2012年6月28日木曜日

生井兵冶さん:「6.24」一周年の思い――子どもの命と暮らしを守る大人の権利と義務

生井兵治さんは、元筑波大学教授であり、ご紹介するにあたって、てっとりばやく、ご本人の自己紹介をTwitterで検索してみますと――




生井兵治
@POKOJICHAN
生態学・進化学・遺伝学・育種学が身に染みた爺さん。3.11で先鋭化した国の「大本営発表」体質と関連学会等々の「大政翼賛」体質に怒り。放射能関係の共著2種。日本科学者会議編『放射能からいのちとくらしを守る』(2012年5月、本の泉社)。歴教協編『中・高生と学ぶ 福島原発事故と放射能Q&A』(2012年6月、平和文化)。

日本科学者会議の会員としては、次のような記事があります――
放射能汚染された野菜畑の処置について(緊急提案)(生井兵治)
また、わが「ふくしま集団疎開裁判」の会の有力メンバーとしては、公式ブログの2011101日記事「10.15 ふくしまの子どもを守れ! 郡山集会」に次のような投稿があります――
10.15 郡山集会&デモ」を間近に控えて
「こ」 高放射能に晒される市民と、ただ「安全」を言い張る日本政府。
「お」 怒らずにいられない、この市民無視の原発優先「暗黒」政治を。
「り」 理詰めに考えなくても、一連の「直ちに」発言の非は明らか。
「や」 山も海も田畑も空気も町も汚され、空気と食の「汚染」に悩む。
「ま」 まやかしの「暫定規制値」だけで、食の安全は決して守れない。
「か」 可愛い子や孫たちの不憫をただ悩むだけでは、「解決」はない。
「ら」 楽天的な日本国民も、もう黙っていては明るい「明日」はない。
「の」 農民・漁民らをはじめ、多数を占める「市民」が、大挙集おう。
「こ」 国民無視の「堕落政治」は絶対に許せない、と大声を上げよう。
「え」 栄華を誇る核勢力から、「自然科学」を国民の手に取り戻そう。
               土浦市在住 生井 兵治 
さて、624日は、昨年、郡山市内の小中学生14名が郡山市を相手に「放射線値が高い危険な場所での教育の実施を差し止め、健康に安全な場所での教育の実施を求める」仮処分を福島地裁郡山支部に申し立てた日、通称「ふくしま集団疎開裁判」のスタートから一周年にあたります。その日によせて、生井さんは下記のようなエッセイを裁判の会メーリング・リストに投稿なさりました。ここにご本人の了解をいただいて、転載させていただきます――
「6.24」一周年の思い
――子どもの命と暮らしを守る大人の権利と義務
2011年6月24日
 
生 井  兵 治(なまい・ひょうじ)
ちょうど一年前の2011年6月24日、福島県郡山市の小中学校に通う子ども14人が、東電福島第一原発の過酷事故により放射線被曝の恐れが強いとして、郡山市に対して安全な場所での教育の実施を求める仮処分の申立を福島地裁郡山支部に提出し、原発事故による子どもの被曝をめぐる我が国初の民事裁判「ふくしま集団疎開裁判」が始まりました。
申立当日は、代理人として、井戸謙一弁弁護士と柳原敏夫弁護士が郡山支部に赴きました。皆様ご承知のとおり、井戸さんは、2006年3月24日、稼動中の北陸電力志賀原発2号機の差止を命ずる判決を言い渡された金沢地裁の元裁判長で、2011年4月1日から弁護士になった方です。柳原さんは、2005年6月24日、新潟地裁上越支部への申立で始まった、GMイネ(カラシナ・ディフェンシン遺伝子組換えイネ)裁判の弁護団の主任弁護人として活躍された方です。このGMイネ裁判に学者の一人として協力してきた私は、今回のふくしま集団疎開裁判でも協力を要請され、当日提出した申立書の作成にもいささか関わった関係から、郡山支部への申立に同道することになりました。
チェルノブイリ原発事故による強制移住地域(0.571μSv/時)に匹敵するところだらけの郡山市の実態をみれば、事は極めて緊急を要する問題ですから、判決が6ヵ月後の2011年12月16日まで延びのびになろうとは、当時誰が予想したでしょうか。しかも、皆様ご承知のとおり、判決は、詭弁を弄する判決理由を並べ立てるだけで、申立を認めない(却下する)という不当極まりないものでした。ですから、同年12月27日、仙台高裁に異議申立(即時抗告)したのは、当然の成り行きでしょう。
1 福島地裁郡山支部の「却下判決」は何故か野田首相の「収束宣言」と同日
昨年12月16日夕方、野田佳彦首相は、実態とは著しくかけ離れた認識に立ち、過酷事故を起こした東電福島第一原発が「冷温停止状態」(「冷温停止」ではないことに注目)になったとして、同原発事故の「収束宣言」と「避難区域見直し」を発表しました。しかし、1号機~3号機では、メルトダウンした核燃料集合体が原形を留めない状態で、圧力容器の底に落ち、さらには格納容器の底や格納容器の外にまで流れ出ているかもしれないのが現実です。そして、ちょうど定期点検中だった4号機では、ほとんど真新しい核燃料集合体を含む大量の核燃料を貯蔵中の使用済み核燃料貯蔵プール(建屋内の5階にある)の基礎が歪み、応急補強措置を施したとはいえ、強い余震によって倒壊しかねない危険な状態にあるのではないかと、国際的にも危惧されています。
東京電力は、昨年12月2日、「中間報告」を発表しましたが、原因を「想定外の津波」に帰し、真摯に詫びて反省する態度がまったくみられません(今年6月20日、結論は同じ最終報告を発表)。政府の「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」は、昨年12月27日、「中間報告書」を発表しましたが、事故原因の本質を何ら解明できていません(今年7月に最終報告を発表する予定)。国会の「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」は、昨年12月8日に発足したばかりで、まだ中間報告も出ていません。
このような状態の中で、野田佳彦首相は、いったいいかなる根拠で福島原発事故が「冷温停止状態」になったと判断して「収束宣言」を発表したのでしょうか。現実には、空中への放射性物質の放出量は、昨年の事故当時より大幅に減ったとはいえ、今でも毎時、約1000万ベクレル(5月28日公表時点)も放出され続けているのです(2012年5月28日 東京電力HP「原子炉建屋格納容器からの追加的放出量の評価結果」)。
いずれにしても、2011年12月16日夕方の野田首相による、福島第一原発事故の「収束宣言」と符節を合わせたかのようなタイミングで、福島地裁郡山支部の裁判長は、14人の子どもたちの学校ごと集団疎開するよう求める仮処分の申立を却下したのです。
2 福島第一原発事故後の文科省による子どもの人権無視の経過
原発事故後の経過を振り返ってみれば、文科省は、昨年4月19日、あろうことか校庭の利用制限基準を年20ミリシーベルト(mSv/年)(子どもたちの日々の生活パターンを考慮すると、1時間当たりでは3.8マイクロジーベルト(μSv/時))とすることを通知しました。通常の原発作業従事者の被曝線量限度が5年間で100mSv(年間最大50mSv)ですから、子どもたちの命と暮らしを守るべき文科省は常道を逸した過酷な被曝を子どもたちに強いたのです。現実に、文科省などのモニタリングデータを使って弁護団が試算した結果によると、14人が通う小中学校7校の空間放射線量は、原発事故が起きた3月12日からの5月25日までの75日間だけの積算で既に3.80~6.67mSvに達し、外部被曝だけで1mSvを大幅に超えています。
ですから、保護者らの反発を受けるのは当然です。昨年5月27日、当時の高木義明文科相は、国際放射線防護委員会(ICRP)が公衆の被曝線量限度として定めている年間1mSv以下を目指すと発表しました。しかし一方では、20mSv/年が3.8μSvだからといって、1mSv/年を目指すから0.19μSv/時を目指すというわけではない、とも述べています。昨年8月26日ついに文科相は、4月19日の20mSv/年(3.8μSv/時)を廃して原則年間1mSvとしましたが、説明なしで1μSv/時としています。一方、環境省は、1mSv/年を0.19μSv/時とし、実際にガイガーカウンターで計測する際には自然放射線が平均0.04μSv/時だけプラスされるとして、合計値「0.23μSv/時」を公衆の被曝線量限度1mSv/年に充てています。
我が国の「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令」に基づく科技庁告示第五号(1988年)の第四項の4には、「線量限度は、実効線量が四月一日を始期とする一年間につき一ミリシーベルトとする」とあり、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示」(2001年)の第三条(実用炉規則第一条第二項第六号等の線量限度)第一項にも「実効線量については、一年間(四月一日を始期とする一年間をいう。以下同じ。)につき一ミリシーベルト」とあります。法律的には、公衆の被曝線量限度は1mSv/年です。原発事故が起きたからといって、子どもたちを含む人びとの放射線耐性が直ちに高まることはありません。
ですから、子どもたちが放射線被曝による健康被害の恐れがあるとして、父母らが安全な地域への学校ごとの集団疎開を求めることは、至極当然のことでしょう。ところが、福島県や郡山市をはじめとする地方政府のほとんどは、無法ともいえる中央政府にただただ追従するだけであり、三権分立の要である司法の砦・裁判所さえもが、子どもたちの基本的人権を守ることを忘れ、「原発利益共同体」に組みする政府の意向をくみ取った判決を出すことにのみ汲々としたのです。
3 私たちは、もう黙ってはいられません
私たち大人には、子どもたちの命と暮らしを守る権利と義務があります。私が愛してやまない日本国憲法第11条には、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」とあります。しかし、残念ながら特に「3.11」以降の現状は、市民、中でも子どもたちの基本的人権が著しく蹂躙されています。
軌道を逸した野田佳彦民主党内閣は、東電福島第一原発事故の原因が何も解明されず、真の意味「収束」の目途が立っておらず、使用済み核燃料の最終処分場が決まっていないままに、自民党などと共に原発再稼働に猛進しており、この6月16日、大飯原発再稼働を決定してしまいました。いくら経済優先としても常道を逸しており、正気の沙汰ではありません。野田首相は、消費税増税の理由として「負の遺産を後世に伝えることはできない」と力説します。それならば、なぜ逼迫した国家財政とは比べ物にならないほどに膨大で危険極まりない負の遺産「高レベル核廃棄物」を何万年も先まで負わせるのでしょうか。政策の根拠に一貫性がまったくなく、野田首相の言行は支離滅裂です。
三権分立の要・司法府の裁判所は民意を汲まず、行政府・野田内閣は常道を逸し、立法府の国会も堕落して民意を汲まず、ただ政党エゴ丸出しの状態です。これでは、子どもたちはもちろん大人も浮かばれません。私たちは、もう黙ってはいられません。私たちの権利と義務を最大限に行使して、脱原発の旗の下、大同団結して戦うしかありません。
皆さん。「6.24」一周年を期に決意を新たにして、最後まで頑張り貫きましょう。

2012年6月26日火曜日

抗議アクション:福島市議会「大飯原発再稼動反対」決議案否決

【関連記事】民の声新聞

佐藤雄平福島県知事をリコールへ ~最後通告突き付けた福島の女たち

わたしたち、福島第一原子力発電所の事故による理不尽な苦しみを強いられている福島県民にとって、野田内閣と関西電力による大飯原子力発電所34号機再稼動の策謀・強行は、とても許せない暴挙であり、わたしたちのうずいてやまないこころの傷に塩を塗る行為です。
622日(金)、45000人もの市民が首相官邸抗議デモに繰り出したことは、民意を無視した今回の暴挙に対する国民の怒りを表すと同時に、事故被災者に寄り添う市民意識の発露でもあったはずです。
ところが翌23日の新聞報道をみて、わたしたちは心底から驚きました――
 福島市議会(定数38)は22日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働に反対する決議案を反対多数で否決した。議会初日に社民、共産の市議7人が連名で提案。採決は無記名で行われ、賛成17、反対19で否決された。
 決議案は「福島第1原発事故の原因究明や国会・政府事故調の最終報告が無い中、暫定的な安全基準が拙速に決められた」と指摘、再稼働について「市民は未曽有の被害に今も苦しんでいるのに、安全確認を後回しにした」と非難していた。
 県内では南相馬、二本松、浪江など7市町村議会が再稼働に反対する意見書を採択している。【深津誠】
あろうことか、被災県の県庁所在地、福島市の市議会が「大飯原発3、4号機再稼動反対」決議案を否決したというのです。それも「無記名」投票で!県民を裏切るなんという、思慮のない無責任な態度の表明でしょう。急遽、福島市民たちの発案により、福島県知事および福島市議会に対して緊急要請をおこなうことになり、わたしも福島市にかけつけました。
ここに、福島県知事と福島市議会に提出した「緊急要請書」を掲載します――
福島県庁

〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16

電話 024-521-1111(代表)
メールkouho@pref.fukushima.lg.jp
2012625
福島県知事  佐藤 雄平様
緊急要請―未曾有の原発災害に苦しんでいる福島県民の知事として
野田内閣による「大飯原発3、4号機の再稼働決定」に対して
明確な反対の意思表明をすること―
「東日本大震災」並びに「東京電力福島第一原子力発電所事故」から1年目の去る3月11日、福島県は福島復興を誓って「ふくしま宣言」を知事自ら全世界に向けて発信しました。「県内の原子力発電所を全て廃炉にすること」「再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに発展し続けていくこと」を明言したすばらしいものです。県としてこの内実を県民の目に見える形で即刻、実現していくことが未曾有の原発災害の苦難から県民を救い出す明確な具現化への道です。
ところが野田内閣は去る6月16日、国民の願いと意思を無視し、大飯原発34号機の再稼働を正式に決定しました。しかし、その理由は「国民の生活を守るため、再稼働すべき」「原発止めたら、日本の社会は立ち行かない。」「福島級の地震・津波が来ても防止できる対策と体制は整っている。」など何の裏付けも説得力もないものです。しかも根拠のない関電の夏場の15%電力不足予測を理由にしていながら、「夏季限定」を否定し、恒久的に稼動させたい意図も見え見えです。なし崩し的に3.11前の原発依存社会へ逆行させるものと言えます。それはすなわち「フクシマ」から何も学ばず、私たち福島県民を見捨てることにもなりかねません。
未曾有の原発災害を受けて苦しんでいる私たち福島県民を代表する県知事として、311「ふくしま宣言」を高く掲げて、この危険な決定である「大飯原発再起動」に明確に反対の意思表明をするべきです。それが311「ふくしま宣言」を内実化することと一致します。
県民は311の悲しみも苦しみも未だいえず、しかも事故の原因も究明されず、原発災害そのものが終息しないまま「再起動」を公言する野田政権とそれを裏で支える原子カムラ、推進勢力へ激しい怒りと憤りを憶えているのです。この思いを佐藤知事、あなたが代弁せずに誰が行うのでしょう。
311「ふくしま宣言」の中に、「今、全世界の人がFUKUSHIMAを見つめています」。そして最後にこうしめくくっています。「本日、これをふくしま宣言とし、全世界のみなさんにお誓いいたします。」と。佐藤知事、今やあなたは人類の生存と世界の未来を握るキーパーソンなのです。全世界は「フクシマ」を見つめています。利権、権力、財産、欲望、謀略、陰謀の奴隷に落ちることなく、ただ良心にのみに従い「真に県民を守るために」表明することを希望します。
「県民の安全・安心を最優先」と誓った佐藤雄平知事の有言実行のためにも当面以下のことを要求いたします。
―記―
1.          福島県知事として、政府による「大飯原発の再稼働決定」に明確に反対の意思表明をすること。
2.         今年度の東電株主総会(6.27)で「脱原発」の意思表示をすること。
3.         「脱原発をめざす首長会議」へ加盟すること。
4.         ふくしま原発の事故の徹底究明をすること。
5.         福島県議会議員に見える「脱原発」活動をうながし、「ふくしま宣言」へ向けて県知事・県議会の一体化の姿勢を見せること。
6.         「脱原発」実施後、県民が路頭に迷わないようなキメの細かい施政を実施すること。
7.         「廃炉」作業に際しては、労働者の被曝による健康障害の低減化に十分配慮すること。
8.         子どもの被曝を最大限避ける手立てを行うこと。そのために避難希望家族への生活補償と仕事の斡旋、県内外に関係なく、すでに避難している家族への補償を区別なく、期限限定なく行うこと。
9.         廃炉に向けて、科学・技術センターの設立をし、教育予算の増額と人材育成をすること。
10.      被曝者援護と生涯にわたる健康保障をするために全ての「ヒバクシャ県民」に「県民手帳」(仮称)を配布し、病院・研究機関の拡充をすること。
11.        特に、上記の1と2については極力、速やかに(遅くともこの7月中に)実行に移すか否かをもって、佐藤雄平県知事の知事としての資質、真摯さを見極める重要項目とします。
もし、私たちのこの期待に応えられなかった場合は知事自ら、職を辞すことを希望します。
以上
呼びかけ団体―
ふくしまWAWAWA一環・話・和一の会
アウシュヴィッツ平和博物館
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
沈黙のアピール
2012625
福島市議会議長 粕谷悦功様
緊急要請一未曾有の原発災害に苦しんでいる福島県の首都における

6.22福島市議会での「大飯原発再稼動反対」議案が

否決されたことは信じがたい暴挙です!

直ちに撤回すること!―
野田内閣は去る6月16日、国民の願いと意思を無視し、大飯原発34号機の再稼働を正式に決定しました。しかし、その理由は「国民の生活を守るため、再稼働すべき」「原発止めたら、日本の社会は立ち行かない。」「福島級の地震・津波が来ても防止できる対策と体制は整っている。」など何の裏付けも説得力もないものです。さらに根拠のない関電の夏場の15%電力不足予測を理由にしていながら、「夏季限定」を否定し、恒久的に稼動させたい意図も見え見えです。なし崩し的に3.11前の原発依存社会へ逆行させるものと言えます。それはすなわち「フクシマ」から何も学ばず、私たち福島県民を見捨てることにもなりかねません。このことに対して福島県民として即刻、県はもちろん全市町村挙げて遺憾の意を表わすべきです。
こんな中、去る622日、福島市議会6月定例会最終本会議において「関西電力大飯原発3号機と4号機の再稼働に反対する決議」が否決されたのです。議員36人の無記名投票で行われ、賛成は社民護憲連合、共産党、公明党の17人だけであとの19人が反対ということのようです。この結果は、信じられない暴挙であり、市民への裏切り行為です。私たちは足元から刃を突き付られたようなショックを受けました。
この議案に反対した福島市議会議員19人の個名の公表を求めます。この事実行為は重大であり、その責任を徹底して求めます。もし拒んでも公開質問状を提出し回答を求め、その結果を公表させていただきます。さらには次回の市議選の時には”落選運動”(仮称)を展開し、議員として退いていただきたいと思っています。未曾有の原発災害を受けて苦しんでいる私たち福島県民・市民のくらしといのちを守ろうとしない市議会議員は要りません。
「東日本大震災」並びに「東京電力福島第一原子力発電所事故」から1年目の去る311日、福島県は福島復興を誓って「ふくしま宣言」を知事自ら全世界に向けて発信しました。「県内の原子力発電所を全て廃炉にすること」「再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに発展し続けていくこと」を明言したすばらしいものです。これこそ未曾有の原発災害の苦難から県民を救い出す明確な具現化への道です。私たちは県に対してもこの内実を県民の目に見える形で即刻、実現していくことを求めています。
この趣旨に対しても今回の福島市議会の決定は逆らうものです。311「ふくしま宣言」を高く掲げて、ヒバクシャである福島県民・市民が率先して「大飯原発再稼働」に明確に反対の意思表明をするべきです。
県民は311の悲しみも苦しみも未だいえず、しかも事故の原因も究明されず、原発災害そのものが終息しないまま「再起動」を公言する野田政権とそれを裏で支える原子力ムラ、推進勢カヘ激しい怒りと憤りを憶えているのです。「再稼働反対」を否決した19人の福島市議会議員の方々はこの原子カムラを支え、おもねる人たちとしか思えません。それがまちがいなら「再稼働反対」否決を何らかの形で撤回してください。それが出来るかどうかを私たちはしっかり見ていきます。
以下のことを要求いたします。
―記―
1.         福島市議会として、政府による「大飯原発の再稼働決定」に明確に反対の意思表明をあらためて行うこと。
2.         6.22福島市議会本会議で、「大飯原発再稼働反対決議」に賛成しなかった19人の個名を公表すること。
3.        6.22本会議において議会運営として無記名投票形式を取った理由をあきらかにすること。
4.        「脱原発をめざす首長会議」へ加盟すること。
5.        ふくしま原発の事故の迅速な徹底究明を県に求めること。
6.        「ふくしま宣言」へ向けて県知事・県議会・市議会の一体化の姿勢を見せること。
7.         子どもの被曝を最大限避ける手立てを行うこと。そのために避難希望家族への生活補償と仕事の斡旋、県内外に関係なく、すでに避難している家族への補償を区別なく、期限限定なく行うこと。一時避難を含めても具体的な手立てを行うこと。
8.        被曝者援護と生涯にわたる健康保障をするために全ての「ヒバクシャ県民・市民」に「県民手帳」(仮称)を配布し、病院・研究機関の拡充を県と共に行うこと。
9.        特に、上記の2と3については直ちに回答をすること。速やかに実行に移すか否かをもって、福島市議会としての資質、真摯さを見極める重要項目とします。
以上
6.25対県知事&福島市議会緊急要請
呼びかけ団体―
○ふくしまWAWAWA一環・話・和一の会
○アウシュヴィッツ平和博物館
○子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
○沈黙のアピール
賛同団体募集中一県内外から
○原発いらない福島の女たち
○ハイロアクション福島原発40年実行委員会
○働く女姓のホットライン・ふくしま
○脱原発福島ネットワーク
○わいわい市民政治@ふくしま
○ふくしま月あかりの会
○STOPプルサーマル ふくしま
○「生活クラブふくしま 土山雄司」
○福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
○東電と共に脱原発を考える会
○プルトニウムフリー コミュニケーション 神奈川
○原発を考える品川の女たち
○MOX反対伊方の会
○核のゴミキャンペーン・中部
○さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト
○ピースネット・静岡
○玄海原発プルサーマル裁判の会
○プルサーマルと佐賀県の100年を考える会
○さよなら玄海原発の会・久留米
○環境教育ふくおか
○脱原発とうかい塾
○原発さよなら四国ネットワーク
○愛媛の活断層と防災を学ぶ会
○ストップ原発&再処理意見広告の会
○三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会
さて、余談ですが、県庁で参加者各人の意見表明の機会があり、わたしは応対の県職員に次のような発言をしましたー―
「わたしは郡山市内の県営住宅に入居しています。
「わが家の居住棟の前に大型遊具を備えた広場があり、そこの放射線量を計測してみると毎時0.8マイクロシーベルト以上あります。これは法規に定める放射線管理区域の基準値、毎時0.6マイクロシーベルトを軽く超えています。
「放射線管理区域は、放射線による健康障害の防止の観点により一般人の立ち入りが禁止されていますが、この広場にはなんらの立ち入り規制もありません。このような場所で幼い子どもたちが遊んでいるのです。
「このような状態を、県の原発事故対策本部はいつまで放置するのですか?」
県職員はうつむいたままで、なんの回答も示しませんでした。いつものことです。
【続報】
毎日新聞 20120626日 地方版
 「ふくしまWAWAWAの会」(佐々木慶子代表)など4市民団体は25日、大飯原発(福井県)の再稼働反対決議案を否決した福島市議会に撤回を求める要請書を提出した。市議会は22日、無記名投票の結果、賛成17、反対19の2票差で決議案を否決した。
 佐々木代表は「多くの人が原発事故の被害に苦しんでおり、県都の議会がその思いに逆行する決定をするのは市民への裏切り行為だ」と述べ、反対議員19人の氏名公表や、改めて議会として再稼働反対の意思表明をするよう求めた。反対議員には次期市議選で「落選運動」も行うとした。
 4団体は佐藤雄平知事にも、今年3月11日の復興式典で世界に向けて脱原発を目指すことを誓った「ふくしま宣言」にのっとり、反対の意思表明をするよう求めた。【乾達】


2012年6月23日土曜日

6.29大飯再稼働は許さない!女たちの国会前アピール

6.29大飯再稼働は許さない!女たちの国会前アピール
67日、官邸前で福島の女たちの大飯再稼働を止めるためのダイ・イン緊急アクションが行われました。
放射能の中で暮らし続ける福島の女たちの叫び、子どもたちの悲鳴、そして男たちの悲しみ。それに対する答えが、翌68日、野田総理の記者会見「国民の生活を守るために、大飯再稼働。原発の安全性は確認された」でした。野田総理の本音は「電力会社、財界、メガバンクの命と原子力独裁体制を守るため、国民の命と安全を生け贄に大飯再稼働」ということです。
福島原発震災の被災者を見殺しにしたまま、福島の子どもたちを、日々、目に見えない放射能の銃弾の雨にさらし続け、大飯原発の破砕帯の問題も無視して再稼働を決めた野田総理。あなたに私たちの命を預けた覚えはありません。あなたの政治生命は終わりです。
16万人の原発難民を生み出し、子どもたちを見殺しにし、SPEEDIもアメリカからの放射能拡散情報も全て隠蔽し、多くの人たちに無用の被曝をさせ、賠償は遅々として進まず、事故後一年以上たった今も世界中に放射能をばらまき続け、放射能汚染の加害者となった日本という国。
福島第一原発の1、2、3、4号機全てが世界の安全保障の問題となる危機的状況にあるにも関わらず、その安全確保はほったらかしで政局闘争に明け暮れる与党と野党の政治家たち。
福島第一原発という過酷事故を起こしながら、尚且つ原発輸出を押し進めようと躍起になり、50億円の復興予算を使って、国連世界食料計画(WFP)を通してアフリカやアジアの子どもたちの給食用に被災地のサバ缶を送りつける日本政府。こんな政府に、もうこれ以上政治を任せることはできません。
国会議員の皆さん、あなたたちは、私たち国民の民意を代表して、全力を尽くしているのですか? 国民の70%以上が拙速な大飯再稼働に反対しているにも関わらず、野田政権の政治暴走による大飯再稼働を許した議員たちに、私たちは満身の怒りも持って抗議します。そして、私たちは、福島の人々の苦しみに寄り添い、政治生命をかけて、子どもたちと市民の安全と暮らしを守ろうと日々闘っている議員たちを応援します。今、全国各地で、国会議員全員に「再稼働YESNO」を問う用意をしています。
福島の女たちは、3.11以来「二度と福島の苦しみをくり返さないで」と、世界中によびかけ続けてきました。
大飯再稼働は、まさに国民に対する冒です。
女たちは怒り、立ち上がり、繋がります。
日本と世界の子どもたちを守り、地球を守りたい女たちによびかけます。
私たちと一緒に立ち上がってください。
全国の女たち、あなたたちの代表を「6.29女たちの国会前アピール」に送ってください。
そして、全国各地で、女たちの抗議行動を起こしてください。
大飯再稼働撤回を地元の国会議員によびかけてください。
そして、拙速な大飯再稼働に反対しなかった議員たちを次回の選挙で落としましょう。
主権者は私たちです。
私たち一人一人が持つ「武器」を今こそ最大限に生かしましょう。
世界の女たちに呼びかけます。
日本大使館に抗議を続けてください。
大飯再稼働が撤回されるまで。
n         主催  「原発いらない女たち」
n         発起人/連絡先  泉かおり 090-2695-1937
n         呼びかけ人  原発いらない福島の女たち」、山口たか、谷田部裕子、満田夏花、アイリーン・美緒子・スミス、木村結、鈴木かずえ、石丸初美
n         6.29(金) スケジュール(案)
12:00~13:00 経産省女のテント前集合 ミーティング
13:00~14:30 集会&記者会見
14:30~     院内集会 受付開始
15:00~16:30 大飯再稼働撤回・女性国会議員と全国の女たちの院内集会
             参議院議員会館 101号室
(かんしょ踊り流しにて移動)
1
:00~18:00
    国会正門前アピール(参加者は国会正門前南側公園角)


チラシをダウンロード⇒  629.pdf 
                                               

参議院議員会館、国会議事堂周辺地図




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2012年6月22日金曜日

7月4日、講演会 「晴れの国:岡山」瀬戸内市beZen鼓空道場


【講演会のお知らせ】
日 時:  7月4日()19時より
会 場:  空スタ(鼓空道場) <住所>瀬戸内市長船町飯井1250-4
入場料:  カンパをいただけると助かります。(¥1,000-
主 催:  せとうち交流プロジェクト <問合せ>0869-26-5917 (乙倉)


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【ごあいさつ】
Before 3.11
晴れの国のみなさん
2011311日、東北沖地震と大津波に端を発した福島第一原子力発電所の事故は、人々の日々の暮らしを破壊しました。故郷から避難を余儀なくされた10数万の人々と残された無人の町や村…通常の数十倍というレベルの放射線にさらされて生きる人々の不安…子どもたちを守るため、補償のあてもなく自主避難に踏み切る親子。
原発事故が奪ったものは、平穏な生活だけではありません。たとえば、文部科学省は一片の通知をもって、被曝地の学校施設使用基準を一般人の年間被曝許容量の20倍、年間20ミリシーベルトに引き上げるという超法規的措置を子どもたちに押し付けました。そうです。福島県は、放射能のように目に見えない戒厳令下の治外法権地になっています。すなわち生存権という基本的な人権が奪われてしまったといってよいでしょう。
After 3.11
このたびbeZen鼓空のみなさん、そして主催の「せとうち交流プロジェクト」のお計らいにより、みなさんにお会いできることになりました。非力ながら、放射能の雲が通り過ぎた街の実情をつぶさにお話し、子どもたちの命と健康を守るため、人権を取り戻すための闘いの渦中で目覚めた人々の思いとメッセージをお伝えしたいと願っています。
福島県郡山市在住 井上利男



2012年6月18日月曜日

6.17「いのちが大事!今なぜ再稼動か?ふくいでつながろう」集会&デモ



「いのちが大事!今なぜ再稼動か?ふくいでつながろう」集会&デモ、わたしたちも福島発、郡山経由の弾丸バスで駆けつけました。当日未明3:20~郡山出発、片道約540km、所要時間7時間半のハードな一日旅行でした…

まずは、福井市文化会館(?)で開かれていた交流集会でご挨拶…


「原発いらない福島の女たち」メッセージ…
フクシマから訴えます。
昨年311日の東日本大震災と津波をきっかけとした、福島原発事故の結果、私たちの故郷福島の広大な地域が高レベル放射能で汚染されてしまいました。その直後の419日、文部科学省は「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を福島県に示しました。それ以来、1年3ヶ月以上経過した現在も、年間被曝基準20ミリシーベルトが県民生活のあらゆる場面に押し付けられています。これは法規に定める一般人の年間被曝基準1ミリシーベルトの実に20倍、部外者の立ち入りが禁止される放射線管理区域の6倍強にも相当します。わたしたちが健康リスクにおびえ、不安な日々を送っているのには正当な理由があります。私たちは、今現在も、被ばくを強要される生活が続いています。
除染してもまたいつの間にか線量は戻り、1年を過ぎてもホットスポットのある学校が郡山市で小学校15校、側溝では毎時20.4mSv。こういう中で、市は4月から屋外活動を一日当たり授業で1時間以内、部活動で2時間以内とした小中学校の屋外活動「3時間ルール」を解除しました。給食米にも「地産地消」、プールも解禁、「帰村宣言」、18才以下3,750人のうち30%が喉にしこり・のう胞_これを山下教授はどう説明するのでしょう。自殺者(商店の経営者)がまた出てしまいました。いったい何人死ねばいいというのでしょうか。私は、回線がぶち切れるほどの怒りを感じています。
また、線量の差は軒下を分け、親類縁者や隣近所の共同性を絶ち切ってしまいました。すでに避難生活で親子が別れ、またしても補償額による分断。これらの地域の伝統的な共同体は、もうけっして元通りには再生できないでしょう。フクシマの悲しみはここにもあるのです。
昨年1216日、国は事故の「収束」を宣言しましたが、これはあまりにお粗末というより、県民をはじめとする国民を愚弄する宣言でした。事故現場の実態はいまだに予断を許さず、放射能の漏出も続いていて、この面でもわたしたちは日々不安を強いられているのです。
世界が注目する4号炉の状況は、何が起きるか検討もつかない危険な状況です。また、ヨウ素剤の配布や避難経路などの対策の発表もありません。国会の原発事故調査委員会による事故の原因究明もまだ終えず、メルトダウンした核燃料の状態さえも分からないままです。
悲惨な原発事故にもかかわらず、原子力「必要」キャンペーンが進められています。計画停電の欺瞞、電気が不足するとの恫喝。しかし、これらをとっくに見抜いている私たちは、2010年時点で、世界の自然エネルギー発電総量が原子力発電総量の世界合計を超えたことを知っています。だまされるわけにはいきません。
口先だけの安全宣言でつくろい、再稼動を急ぐのはなぜですか?ついに野田政権が、大飯原発の再稼働を決定しました。いのちよりも「原子力ムラ」の利権をあくまで優先するというのです。ウソとペテンとごまかしと無責任に満ちたやり方を決して認めることは出来ません。
地球上に生命(いのち)を授けられた者たち、大地、水、空気、動植物、すべてが日々脅かされています。全ての原発の廃炉を切実に願う私たちは、ここ福井の方々、全国の、世界の脱原発を目指す心ある人々と共にいます。フクシマにはハイロを選択した多数の県民がひかえています。フクシマは諦めるわけにはいかないのです。
わたしたちは大飯原発の再稼動を断じて許しません。
わたしたちは、子どもたちを、わたしたち自身を守ります。
わたしたちは、新しい世界を創るために行動します。
NO MORE FUKUSHIMA!
NO MORE FUKUSHIMA!
NO MORE FUKUSHIMA!
2012.6.17 
「原発いらない福島の女たち」


福島から駆けつけた10数名全員が1分間メッセージの機会をいただきましたが、勝手ながら、わたしのスピーチのみを再現し、他のみなさんのものは割愛させていただきます…
みなさん、こんにちは。郡山市から来ましたInoue Toshioです。ふくしま集団疎開裁判の会を代表してご挨拶いたします。
昨年6月、郡山市の小中学生たちが郡山市を相手に、健康に危険な場所での教育の実施を差し止め、法規で定める年間被曝量1ミリシ-ベルト未満の安全な場所での教育の実施を求める仮処分を福島地裁郡山支部に申し立てました。ところが、奇しくも野田首相がデタラメな「福島第一原発事故の収束」を宣言したのと同じ日、1216日、地裁判事たちは「年間100ミリシーベルト未満の被曝量による健康への影響は実質的に確認されていない」などといって、子どもたちの切なる願いを却下しました。「灰色だから、被害はないと思え」というわけです。
司法は三権分立に拠って立たず、原子力村の一員になるとみずから表明しました。わたしたち市民は法にもとづいた良識をもって司法を包囲しなければなりません。
みなさんにも具体的にできること、やっていただきたいことがあります。いまから「ふくしま集団疎開裁判」チラシをお配りします。みなさんもこの裁判を世界市民がみずからの意思で裁く法廷に参集する陪審員となって、評決をくだしてください。
ありがとうございました。
【関連リンク】世界市民法廷ガイドブック(総集編)


昼食後、福井市中央公園で開催中の大集会に移動しました。集会とデモのスナップを何枚かどうぞ…







とても気に入ったカラフルでシンプルな手書きのバナー、お願いしてパチリ…

最後の1枚、帰りのバスの車窓から見た日本海・親知らず海岸の夕暮れ時…穢れのない海を見たのはいつだっただろうか?