2014年7月27日日曜日

カナダ誌【海外報道】福島市の荒川が“水質ランキング日本一”


ヴァンクーヴァー・オンライン情報誌
http://www.straight.com/

福島市の荒川が“水質ランキング日本一”
水系の魚類、植生、堆積物の放射能検査を実施しないで認定。
マーティン・ダンフィ MARTIN DUNPHY  2014726
荒川は、核惨事を起こした福島第一原発から70キロの福島市の近隣に水源を発し、市内を流れる
福島県の荒川は、国の国土交通省によって日本一クリーンな河川であると判定された。
国土交通省は、荒川の河川水、堆積物、植生、魚類の放射能検査をなんら公表することもなく、この判定を進呈したのである。
荒川は(東京湾に流入する同名の河川とは別ものであり)、福島市の西、吾妻山に水源を発し、約30キロ流れ下って、阿武隈川に合流する。
福島市は、20113月、東日本に襲来した地震と津波のあと、三重炉心メルトダウンに見舞われて損壊した福島第一原子力発電所から西70キロに位置している。
損傷した原発は高レベル放射性物質を大気圏中に放出し、それ以来、太平洋に大量の放射性地下水を日ごとに漏出してきた。
福島市は、核惨事のあと、福島第一原発の周辺に設定され、当局が30万の人びとに避難を強いた立ち入り禁止区域に近い。3年以上たったいまも、約12万の人びとが自宅や農地に戻れないままである。
今回の国土交通省発表は、安倍晋三首相の自民党政権が日本の原発約50基の再稼働を推進しているのと同時並行している。原発施設群は、地震と津波が引き起こした破局のあと閉鎖され、再稼働するには、日本の新しい原子力監視機関に申請しなければならない。
各地の原発の原子炉19基が原子力規制庁による安全計画審査手続きを受けており、そのうち最初に鹿児島県・川内原発の原子炉2基が今年の秋にも発電事業に復帰する見込みである。
2011年に先立つ2004年から2007年にかけて、福島県を含む6県で構成される本州北東部の東北地方において、荒川は水質トップの座を争っていた。また2007年には、荒川は水質クリーン度で全国トップの座を他の国内6河川と分けあった。
直近の栄誉は、国土交通省が実施した2013年度の生物化学的酸素要求量(BOD)検査の結果を分析したあと、722日に公表され、Fukushima Diaryウェブサイトで報道された。
放射能検査が実施されたとは、公表されていない。
国と各県の行政府は東北復興プロジェクトを展開して、地域のその農漁業・観光業潜在力に対する国内的および国際的な信頼の回復を目指している。
この河川栄誉賞は、サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports )サイトに1年間かけた研究(訳注:日本語要約)が掲載され、荒川流域に生息する野生ニホンザル(Macaca fuscata)は、福島第一原発の北方400キロ、本州北部の下北半島のサル個体群に比べて、白血球・赤血球細胞の計数値が「有意に低く」、筋肉中のセシウム濃度が高いことが示されることになった時点のほんの2日前にもたらされた。
これからの研究は、サル個体群のストロンチウム90蓄積レベルの判定を目指している。
この論文は、2011年の原発炉心メルトダウンのあと、福島市内およびその周辺(実質的に荒川の全流域)における土壌の放射性セシウムの蓄積量が1平方メートルあたり10,000ないし300,000ベクレルと計測されていることを日本政府の研究が示していると指摘している。
原子力規制庁の公表値によれば、立ち入り禁止区域の外部における核惨事直後から2年間の空中放射線量積算値は7.5ミリシーベルトになる。
朝日新聞の201275日付け記事によれば、201112月および20121月に日本の環境省が実施した調査によって、福島県内の湖沼・河川に生息する魚類と昆虫類のセシウム蓄積レベルが県内の海洋生物のそれより高いことが判明している。
20124月からこのかた、福島県内3か所の湖の魚類および貝類のセシウム蓄積レベルが国定の食品限度値である1キログラムあたり100ベクレルを超えていることが明らかになっていると朝日新聞は報道した。
侵食と降雨によって、汚染した土砂が河川や小川へと周辺の田園地帯から流れこむ。
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【付録】
復興 未来へ ふくしまの力で

 国土交通省は22日、国が管理する全国163の一級河川を対象にした平成25年の水質調査結果を発表した。福島市の荒川は4年連続で水質ランキング全国一となった。
 河川の水質を示す指標の生物化学的酸素要求量(BOD)の「年平均値」を調査した。25年の調査で荒川のBOD平均値は検出上の最小値に当たる1リットル当たり0.5ミリグラムだった。同じ数値で1位となったのは全国で10河川あり、東北では荒川だけだった。
 荒川は19、20年と連続で全国1位だったが、21年に10位となった。22年に1位に返り咲き、4年連続で日本一を維持している。
 管理する福島河川国道事務所は「流域住民の河川愛護の取り組みの成果。引き続き、協力してほしい」としている。
 2014/07/23 08:39 カテゴリー:主要 
福島河川国道事務所


記者発表資料
平成25年 8月 2日
福島河川国道事務所
3年連続で荒川(福島市)"水質ランキング全国“1位”
~平成24年の国土交通大臣管理区間の河川水質調査結果~

国土交通省では、昭和33年(東北地方:昭和35年)から一級河川(大臣管理区間)において水質調査を実施しています。
 平成24年(1月~12月)の水質調査結果が発表(82日)になり、荒川が3年連続で全国の水質ランキング1位になりました。

※全国の水質調査対象河川数-163河川
荒川の   BOD 平均値 H24 0.5 mg/l H23 0.5 mg/l
水質      BOD75 %値 H24 0.5 mg/l H23 0.5 mg/l
【河川水質ランキング対象河川の条件と評価基準】
■河川水質ランキングは、以下の条件を満たす河川を対象としています。
Ÿ   一級河川本川:国土交通大臣管理区間に調査地点 注)が2つ以上ある河川。
Ÿ   一級河川支川:国土交通大臣管理区間の延長が概ね10km以上で、かつ調査地点 (注)が2つ以上ある河川。
注)湖沼類型指定、海域類型指定の調査地点は含まない。ダム貯水池は原則として調査地点は含まない。
■順位は、BOD(生物化学的酸素要求量)の年平均値を用いて、各河川毎に全ての調査地点を平均した値で評価します。なお、年平均値が同じ場合には75%値で評価しています。

水質3年連続全国第1位は、流域の皆様の河川愛護のおかげと思われます。
引き続き、皆様のご協力をお願いします。

<記者発表先> 福島県政記者クラブ、福島市政記者クラブ

< 問い合わせ先 >
国土交通省 東北地方整備局 福島河川国道事務所
福島市黒岩字榎平36番地
TEL 024(546)4331(代表)
副所長(河川) 畠山 浩晃(内線204)
河川管理課長  宍戸 善博(内線331)
占用調整指導官 嶺岸由紀彦(内線303)

【参考】
※BOD(生物化学的酸素要求量)
水の汚れ(有機物)が微生物の働きで分解されるときに消費される酸素の量のことで、河川の水質を示す代表的指標値として使われます。数値が大きいほど水質が汚れていることを示します。
BODに関する水質分析は、最小値を0.5 mg/l として分析をするため、ランキング上、もっともBODの小さい値0.5 mg/l となります。
※75%値
月1回の水質測定で年12回分のデータがあったとした場合、データを小さい順から並べ12回×0.75≒9番目のデータ値をいいます。
※国土交通本省(全国版)・東北地方整備局においても記者発表しております。

【参照データ】

福島県放射能測定マップ【県北地方】荒川桜づつみ河川公園の測定値

土手の測定値

最新の測定値 2013年06月12日 測定
50cm高さ地点
0.59マイクロシーベルト/時
100cm高さ地点
0.58マイクロシーベルト/時



福島県及びその近隣県における航空機モニタリングの測定結果について PDF


図1=阿武隈川流域概図

図2=文科省によるCs137及びCs134の堆積図


【蛇足】

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