2015年10月14日水曜日

英紙ガーディアン【写真特集】放射能の残骸~フクシマ核立入禁止区域


放射能の残骸~写真で観るフクシマ核立入禁止区域

アルカディウス・ポドニーシンスキ Arkadiusz Podniesinski
20151011

商品が散らばったスーパーマーケットの通路。終わらなかった授業の黒板に残された白墨の書き込み。終わることのない交通渋滞の車列に絡んだ雑草。

これらは、20113月、地震と津波が日本を襲ったあと、メルトダウンに陥った福島第一原子力発電所の周辺20キロ圏内で撮影された気味悪い写真である。写真家、アルカディウス・ポドニーシンスキは先月、防護服で身を固め、双葉、浪江、富岡の「空恐ろしい」ゴーストタウンを探訪しており、これが彼の目撃したものである。



双葉町のメインストリートに立つ写真家、アルカディウス・ポドニーシンスキ。スローガン表示「原子力、明るい未来のエネルギー」。

自然に奪還された街路。

破局的惨事のあと――160,000人を超える人たちが自宅からの避難を余儀なくされ――地域の多くがいまだに入域するには危険である。

 KFCカーネル大佐とマネキンたちは、今もスーパーマーケット立哨中。

ポドニーシンスキは最高レベル汚染区域について、「事故がまるで昨日のことであるかのように、時間が止まっている」という。

 
放置されている車両の群れの航空写真。

 ドローンで撮影した放射性廃棄物仮置き場の航空写真。

汚染された農地を除染するために、放射性表土が袋に詰めこまれており、さらに深い壌土層まで除染する試みが実施されてきた。空間を有効利用するために、土壌の袋は何段にも積み重ねられている。

 客が逃げたあと、配膳されたままに食器が残された料理店の座卓。

1986年のチェルノブイリ以降最悪の核惨事の現場、地域一帯を除染するという大仕事がつづけられている。数千人の労働者たちが街路から街路へと行き交い、家屋の壁や屋根をスプレイ洗浄し、磨いている。

 生い茂った雑草に絡みつかれる車のバンパー。

ポドニーシンスキが話をした人たちの何人かは、30年以内に地域が再び安全になるという公式見解を疑っていた。「彼らは、放射性廃棄物がそこに永遠に残されると心配していた」と、彼はいう。


校舎一階の教室。黒板の下に、津波が到達した高さを示す印が今も残っている。黒板に、元住民、学校の生徒、労働者らが、被災者全員の士気を維持する目的で、「やればできる、フクシマ!」などと書きこんだことばが残されている。

All photographs ©Arkadiusz Podniesinski/REX Shutterstock

【クレジット】

The Guardian, “Radioactive wreckage: inside Fukushima's nuclear exclusion zone – in pictures,” by Arkadiusz Podniesinski
本稿は、公益・教育目的・非営利の日本語訳。

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