2015年10月17日土曜日

ブルームバーグ・ビジネス【Q&A】フクシマ核惨事の浄化作業、4年後の現状


フクシマ核惨事の浄化作業、4年後の現状Q&A 

スティーヴン・スタープチンスキ Stephen Stapczynski 
20151016

福島第一核発電所12号炉の中央制御室に入った防護装備の東京電力職員ら。Photographer: Toru Hanai via Bloomberg

東京電力株式会社は大破した福島第一核発電所の海側遮水壁を今月末に完成する予定である。

1月以来、9回にわたり軽く汚染された水が構内の排水系から溢れ、海に流出している。

東京電力は先週の福島第一構内視察のさい、遮水壁工事の進捗ぶりを説明し、完成後の壁が海に流出する汚染水の量を減らすだろうと期待を表明した。

東京の北に位置するフクシマ核施設の現状を、Q&Aの形で短くまとめてみよう。この施設は4年以上前に、前例のない三重メルトダウンに陥った。

1.次の節目は、どのようなものになりますか?

東京電力は海側遮水壁と併せて、施設内のさまざまな部分から地表水を集める排水系を新たな覆い付き水路で強化しています。5月に始められた新たな排水系工事は3月までに完成すると予想されています。

東京電力はまた、大破した反応炉建屋を取り囲む土中遮水壁の凍結を本年末には始められると予想しています。

2.解体は、いつまでかかりますか?

日本最大手の電力会社、東京電力は、福島第一核発電所の解体を完了するのに、30年から40年かかると予測しています。

3.使用済み核燃料除去のスケジュールはどうなっていますか?

東京電力は、3号炉の使用済み核燃料除去は、2013年時点の予測より2年遅れの2017年に始まると予想しています。1号炉と2号炉の燃料除去は2020年に始まると予想されています。東京電力は目下、メルトダウンを起こした3基の反応炉から瓦礫を取り除いています。同社の広報担当、山岸龍博氏によれば、瓦礫が除去され、反応炉に流入する水が安定化すれば、作業員たちは安全性レベルが大幅に改善した状況で建屋施設内に入ることができるといいます。

東京電力は8月に3号炉建屋内の使用済み燃料プールから最大の瓦礫片を除去しており、これが解体の初期段階の節目になりました。福島第一核発電所の小野明所長によれば、3号炉の瓦礫除去作業はほぼすべて完了しているそうです。

4.解体の費用は、どれくらいかかりますか?

東京電力は、施設内の水の管理と反応炉の安定化のために、今後10年間で1兆円以上の経費がかかると予測しています。同社は、前年度末の331日までに施設解体費として、およそ9860億円つかいました。

5.現場で何人働いていますか?

平日の場合、いつでも7,000人の請負会社の労働者と東京電力の従業員が施設内にいます。労働者の約半分は福島県の人たちです。


【クレジット】

Bloomberg Business, “Fukushima Nuclear Power Disaster Cleanup Four Years Later: Q&A,” by Stephen Stapczynski;
本稿は、公益・教育目的・非営利の日本語訳。

0 件のコメント:

コメントを投稿