2015年5月11日月曜日

名古屋の超高線量パーティクル…【論文概要】ハウスダスト汚染物質による人体被曝の評価




ハウスダスト汚染物質による人体被曝の評価

マルコ・カルトーフェンMarco Kaltofen
理学修士、専門技術者、(Civil, MA) C. NSE

土木工学博士号を取得する要件を補完するために
ワーチェスター工芸研究所の教授会に提出した論文

201545

概要

空中浮遊粉塵は、高度に蓄積された放射性同位体を含む個別の放射性ホット・パーティクルの形で放射性物質を運ぶことができる。これらの空中浮遊粒子が吸引されたり摂取されたりすると、内部放射線被曝の線源になる。2011311日、北日本の福島第一原子力発電所で勃発した核反応炉事故のあと、日本の環境試料を85点と米国およびカナダの試料を234点収集し、ガンマ線分光計、放射能写真術、エネルギー分散エックス線分析による走査電子顕微鏡法(SEM/EDS)、アルファおよびベータ総量計測法を用いて分析した。試料収集活動において、ソーシャル・メディアとボランティア団体が重要な役割を担った。放射能写真術とSEM/EDSを併用することによって、個別放射性ホット・パーティクルを分離し、分析することが可能になった。日本の粒子状物質試料85点のうちの62点から、検出可能レベルのセシウム134とセシウム137が見つかった。日本の試料における粉塵個別放射能量の中間値は2.5 Bq g-1 ± 1.6 Bq g-1であり、粉塵個別放射能量の平均値は71 Bq g-1(残差標準偏差=335%)であった。平均値が上方に偏っているのは、5点の粉塵試料が突出的に高レベルの放射能を帯びていたからである。これら5点の試料が帯びていた個別放射能量は、167 kBq g-1から5.2 PBq kg-1におよんでいた*。米国およびカナダの環境資料234点のうち、4点だけが検出可能なレベルのセシウム134とセシウム137を両方とも帯びていた。
       *訳注:PBq1000兆ベクレル

日本の試料の総ガンマ分光計分析によって、ヨウ素131とコバルト60もまた検出された。米国およびカナダの試料では、基本的に自然起源の核種が検出された。日本の粒子をSEM/EDSで分析すると、セシウム、アメリシウム、ラジウム、ポロニウム、テルリウム(テルル)、ルビジウム、その他の必然的または潜在的に放射性である元素を含んでいることが判明した。米国の試料の場合、セシウムを含むホット・パーティクルは見つからなかったものの、粉塵粒子の一部にウラニウム、トリウム、プルトニウムが含まれていることが判明した。これらの米国の粒子はすべて、特定済みのウラニウム鉱山または核物質貯蔵所および処理施設と関連していた。

本研究によって検出されたホット・パーティクルを吸引した場合、個々の人間にとって、重大な被曝線源になりうる。環境中にホット・パーティクルが存在する場合、放射線量モデルたるものは、正確であるために、この被曝成分を含んでいなければならない。

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