させていただきたいと思います。どうぞ。

佐藤補佐 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。少し資料の番号が前後しまして恐縮です。資料2です。

長瀧座長 ちょっとマイクに近づけて、声が聞こえたほうがいいと思うので。

佐藤補佐 失礼いたしました。 
お手元に資料2をご用意いただけましたでしょうか。こちらにつきましては、参考資料としてお配りしております2-1、こちらの住民の被ばく線量把握・評価について(まとめ)(骨子案)ということで、こちらをこれまでの会議でご議論をいただいてきたかと思います。今回は、それを集約させたものを、資料2としてご用意してございます。委員の皆様方には、先日、意見照会を申し上げまして、その意見を反映した形で、本日資料2としてご用意をしたものです。かいつまんでご説明させていただきたいと思います。 
まず、資料2の構成ですけれども、まず基本方針があります。 
そして、2)としまして、事故初期の甲状腺被ばくの評価、それを福島県内の状況の(内部被ばく)、それから、同様に福島県内の状況として、2ページ目に(外部被ばく)、そして、福島県以外に関してのものが続きます。それから、3)として、外部被ばく全体について、その福島県内についての状況、それから、として福島県以外の状況。それから、最後、4)として、甲状腺以外の内部被ばく、同じく、福島県内の状況と福島県以外の状況、このような形で整理してございます。 
この資料2の要点につきましてですが、まず基本方針のところ、この中では2行目~3行目にかけてのところですけれども、この検討は、事故による放射線の健康への影響が見込まれる集団を検討するためであり、個々の被ばく線量を網羅的に評価するものではないということです。 
それから、2)のところ、甲状腺被ばくのところをご覧ください。福島県内の状況として、まず(内部被ばく)のところ、この要点につきましては、初めの段落のところになりますけれども、233月下旬に、福島県における小児甲状腺簡易測定調査として、1,080人で実測された範囲では、0.2μSv/h1歳児の甲状腺等価線量に関する試算において100mSvに相当)を下回っていた。 
また、この1ページ目の4段落目、一番下の段落になりますけれども、UNSCEAR の推計によると、避難した住民のうち、1歳児の事故後1年間の甲状腺吸収線量は、予防的避難地区で1582mGy、計画的避難地区で4783mGy であったということ。これが甲状腺の内部被ばくについての要点になります。 
続きまして、2ページ目をご覧いただきまして、真ん中のところになりますが、3)外部被ばくのところです。福島県内の状況のところの、初めの3行目のところを見ていただきたいと思いますが、福島県の県民健康調査によると、事故後4か月間の実効線量に関する約48万人の推計結果は、99.8%が実効線量5mSv未満であったということ。 
続いて、3ページ目の真ん中のあたりになりますが、4)甲状腺以外の内部被ばくについての福島県内のところの1段落目ですけれども、福島県のWBCを用いた内部被ばくに関する約19万人の調査結果は、99.9%が預託実効線量1mSv 未満であったということが記載してございます。 
以上が、資料2として、住民の被ばく線量把握評価についてまとめたものの要点でございます。 
委員の先生方には先ほど申し上げましたように、前もってご確認をいただいているところではございますが、さらに加えるべき点がございましたら、事務局までご連絡いただければと思います。 
資料のご説明は以上になります。
11:35
長瀧座長 どうもありがとうございました。 
まだ、3ページはちょっと長いような感じもしないわけではありませんが、非常にポイントをまとめていただきました。まだ、もう少し短くできるのではないかという気持ちはありますけれども、これは一応、もう委員の方にお渡しして、ご意見をいただいたということでございますので、今日の段階ではこれをまとめとすると。もう少し短くすることも、また次の場合には考えていただきますけれども、今まとめていただきましたとおりでありまして、甲状腺の内部被ばく、直接はかったものと、それから、UNSCEARの結果、それから、外部被ばくは、主に県の県民健康調査の行動調査による値を我々としては評価すると。それから、内部被ばくに関しましては、WBCではかったものについて評価するというふうなことで、今まで7回ほとんど線量の議論をしてまいりました。そのまとめがここに示されていると。 
今からお話を伺う前にこれをご紹介しましたのは、今この委員会がどんなことを議論してきて、先生方にお話を伺うかということを一通りお話ししたほうがいいと思いまして、7回の議論はほとんどその線量評価に使いまして、そのまとめがこういう格好になっているということ。 
そして、今後の主な仕事は、この線量評価に基づいてリスクを考えると。それから、リスクに基づいて健康管理を考えるということが、次のステップになりまして、その方向で既に前回、お二人の石川先生と祖父江先生のお話を伺いまして、引き続いて、今回5人の先生方のご意見を伺う、そういう流れになっておりますので、一応、今までの委員会の流れをご報告させていただきました。 
さて、それで、あいうえお順で申し訳ありませんが、順番にご講演いただくことにします。委員会の日程と講師の方の日程と、5人もの先生にお集まりいただいて本当に申し訳ないのですが、110分ということにいたしまして、あいうえお順で全員のお話を伺って、その後、30分間自由に討論するという予定になっております。よろしくお願いいたします。 
最初は、木田先生、よろしく。
14:25
木田光一氏 福島県医師会副会長 (資料) [PDF 2,413KB]
それでは、福島県医師会の副会長の木田でございます。私のほうから意見を述べさせていただきます。 
私は、今回の原発災害の地元医師会の立場から、被災者の健康支援の現状と課題について意見を述べたいと思います。私の資料の下段のほうのパワーポイントの資料でございますけれども、ご覧になってください。 
私は、原子力規制委員会の検討チーム第4回会合で、今回の原発事故による住民の健康管理は、子ども被災者支援法の理念に基づき、国の直轄事業として行うこと。それから、住民自身の視点に立って、国による健康診査・健康診断事業の長期にわたる一元管理を行うこと。そして、医学的な経験や知見を集約し、情報発信する、更には、医師・看護師・保健師等を研修するための拠点として、国によるナショナルセンターを設置してほしいこと。そして、福島県の医療従事者不足解消のための支援策、並びに、乳幼児や児童・生徒の運動施設の充実と遊びの指導者養成の充実を図る支援などを要望いたしました。 
1枚めくってください。上段のほうでございますけれども、このナショナルセンターにつきましては、医療を享受する住民や第一原発事故処理に関わる作業員の視点に立って、避難住民と第一原発作業員がより集結している地域で、かつ医療資源を含めた社会的資源が充実している地域が望ましいことから、いわき市が最も適した地域と考えます。いわき市では、平成2312月に市民有志が「放医研をいわき市に誘致する会」を設立し、いわき市民106,364人の署名を集めました。下段のほうでございますけど、健診の問題点につきましては、以前の会議で、日本医師会の石川先生から説明があったものと、同じ資料ですが、健診は年代ごとにさまざまな法律に基づいて実施されているため、国が実施主体となり、放射線被ばくの恐れのある国民すべてに対して、一元的に実施すべきと考えます。 
次の3ページです。上段のほうですけれども、原子力規制委員会の提言ですが、国が責任を持って継続的な支援を行う必要があるというものの、国が直轄事業として被災した住民に対する健康支援を行うようには提言されておりません。また、ナショナルセンターの必要性についても、注釈として記載されるにとどまっております。 
下段の県民健康調査のスケジュールでございますが、この中の健康診査のことについて、今日は述べたいと思います。 
1枚めくっていただきたいと思います。上段のほうですが、これは避難区域等の住民及び「基本調査」の結果、必要と認められた人の健診項目を示しております。6歳以下にも血算が行われ、7歳~15歳、また、16歳以上にも必要と思われる血液生化学検査が行われております。下段のほうを見ていただきたいんですけど、これが避難区域外の住民の健診項目で、特定健診、すなわち、メタボ健診の項目のみとなっております。 
5ページに行きます。福島県における健康診査・健康診断の実施状況を示したものです。枠組みは今申し上げたようになっているんですけど、県内59市町村では、避難区域等の13市町村以外にも、特定健診に上乗せで、血算が24、血小板、白血球分画が11、心電図が31、眼底検査が29、クレアチニンとeGFR45、尿酸が35自治体で実施されています。 
しかし、これらの検査結果は避難区域外の住民の県民健康管理調査の健康項目ではないために、県民健康管理調査のデータベースに登録されてはおりません。県民の長期間の健康管理を考える上では改善が望まれるところであります。下段ですけども、平成23年度のこの健診の実施状況でございますけれども、これは避難区域ですね。全年齢合計での受診率が35.4%と高くありません。そして、平成24年度には27.7%とさらに減少しており、すみやかな受診率向上の対策が必要と思われます。この受診率低迷の大きな要因として、健診の実施期間が短いなど、住民が受診しにくいような状況が挙げられると思います。また、避難者は住民票が元の居住地のままであっても、避難先の自治体の住民と同じように、がん検診を含めた健診を受けられるような体制の構築が喫緊の課題と考えます。 
6ページをご覧になってください。上段ですけども、避難区域以外にも高線量な地域は存在することから、福島県医師会は県に対して健診項目の拡充等の要望を行いました。すなわち、避難区域の住民に行われている健診項目を避難区域外にも行うことや、18歳未満に対しても同様に血算等の導入を要望しました。また、心電図、眼底なども、必須項目とすることも要望しております。また、健診の受診率が低迷していることから、広報啓発のための予算確保をお願いしております。 
下段のほうでございますけど、福島県外への避難者の継続的な健診等の課題ですが、県外避難者はすべての都道府県に及び、860の市町村に分散しております。長期的に健康支援が必要な小児・児童は、0歳~6歳が2,900人、7歳~15歳が4,300人と、避難者の20%に及んでおります。 
7ページに行きたいと思います。今後の県民健康調査については、委員会設置目的が「県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげる」ことに改正されました。これに伴い、県民健康管理調査における基本調査や、健診の実施体制についても見直しが必要と考えます。 
下段のほうですけど、具体的には、個々の住民の健康維持と増進を図るため、生活習慣や栄養、運動等の定期的な問診や、健診の機会をワンストップで提供する場、また、かかりつけ医や地域の医師会などと連携した体制の活用が必要と考えます。また、「県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげる」ためには、住民に最も近い、かかりつけ医等の医療機関が様々な健診データ等を一元管理し、住民と共有することが重要と思われます。 
8ページに行きます。そのため日本医師会では、特定健診を含む様々な健診データを作成し、一元管理が可能な標準フォーマットを策定しました。今回の原発事故による被災住民に対する長期的な健康支援についても、活用が望まれるところでございます。日医健診標準フォーマットの運用による各種健(検)診データの利活用案を模式図に示しております。 
9ページから10ページにつきましては、本年222日に原発事故の健康管理に関して提言等を行っている日本医師会と日本学術会議が、さらに連携を深め協力して、国民への健康支援を初めとする、原発事故後の対処のあり方についての議論を深めるために、共催シンポジウムを開催しまして、ここにあるような6項目の共同座長取りまとめを発表しました。 
これは石川先生のほうから以前話もあったことでございますけども、1番目として、「国・福島県・東電、そして専門家・科学者は健康支援対策への信頼回復を」。2番目として、「東京電力福島第一原子力発電所事故の影響の科学的解明を」。3番として、「国・福島県・東電は生活再建の総合的な環境対策と地域づくりの支援を」。4番目として、「国の健康支援システム・汎用性のあるデータベースの構築を」。5番目として、「住民や作業員への健康支援・人的資源育成等のためのナショナルセンター整備を」。6番目、「健康権の概念を尊重し長期的かつ幅広い視点からの健康支援体制の構築を」となっております。この共同座長取りまとめが、本会議の議論に反映されることを願っております。 
11ページから24ページにつきましては、これはOurPlanetTVの白石さんからいただいた、ウクライナ保健省の「チェルノブイリ原子力発電所事故により被災した小児および未成年の健康状態の医療モニタリングの編成(指針)」でございます。 
モニタリンググループは、12ページにありますが、I~Vのリスクグループに分かれておりますが、今回の福島の事故では、I、IIに該当する子どもはおりません。 
しかし、III、そして、Vにつきましては、例えば、IIIの事故当時0-14歳で内部及び外部被ばく線量の総量が10−50mSv以上の者、それから、事故当時0-14歳で、被ばく線量に関わらず、無条件移住地域に居住かその地域から移住させられた者、または、30kmゾーンから避難してきた者たち。 
あるいは、Vの任意移住地域、年間15mSvに居住している子どもたち及び強化された放射線監視区域の地域に居住している子どもたちは、今回の事故でも該当するのではないかというふうに思われます。この資料は小児のものについてしかお示ししていませんが、全ての年齢に対して、このようなリスクグループに分類しまして、健康調査をずっと継続的に行っているということで、我が国においても、同様な健診体制が住民の健康支援という観点から行われることを希望いたします。 
以上でございます。
24:32
長瀧座長 どうもありがとうございました。 
せっかくの機会でありますけど、時間があれですので、皆さん、もう中身を覚えておいて、後の質問の時間まで、よろしくお願いいたします。 
では、次は木村先生、よろしくお願いいたします。

木村真三氏 獨協大学准教授 (資料) [PDF 260KB]
どうもよろしくお願いします。
私の場合は、添付資料の資料11から思い当たるところを意見書として出していますが、私の核心部分のお話からさせていただきたいと思います。5ページを見てください。 
この5ページに出ているこのデータですが、ベラルーシ共和国のブレスト州における甲状腺がんの推移というものでございます。実は、この日曜日までブレスト州にいまして、現地の状況も確認をとってきたわけでございますが、この中で考えていかなければならないことを幾つか話をさせていただきます。 
まず、このブレスト州は、チェルノブイリ原発事故が起きて2日目に風向きが変わったことによって、この地域が汚染地域となりました。このチェルノブイリ原発からブレスト州は、250km500kmの距離に離れている地域でもございます。 
こういった状況の中ブレスト州は、すみません、字が小さいのですが、棒グラフの左側から2番目、これが1986年、チェルノブイリ原発事故が起きた年でございます。このときには大人の甲状腺がんが出ていると。そこから、SASAKAWA Foundationが入った90年からエコー検査を導入し、徐々に子どもの小児甲状腺がんが少しずつ見えてくるようになってきました。92年には、明らかに子どもの小児甲状腺がん出てくることになってしまいましたが、翌年、アメリカとベラルーシとの甲状腺がんのイニシアティブということで、甲状腺検査が拡充されることによって、さらに上昇傾向が続くということになってきています。 
それから、2002年になりまして、いきなり上昇をこれ、見られてくることになっていますが、この部分はブレスト州内における移動検診システムの中で、移動検診中にバイオプシーをすることができるというようなシステムを導入したために、このような急上昇となっております。その後、傾向としては2005年を境にして少しずつ落ちついてはきておりますが、傾向としては右肩上がりの甲状腺がんの推移をしております。 
このデータの中で皆さんにまず考えていただきたいのが、この青い部分、これは成人です。18歳以上を成人とベラルーシはしております。黄色の部分は14歳~17歳まで、これ青年期という形でとっておりますが、この赤が子どもたちです。13歳までの方々と言ったらいいんですか、そういったような方々が、徐々にではありますが、子どもたちの甲状腺がんが出てきた後に青年期に移行する、その青年期に移行した後にも、今度、大人に移行していったあたりで発現が見受けられるというようなことです。 
エコー検査が出てくるまでは触診をやっておりました。この触診で甲状腺がんかどうかを見分けられる確率というのは50%しかなかったのですが、エコー検査やバイオプシーを導入することによって、さらなる検診精度の上昇が出てきたと。 
結論から申し上げますと、こういったようにブレスト州内では、今、事故から28年たっても、いまだに甲状腺がんが上昇しているということは疑いもありません。こういったような状況の中、このブレスト州は今、人口が139万人でございます。この中で200人近い甲状腺がんが出ているということ自身が異常値でございます。 
だから、こういったようなことから、この県民健康管理調査での甲状腺検診というものの充実化を図り、今後、子どもたちに対しては、きちんと毎年、甲状腺検診を行うということ。また、ベラルーシでは、危険群としては、事故当時18歳以下の人たちを危険群としましたが、危険予備軍としては、40歳以下の方々を危険予備軍として対応しております。子どもたちだけではなくて、これは子ども被災者支援法ですが、この場で言いますと、大人たちへの検診も充実化しなければならない。しかも、長期間にわたって検診をしていかなければならないであろうと。要は、4年後から甲状腺がんが出てくるから、どうのこうのというようなことや、スクリーニング効果はどうであるこうであるということを言うわけではなくて、きちんと調べていくことが一番重要ではないかと私は思っております。 
皆さんにお願いしたいのは、こういった甲状腺がんの記録というものをきちんととっていく、また、外部被ばく・内部被ばくの記録もきちんととっていき、また、病院にかかった病歴とか、そういった病院にかかった履歴などをきちんと残していくシステムが、この国にはなされておりません。医師法ではカルテの保存期間は5年間です。それ以上は、亡くなったときに、その後の過去のデータを見ていくことはできません。ベラルーシでは、死んでから10年間は保存期間として残されておりますし、ウクライナは50年間の保存期間、死んでから20年というようなことも言われております。 
このように個人が1枚のノートブックの形として、常にそれを管理するか、個人が保存するか、地区中央病院というようなところで保存管理されていますが、そういったようなきちんとした保存機構を充実化しなければ、今後、もし、これはスクリーニング効果でない場合に対して、どうであったかということが言われません。 
また、今後、今出ている甲状腺がんの方々に対しても、あくまでもスクリーニング効果だということを、医師やその専門家の人たちが言ってしまいますが、これは公害問題等も含めて、少なくとも、こういったようなことを専門家が言い切ってしまうことで足切りとなってしまう。原爆症認定の問題やイタイイタイ病や水俣病の認定基準、そういったようなものに関与してくるということで、まず疑わしきは罰せ、これは厚生労働省でもやっています。労働安全衛生法でも言われているように、労災認定のように疑わしきは罰せというのが一番筋ではなかろうかというのが私の意見でございます。ということが、今回言いたかった中心でございます。 
以上です。
32:06
長瀧座長 
どうもありがとうございました。 また、チェルノブイリとの比較は次の先生にもあるかと思いますが、また後で一緒にご討論させていただきます。 
それでは、菅谷先生、よろしくお願いいたします。

菅谷昭氏 松本市長 (資料) [PDF 1,141KB]
菅谷でございます。よろしくお願いします。
私は、先ほど、これまで7回の会議のお話を伺いまして、非常に科学的なことに基づきまして専門家の先生方が線量評価をされておりますが、私は今回、いわゆる健康管理のあり方でございますので、それにつきまして、チェルノブイリ事故後の健康影響の現状、私、2年前にベラルーシへ行ってまいりましたものですから、それと、向こうの健康等に関する対策は何をしているかのということをお話させてもらいます。 
1ページの下段のほうでございます。このマップはベラルーシ共和国の放射能汚染図でございまして、これは事故後10年目のセシウム137の土壌の汚染マップでございますが、私はここにあります首都のミンスクと、それから、高汚染地のゴメリと、それから、チェルノブイリ原発から90kmのモーズリというまちへ行ってきました。いずれも私が過去に住んでいたところでございます。
特に今回、私は、ゴメリのまちからちょっと北東のほうにありますが、ベトカという地区の赤色のホットスポットのエリア、更にその中の紫色の30㎞ゾーンと同じように、現在、居住禁止の区域にも行ってまいりまして、その辺の話をさせていただきたいと思います。 
なお、居住禁止区域、紫のところ、これが年間の被ばく線量が5mSv以上、それから、赤のところの限界管理区域、これが1mSvを超えるところでございます。それから、また黄色のところが、これ汚染地域でありますけれども、1mSv以下でございます。 
では、次のページをお願いします。これはゴメリ州のベトカ地区の赤色のところでございます。限界管理区域ですが、住民は心配しておりますけども、仕方ないということでもって今ここに住んでおります。 
それから、下段のこれはさらに奥へ入りまして、いわゆる居住禁止区域のところでございます。この真ん中に2人いるのが行政の職員で、この地域を定期的に巡視しております。火事とか、あるいは、またさまざま事故等を巡視しておりますが、彼らの話では、一生懸命除染したけれども、どうしようもなく今も住めないんだということでございまして、現在はもう、除染はしておりません。今、ここには5組の老夫婦が戻られておりまして、定期的に、1週間に一遍は日常品などを販売している巡回販売というのですかね、やっております。 
次のページをお願いします。ここは原発から90kmで、私がかつて半年ほどいました低汚染地域でございます。ゴメリ州のモーズリ市というところでございます。この子どもたちは少年少女音楽舞踊団の団員でございますが、この子どもたちが現在どういう状況であるかということを子どもたちのレッスンの指導者、あるいは、また、保護者等からの話を聞いてきました。 
次に下段のほうでございますが、チェルノブイリ事故後の健康被害影響はどんなものであるかということで、最新のものでございますが、特に低濃度・低汚染地域における現状でございまして、これは現地のドクターからの話でございます。 
一つは、やはり免疫機能が相変わらず低下しているんだということで、子どもたちも非常に感染にかかりやすいとか、あるいは、また、それ以外のこともございますが、特に上気道感染を含め、なかなか難治性であること、繰り返すということ。また最近は造血器障害ということで、貧血等が出てきているんだと、この10年間。これはいろんな原因はあろうかと思いますが、特に鉄欠乏性ということはないみたいでございますが、いずれにしましても貧血が出てきている。それから、周産期異常ということで、未熟児、早産・死産、それから、先天性異常ということで、これは次のところでもまたお話しますが、こういうことが今、増えてきているんだと。 
それから、その他の健康影響ということで、これは子どもたちなんですけれども、非常に疲れやすいとか、集中力の欠如とか、体力の低下、このようなことが現在出ていると。特にこの子どもたちが、事故前の子どもたちは厳しいレッスンも耐えられたんですけれども、現在の子どもたちは途中で休まなきゃいけないとか、また、もっと以前より授業時間を短縮しているようでございますが、これがどうしてこういうふうに非常に疲れやすいか、かつての広島のぶらぶら病のような、非常に疲れやすいという、これもよくわかりませんけど、こういうことが現実にあるということです。それから、またセシウムの体内蓄積の問題等があるということです。大分、このほうの影響もとれてきたと言われておりますが、次のページをお願いいたします。 
そこで、これは2年前でございますが、ゴメリ州の公的医療機関勤務医師、これは産科医の話でございます。一つは、ここに来て子どもや成人のアレルギー疾患が増えていると。例えば、喘息とか皮膚疾患などの増加。ただし、これは家族歴においては、こういうアレルギー性のヒストリーはないということでございまして、これが増加している。 
それから、もう一つこれはやっぱり大きな問題でしょうけれども、胎児異常の増加ということです。近年、ベラルーシでは国の方針として、妊婦の定期検診を非常に厳しく実施するように言われておりまして、そして、もし妊娠期間中の検査で何らかの異常が確認された場合には、ご承知のとおり、ルカシェンコ大統領は独裁でございまして、半強制的に人工中絶を指示していると。ところが、この産科医の話によりますと、中絶を進めても出産を希望する女性があって実は困っているんだと、このような現実でございまして。向こうはこういう子どもたちが後、放置されてしまうということがあるものですから、そういう意味で、できれば今回は残念だけど産まない方がいいんじゃないかなというふうに良心的に捉えたいんですけども、しかし、現実にはこういう問題が起きているということでございます。 
次に、下段にありますが、ベラルーシ共和国の保健省、日本で言えば厚生労働省の母子部門の部長さんと、それから、ゴメリ州保健局の、これは一番高度に汚染された州の保健局の副局長さんが話をしてくれました。じゃあ、現在どうなのかと。これは原発の事故の後、26年目になるのですけども、汚染地域に居住の子ども(6歳~17歳)に対しましては、国による年2回の定期検診を継続しております。1回目は、内分泌の専門医の診察、それに合わせて、眼科検査および歯科検査、そして、必要があれば小児科医の診察を受ける。それからまた甲状腺の超音波検査をしております。もちろん、これに合わせて、さまざまな血液および尿検査等々を行っております。また、ホールボディカウンターは、希望者にのみ実施しているようでございます。それから、2回目は特に小児科医による健診が主体でございまして、必要があれば甲状腺検診等を実施しているというのが現状でございます。
 
もし、ここで診察や諸検査において異常が確認された場合には、公的な医療機関にて精査を実施している。なお、汚染地で生活している18歳以上の住民に対しても、年1回の検診を実施している。また、汚染地の子どもたちには、毎年1ヵ月の保養を実施している。これらの健康管理対策等にかかる費用は、全て国家負担であるということでございます。 
この会議でも、これまで色々、がんのことをお話されておりますが、私はむしろ、低線量被ばく等によるものかはわかりませんけども、先ほど申し上げましたような非がん性の疾患、がんではないいろんな問題が出ていますから、こういうようなところにもっと視点を当てていかないといけなんじゃないか。 
いわゆる、子どもたちにとりましての長期にわたる低線量被ばくの問題というのは、私自身もよくわかってないのですけども、先ほど申し上げたようなファクトとして、事実でこういうことがあるんですが、これが本当に低線量被ばくによるものなのか、あるいは、それ以外の被ばくと関係ないのかと、この辺も明らかにするためには、長期にわたって、やはり検査をしていったほうがいいのではないかなというふうに思っております。 
最後のページでございますが、一つは、ゴメリ州の保健局長さんにお会いしまして、この人が一番力があるのですけれども、お話したときにも、やっぱりルカシェンコさんが、できるだけ、もうチェルノブイリのことは話してほしくないし、言うなということが、今、特に医療者に対しては非常に厳しい規制がございまして、箝口令を敷いているわけでございます。この局長も「全て終わったんだ」と、「今起こっていることは、みんなメンタルな影響だ」ということを言われたものですから、私も、「そうですか。でも、私は、本当にメンタルかどうかということはわからないんですけれども、もしメンタルであれば、あなたの名前を借りて、私、日本に帰ってからいろんな話をさせてもらっていいですか」と言ったら、ちょっと待ってくれということで、実は私は医者だということで、初めて、いや、実はまだチェルノブイリは終わってないんだということで、いろんな話をいただきまして、これからも継続していきたいんだということ。 
最後は、これベラルーシ科学アカデミー、長瀧先生もご存じのとおり、デミチク・ユーリーがここにいますけれども、彼に会いまして、そして福島のことは本当に気の毒だということで、今後も、ぜひとも日本とベラルーシで、それぞれの原発に関しては情報を交換し合いながらやっていきましょうということでございました。 
以上でございます。
48:05
長瀧座長 どうもありがとうございました。 
いろいろと現地のチェルノブイリの最近の情報まで含めてお話しいただきました。また後ほど、お願いいたします。 
それでは、次は津田先生、よろしくお願いいたします。

津田敏秀氏 岡山大学環境生命科学研究科 (資料) [PDF 1,993KB]
岡山大学の津田です。資料に沿って説明させていただきます。
まずは、下側の資料ですが、100mSv未満の被ばくでは放射線によるがんが出ない?。あるいは、100mSv未満の被ばくでは、放射線によるがんがたとえ出ても、バックグラウンド等でわからない?というような話が、まことしやかに言われています。しかし、放射線による発がんというのは閾値がないということは、1949年に決められて以来、その後、変えられてはいません。 
ところが、次のページめくってください。松浦祥次郎という原子力安全委員長を務められた先生が、赤字のところですが、「科学的、且つ、疫学的に『100ミリシーベルト以下の被ばく領域では放射線影響はみられない」という評価』というふうにして、100mSv以下はがんが出ないというふうに信じておられるようです。 
それから、その下の赤字のところを見ていただきたいのですが、「それならば、疫学的研究とは別の見点から低線量被ばく影響を、全身から器官、組織、細胞そして遺伝子レベルに至るまで検証し、より明確な科学的証拠を示すことが要請されていると考えるべきではなかろうか」というふうに言われていて、問題なのは人における発がんということですので、まるで疫学以外に人における因果関係、あるいは、健康影響を明らかにする科学方法論があるかのような、あるいは、開発されるかのようなことを言っておられて、疫学を全く理解されていない。そういうものが開発された場合には、それもまた疫学分野に含まれているわけでございまして、この方は、要するに科学的根拠に基づく医学というのをご存じではないのに、こういうことを言われていると。 
こういう混乱が起きましたのは、次のページ、lCRP2007勧告のA86において、「およそ100mSvまでの線量範囲でのがんのリスクを直妾明らかにする力を持たないという一般的な合意がある」という記載なのですが、これは全がんで、主に広島長崎の被ばく者追跡データ、LSSコホートというふうに呼ばれておりますが、これにおいての話でありまして、しかも、それはがんが増えていないということを言っているんじゃなしに、統計的有意差がないということを言っているに過ぎません。 
すなわち、その下の段、lCRP2007年勧告A86は、「100mSv以下の被ばくでは、放射線によるがんの発生はない」というふうに言っているわけではなく、あるいは、「これから福島県において、放射線によるがんが目立ってくるようなことはない」と言っているわけでもありません。単に、「LSSコホートでは100mSv以下で統計的有意差がなかった」というふうに言っているだけであります。 
次のページをめくってください。UNSCEARParagraphD251において似たようなことを言っています。やはり統計的有意差はないと言っているだけのようであります。ところが、統計的有意差というのは、出てくる条件が幾つもあります。影響が同じレベルであっても、統計的有意差が出てくる条件は幾つもあります。 
1番目、観察数(被ばく者数)が大きくなる。後で説明しますが、福島県における1mSv以上の被ばく者数というのは、LSSコホートにおける100mSv以下の被ばく者数より10倍ぐらい多いわけですね。これだけ10倍ぐらい多くなりますと、そのLSSコホートで有意差がないというふうに言ったところで、それは福島県には全く当てはめられなくなります。 
それから、2番目、放射線感受性の高い集団に限る。すなわち、若年性の被ばく、あるいは胎児被ばくの集団に限って分析しますと、有意差が出てくる可能性があります。 
それから、放射線感受性の高いがんに限る。放射線によって出てくることが有名ながん、病気に限って行いますと、有意差が出てきます。白血病、脳腫瘍、甲状腺がん、乳がんなどです。他にも、非被ばく者でほとんど起きないがんに限る。これは上とかなり共通しているのですが。それから、観察時間を長くする、あるいは、5%有意でなく10%有意をとるなどがあります。もうLSSコホートは8%有意差が出ているようです。すなわち、10%有意をとればもう有意差があるわけですね。上記のいずれかを満たせば有意な上昇が示されると。 
そもそも、私……、専門家も、それから一般の人たちも、あの年齢層に、あのがんが多発するというふうに認識するわけでありまして、全年齢層・全がんで統計的有意差があるのか、ないのかということによって多発を認識するわけではないわけですから、こういうふうにA86に基づいて話を進めていては、嘘をついたつもりはなくても、嘘をついたことになってしまうということを、きちんと認識していただきたいと思います。WHOも、甲状腺がん・白血病・乳がん・その他の固形がんの多発が起こる、特に若年層に起こるということに言及しております。 
次のページお願いします。表1をご覧ください。現在の福島県における甲状腺検診によって検出されたがんを地域別にまとめました。まとめ方は、ピンク系が2011年度、平成23年度でありまして、黄色系が2年目の2012年度の検診、それから、3年目が青色系であります。
 
1年目は一括してまとめました。2年目の中通りは、人口集団が大きいですので、四つに分けました。3年目はいわき市、東南地区が人口多いですので、いわき市とそれ以外、それから、残りの3年目というふうにふうにしてまとめました。これはプーリングということでいわれて、乳児死亡率の調査など、データを安定させるのにしばしば使われます。 
これによりますと、表1、平成25年度の残り地区、相馬と会津を合わせたところを基準にして有病オッズ比を出しますと、地域間にばらつきが明らかに見られます。一番甲状腺がんがよく見つかっていますのが、中通りで原発に一番近い二本松市の周辺です。ここでの検出割合というのは、一番右の列を見ていただいたらわかりますように、1,633人に1人の割合で見つかっています。 
次のページをめくってください。内部比較で行いますと、完全に非ばく露と比較してはいませんので、影響の程度を過小評価することにつながります。したがいまして、ほかの比較群をとってきて、そこと比較する必要がございます。国立がんセンターに公開されている甲状腺がんの発生率は、該当する年齢層においてはほぼ100万人に2人か3人なのですが、ちょっと高目に100万人に5人でとりますと、この先ほど一番高いところであります二本松市周辺におきましては、40.8倍ですね、の多発が見られています。もちろん統計的には有意です。 
したがいまして、かなりはっきりした多発が見られているということがわかります。内部被ばくにおいても、県内においてばらつきが見られていますので、これはスクリーニング効果では全く説明することができません、 
その下の図を見てください。これは横軸1目盛り1年、縦軸甲状腺がんの症例数の甲状腺がんの流行曲線であります。1986426日、チェルノブイリ原発事故が起こったところを矢印で示しています。福島県立医大の先生方などは、多発が起こったのは90年か91年ごろからであるというふうに信じておられますが、実はよく見ますと、この丸で示したところ。既に1980年代から、要するに事故の翌年から多発が見られてきております。これはベラルーシだけでなく、ウクライナ側でもこの多発は観察されております。 
それが今、福島におきましては、この右側の矢印で示したところに相当しますので、もう既にこの多発というものが観察されていることになります。非常にはっきりと観察されていることになります。 
アメリカのCDCは、甲状腺がんの潜伏期間は大人で2.5年、アメリカのナショナル科学アカデミーは、子どもにおいては最短1年が潜伏期間であるというふうに述べています。あるいは、乳児の、要するに1歳未満の子どもの甲状腺がんの症例報告なんかもありますので、翌年から多発が起こったところで何の不思議もありませんし、これだけ大規模なデータになりますと、こういうのが感受性の高い人からあらわれるのは、もっともな話でございます。 
次のページをお願いします。今は、フィールド疫学が私の専門なのですが、具体的対策を考える時期であります。何せこの流行曲線から見ますと、まだ、これから大規模な多発が来る可能性が予想されますので、そのための対策をとることが必要となります、甲状腺がんに関しましては。それから、WHOでは、甲状腺がん、白血病、乳がん、その他が、福島で多発することが予想されて明示されていますので、若年者での多発は特に明瞭と思われていますので、この点はそろそろ症例把握の準備をする必要があると思います。 
これは結論なんですが、事故後3年後の福島でも明瞭な甲状腺がんの多発が観察されていますと。多発に備えるいろんな対策が必要だと思いますが、その準備が必要だと思われます。 
因果関係論が私のもう一つの専門でもありますが、因果関係というのは直接観察できません。見えないし、聞こえないし、味もしないし、においもしないし、触れることもできません。だから、第六感で、すなわち直感でやっているのが今の福島県立医大の状況であります。 
しかし、科学である以上、観察可能な部分から、データ分析において定量的に推論していく必要があります。すなわち、観察可能な部分は、原因の部分と結果の部分です。 
次のページ、お願いします。したがいまして、原因の部分と結果の部分のデータをできるだけ完璧に集めることができればいいのですが、そんな完璧に集められることはほとんどありません。しばしば欠落して、特に原因、ばく露側のデータが少なくなりますので、実際の現場におきましては、結果である病気の側から因果関係を推論していくことになります。これが現在、国際的に研修会などが行われている方法論の基本です。原因からの推論に固執しますと、対策をおくらせて被害を拡大させることになります。 
原則、こういうフィールド疫学の原則としては、病因物質の把握にあまり振り回されていると、時間を浪費して被害を拡大させるというのは基本的考え方でありますので、7回ももったいない時間を過ごされたなというのが、私の正直な感想でございます。 
原因から結果を考えるのは実験室の考え方であります。実際の現場では結果から原因を考えます。疾患の多発が疑われ始めると、病気からのアプローチを丁寧にやっていく必要があります。考慮すべき対策は、流行曲線から予想される事故45年後の大きな甲状腺がんアウトブレイクに備えるということ。それから、空間線量率による影響は否定できないので、できるだけの放射線防護措置を実行・援助すると。妊婦、乳児、幼児、児童・生徒、妊娠可能な女性というような、優先順位をつけて実行可能なことをすると。避難も、県内でも少しでも線量の低いところに移動するというような避難も考えられると思われます。 
それから、甲状腺がん以外への影響の把握をするべきだと。それから、甲状腺がん症例把握を現在18歳以下に限られていますけれども、19歳以上に拡大すべきだと思います。これは後で説明します。それから、放射性物質は福島県の県境でとまっているとは思われませんので、福島県外の住民に対して症例把握をしていく必要があります。それから、これは徹底すべきだと思いますけれども、100mSv以下でがんが出ないというような話は必ず撤回する必要があります。 
このような状況で、その帰還計画は延期すべきであるというふうに思われます。 
事態が進行する中での情報開示を的確にやって、天気予報のように発達してきていますので、そういうように随時データを分析して、住民の協力を得られるように情報開示していく必要があります。それは住民からの信頼を得るためです。住民からの信頼をなぜ得るのかといいますと、人的被害を最小にして、経済的損失を最小にするためであります。 
それで、甲状腺への放射性負荷というのが、現在、内部被ばくの要素によるものしか、ほとんど考えられていませんけれども、WHOの線量評価では、外部被ばくを、例えばこの下の表で言いますと、40%を見込んでいます。これ2011年中においてだけ40%でありますので、その後は内部被ばくの割合低くなっているはずですので、外部被ばくの危険を避けることを十分に考える必要があります。 
次のページをお願いします。これは10歳の子どもと1歳の乳児における線量評価と、それぞれ吸入被ばく、外部被ばく、経口被ばくの割合です。福島が検診のデータは世界最初のというふうに言われますが、その下の表、有病割合データもかなりございまして、岡山大学、あるいは、千葉大学、あるいは、チェルノブイリ周辺の非ばく露群のデータなどありまして、これらをいずれもはるかに上回っております。 
次のページ、お願いします。11ページ……
1:01:42
長瀧座長 すみません、かなり時間をオーバーしておりますので、時間をお守りいただきますように、お願いします。

津田氏 はい、了解しました。 
チェルノブイリの非ばく露集団等における集団検診データでは、7445人中1人しか、エコーによって甲状腺がんは見つかっておりません。 
それで、年齢は連続しているというふうに書いておりますが、今は子どもの甲状腺がんのことばかり考えられていますが、実際に数は子どもよりも成年、大人のほうがたくさんの数が出てくることになります。 
次のページ、お願いします。12ページの下の欄。統計的有意差がないことと、影響がないことを混同してはならないというのは、1978年から既に警告されております。 
次のページ、13ページの下側を見てください。100mSv以下での被ばくでがんが多発する、放射線によるがんが多発という論文はもういっぱいあります。広島・長崎のデータは、もう相対的なスモールデータであります。いっぱいあり過ぎて整理ができません。 
次のページをお願いします。これが広島・長崎のLSSコホートの100mSv以下、赤で示すところは100mSv以下の対象者の数でありまして、68,000人です。福島県の基本調査に基づきますと、大体60万人~70万人の1mSv以上の被ばく者がいそうな感じです。 
その下、オーストラリアで行われたCTスキャンによる発がん影響。これはCTスキャンを受けた68万人と、受けていない1,100万人のデータですが、全がん全部合わせても、1回の検査によって1.2倍、2回の検査で1.3倍、3回以上の検査で1.5倍のがんの多発が観察されています。 
15ページ、下側ですが、これは部位別の多発の程度が乗っております。
次のページ、16ページ……
1:04:07
長瀧座長 先生、お二人分ぐらい時間を使っておられますので、よろしく時間をはっきりとお願いします。

津田氏 どうもすみません。ここで論文をもとにほとんど論じられていませんので、たくさん論文を紹介する必要があるんです。 
自然ガンマ線による白血病とがん影響ですが、これは図を見ていただいたらわかりますように、累積ガンマ線被ばくによってが5mGyを超えますと、統計的有意差が出てくるのが観察されています。白血病を除く全がんに関しましても、15mSvの累積被ばく、15mGyの累積被ばくによって多発してくるのが分かっています。そもそも妊婦さんに対する胎児への影響というのは、1956年のこのAlice Stewartの研究から既に明らかになっておりまして、次のページ、17ページ。 
世界各国で、妊娠中に放射線を浴びたために小児がんが多発するという報告は相次いでおりまして、どういうがんが多発してくるかというのは、17ページの下にまとめてあります。 
最後のページです。DollWakefordのことから言えることは、日本のどこの病院のレントゲン撮影室の入りロにも表示してある「妊娠している可能性がある方は、必ず、申し出てください」という表示は、これらの調査の結果から来ております。 
福島県では、今もなお、妊婦さんを含む全年齢層が被ばくしている状態であるということを、きちんと考えていただきたいと思います。 
以上です。
1:06:05
長瀧座長 どうもありがとうございました。 
今の拍手もどうなんですか、拍手してはいけないというのは、お願いしてあるのでしょうか。 
時間が過ぎましたので、ここですぐ森口先生にお願いいたします。

森口祐一氏 東京大学大学院都市工学専攻 (資料) [PDF 1,307KB]
森口でございます。本日は貴重な時間をいただきまして、ありがとうございます。 
タイトルを書いてある表紙の次、2枚目に話題提供の背景を書いております。前々回と前回の会議を傍聴しておりましたけれども、そこで線量評価の考え方の骨子が示されております。 
被ばく量の実測を重視しつつも、環境モニタリング濃度データや、大気拡散沈着モデルによる推計を行うという整理がなされておりまして、私からの本日の話題提供は、それに答えようとするものでございます。 
1枚おめくりいただきまして、スライド番号で説明させていただきますが、3枚目のスライドに示した順でお話いたします。 
4枚目は自己紹介でありまして、放射性物質は専門でありませんけれども、環境汚染問題に長く携わってまいりましたので、原発事故以降、関係各省の検討会に加わり、原子力規制委員会の検討チームにも参画してまいりました。
日本学術会議の放射能対策の分科会議、それから、事故後の放射性物質汚染に関する大型研究プロジェクトのアドバイザー等も務めております。 
かつて、大気拡散モデルを自ら手がけておりましたけれども、本日は自らの研究成果ではなく、こうした活動を通じて得た知見をまとめて提供しようとするものでありまして、1枚目に記したお二方初め、多数の研究者の多大な協力を得ております。 
震災直後に東大に移りましたけれども、発災時点の職場であった国立環境研究所のホームページの在任の最終日に掲示されたのが、5枚目のスライド、3ページの上側ですけれども、これのイラストでありまして、この下図を私、書いておりました。 
図の右側に大気を採取して、そこに含まれる放射性物質を測定することの重要性を書いておりまして、それが本日の話題提供の中核になります。
6
枚目は、事故直後のダストサンプリングが行われた福島県内外の地点のマップです。NNSAといいますのは、アメリカエネルギー省の国家核安全保障局で、在日のアメリカ大使館、それから、在日米軍などの協力で、迅速かつ広範囲に調査を実施しております。 
右側のグラフは、横軸がセシウム、縦軸がヨウ素ということで、I-131Cs-137の比のプロットを示しております。地点により、また、日時により、比が1桁以上異なっているということがご覧いただけるかと思います。残念ながら、ここではかなり散発的なモニタリングでありまして、同一地点でのダストサンプルによる連続観測は極めて限られております。 
おめくりいただきまして、4ページ目の上側です。7枚目の上段に抜粋をいたしましたUNSCEARの報告書、パラグラフ70にもこのことが書かれておりまして、大気中濃度の実測値が非常に限られており、拡散モデルと地表沈着量の補正に頼らざるを得なかったとされております。しかしながら、放射性核種の大気中濃度を測定したデータが少な過ぎたという、このUNSCEARの指摘に対しましては、大気環境の研究者は、利用可能なデータがまだ存在すると考えております。 
昨年829日の読売新聞報道でも触れられておりますけれども、環境省が全国に配備してきた大気汚染の常時監視システムというのがございます。ここで大気中の粒径10μ以下の浮遊粒子状物質、いわゆるSPMと呼ばれておりますけれども、これが連続自動監視されております。その測定装置の写真も示しておりますけれども、この中のろ紙、真ん中の写真ですが、ここの中に大気中の粒子の採取試料が残っております。このデータが使えるのではないかということで気づいて保存を依頼した段階で、残念ながら既に廃棄されてしまった地域もございますけれども、7ページの図の右下にありますように、都市部を中心に測定局が多数、数百局ございます。東日本の数字でございます。 
ここでの事故直後の1時間ごとの大気中セシウム濃度の再現が可能でございます。無論、健康影響の観点からは、短寿命核種の再現が望まれるわけでありますけれども、これは残念ながら今となっては実測できませんので、その推定の手法について、次の4ページ目の下、8枚目のスライドでご説明いたします。
ある地点における大気中濃度を正確に再現するには、放出源から風で運ばれてくる、いわゆる拡散過程、二重線で囲った左側ですけれども、それから、右側の地表への沈着過程の、この二つの過程の両方を、それぞれ正確に再現することが必要であります。この右端の地表沈着量の実測データといいますのは、福島県東部では2kmメッシュという、非常に緻密な土壌採取に基づくデータもありますし、また、航空機モニタリングによる広域データなど、非常に多くのデータベースがございます。これまで大気中濃度の実測データが限られておりましたので、主に、この二つの過程が合わさった結果としての地表沈着量の再現性、その空間分布の再現性でモデルの適合性が議論されてまいりました。 
しかし、この地表沈着量というのは、かなりの日数にわたって原発からの放出がありまして、それが沈着して蓄積した量でございます。これに対して、先ほどご説明しました実測値というのは、大気中濃度という重要な変数を、空間分布だけではなくて、何日の何時という1時間ごとの連続測定データとして知ることができます。これによって、モデルが大気中濃度の時刻変化、それから、空間分布まで再現できるかどうかという検証が可能となりますので、モデルの不確実性を大幅に小さくすることができます。さらには、ソースターム、放出源の情報の逆推定の利用にも可能であります。こうしてセシウムの大気中濃度の時空間分布の推定精度を向上させた上で、ヨウ素とセシウムの比を乗じるという、そういう手順になります。 
8枚目の図のちょうど真ん中あたりの流れでございます。この比は先ほど6枚目のスライドで示したとおり、事故直後の限られた実測値で、かなりばらついておりますけれども、半減期が極めて長いI-129、これを質量分析にかけることによりまして、ここで新たな知見が得られるだろうと。それを加えることで、I-131の時空間分布の推計精度も、かなり向上できるものと考えております。 
今ご紹介しました8枚目のスライドが、今日の話題提供の核心部分でございますけれども、せっかくの機会でございますので、もう少し視野を広げて、大気経由の被ばくに関連する科学的知見について情報提供させていただきます。 
9枚目で日付を書き漏らしてしまいまして申し訳ございません。今年の315日、16日、土曜、日曜でございますが、筑波大学において60数名の専門家が参加するワークショップを開催いたしました。私が呼びかけ人の代表でございます。一部は一般に公開し、当日の資料はウエブサイトで公開しております。 
事故由来の放射性物質に関する調査研究は多分野にわたり、数多くの学会、大学、国立研究機関等が関わっておりますので、その全貌を把握することが困難でございます。情報の共有と整理が必要ではないかと、そういう思いを持った世話人の問題意識をもとに、このワークショップを開催いたしました。当日は四つのグループに分かれ、健康影響そのものは、実は世話人の相談の結果、取り上げておりませんけれども、「第1グループ:放出、拡散、線量評価、測定手法」、このグループが本日の話題に最も関連が深い分野でございます。グループごとに重要な知見を10項目程度に整理するということを共通の宿題といたしました。 
10枚目のスライドが、私が取りまとめを担当した、第1グループで整理した重要事項のリストでございます。いずれも、この専門家会議と多かれ少なかれ関係いたしますので、全ての項目についてご説明したいところですけれども、時間が限られておりますので、こうした取り組みを行ってきたというご報告と、それから、課題ごとにどのような課題があったのか、一部かいつまんで例示させていただきます。 
11枚目のスライドは、リストの4番、まさに本日の話題でもありますけれども、初期被ばくの線量の再構築でありまして、最もよく知られた315日、16日だけではなくて、314日以前のプルーム、または320日以降のプルームについても、着目することの必要性を指摘しております。また、このスライドにつきましては、主に放医研の栗原室長に作成していただいたものでございます。 
12枚目、リストの5番も本日の話題と直結する事項でございます。初期被ばくにおけるヨウ素、セシウムの比率、これはもう先ほど触れました、それから、ヨウ素がガス状であったのか、粒子状であったのか、それから、Te-132だとか、I-131以外の短寿命核種による線量寄与、これはここに円グラフを示しておりますけれども、こんな例示がありますけれども、これで必要十分なのかどうか。また、呼吸による吸入以外の摂取経路の可能性の検討は十分かと、こういった論点が挙がっておりました。 
13枚目は、これはワークショップでのまとめではなくて、私からの補足情報ですけれども、左側が航空機モニタリングによるセシウムの地表沈着量で、右側がヨウ素の地表沈着量の再現結果ということでありますけれども、沈着量で見ますと、方角によってかなり比が違うということが見てとれるかと思います。先ほどの8枚目で触れましたけれども、こうした情報も使いながら、大気拡散モデルによる大気中ヨウ素濃度の再構築を進めていくことになります。
14
枚目には、その大気モデルに関する課題・現状をまとめております。現在、日本学術会議のワーキンググループを設けまして、相互比較、それから、検証が進められております。中ほどにある新たに発掘された観測データによる総合的検証という項目の中核をなすのが、先ほどの8枚目のスライドでございます。 
15枚目と16枚目は、シミュレーションモデルがどのぐらい不確実性があるのか、なるべく具体的にわかる資料が欲しいというリクエストを桐生前参事官からいただいておったんですけど、異動されて本人いらっしゃらないこともありますので、ちょっと割愛させていただきます。 
17枚目、これは短寿命核種ではなくてセシウムでありますけれども、環境中の挙動、あるいは健康影響を考える上では、核種の物理化学的な性状も非常に重要な事項として整理しております。このセシウム粒子の場合、金属元素とともに、セシウムが数%オーダーで含まれる弱の粒子ですけれども、これは水に溶けない球状の粒子でありまして、つくばで314日から15日にかけて採取された試料に含まれていたということ、これは気象研究所の研究者が発見されております。 
なお、321日もつくばにプルームが飛来しておりますけれども、ここは水溶性の粒子が主体で、この種の粒子は見つかっておらず、時期によって性状が異なっていたと考えられます。 
18枚目は、グループ1の最後、11番目のいわゆる総括的な項目でございまして、未公開のものも含め、データの収集、発掘、保全、蓄積、利用環境の整備が必要であるということをうたっております。これについても学術会議にWGが設置されております。 
以上、ここまでが話題提供の3項目、分野横断ワークショップ、特に第1グループの報告でありますけれども、最後に4項目として、放射性物質の環境動態の総合的理解の必要性について、もう一言だけ述べさせていただきたいと思います。 
19枚目には、環境への放出から被ばくに至るさまざまな経路を図示しております。今日、主にお話をいたしましたのは、この赤の線で囲っているところで、これがワークショップでは第1グループが担当いたしましたけれども、図のそれ以外の部分につきまして、ワークショップの第2グループ、第3グループが、それぞれ知見をまとめております。 
20枚目のスライドに例示しましたような、さまざまな分野における政策の参考として活用いただきたいと考えております。 
少し話が広がってしまいましたので、21枚目に本題の部分のまとめを書かせていただきました。 
22枚目は、蛇足かもしれませんが、自戒も込めまして、科学者の行動規範のうち、政策立案・決定者に対する科学的助言という内容を含む、社会の中の科学という部分を抜粋してつけさせていただきました。 
時間の制約から、非常に大変早口で失礼いたしました。以上でございます。
1:18:23
長瀧座長 どうも、森口先生、ありがとうございました。 
さて、これで皆様のお話を伺ったわけですが、もう本当に初めから申し上げましたように、もう予定で5人の先生から伺ったということ、討論時間が30分しかない。本当にお一人ずつ質問をできなくて申し訳ないんですが。もう順不同で委員の方から、ぜひ、どこでも委員の5人の先生にご質問したいということがありましたら、どうぞ挙手の上、ご質問していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 
どうぞ。

清水委員 

木村先生に。日本医科大学の清水と申しますけれども。私はこの移動検診が、先ほどのグラフの説明ですね、5ページの。移動検診が98年ぐらいから毎年、関係して現地のほうに行っているんですけども、恐らくこれから先生といろいろご一緒する機会が増えると思うので、よろしくお願いします。 
私の質問は、86年に事故が起こって、90年ぐらいから超音波の、Sasakawaのあれも含めて、超音波検査が導入されてきたということで、その前の事故直後から、その超音波検査が頻繁に行われるようになった90年の前の間ですね、86年の事故後5月ぐらい、あれ4月ですので、5月以降、あるいは、87年、88年、89年、そのころはどうだったのでしょうか。超音波検査はしっかりと行われていたのか、それとも、こんなことが、こういう甲状腺がんが発生するということが、恐らくこれほどまでと予想されてなかったと思うので、その時期においてしっかりと検査が行われていたのか、それとも、このころになって増えてきたので、慌てて超音波の検査とか、そういう甲状腺がんに関する検査が行われてきたのか、その辺の対応をちょっと教えていただきたいと思うんですけど。

木村氏 これちょうど5日ほど前に言質を取ってきたばかりなんで、クリアに覚えているんですが、実はエコー検査装置自身はあったと、事故前からあったと。ただ、使ったことがなかったということをベラルーシの方々はおっしゃっています。 
ほとんどが触診であって、触診も、後ろから首を絞めるような形で、甲状腺の触診をしていくというのが今までのタイプであったけれども、それ自身が前からきちんとさわって触診をするようになったのも、この90年前後であると。日本の検査チーム入ってから、教えを請うたというふうにおっしゃられておられました。 
その結果、あったけれども実際に使うということはない。90年以降、Sasakawa foundationが入ったことによって、甲状腺のエコー検診が日本人の手によって行われることによって、明らかに有意になったので、慌ててそこから学んでいくということが入ったというふうにおっしゃっておられました。
1:21:48
清水委員 そうしますと、もし、今、福島の後は専門家が機械を使って一生懸命検査をしている、その中で見つかったのと、その当時ですね、事故後3年、4年ぐらいの間に、今みたいな検査が行われていたら、どういうふうに先生はお考えになります。

木村氏 これは申し訳ございません。私の私見でございますが、もし、この事故直後から甲状腺検診をやっていれば、もう少し早い時期に子どもの小児の甲状腺がんが見つかったというふうに考えられます。

清水委員 それは被災とか、そういうことと関係なくて。

木村氏 それは、被災は関係ある部分がかなり大きいかと思います。 
これは、ブレスト州は先ほど申し上げてございますが、事故の様相が全く違いますので、きちんとした比較にはなりませんが、250kmから500km離れた原発からの距離としては、非常に遠い距離にあって、こういった結果が出ているということは、どう考えていっても二本松市、私、今日も原発から35km圏のところの小学校で出前授業をやってきて、そのまま来たわけなんですが、やっぱり二本松市含めて、35km圏から70km圏というような近いところでは、濃淡の差がある。 
また、これは一つ言い忘れたんですが、呼吸量に十分注意を払わねばなりません。今までの外挿としては、要は通常の生活を考えて、普通の生活をおとなしくしているときの呼吸量で考えられていました。だから、1時間当たり大体20Lとか、そういった20m3ですか、そのぐらいの呼吸量というふうに考えられますが、実は事故直後、私は315日から入っておりますが、高校生等については部活動を早期再開しているようなところがございます。こういったように、これ呼吸器内科と大学の副学長と議論をしていったのですが、呼吸量の大きいアスリートといわれるのは、1分間当たり180Lから女子でも120Lぐらいの呼吸量をするというふうにおっしゃっておられました。 
こういったようなことも考えまして、呼吸量の差異についての検討、ここにはなされていない。だから、やっぱりここの呼吸量を含めた考え方によっては、もしかしたら、こうやって甲状腺がんの増加につながる可能性もあると、私は思っております。
1:24:30
清水委員 もう一つよろしいですか。菅谷先生によろしいですか。 
まさに、日本で技術を教えている先生が先人だと思うんですけれども、3ページのチェルノブイリ事故後の健康被害のところで、免疫機能の低下、造血器障害、いろんな障害が出てきて、ここにリストアップされていますけれども、精神面の障害というのは現地でいろんな意見はございませんでしたでしょうか。 
つまり、子どもさんはなかなか、親が非常に心配して、それが子どもに伝染してといいますか、子どもさんもその雰囲気を何となく察知して、精神的に障害を受けていくというようなこともあるんじゃないかと思うんですけども、その辺は先生いかがでしょう。

菅谷氏 確かにありました。子どもでも非常にメンタルな面で、今、先生おっしゃったように、親がやっぱり相当心配していますから、それが子どもに影響を及ぼすということはございました。ですから、そういう意味でのメンタルなケアも継続して、今もやっていると思います。特にサナトリウムとか、また保養地では、そちらのほうは早い段階からやっているようでございます。
1:25:56
長瀧座長 どうぞ、ほかにどなたか。 
どうぞ、祖父江先生。

祖父江委員 

続けて、木村先生にお願いします。 
先ほどの図ですね、5ページ目の。このグラフを見ると、やっぱりこの初期の段階だけではなくて、20年、30年たっても甲状腺がんが増えているという印象を与えますよね。それにはもちろん放射線の影響もあると思いますけども、やっぱり、超音波検査をどの程度その住民が受けているのかというところが、かなり大きなファクターだと思うんですけれども。この期間全体を通じて、どの程度の検査が行われているのか、住民全体を通じて受診率がどの程度のものなのか、毎年受けるような形でやっているのか、数年ごとなのかというのは。どのようなデータが残っていますか。

木村氏 今ちょうどそれを調べている最中でございまして、今、私が答えられるのは、これは毎年やっているということです。毎年検査を……

祖父江委員 毎年やっているのはいいのですけど、住民をどれだけカバーする形でやっているのか。

木村氏 住民のカバー率ですよね。

祖父江委員 はい。受診率と言います。

木村氏 受診率と言うのですか。これは、先生、ベラルーシに行かれたことはございますか。ないですか。ルカシェンコ政権というのは、ほぼヨーロッパ最後の独裁政権でございます。こういったようなところでは、かなりの受診率が高いというふうに考えてもよろしいかと思います。

祖父江委員 100%近いという意味ですか。

木村氏 100%とは言いません。もちろん、これは地方によっては。今回も僕は移動検診につき合ったのですが、この中で、とある村は1日しか行っておりませんので、そこで検診ができなかった場合には、その日にいなかった場合は検診できないと思いますので、検診率については、もう少しまだ私も具体的なことは言えません。申し訳ありません。

祖父江委員 その辺、全てデータを収集しておかれるようにお願いします。

木村氏 はい、わかりました。ありがとうございます。

祖父江委員 それから、もう一つ、検査のために見つかってくるがんというのは、やっぱり早期のがんが多くなるんですけども、これを通じて、診断された甲状腺がんのステージの分布がどうなっているのか。あるいは、その結果、亡くなられる方が、甲状腺がんの死亡率が、どのような推移をしているのかというデータはありますでしょうか。

木村氏 そこはまだ調べておりません。ただし、これは2011年の11月に、私はもう50回近く入っているウクライナジトーミル州のナロジチ地区、ここで赤十字が行った検診検査に、たまたま立ち会うことができました。そのときのインタビューによって、甲状腺検診医が言うには、この地域でもっと毎年きちんと甲状腺がんのエコー検診ができていたら、4人の人は予後不良なることはなかったであろうというふうに言われたのを覚えております。 
だから、検診によって出てくるということはもちろんあるし、死亡するというケースもあるというふうに私は考えております。

祖父江委員 だけど、この数字からすると、死亡される例は少ないと考えていいのですか。

木村氏 このブレスト州については少ないと思います。

祖父江委員 わかりました。
1:29:17
丹羽委員 

子どもさんというのは何歳までの。

木村氏 子どもは13歳以下。申し訳ございません。ここで赤というのは13歳以下。

丹羽委員 わかりました。そうすると、この2002年とか、この2000年ぐらいからのこの赤い方は、一応事故に遭っておられない子どもさんという。

木村氏 そのとおりでございます。

丹羽委員 わかりました。

木村氏 ここに関しては、先生、すみません、一言、言わせてください。0.7%の患者さんであったと。事故以後に生まれた子どもたちで甲状腺がんになった人たちは0.7%、事故前がほとんど全てであるというふうに言っておられます。

丹羽委員 わかりました。そうすると、同じような点で、Adolescents16歳とか17歳、18歳ぐらいまで。

木村氏 141516。ごめんなさい。これも間違えました。14までです。14までが子どもで、14以下。で、151617です。

丹羽委員 そうすると、この方々も2002年のこの黄色い、本当の1歳児ぐらいであったと、事故時は、そういう感じなんですね。

木村氏 そうです。

丹羽委員 わかりました。
1:30:50
長瀧座長 ちょっと、その当時のことをつけ加えさせていただきます。祖父江先生のお話にもありますけども、我々、外部の国際的なグループとして行きまして、このデータではまだ足りないというふうな要求をいろいろしました。最終的に、甲状腺がんが増えたとロシアでベラルーシで言ったときには、その分母がなければいけないというのを随分、我々は主張しまして、分母はベラルーシの子どもの数全部、それから分子は、その年にベラルーシで手術をして確かめた子どもの数ということにして、毎年のインシデンスを出してきました、各3カ国ですね。 
それで、それが86年のころは100万人で二、三人だったのが、ベラルーシだと国全体として見て40人ぐらいまで増加したと。これはほかの原因ではないのでというような議論で、国際的にがんが増えたと認めた、一番最初はそういう疫学的な格好だった。国全体の子どもをベースにして、その年にその国で手術された子どもの数全部を分子にしたということです。

祖父江委員 その場合はやっぱり、そのときにどの程度の超音波検査が国全体の子どもに対してされたのかというデータをつけないと、その症状が出て甲状腺がんが発見されたのか、そうでないのかというところを区別できないと思いますけど。

長瀧座長 結局、その検査法が一定しないものですから、とにかく、わかったものだけということで、我々は客観性を持たせたというふうに。
1:32:40
丹羽委員 菅谷先生なんですけど。この例えば、4枚目とか3枚目のスライドをいただいたんですけど、これ現在の状況なんですね。

菅谷氏 はい。これは2年前の状況でございます。

丹羽委員 だから、線量は下がっているにもかかわらず、疾患は増えておると。

菅谷氏 そういうことでございます。ですから、今、汚染地に住んでいる子どもたち、しかも事故後に生まれているものですから、こういうところは、低濃度の汚染地域に住んでいる子どもたちが、今はこういう状況であるということが……

丹羽委員 子どもさんというからには、14歳までが子どもさんということになって、そうすると、その2000年ぐらいまで、とにかく、いま最近、ここ10年ぐらいでお生まれになった子どもさんが、非常にどんどん悪くなっていっていると。

菅谷氏 先生、悪いということは、ちょっと僕はわかりませんけれども、こういう事実があるということです。

丹羽委員 そういうことですね。

菅谷氏 はい。そういうことでございます。

丹羽委員 そうすると、線量は、でも一方でどんどん下がっていると。

菅谷氏 下がってきていますが、特にセシウムでございますものですから、大体、今が28年目になりますものですから、半分ぐらいになってきているということでございます。
1:34:14
長瀧座長 どうぞ、鈴木先生。

鈴木委員 

一つは、木田先生。12ページ、これはウクライナのリスクグループの定義だと思うんですが、今日の一番最初の、私たちのこの間の被ばく線量の評価というものから行くと、福島の住民、お子さんは、この中のリスクグループVに、一番下の範疇に入るというような理解でよろしいことになるんでしょうか。

木田氏 V番は入ると思います。それから、III番の三つ目のポチですけど、事故当時0−14歳で、被ばく線量に関わらず、無条件で居住地域から移住させられた者という、ここも入ってくるんじゃないかという……

鈴木委員 これは多分、被ばく線量が評価されてない人だと思うんですね。実はそこの中で、ばく露はされているんだけども、実際の個人個人の評価はされてないんで、そこの人たちは、ある高さのものがあるというふうな想定なんだろうと、私は理解したんですが、それが1点です。 
今、チェルノブイリと福島の比較をしているとき、やっぱり私たちが線量から始めたというのは、どのぐらいのリスクグループとして捉えていけばいいかということで最初始めたわけなんで、ちょっとそれを確認したかったと思います。 
津田先生、よろしいでしょうか。やっぱり線量を、普通のエコロジカルスタディだと、あまり線量というのは出てこないだろうと思うんですが、やっぱり今回、線量というものを、かなり放射線疫学の場合ははかれるわけですね。甲状腺の線量というのも、チェルノブイリと今回の福島では全然レベルが違っている。そういうレベルが違っているものを単に同じような、これから、例えば6ページの流行曲線をそのまま使えるのかどうかということは、やっぱり疑問があるんじゃないでしょうか。
もう、チェルノブイリの甲状腺の被ばく線量というのは、高い人ですと、10Gyぐらいまで行っているわけですよね。平均――ちょっと今、数字ここで出ませんが、2Gyぐらいに多分、ウクライナ、避難者、今ここのリスクグループでいうと、IIとかIIIに入っていたような人たちというのは、甲状腺被ばく線量が2,000mGyぐらいあったわけです。そういう人たちで起きた甲状腺がんの流行曲線というものを、今回の福島に当てはめていくというのな、私はすごく違和感がございます。これは私のコメントです。
それからもう一つ、表1で、先生せっかくオッズ比を出したんで。3県、青森と、それから山梨、長崎、あの3県の同じような有病率で、甲状腺検査をやった集団とのオッズ比は見られましたか。
1:38:12
津田氏 はい。34,365人に1人ですよね。そこは年齢層は全然違うんです。

鈴木委員 オッズ比はむしろ小さくなりますね。

津田氏 違いますよ。大きくなりますよ、オッズ比は。

鈴木委員 オッズ比は3県をベースにすると、福島のほうが甲状腺がんはオッズ比は小さくなりますね。

津田氏 いや、福島のほうが高くなるんです。

鈴木委員 いや、私のは小さくなりました。

津田氏 先生、4,365人に1人見つかっているんで、一番高いところは1,633人に1人見つかっているんですよ。

鈴木委員 オッズで見て。これで――後でまた、それはデータ見ればいいかと思います。
5ページ目の甲状腺がんの検出割合、これ小児甲状腺がんの場合ですと、年齢層によって随分、罹患率が違いますね。そうすると、ここで比較するときに、年齢調整をしてないと、こういう比較というのはあまり意味がないと思うんですが、いかがですか。 

津田氏 どことどこの。

鈴木委員 会津若松市を除くH25年残り、いわき市以外の南東地区。ここで、会津若松市を除くH25年残りというのをベースにしたわけですよね。

津田氏 はい。

鈴木委員 それとほかを比較していくとき、年齢階層を調整してないと、こういう比較は難しいんじゃないかというコメントです。

津田氏 年齢階層は事故時1歳~18歳です。

鈴木委員 いやいや、それは大き過ぎて、結局、例えば5歳以下……

津田氏 いや、粗分析と言います、こういうのをね。こういうのを粗分析と言って、粗分析と年齢調整分析の比較をいっぱい見てきた私にすれば、これだけ年齢層がそろっている場合には、年齢調整をしたところで、そんなに大きな違いは出てきません。 
もちろん、もとデータを与えていただければ、年齢調整分析なんて簡単ですので、やれると思います。

鈴木委員 そうですね。例えば、10歳以下の小児を診ている集団と、それから、もうちょっと上の集団が多い、子どもの集団、そこにばらつきがあると、偏りがあると、非常に違うデータになってしまうんで、そこは慎重にやらないと、1歳~18歳という年齢階層というのは、あまりに大き過ぎるかと思いますが。

津田氏 いや、先生が言われているのはよくわからないですけど、これ、もともとの年齢層ほとんど同じなんですよ。人口割合を見ていただいたらわかりますけど。5歳刻みで発表されていますけども、そういう年齢階層ほとんど同じなんですよ、この各地域で。

鈴木委員 いや、検診を受けた人の年齢階層をしっかりと見てから、ぜひ出してください。

津田氏 データ出ているじゃないですか。これで、だから年齢階層出ていますよ。 
いや、出ていますよ。それと、あと、私には元データ与えられていませんので、このデータ以上のことはできないです。でも、このデータでも、はっきりした違いが出ていますので。そういうことを、今はまだ被ばくが続いている状態において、そういうのんびりしたことを言って安心しても、何の意味もないというのは私の意見でございます。 
恐らく、この中で時々刻々と変化するデータを分析しながら、行政判断をしていった経験があるのは、私ぐらいだと思うんですけれども、フィールド疫学というふうに、こういう分野は言うんですけれども、その分野から言いますと、もう、これは非常にはっきりしているので、対策を考えていく段階であると思います。 
それから、ベラルーシのこの甲状腺がんの流行曲線というのは、これがこの大規模な汚染のデータというのは、歴史上、チェルノブイリのこれしかないんです。ベラルーシとウクライナの両方で描かれています。 
まだ、福島は3.1年か、3.2年しかたっていないんです。その時点において、これだけのはっきりした多発がもう明らかになっている以上、これから潜伏期間の長い人たちの発症の準備をする必要があるというふうに言っているわけですね、私は。ばく露が続いている以上、今できるだけ避けるという必要があるというふうに言っているわけです。
1:48:08
長瀧座長 どうぞ、ご遠慮なくご質問ください、今のお話に対して。がんが増えているということが、ここの委員会の結論になると、大変なまあ……

祖父江委員 じゃあ、ちょっと流れなので、津田先生、お願いします。表1のデータですね。年齢調整しても、あんまりオッズ比変わらないというような予想だということは、それはそうかもしれません。 
ただ、これで懸念するのが、黄色の地域と、それから、いわきとかそれ以外の会津の地域と、お子さん方の受診率はどうだったのか、それからその後、生検とられたときの生検の受診率どうだったのかというのは地区ごとに出されていますか。

津田氏 これは、福島県の検討委員会の資料に出ております。

祖父江委員 いわきのほうが黄色の地域に比べると、その辺の詰めが甘いような気もするんですけど、それはどうだったですか。

津田氏 甘いと私に言われても、元データ持っていないのですから、福島県に言っていただいたほうがいいと思うんですけど、そういうことは。

祖父江委員 だから、ちょっと想像するに、気になる人はまずその……、生検の受診率に関して言うと、エコーで検査を受けて異常があったと。だけど、その次の生検につながっていない人が、いわき市あるいはその会津のほうで多いんじゃないかと、そのために発見率が低くなっていないのかなと懸念しますけれども。

津田氏 一番後から進んでいますので、受診率はこれから一番上がる可能性があるのは3年目です。それは、もう当然です。順次発表されていますから。でも、この段階においてもうはっきりこの中通りの多発、もうここは、もうこれ以上、なかなかこれ以上受診率は上がらないと思いますけれども、はっきりしているわけですから。もうこの段階で、こんなオッズ比とか発生率比なんてもうなかなか見ないわけですから、先生もよくご存じのように。これも、これからの対策を考えないという理由はどこにもないですけどね、今のところ。

祖父江委員 この生検受診率のデータがないので、何とも言えないというところはあると思いますが……

津田氏 データはあります。
1:45:42
長瀧座長 データは全部、ホームページで出ています。ただ、今言わなきゃいけないのは、まだ会津地方は終わっていないのです。県の同じレベルのデータは、まだ第二次検査の、これ環境省はよくご存じですよね。今のデータの状況は。ですから、今まだ福島の甲状腺検査グループは、まだ会津が終わっていないからその比較を発表できる段階じゃないと言っていらっしゃるんじゃないですか、阿部先生。

阿部委員 

先行調査の3年目に入りまして、会津地区は大体331日現在で、一部はちょっと残っていますけども、大体終了はしております。ただ、会津地区の受診率は悪いんです。ほかの地区に比べると悪いという状況にはなっています。

長瀧座長 それと二次検査の結果がまだ終わっていないというふうに県の調査のホームページには書いてありますが。

阿部委員 ここは331日の現在では、そういう状況だというところです。

長瀧座長 まだ、二次検査によって増えてくる可能性は残って、どれぐらい増えるかわかりませんけどね。まだ、調査の段階でそこの段階でいきなりこうだと言ってしまうのは津田先生、少し早過ぎると思いますが。

阿部委員 だからちょっとつけ加えますと、会津地区のほうの二次検査のほうは、まだ結論は出ておりませんので、そこのデータについてはまだはっきりしていないということです。

長瀧座長 会津地方はまだ結果が発表されていない段階……
1:47:20
津田氏 わかっていますよ、先生ね。先生が一番間違っておられるのは、これは人間相手の調査なんです。現実の状況の中でこういうことが起こる可能性があるということは対策を備えていかないといけないわけです。実際、今、被ばくされているわけですから、状況が続いている中において、その時点のデータを集めて、今こういうことを考えなければならない。これがフィールド疫学と実験室の医学の違いであります。先生、そのことを忘れておられるんですよね。

長瀧座長 いや、今、先生と議論するつもりはないんですけども、被ばくしているともういきなりおっしゃいましたけれども、被ばく線量は我々、今ずっと議論してきていますけれども。先生、被ばく線量について、被ばくしていると決めるためには、被ばくしているという事実がなければいけない。

津田氏 私たちも被ばくしていますし、福島県の方々も被ばくしています。でも、空間線量率は福島県のほうが高いというふうに言っております。

長瀧座長 チェルノブイリと比べてどれぐらい被ばくしているというふうなことは、先生のお話の中にあるわけですか。

津田氏 いや、先生ね、私はこの表とか――こちらの表というのは、日本全国とあるいは福島県内とで比較して言っているわけです。チェルノブイリはこの表に関して言う限りは関係ないのです。
1:48:50
長瀧座長 ほかの方、僕ばかりあまり質問を。
どうぞ、春日先生。

春日委員 

津田先生に6ページの上の表2についてもう少しご説明をいただければと思いお願いいたします。 
それから、菅谷先生にお伺いしたいんですが、3ページ、4ページで区分されている低濃度汚染地域、あるいは汚染地域というこの分類の仕方なんですが、これは線量で区分けされているんでしょうか、それとも何かそのベラルーシとしての、自治体によっての線引きがあるんでしょうか。 
それから、もう一つだけ。ここでいろいろお聞きになられた健康異常なんですけれども、これは公的機関あるいは大学等できちんとリスト化されてデータベースとして蓄積されて、その後の解析に使えるような形で保存されているのでしょうか。 
以上についてお願いいたします。

津田氏 はい、まず私のほうから説明させていただきます。6ページの表26ページの上のほうの表ですけれども、外部比較、要するに表1は福島県内で、比較の基準としては会津若松市を除く平成25年の残りで二次検診の受診割合が進んでいるところだけを抽出したところを基準にしていますが、この地域も日本のほかの地域よりはちょっと被ばく線量は高いわけですね。 
したがいまして、そうなりますと過小評価する可能性がありますので、一応日本の、全国のデータと比較する必要が出てきます。日本全国の性年齢別甲状腺がんの発生率というのは、国立がんセンターのホームページに公開されておりますので。ただし、それは発生率です。 
一方検診によって集められたデータというのは、有病割合です。有病割合と発生率をつなぐためには平均有病期間、前回か前々回の会議で祖父江先生が滞在時間というふうに言われていた数値で補正する必要があります。滞在時間を発生から3年ということで、これは理論的に考えれば細胞診によってがん細胞が検出できるぐらい大きくなってから臨床的に発見されるまでの時間をとりあえず3年、ちょっと長目に置きまして、それで補正しています。長目に置いた分だけ発生率比は過小評価されています。 
それから国立がんセンターのホームページに発表されている発生率は、大体100万人に二、三人ですので、0歳から19歳までで。それをちょっと大目に倍ぐらいとりまして、100万人に5人としまして、これは倍ぐらいとったためにやはり影響程度、過小評価します。それでこの数値を計算しています。 
過小評価しても、これだけはっきりした多発が観察されているということになります。
1:52:55
長瀧座長 祖父江先生、どうぞ。

祖父江委員 元がんセンターにおりましたので、データを使っていただいてありがとうございます。滞在時間を3年と置くのが長過ぎるというのはどうしてですか。これ甲状腺の場合はもっと長いということだって考えられて、20年、30年ということだって十分あり得ると思います。

津田氏 さっき言いましたように、CDCで大人で2.5年、子どもで1年、これは最小ですけども。事故が起こってからすぐに細胞診でがん細胞が検出されると思いませんので、若干時間をとりますと3年より短くなるでしょ。それで言っただけで。 
ちなみに私は、これ、滞在時間は1年から100年まで計算しておりまして、60何年まで統計的有意に多発が観察されていますので、お好きな滞在時間を置いて発生率比を計算されるのはいいと思います。

祖父江委員 だからこれ3年でなく60年としたら、単純にこの20分の1になりますね。

津田氏 先生、平均で60年にしたら、もう1年目から発見されているわけですから、反対側におきましては120歳とか130歳ということになって、平均60何年というのは現実的にあり得ない数字です。

祖父江委員 じゃあ、30年でもいいですよ。30年にしたら……

津田氏 30年にしてもらってもはっきりした多発が見られます。

祖父江委員 だけど30年だったら10分の1ですよね。

津田氏 そうですよ。

祖父江委員 リスクの上昇の程度は……

津田氏 30年にしたら10分の1じゃないですよ。10分の1だ、そうですね。

祖父江委員 だからその程度のものになるということですね。

津田氏 4倍と物すごいと思いますけど、私は、4.1倍。今どんな倍率で行政判断がくだされているかと、環境問題に関して行政判断がくだされているかというデータを見られれば、4倍というのはあまりにもはっきりしています。

祖父江委員 だけど1さがるようなところも、会津若松市以外のところの残りだったらこれ0.3になっちゃいますね。

津田氏 いや、だから会津若松市のことは私、あまり心配していないですけど。中通りのこととそれから平成23年度の地域のことを心配しているわけです。

祖父江委員 滞在時間3年というのが妥当なのかどうかというのは相当吟味しないと、これで数字が、これで決まりというような形の提示の仕方は……

津田氏 私、これで決まりとは言っていませんで。仮に感度分析です。ですから、さっきも言いましたように、1年から100年まで計算しています。エクセルで計算するのは簡単です。

長瀧座長 どうぞ、丹羽先生。

丹羽委員 全く同じ表の関係で質問ですけど、1年目で……

津田氏 さっきの先生の答えをされる方がほかにいらっしゃいますので、何か祖父江先生が割って入ったので。

丹羽委員 先生の、ごめんなさい。

津田氏 その関係で。

丹羽委員 その関係でご質問させていただきます。それで1年目でも高いということですよね、これ。

津田氏 そうです。下のグラフのほうですね。

丹羽委員 いや、そうじゃなくて、表のほうです。

津田氏 1年目の、はい、そうです、高いです。

丹羽委員 私は、疫学はよくわからないですけど、これは先生がよくないとおっしゃった気候的な面からの考え方なんですけど、1年目が高いんなら2年もっと高くなって、3年目さらに高くなると普通は思うんですよ。

津田氏 そうですよ。

丹羽委員 でも、そうはなっていないような感じです。

津田氏 そうはなって出ているじゃないですか。ですから、3年目は空間線量率が低い地域なんですよ、先生。この1年目、2年目、3年目の順番というのは、空間線量率が高い順番に決められていったわけです。

丹羽委員 ごめんなさい。そうすると先生はこれ外部被ばくでということなんですね。

津田氏 ええ。私は外部被ばくの可能性が否定できず、外部被ばくは今も続いていますので、だから時々刻々と情報を分析しながらタイムリーに対策を考える必要があるというふうに言っているわけです。半減期8日間のヨウ素だけであれば、ゆっくりと議論すればいいと思います。

丹羽委員 いや、それはちょっとびっくりですね。今の外部被ばくで、私も福島に住んでおりますが、D-シャトルで線量をはかる限りにおいては、1mSvぐらいですね。

津田氏 はい、外部被ばくだけとは言っておりません。ここに書いてありますように、WHOはこういう割合で、割合ですよ。総量は過大評価とどうせ言われると思いますので、割合で被ばくしているだろうというのがWHO2012年の線量評価です。
1:58:34
長瀧座長 ほかにご質問ございませんか。

菅谷氏 すみません、じゃあ、私の先ほどのご質問でございますけれども、この3ページと4ページの表のほうでございますけども、これにつきましては、先生、1ページのところの下段にあります放射能汚染図の中で、低線量あるいは低濃度の汚染というのは、この地図の右上にあります凡例にありますが、この黄色とそれから黄土色ありますね。ここのところを言っております、両方とも。

春日委員 一番上と2番目ですか。

菅谷氏 そうです。それが年間被ばく線量でいきますと、この汚染地域は1mSv以下でございます。

春日委員 すみません。もう一度この凡例の表のところで、年間の値でもう一度、ご説明いただけますか。

菅谷氏 ですからこの場合、左の上のところに、これはチェルノブイリ事故における基準ということで、居住禁止区域は年間の被ばく線量が5mSv以上でございます。それから、限界管理区域が1mSvを超え 5mSv未満ということですね。そして、もう一つのいわゆる汚染地域というのが1mSv以下でございます。でも、多くの子どもたちがここに住んでおりまして、そして限界管理区域はしようがないけど住んでいる子どもたちです。

春日委員 わかりました。そうしますと、何市とか何郡という区分けではないということですね。

菅谷氏 そうですね。

春日委員 わかりました。ありがとうございました。

菅谷氏 それからデータでございますけど、ここは私駆け足で言ってきたもんですから。一応あの国はデータ持っておりますけれども、なかなか見せてくれません。現在、ルカシェンコ大統領ができるだけ出しちゃいけないという大統領令が出ているもんですからなかなか難しいですけども、データはきちんととってあると思います。
2:01:00
長瀧座長 もう大分時間になって…… 
どうぞ、明石先生。

明石委員 放医研の明石でございます。 
菅谷先生、1点お伺いします。今の3番目の資料の図なんですけど、この低濃度汚染地域のセシウムの体内蓄積というのは、これは食品ではもうきちんと評価をされたものしか食べない。きちんと評価しているとすれば、これはダストから入ってくるということなんでしょうか。この体内被ばくは今でも続くということでしょうか。

菅谷氏 これは先生、私もこのところに関しましては、あちらは表面的に一応国でもってきちんと測定して大丈夫なものと言ってますが、実はそれぞれみんな自給自足の生活が主体なものですから、表面上はいいといっても、やっぱり自分の家で作ったものを食べたりしておりますから、この辺のところはきちんとチェックしていないと私、思っているもんですから、やはりある意味では経口的に入っているんじゃないかなということはございます。これは、しようがありませんけども、どうしてもあの国は自給自足が、経済的に非常に大変な状況でございますから。それからあとは、経気道的ですか。その可能性というのはやっぱり否定はできませんから、二つの経路から体内摂取だったら考えられるだろうと思っていますけども。

丹羽委員 補足させてください、それに関して。私が2011年の9月にベラルーシに行って、それでそこの小学校なんかで、あれ年に2度でしたっけ、ホールボディカウンターやっていて。それでそこのデータでは当時、今でも変わらないと思いますけど、大体子どもさんで2050/㎏、体重当たり、それが状態であると。100を超える方がいた、小学生の方がいたら、それは報告されて、それで何食べているんだとかいうようなことを地域の委員の方が行って談判するとかいう話を聞きました。だからあの状態で、今でもそれ、本当に自給自足をおっしゃったようにしておられますので。

菅谷氏 ありがとうございました。
2:03:30
遠藤委員 森口先生のスライドの9ページ目です。18番です。私もこのアーカイブをつくるべきとかいうのを本当に必要性を感じております。これまでのデータ、たくさんのデータがあるんですけども、いずれは散逸する、あるいはデータが残っていてもこの附帯情報、あるいはデータの精度品質がなかったら、全然意味のないものになるんじゃないかなと思ったりするんですけども。これは先生、かなりどこかで進んでいるんですか。全く行われていないのが現状と考えてよろしいですか。

森口氏 ありがとうございます。私自身がこのアーカイブワーキンググループに参加しておりませんので、ちょっと詳細にはお答えできないところがあるわけですけれども、今ご指摘のあった問題意識のもとに進められているということかと思います。事故直後はかなりばらばらに測定データが公表されたりしていたわけですけれども、そこで機関、特に国の機関が測定されたもの、あるいは自治体が測定されたものは、現在は原子力規制庁のほうで一元化されていると思いますけれども、それ以外に大学等の研究機関ですとか、さらには個人といいますか地域で測定されたデータですとか随分まだ漏れているものがございます。ですから、そういったものをやる必要があるということは多くの方々が指摘をされているわけですけども、どういう体制でやるか、どこが音頭をとるかというところが、そこの一元化のその主体はなかなか見つからないということがあるかと思いますので。それを決めれば技術的には私動くと思っておりますけども、そのどこに一元化していくのかということについてしっかりと議論する必要があるかなと思います。
2:06:10
遠藤委員 ぜひ、どこか進める方向でぜひお願いします。 
それから津田先生のところでコメントとして、実は医療被ばく、CTスキャンのことが書いておられます。私、放射線医療が専門なものですから、これは本当に大事な問題だと思っております。脳のCTスキャンで脳腫瘍が増えるという報告がございます。ただ、この解釈はいろいろございまして、病気の子どもに脳をCTするんで脳腫瘍が増えるんじゃないかという考えも否定はできておりません。がしかし、非常に重要な問題ですので、放射線医療の関係者ではこれをどうすべきか、今検討中でございます。 
ただ、脳のCT1回大体60mGy局所に被ばくしております。2回のCTですと倍の120mGy脳に被ばくしておりまして、線量はやはり普通の単純X線の大体1回当たり500倍、普通のX線の500CTは線量を使うという非常に高い線量は使っているのが実情でございます。

津田氏 その点に関しましては、この論文には550mというふうに書いてあります。それで平均は10mぐらいだというふうに書いています。 
それから脳腫瘍、要するに脳腫瘍があるからその診断のためにCTスキャンをとると。これ逆の因果関係というふうに言いまして、脳腫瘍に関してはそう言われますけども、白血病でCTスキャンはとりません。脳腫瘍にその逆の因果関係に関してもこの論文も、あるいはほかにもCTスキャンによる脳腫瘍の増加を示した論文があるんですが、考察されています。そういう逆の因果関係というのは誰でも思いつくことですので、そういうことを考察あるいは研究計画においてきちんと計画していない研究などは、こういう有名雑誌にはまず載りませんので。まず普通は論文にきちんと書いてあります。まずそういうところは指摘しない人はいないと思いますので、これ査読つきの論文ですので、しかもかなり有名なやつですので、その点はほとんど心配されている専門家はいらっしゃらないと思います。
2:07:41
長瀧座長 どうぞ。

石川委員 どうもありがとうございました。今日は大変インパクトのある発表でありがたく思っております。菅谷先生と津田先生にちょっとお聞きしたいんですけれども、参考資料1-2というのがありまして、UNSCEARの概要なんですけれども。ちょっと今まで議論してくる中で、このUNSCEARのことについて例えば1ページ目の報告書の主なポイントというところの「不妊や胎児への障害などの確定的な」という文章がありまして、遺伝的な影響の増加が観察されて予想されない。3ページ目のところに、ご覧になっていますか。健康への影響で一般公衆の検討影響というところで、例えば(a)のエのところなんかは、いろいろと、遺伝性の影響の増加が観察されるとは予想されないとかですね、いろいろあります。ウのところでは、子どもの甲状腺検査においては云々かんぬんとこういうくだりがあるんですけれども。ちょっとお二人の先生にこのUNSCEARのこの報告というのは、ちょっと我々が重要に考えてきたということもありますが、ちょっとコメントをお聞かせいただきたいと思うんですけども。

菅谷氏 これは、甲状腺のがんに関してでございますでしょうか。

石川委員 1ページ目のところについては、甲状腺のところと、それから不妊や胎児への障害というふうなことで二つ書いてあります。報告書の主なポイントのところですね。それと3ページ目のところは、一般公衆の健康影響というふうなところで甲状腺だけじゃなくて、いわゆる胎児のことも書いてあります。

菅谷氏 私のほうに関しましては、例えば甲状腺の悪性腫瘍のことに関しましては、やはり私はチェルノブイリの場合には、これはある意味では科学的にと先生方おっしゃいますけど、私はむしろ疫学的な形でもって甲状腺がんがチェルノブイリの場合には放射線の影響によってなったんだろうというふうに出たと思います。というのは、発がんプロセスのメカニズムというところは誰も科学的に証明できないと思うんです。 
例えば、私はどちらかといえば甲状腺がんの発生というのは、いわゆる内部被ばくによって、つまり甲状腺内に取り込まれた放射性ヨウ素が、例えばベータ線によってというような形でもって、それが最終的にがんになるのだろうというふうに言われていますが、先ほど津田先生は外部被ばくとおっしゃったんですけども、これまではどちらかといえば、内部被ばくの影響によってDNAのレベルの異常により発がんしただろうというふうに言われておるもんですから、これは、僕はむしろそのとおり理解したいと思っております。 
実は、私、福島の現在の問題に関しましては、県立医大の先生が、将来出るがんが早い時期に検査をやって見つかっているんだというふうにおっしゃっていますけれども、この辺は、僕はまだそこまで言うのは時期尚早であろう。これから長期にわたって検査をしながら判断すべきではないかなと思っておりますものですから、そこは今回の事故と関係ないんじゃないかというのはちょっと僕にとってみたら疑問であります。 
例えば、もっと言いますと、じゃあどうしてそんな小さいときに発がんしたのかという、そもそも論でがんがどうしてなったのかと。従来、発がんの主なメカニズムというのは、物理的要因と化学的要因と、あとは、感染によると言われますから、そうするとそんな小さいときにそういうファクターとの出会いがあるのかどうかとなると・・・・、甲状腺がんは特殊であるのかどうかとか、そもそも論に入るもんですから。この辺は、僕はまだ福島の場合は様子を見ていかなきゃいけないんじゃないかと思って、これ本当にもしそんなことになったら、ほかのがんでも早い時期に検査をしたらがんが見つかるのかどうかということまで行くもんですから、この辺のところは僕自身もわからないもんですから、これはもうしばらくは慎重に様子を見たほうがいいだろうと思っております。 
それから胎児への影響というのは、これはまあ胎児もそうですし、今回の場合は小さいころに被ばくしたお母さん自身の問題が生殖系にどういうふうに影響を及ぼしているか、それが子どもに出てくるかどうかということも考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに私は考えております。
2:12:18
津田氏 ここの翻訳に基づいて質問されていますので、私は原文を提供されて、まあそれに関してコメントさせていただきますけれども、翻訳に関しては、ちょっとコメントは控えさせていただきます。というのは、環境省がWHO2013年の報告書を翻訳した資料が翻訳、完全に間違えておられまして、それは100mSvをめぐる誤読集として岩波の科学から昨年の12月号に出しておりますので、原文を見てお話をさせていただきたいと思います。 
それから、UNSCEARといっても一評価機関、人間がいる一評価機関でありまして、もちろんWHOも人間がやっている一評価機関でありまして、どちらの機関もチェルノブイリの発がん予測においては当初大外しに外しておられたというのは有名なことではあります。 
それから、UNSCEARというのは、私がもういろんな資料を読みましたけれども、この100mSvと似たように非常に基本的な統計学の間違いをされて、誤判断をされた部分を見つけて、データとして投稿したことがありまして。UNSCEARでもこんな間違いするのかというようなことをされていましたので、人間というのは幾ら国連とかWHOを名乗っていても参考意見として聞かれて、時々刻々と集まる具体的データを頼りに自ら、委員の先生方、皆様、なにせ責任をとると長瀧先生が再三おっしゃっておられますので、一人一人の頭で考えながらデータを見ながら、あるいは論文を見ながら判断していかれることが重要だと思います。

石川委員 どうもありがとうございました。
2:14:30
長瀧座長 もう時間がありませんのであれですが、線量に関しては今からもうこの委員会としてこの後すぐに議論しますので。ただいまお話を伺った中で線量と無関係のお話がいっぱいございました。線量は別として、先生、今、大事なことは、ほとんどUNSCEARのも含めて、今、甲状腺がんが福島で増えているということは、ほとんどの方がそういうことを言っていない、非常にユニークなお話を伺ったんで、その理由をもう一度はっきりさせたいんですが。 
一つは先生のお話の中で、会津地方とそれ以外の地方とで甲状腺がんの頻度に差があるから増えているんだということが一つの理由のように伺いました。それから、もう一つは、従来あった甲状腺がんの頻度と福島のスクリーニングの結果に非常に差があるから増えているんだと。それを理由として考えてよろしいですか、今の先生のお話。

津田氏 それが増えているということでありまして。

長瀧座長 増えていることの理由ですね、先生がおっしゃったのは。

津田氏 はい。今やられる全てのデータはこれでありまして、このデータで判断、我々はせざるを得ないわけですね。

長瀧座長 その同じデータをほかの方も、先生方もずっと見ていらっしゃるわけです。国際的にも見ているし、国内的にも……

津田氏 いや、見ておられないと思いますよ。少なくとも福島県の検討委員会の先生方は分析されていませんので。観察された結果をパーセントで表示しているだけで、オッズ比、発生率比という科学的理論に基づいた概念を、これは科学といいますけれども、これを計算一切されずに、その計算結果も――それでもって因果関係判断するんですけども、それでもって判断はいまだ一切されていません。

長瀧座長 じゃあ、先生の根拠だけ伺いますが、要するに会津地方とそれ以外とは違うということと、それから日本の今までの統計と福島のスクリーニングによる統計とで頻度が違う。その二つで増えたとおっしゃっている。

津田氏 違いますよ、先生。全然聞いていると、そうは言っていなかったですね。これ表を見てください。会津地方とその残りが違うとだけ言っているんじゃないです。全ての地域においてばらついている。同じ年度に調べたところでは、一番福島原発に近いところにおいて多発が起こっている。それぞればらついていて、これはスクリーニング検査のみでは説明できない。スクリーニング効果では説明できない。スクリーニング効果の程度というのは、ほかのあれでも知ることが……

長瀧座長 ですから、スクリーニングの効果云々じゃなくて、スクリーニングの結果、出てきたもので差があるとおっしゃっているということですね。

津田氏 そうです。福島県において、これが今、我々が利用できる唯一の根拠です。

長瀧座長 そこだけ伺っておきます。どうもありがとうございました。 
どうぞ。
2:18:00
阿部委員 津田先生にちょっとお伺いしたいんですけども、表1の会津若松市を除く平成25年度と書いてありますけど、これは会津若松市の受診者のところは除いた地域の数というふうに理解してよろしいですか。

津田氏 会津若松市の何のところは。

阿部委員 会津若松市の地域の受診者の数は除いてあるという意味なんですよね。

津田氏 会津若松市は完全に除いています。

阿部委員 除いていますよね。

津田氏 それで、会津若松市以外でもわずか幾つか70%に達していないところがありますので、そこも除いてあります。この結果を発表しているのは岩波の科学の7月号だったと思いますので、そこに詳細にどうやってやったかと書いていますので、そのとおりにしていただければ同じ結果を得られると思います。

阿部委員 これは、会津若松市の対象者というのは非常に数が多い地域なんですよね。ですからここは331日段階で終わったばっかりなので、二次検査というのはまだ十分にその結果データというのはまだ出ていない状況。

津田氏 ですから、会津若松市を除いてやっています。

阿部委員 だから、そこのデータを入れた場合にどういうふうになるかということは今後、先生のほうでも検討されるということになりますか。

津田氏 それはもちろん、3カ月ごとに発表されるごとに検討していますので、もうこれで終わりということはないと思います。
2:18:35
長瀧座長 どうぞ。それ最後ぐらいに。

春日委員 質問ではないんですけれども、福島県における甲状腺がんの検討の状況につきましては、疫学的にも、また発生機序におきましても、まだよくわからないことがあるという、その前提に立って甲状腺がんの専門部会を設置していただいたところです。そこにおきましては、毎回、各委員の先生、あるいはその福島県立医大のほうから、その時点での個人的というか、医学的な見解は述べられていますけれども、決してその専門部会として結論を出したわけではありません。ですので、津田先生のお話も踏まえまして、さらに検討は進めていく段階だということをちょっと申し上げたいと思います。

長瀧座長 わかりました。大分時間も過ぎて申し訳ありません。一応討論はここで、どうぞ先生方もご一緒に今からの議論に入っていただけるとありがたいんですが。 
今から、ちょっともう時間がありませんが、時間ちょっとだけでも。予定の線量評価は一応、委員会として終わったと。そしてその線量に基づいたリスクとリスクに基づいた健康管理ということを今から始めるわけですけれども、これ今日だけでは終わりませんので、この次も続くと思いますが、10分間自由にご報告いただきたいんですが、その前に事務局で一応まとめた論点整理がございますので、それをご紹介させていただきます。
2:21:18
佐藤補佐 お手元に資料1-1、それから資料1-2をご用意いただけますでしょうか。
まず、資料1-2をご覧いただきますと、これは第7回の会議で資料2-3としてお示ししたものでございます。今、座長からご説明いただきましたように、健康リスク評価等に係る論点のメモ(たたき台)として事務局からお示ししたものでございます。この整理に基づきまして、今回資料1-1として、これまでの会議の中で先生方からいただきましたご意見を、それに該当すると考えられる項目について抜粋して掲載をしてございます。 
説明は簡単にさせていただきますけれども、今まで出てきたご意見、これからももちろん追加になろうかと思いますが、特に見ておいていただきたいのは、資料1-11ページ目の最初のところ、これは1.健康リスク評価についての(1)のところについては、特段まだ十分な議論はなされておりませんので改めてご議論お願いしたいと思います。
また、同様に4ページをご覧いただきますと、4ページの下の部分です、3.被ばくと健康リスクに着目した場合の、福島県「県民健康調査」の評価や、これまでの結果についての評価についての項目ですが、甲状腺検査については、幾つかご議論既にご意見はいただいているところですが、その他の調査項目や調査結果については、まだ現時点ではご議論がございませんので、このあたりもあわせてご議論お願いしたいと思います。
また、その次の4ポツのところです。「1.」~「3.」を踏まえた、医療に関する施策のあり方についてもご議論を特にお願いしたいと思います。 
続いて5ページ目のところですが、前回お示しした資料1-2の内容にはなかった部分ですが、これまでの議論の中で先生方から多数ご意見をいただいておりますので、5ポツのところは新たに項目として立てております。健康管理全般に関する支援のあり方及び健康不安への支援のあり方ということでございます。 
資料のご説明としては以上といたします。
2:24:00
長瀧座長 どうもありがとうございます。 
今までも健康リスクに関して表面からということではありませんが、今まで発言のあったものをまとめてここにいただいたということであります。これをたたき台にして今後どういう格好でリスク、線量に基づいたリスクあるいはリスクに基づいた健康管理ということの考え方をまとめていかなきゃいけないと思うんですが、何か一般的な意味で、何でも結構ですがお話しいただければ。 
どうぞ。

木田氏 その線量で1mSvに限りなく近づけることが望ましいという絶対前提をもとにして、ちょっとお話ししたいんですけども。例えばJCOの事故のときは、外部線量が1mSvのところの方の健診を行っていますよね。しかし、今回の福島においては避難区域と避難区域外で健診項目を分けたりしています。この根拠についてちょっとお教えいただきたいことと。 
あと、それから作業員の方はもっと累積の被ばく線量とか高いと思うんですけども、そういった方というのは経年的なデータというのは、きちっと国のほうで見ていらっしゃるのか。また、そういう方々の有病リスト、そういったものをおわかりだったら、ぜひお教えいただきたいと思います。

長瀧座長 JCOについて明石先生、何かございませんか。今の、なぜ1mSvJCOはやっているのにという。

明石委員 JCOの事故のときの健康診断については、放射線の健康影響をきちんと評価できるような健康診断は一応ないということでスタートしました。ただ、それで住民の方々の不安が収まらない。それから一般論として、健康診断をきちんと受けるということは、先ほども先生ご指摘のように健康診断を受ける率も低いということは決していいことではないということも含めて、かなり、そこで自治体がそういう判断をされたというふうに私は理解をしております。

長瀧座長 ちょっと私も座長だったもんですからつけ加えますと、委員会では、JCOに関して健康のフォローアップ、調査をする上で特別の調査はないと。ごく普通に行っている調査をきちっと受ければいいというようなことが結論で。ただ、心配な方にとっては自治体として何かフォローアップする方法を考えることを妨げるものではないとか何か、そんなふうな言葉で始まったんですね。必要だというんではなくて心配な方のために自治体として行ってもいいと、たしかそういうもんでしたね。それがずっと今まで続いているというような印象ですけど。

木田氏 そうしますと、今回も避難区域と避難区域外での検診の項目の違い等については、どういう考えで今のような形になっているのでしょうか。

長瀧座長 それが今からの議論になるところなんですけれども。全体、先ほど申し上げましたように、99%ぐらいの方は行動調査から外部被ばくを見ると3mSv以下だということ。あるいは5mSv以下でもいい。それから内部被ばくについては十数万人直接個人として調べたけれども、99%は、99.9ですか、1mSv以下だと。そういう線量の評価があるということで、じゃあ、それに対してどういうリスクがあるかという議論と、そのリスクに従ってどういう調査をしなければならない。今から始まるわけですけれども。
2:18:11
木田氏 避難区域外にも高線量区域というのはありますし、福島県外にもホットスポットと言われるところがありますね。やはりある一定の線量超えた部分については、やっぱりきちっとフォローアップしていくという体制が必要なんじゃないかと思いますし、ある程度長い年月を見ないとほかの、甲状腺がんの話ばっかりずっと続いたんですけども、ほかの病気もやっぱりあり得るというようなお話も今日ございました。確率的な影響については、少ないということは皆さんおっしゃっていますけども、本当に無視できるものなのかどうかはまだはっきりしていない部分もあると思うので、ここはやっぱりしっかりした検診体制をとっていただきたいと思います。

森口氏 恐れ入ります、資料1-11-2のほうに議論が進んでいるところでちょっと戻って恐縮なんですが、冒頭に資料2で住民の被ばく線量把握評価についてまとめがございました。長瀧先生から、これ3ページで長いというような話もありましたし、これを前提としてというような話があったかと思います。 
ちょっと手続を確認させていただきたいんですけれども、前回の専門会議を傍聴しておりまして、その中で最後に確か伴先生だったかと思うんですが、やはり不確実性の問題があるんじゃないかということで、やはりそこのところはある種、テークノートする必要があるんじゃないかということをおっしゃったんではないかと思います。それを踏まえまして、私、今日プレゼンの機会をいただいたかなと思っておりまして。 
また、木村先生、今日ここにいらっしゃいますけれども、時間の制約でお触れになりませんでしたけども、木村先生の資料を拝見いたしますと、冒頭1ページ目に、24年度の環境省事業においてヨウ素セシウム比を3と仮定したということに関しての問題を指摘しておられます。私、今日は予断を避けるために定量的なこと申しませんでしたけれども、今日もプレゼンした資料の中には、明らかに全体としてこれより高い傾向があり、かつ桁違いで高いデータも出ているわけです。そういった不確実性に関しての評価は必要であろうということで、こういうことはできるんじゃないかということを持ってまいりましたので、そのあたりの取り扱いについてはこの専門会議でどのようにお考えいただけるのか。 
ただ、私も基本的にやはりそのヨウ素などの短寿命核種の初期の内部被ばくが重要であろうという観点からこういうデータ持ってきたんですが、津田先生全く先ほどそれをちょっと根底から覆すことをおっしゃったので、ちょっと我々、大気関係やっている者が別のことをやらなきゃいけないのかちょっと戸惑っておりますけども、もしやはり初期被ばくは重要であるということであれば、大気環境の研究者はぜひ、そこのところは貢献したいと思い持っているかと思いますので、そのあたり整理いただければありがたいと思います。
2:31:04
長瀧座長 ちょっとつけ足しますか。

津田氏 いいですか、私のことを言われましたので。私が言っているわけじゃなしに、WHO2012年の報告書がそういうふうに書いているということでございます。 
それから、WHOに関しては、WHOはもうはっきりと甲状腺がんと白血病と乳がんとその他の固形がんが出てくるというふうに言っていまして。特に甲状腺がんというのはもう、この資料にもありますように、物すごくはっきりありまして、この委員会でも何回も出てきて、これをなぜ出てこないというふうに考え――隠れてしまうとか、先ほどわからなくなるとかいうふうに、いうような考えに結びつくのかと私はちょっと理解に苦しみますけど。

長瀧座長 どうしましょうか。WHOはもう丹羽先生、一番ご存じの方で、メンバーでいらっしゃいましたから、その今のご質問に対してWHOとしてどうだったということのお話をいただき。
2:32:07
丹羽委員 私WHOの福島報告を書く過程の委員として参加させていただきました。それで私自身がすごく気になったのは、線量推定でずっとやっているんですけど、推定の過程がさまざまな問題があって随分高い線量になっておる推定値になっておる。それに関しては、私自身がなるべくリアリスティックな推定のやり方でやってほしいということを何度もお願いしたんですが、結果としてあの報告書に盛られている数字が出てきて、それからリスクモデルに入れ込むと当然ながらリスクが出てくると、そういう状況でございました。だから結局、一番最初の線量の推定値がどうであるかという、これが一番の基本の問題であの報告書の問題であったと思うんです。 
ただ、そこの議論に関しましてWHO側は、これは平常時の放射線防護をやるときにはよく言われる議論なんですけど、線量を高く見積もるというのはよりコンサバティブであり慎重であるという態度であるということを委員の方々がおっしゃいました。それで私は、既に受けてしまった場合、プロスペクティブにそれを考える場合は、それでいいでしょう。それは非常に大事なことで、プロスペクティブに既に線量を受けてしまわれた方々に関して、無用に高く見積もるというのはいかがであるかという議論いたしました。結局、並行線のままで、多勢に無勢で押し切られたということであの報告書になっております。
2:34:00
津田氏 いいですか。じゃあ、先生が言われるリアリスティックというのはWHOの評価の何分のぐらいになられますか。

丹羽委員 1桁です。

津田氏 1桁ですか。

丹羽委員 はい。

津田氏 あのグラフを見られたらわかりますけど、1桁でも甲状腺がんは見えてくると思いますけど。

丹羽委員 それは先生の査定でございますね。

津田氏 いや、ここの委員会に出たグラフから見て1桁、10分の1ということですよね。

丹羽委員 その場合は、1桁であれば220とか30とかそういう数値ですよね。

津田氏 そうですね、だからそうなったところで増加が見えてくると思いますけど、15歳以下において。

丹羽委員 その場合には結局、どのデータを使ってそのコンフィデンス・インターバルはどれぐらいのデータがあるかということにかかってくると思っております。だから甲状腺がんにおいて。だからそこら辺のデータに関してさまざまなデータがありまして。エレイン・ローンがあれ何年でしたっけ、2006年ぐらいか何かにまとめた総説があります、さまざまなやつを。それでさすがに10mSvオーダーで非常に高いリスクが出ているというふうな結論ではなかったかと、今うろ覚えですけど覚えております。

津田氏 2006年で福島県の前で、このWHOのあれは福島県の事故を受けての推定でして、しかもLNT直線で比例しますので、10分の1にしたところで見えてくると思うんですけど。

丹羽委員 すみません、その場合に疫学データの従来のインシデンスより、死亡率に依存した疫学データのサマリー、2006年段階のサマリーですね。それの場合の相対リスクというのは線量当たりの相対リスクというのは、今もそれほど変わっていないと思うんですよ、ずっと直線で上がっていく。当たり相対リスク幾らという数値がございます。それ幾らかというのははっきり私も子どもさんの場合4倍ぐらいになったかと思いますけど、相対リスク値が4。そういうふうな中で、その数値が10mmに戻したときに、コンフィデンス・インターバルがどれぐらいかというふうなことで、どこまで信頼するデータがあるかということに関しては、エレイン・ローンの総説というのを数値はいろんなところで今でも使われておると理解しております。 
それで福島に関して、だから新しく線量がどうであったかと。それをその特にWHOの場合は、ピーター・ヤコブさんが自分のモデル使って、そのもとになっているデータがやはりそこら辺のエレイン・ローンとかそのあたりのデータだったと思っております。それで数値を計算するとこうだと。数百mSvですから、当然出ても不思議ないんですよね。

津田氏 いや、数百mSvとはWHOは言っていないと思いますが、それはともなくとして、10分の1でも見えてくるグラフになっていたと思うんですけど、15歳以下では。そのことを言っていて、2006年の話とは全然関係なくて、しかもヤコブさんが言ったとかそういうこととはこれもまた誰が言ったとは関係のない問題で私は申し上げているわけです。

丹羽委員 大分そこの点は、この水かけ論していても仕方がないので、これは終わってから先生とこれ議論させていただきたいと思います。
2:37:43
長瀧座長 今、もう一度言います。この会は、この前のときにUNSCEARのリスクの考え方に反対かどうかということを線量に基づくリスクの考え方に関してかなり、10分ぐらいいろいろと伺って、委員としては別にそれに対する反対はない。このまとめにもそのUNSCEARの考え方に反対はないということで、大分そこはもう今日の講師の方と委員のコンセンサスとは物すごい差があるということではあります。 
それから、リスクに関しての線量からのリスクというときに、我々が専門家として本当にこれは医学として、医者として考えたときに、一人の人の異常を見つけるために1,000人の人に同じ検査を強いるのか。これはスクリーニングの功罪というところでもこの前お話いただきまして。本当にただ線量に影響が少なく見ればいいとか、多く見ればいいというレベルの話ではなくて、本当に被災者の方のことを考えたときに、どういう方法が一番被災者の健康管理にいいかということをここの委員会では真剣に議論しているということでありまして。 
今のところもそのラインで今後も進んでいくと思いますけども、先生方のお話は十分に参考にさせていただいて、特にその線量に関しては今の線量としてこうだけども、ただ、実測値はもうこれ以上増えませんし、だけど後でそのいろんなモデルとして出てくるものでもってもっといいものが出てくるかもしれない。だけど、今そのモデルの結果がまだ出てこない時代で、いきなりそれをもとにして線量評価というわけにはいかないと、そんなふうな思考過程でやってまいりました。 
どうぞ。

木田氏 作業員の方のそういうデータのことについて私お伺いして、まだそのご回答をいただいてないんですが。

長瀧座長 JCOの次の二つ目が、もう一度、先生。

木田氏 原発の作業員の累積したデータがちゃんとあって、また、その方々のその有病率とかそういったものについても、しっかりとした検証がなされているのかどうか教えていただきたいんですけど。

長瀧座長 どうもすみません、忘れていまして。実際にはもう非常な混乱期であって、いきなり事故が起こったわけですから、作業者に確実に平時のときのようなコントロールができないのはもう当然でありますけども、少なくとも外部被ばくをはかって、そしてその被ばくをはかっていただく場合に内部被ばくもはからなければいけない。規則どおり内部被ばくをはかりに行ったときにはもうヨウ素がなくなっていたとか、いろんな不備があります。 
不備はあるけれども、今、得られるデータは全てまとめて管理されておりまして、それから、もう一部はその線量に従って今後の方針を決めて調査をするということで、被ばく線量の多い方に関しては、たしか祖父江先生、甲状腺のスクリーニング、エコーも全員ほとんど終わったんですね。

祖父江委員 全員ではないです。データは収集しつつあります。

長瀧座長 全員ではないけれども、あるレベル以上の方はね。

祖父江委員 はい。

長瀧座長 というふうなことで進んでおりまして。

木田氏 そのデータは外部の人間が見ることができるものなんでしょうか。専門の先生だけに表示される。

祖父江委員 中間的なものでありますけども、研究班として報告書は既に公開しています。
2:41:44
長瀧座長 ただ、非常にその最近まとまったというところもございまして。ただ、出れば研究班としてはもう全て公開していくと。

祖父江委員 ただ、非常に中間的なものなんですよ。まだ、精密検査の結果が全部把握されているわけでもないですし、発見がんの割合ということで計算ができていません、まだ。中途段階のそのスクリーニングの結果の集計であります。

長瀧座長 それから、線量評価は国全体として統一しまして、その方たちを亡くなるまでといいますか、ずっと健康調査のフォローアップの体制はでき上がったといえると思います。

津田氏 私が一番強調したかったのは、あまり線量評価にこだわられますと、単に判断を先延ばしするだけでありまして。患者さんがたくさん見つかってきている状態においては、もう病因物質の同定なり定量にこだわり過ぎては対策を先延ばしして被害を広げるだけでありまして、これがまあ人間を相手にしたフィールド疫学の原則です。ですから丁寧にやろうと考えておられるお気持ちはわかりますが、線量がわかるということは因果関係判断の必要条件ではないんです。これはもう基本なんです。歴史上もそうだし、今、みんなが国際的にこういうことをやっている公衆衛生関係者が勉強していることでもあります。
2:48:22
長瀧座長 わかりました。我々はやはり国際的な感覚でものを進めていかなければいけないと思っていますので、ここで非常にユニークな方がおられてもですね……

津田氏 私は教科書に基づいて言っています。Oxford University Pressから出ている「field epidemiology」という教科書に基づいて言っておりますので、先生のほうがユニークですね。

長瀧座長 十分にご議論は記録してございますから、後で参考にさせていただきますけども。

津田氏 ええ、「field epidemiology 3版」ですので、先生もよく読まれてください。Oxford University Pressです。ほかにもたくさん本がありますので紹介します。教科書は出ています。

長瀧座長 その線量に基づいてということは、100mSvはという議論ではないんですね、もうね。3mSvはどうかという議論を我々はしようとしているわけ。ですからそれだけで、もうあと先生と議論するつもりはありません。ここでもう時間もあれですし、今言っているのは線量に基づいてこの委員会は議論すると。そして、本当に被ばく者の被災者の方の健康を守るために何がいいかということを議論するんであるということを、この委員会の目的であるということを申し上げておきます。 
あと、リスクに関してほかに何か。 
どうぞ。
2:44:55
本間委員 一つだけ、木村先生のこの、私もこれ拝見して、最初のセシウムヨウ素比に関して森口先生の今、不確実さというか不確かさが議論にちょっとあったんですけど、私が間違っていなければ放医研でやられたこの環境省事業におけるこのセシウムヨウ素比の3というのは、むしろ3を仮定して評価したということではなくて、ホールボディの実効線量と甲状腺のスクリーニング結果をそのセシウムを1回摂取として仮定した場合の比として出てきた値なんですよ、むしろ。逆にそういう推定をすると3になりますねと。 
ですから、インベントリーにおける110と、環境中におけるその北西部分のおよそ110、それからいわきの50以上というような環境フィールドにおけるセシウムヨウ素比と大きく違っている3なんですね。ということは、そのセシウムを1回摂取としてホールボディで評価してはいけないと。つまり、経口摂取部分があると。ヨウ素の場合は早い時期ですし、あってもその寄与は小さいけれども、セシウムは継続的な評価部分が、摂取部分があったというふうに考えるのが妥当な考え方じゃないかというふうに思います。

木村氏 そのホールボディカウンターの結果等についてお話をされましたが、では本間先生、何ですか、直接的なホールボディカウンターの結果は、どこに誰がどのようにいたかということをきちんと結果を見た上で、その3という比を決めたということになるということでよろしいんでしょうか。

本間委員 そんなことは言っていません。そうじゃなくて、放医研の使われたデータは多分、実効線量の値だけがあって、それをその1回摂取の場合として評価しましたと。それと甲状腺のスクリーニングの線量結果を摂取量比で考えると、セシウムヨウ素比は3が妥当な評価であったと。むしろ、そういうロジックで出された3であるということを理解されたほうがいいんじゃないか、僕が間違っていなければそうじゃないかと。
2:47:59
木村氏 これはおっしゃっていますが、この実際の実測私もずっとこの内部被ばく等についても追っておりますが、実測値からいって経口摂取量が少ないというようなことではないわけですよね。

本間委員 そうです、だから経口摂取の寄与があったんじゃないかということです。

木村氏 はい、もちろん。それで、水に含まれているヨウ素量というのもかなり大きかったというふうに我々は考えておりますし、もう少し言えば吸入摂取被ばくのほうもかなり寄与があったのではないかと私自身のデータとしてはとっております。 
そういったようなところの具体的なことというのは、本来こうやって放医研さんだけの話で議論をするだけではなくて、今、先ほどこの貴重なでデータを提示していただいた森口先生等のデータをもう1回再解析することが一番大切であり、かつ、長瀧先生もおっしゃっていたように、3mSv云々という話まで議論をしていくには、これは線量評価をもう一度きちんとした形で解析していくことが必要だと思います。 
その当時のデータというのは物すごく僕も調べていて、今、自分自身でも相当調べているんですが、今、森口先生が出されたこのデータというのは驚異的でした。こういったようなことを踏まえながらやっていかなければ、ざっくりとではいかないと思います。だからこそ、きちんとした分析というものが僕は必要だと思います。
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本間委員 私は否定しているんではなくて同感で、ヨウ素の初期被ばくを得るには、このホールボディのデータというのも利用可能なんだけれども、それが残念なことに実効線量のデータしかないと。そういった中で、このセシウムヨウ素比というのをどういうふうに考えていったらよりよいヨウ素の初期被ばくの線量評価に結びつけられるのかということを、平成24年の事業のときにも検討委員会で申し上げたんですけれども、そこをもう少しその十分なデータがほかのデータを使いながら補足して、よりよいヨウ素初期被ばくの線量を推定していかなければいけないというふうに私も考えております。

木村氏 わかりました。それだったら森口先生のデータを使って。

長瀧座長 森口先生、どうぞ。

森口氏 ありがとうございます。本間先生がおっしゃった平成24年度事業につきましては、放医研は公開の国際ワークショップをなさいました。この3という数字をご説明になったときに私フロアにおりましたので挙手いたしまして、質問をさせていただいております。ですから、当然それは体内の代謝ですとか、そういうことも考慮した上でやはりこの数字は解釈しなきゃいけないですねということで、栗原先生からもそんなようにお答えをいただき、そうして今日、私が提示させていただいた11枚目、12枚目のデータですね。これ栗原先生中心に取りまとめていただいております。そうしたことも含めまして、やはり初期被ばくをモデルで再現する過程でどういうことであったのか。 
3という数字にこだわるのではなくて、いつ被ばくしたかということを仮定せざるを得なかったかと思いますが、私今日ご紹介したデータで――これはもちろん、経口摂取の再現性は難しいわけですけども、呼吸系への採取であれば、どこの地域で何日の何時にどの程度摂取した可能性が高いかということのその推計の精度は飛躍的に高まると考えておりますので。要は、さまざまなデータの互いのつじつまが合うかどうかということをやはり、きっちりと検証すべきであろうと。そういうデータはまだありますと。 
それについては、今日、津田先生そういう部分であれば急ぐ必要はないとおっしゃっていただきましたので、それはやはり時間をかけてやっていく。それから、長瀧先生はさきほど国統一の線量評価でとおっしゃったわけですが、その線量評価についても見直しの機会まだこれからあるかと思いますので、そういったところに科学的な知見を結集していただきたいと、そういうお願いをもって今日こういう話題提供させていただいたということで、その点お酌みとりいただければ大変ありがたいと思います。

長瀧座長 活発なご議論ありがとうございました。 
じゃあ、もう今日、最後に事務局で…… 
明石先生、どうぞ。

明石委員 放医研の明石です。木村先生がご指摘のように、放医研で考えているのは今でいいということではなくて、その行動とかいろんなデータが必要だというのは再三この検討会でもそういう分析をするというふうにお話をしておりますし、それは必要だと考えています。 
それから森口先生が言ってくださったんですが、我々の研究所の研究者は今回出したデータのことが議論になっていますけども、ほかの外国の方、それから日本の方、それからJAEA、いろんな方々に入っていただいたところでこれは議論したものです。もちろん、放医研の名前で出ているというのはありますけれども、議論した段階で放医研だけではなくて国内外の研究者に入っていただいて、これは違うとか、いや、これはこうだという議論はした上での結論だというふうに理解していただければと思います。
以上です。

長瀧座長 わかりま