2015年1月8日木曜日

3分間ビデオで見る世界10年間(2004年12月~2014年11月)の地震



気象ネットワークThe Weather Network
3分間で観る世界10年間の地震


スコット・スザーランド Scott Sutherland
気象学者 theweathernetwork.com
201512日金曜日
わたしたちの足の下で1年間に何百万回もの地震が発生していると推測されており、人間や地震計が検知できるのは、そのほんの一部だけである。このビデオは米国海洋大気庁(NOAA)の太平洋津波警報センター(PTWC)が作成したもので、過去10年間分、最も破壊的なものいくつかを含め、さまざまなマグニチュードの数十万回の地震をざっと観察することができる。
ビデオは非常に迅速に進行するが、いくつかの重要な特徴が即座に明確になる。
1)「環太平洋火山帯」

地球上で最大の――2600万平方キロを超える――構造プレートである太平洋プレートが、アニメ画面中央部の大きな「空白」域として非常に明確に浮き彫りになる。その周囲、実質的にすべての周辺が、環太平洋火山帯――たいがいの時期、アルゼンチン中央部から展開し、アラスカへ北上し、シベリア東部へわたって、南太平洋の諸列島へ南下し、ニュージーランド、オーストラリア東部、タスマニアに連なる、ほとんど途切れのない地震の列――である。その「ほとんど途切れのない」部分は、下図に示される、過去10年間に記録されたすべての地震を記したアニメーションの最終映像でとりわけ顕著になっている。
Credit: NOAA/NWS/PTWC
「環状火山帯」に沿って発生する地震の圧倒的な大多数は小さい――感じるか感じないか程度に軽度の――ものだが、地球上最強の地震のいくつかもまた、この地域内で数えられている。
22004年「ボクシングデイ*」地震・津波
*[クリスマス翌日の1226日。郵便配達人や使用人などに日頃の感謝を込めてギフト・ボックスを贈る習わしがある]
ビデオがはじまってまもなく(ちょうど10秒後)、アニメ画面の左側に大きく明るい閃光が現れる。その後に残る大きなオレンジ色の円(下図)が、破壊的な2004年のインド洋地震・津波である。
2004年地震・津波のあと、当日の画像。Credit: NOAA/NWS/PTWC
Credit: Vasily V. Titov, NOAA/PMEL - UW/JISAO
この巨大断層地震は、マグニチュード9.1から9.3と記録され、インドネシアから西方の海底で発生した。海洋底が大規模に隆起したため、津波が発生し、インド洋全域に拡がって、あらゆるものを洗い流した。
地震は8分間ないし10分間つづき、1900年に記録されはじめて以来、2番めに最悪のものとして登録されている。非常に強力な地震であったので、惑星全体が――まるで巨大なベルのように、だれかが惑星の表面を打ったように――1センチメートルも振動したほどだった。
その津波は史上最悪の激しいものにランクづけられ、いくつかの地域では波高30メートルに達して襲来した。
この壊滅的な災害の最終死者数は現時点で不明のままである。最大230,000人が命を奪われ、125,000人以上が負傷し、45,000人以上が行方不明、175万人が移住を余儀なくされたと推定されている。
32011年「東日本大震災」
ビデオの126秒目に、2004年地震にほぼ匹敵するマグニチュード9.0地震が発生する。2011年東北大地震(別称、東日本大震災)は惑星の地軸を最大25センチメートル動かしたと推定され、11,000回の余震を伴い、その最近のものは、なんと20149月!
2011年地震・津波当日の画像。Credit: NOAA/NWS/PTWC

2011年津波の伝播。Credit: NOAA


これは、史上最大規模で集中的に記録された地震と津波であり、地震そのもので被災したほぼ全域、そして――いくつかの地域で最大波高40メートルに達し、内陸に最大10キロメートルまで押し寄せた強力な津波に浸水された――日本東岸すべての写真やビデオが残された。
死者は16,000人近くに達し、6,100人が負傷、2,600人が行方不明のままである。
推定被害合計額――災害そのものの被害額だけでなく、その波及効果による経済要因すべてを含めたもの――は2350億ドル[28兆円]に達し、史上最高額の被害を出した天災とされている。
次のでっかいやつは?
地震予報は、せいぜい言っても困難であり、実際にはほぼ不可能である。それでも科学者たちは諦めず、次の地震がいつ発生するかを予告するための研究に精を出している。信頼しうる予測システムが開発されるなら、数えきれない人命を救うことができるだろう。
特定の地域において大地震が発生する頻度を調べることが、現時点でも可能な最善の研究であり、それによって、大地震が次に起こる時期をおおまかに把握することができる。
目下、ブリティッシュコロンビア州各地を含む北米西岸にかなりの地震が襲う将来のリスクがある。20139月、気象ネットワークでお話しいただいたサイモンフレーザー大学地球科学教授、ブレント・ワード博士によれば、ヴァンクーヴァーを含む太平洋北西部の「でっかいやつ」はマグニチュード9.0に達しかねず、2004年と2011年の災害に匹敵する被害を地域にもたらしかねないという。問題は、いつ起こるかだけである。
ビデオ:「ヴァンクーヴァーが不安定な地震活動の中心部にあることを示す新研究」

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