2015年2月12日木曜日

【海外ニュース】南オーストラリア州の核開発提案は国際的な核廃棄物処分場のトロイの木馬


http://thenewdaily.com.au/
原子力へ第一歩を踏み出した南オーストラリア州
201528
ジョージ・レカキス GEORGE LEKAKIS 金融報道編集者
ジェイ·ウェザーリル州首相は南オーストラリア州に核産業の構築に向かう扉を開いた。
原子力発電の可能性調査に乗り気なジェイ・ウェザーリル。Photo: AAP
ジェイ・ウェザーリル南オーストラリア州首相は、王立委員会が核産業に対する州の関与を拡大する場合の費用便益を検討することになったと発表し、原子力論争に新たな局面を開いた。
「われわれは、南オーストラリア州民が、核産業への関与を拡大することによって浮上する、現実的、財政的、倫理的問題を探究する機会を与えられてしかるべきだと信じております」と、彼は28日に語った。
「真実をいえば、われわれはすでに核燃料サイクルに組み込まれて――つまり、われわれは世界にウラニウムを販売して――おります」
ウェザーリル氏は王立委員会の目的について、原子力発電所、ウラニウム濃縮工場、核廃棄物処分場を州内に設置する可能性など、南オーストラリア州が将来、核燃料サイクルに参画することに関して、「慎重かつ率直な会話」を始めることであると語った。
王立委員会の設置は、南オーストラリア州財界の実力者たちによる、州内に原子力発電と濃縮工場を導入する提案の独立評価を求めるロビー活動を受けたものである。
ニューデイリー紙は昨年6月、ニュース・インターナショナルの前理事長、ブルース・ハンダートマークが主導する、有力実業家と科学者のグループが、南オーストラリア州内に原子力発電所を建造する事業提案を準備するための会社を設立したことを明らかにした。
ハンダートマーク氏の他にも、南オーストラリア原子力システズ株式会社の取締役会には、自由党のジョン・オルセン前首相の前首席補佐官、イアン・コワリックがいる。
コワリック氏は、核産業を発展させれば、製造業部門が壊滅した州経済の活性化に役立つとニューデイリー紙に語った。
「ついに王立委員会が発展可能性論争の口火を切りました」と、コワリック氏はいう。
南オーストラリア核原子力システムズ社は原子力発電を禁止する法律の修正を期待して、連邦と州の政治家たちと同社の事業提案を議論してきた。
連邦生物多様性法が目下、オーストラリア全域で原子力発電所の設置を禁止している。
ハンダートマーク氏は昨年、会社が地域の核事業に出資する国際的な資金源を確保し、世界的に有力な組織との関係を築いたとニューデイリー紙に語った。
その時、ハンダートマーク氏は、「あれこれ欠かすことのできない資金手当が真の問題ではありません。問題は必要な法律の変更を実現することです」といった。
オーストラリア保全財団のスポークスマン、デイヴィッド・スィーニ―は、王立委員会が核廃棄物処分場の設置構想に南オーストラリア州民を慣れさせるための単なる隠れ蓑であるかもしれないと警告した。
「この審議の大部分は、州内に国際的な放射性廃棄物処分場を開設する構想に対して、人びとを鈍感にさせるためであることに疑問の余地がありません」と、スィーニ―氏はいった。
「人びとは、審議が廃棄物処分場建設のための正しくトロイの木馬である可能性を問題にしなければなりません」
スィーニ―氏は、独立調査のどれをとっても、原子力の採算性が成り立たないことがわかると話した。
「再生代替エネルギーが抜群に成長していますので、原子力に限っていえば、まったくの夢物語です」と、彼はいった。

ウェザーリル氏は、政府が王立委員会の付託事項を専門家と相談のうえで最終決定すると述べた。

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