2018年9月28日金曜日

ロイター【環境】ロッキーフラッツ☢兵器工場跡地周辺の野生生物保護区が供用開始



ENVIRONMENT 2018925

コロラド州の核兵器工場跡地に野生生物保護区が――暫定的に――供用開始

キース・コフマン Keith Coffman

凡例:(原注)、[訳注]、〔ルビ〕。為替換算レートは928日時点。億円単位以下、四捨五入。

コロラド州ロッキーフラッツ発【ロイター】

かつて熱核兵器の起爆物質を製造していた施設の跡地から2マイル(3キロ)足らず、コロラドのロッキー山脈を背景にして、オスのエルクがメスたちのハーレムを守るために雄叫びをあげる。

合衆国魚類・野生生物局のコロラド州ゴールデン支局が2018925日に提供した写真に見る、ロッキーフラッツ国定野生生物保護区のエルクの群れ。Ryan Moehring/USFWS/Handout via REUTERS

「今は発情期でして、これは番〔つがい〕行動です」と、合衆国魚類・野生生物局の職員であり、デンヴァーから北西12マイル(19キロ)に位置するロッキーフラッツ国定野生生物保護区の管理官を務めるデイヴィッド・ルーカスはいった。

ルーカスは、5,237エーカー(2,119ヘクタール[21.19 km2])の面積を擁するロッキーフラッツ国定野生生物保護区が915日に公開されて以来、最初の公式ツアーに参加したロイター記者に付き添っていた。

この比類のない大草原エコシステムは、エルク、ミュールジカから、アメリカグマ、ピューマ、おびただしい数の鳥類種、オオカバマダラ蝶まで網羅した239種の野生動物が生息する場になっております、とルーカスはいった。

この保護区がいつまで公開されたままでいるのか、定かではない。

環境運動と地域社会運動の活動家たちの5団体が、さらに検査が実施されるまでロッキーフラッツ保護区は閉鎖されたままであるべきと言い立て、政府を相手に提訴した。訴訟は受理されたものの、判事は先月、公開を延期すべきであるという原告らの要求を却下した。

訴訟はデンヴァー連邦裁判所で係争中である。

ロッキーフラッツ・プルトニウム工場が環境法令違反の咎で犯罪捜査を受けたさいに閉鎖された1989年までの37年間にわたる操業の歴史は度重なる火災や放射性物質漏出事故で彩られていた。

合衆国魚類・野生生物局のコロラド州ゴールデン支局が2018925日に提供した写真に見る、ロッキーフラッツ国定野生生物保護区のオオカバマダラ。Ryan Moehring/USFWS/Handout via REUTERS

保護区になった今、10.2マイル(16.4キロ)にわたるトレイル[自然探訪路]が、ナチュラリスト、ハイカー、サイクリスト、乗馬愛好者の利用に供されている。プルトニウム製造工場跡地に直に接する約1,300エーカー(526ヘクタール[5.26 km2])の周辺地は恒久的に一般人の立入禁止になっている。

兵器生産は機密扱いの防衛活動でして、現地のいかなる開発も許されていませんでしたので、この地域は不法侵入する人間の手に触れられていませんから、無垢のまま残っています、とルーカスは話した。

合衆国魚類・野生生物局のコロラド州ゴールデン支局が2018925日に提供した写真に見る、ロッキーフラッツ国定野生生物保護区のエルクの群れ。Ryan Moehring/USFWS/Handout via REUTERS

残存プルトニウム

保留区反対派は、連邦地方裁判所のフィリップ・ブリマ―判事のもとで係争中の訴訟で、77億ドル[8731億円]かけて実施し、環境保護庁が監督したスーパーファンド*除染事業には欠陥があり、新たな環境調査を実施すべきだと言い立てている。
*[「包括的環境対処・補償・責任法」の通称]

環境団体連合側の弁護士、ランドール・ウィナーは、「わたしどもの訴訟事件は、わが国の政府が、一般人による保留区訪問を無制限に許すことが環境および人間の健康におよぼすリスクの現代的なアセスメントを実施していないことを明確に見せつけることになるでしょう」とロイターに語った。

人間活動は残存プルトニウムを掻き乱しかねませんので、保留区訪問者や風下住民が吸引すれば、癌の原因になります、とウィナーはいう。

環境保護庁とコロラド州保健当局者らの両者ともに、現地は安全であり、バックグラウンド放射線量は許容限度以下であると判断した。

コロラド州公衆衛生環境省の環境保護専門家、リンゼイ・マスターズは、「これは地球上で一番詳しく調査された土地のひとつです」といって、土壌、水、大気に対する数件の研究の結果、現地は公衆衛生上の危険にならないことが判明したと指摘した。

ロッキーフラッツ工場の廃止は1986年、請負業者らが危険物質を違法投棄しているという内部告発者情報にもとづき、FBI捜査員らと環境保護庁査察員らが強制捜索したときに始まった。

当時の請負業者、ロックウエル・インターナショナル社は環境法違反による有罪を認め、罰金18500万ドル[209億円]を支払った。ロックウエル社および以前の工場請負業者だったダウ・ケミカル社はプルトニウム放出により工場から風下の住宅所有者らの不動産価値を毀損した責任を免れないと連邦裁判所陪審が判断したことから、両社は2015年、該当する12,000人に37500万ドル[423億円]を支払った。

ブリマ―判事が目下の訴訟を裁定するのはいつになるか、まだわからないが、判決で紛争が終わるのではないようだ。敗訴した側は上告できるし、近隣の町が保護区閉鎖を求めて提訴した事件の高等裁判所の審理は初期段階に入ったばかりである。

Reporting by Keith Coffman; editing by Bill Tarrant and Sandra Maler

【クレジット】

Reuters, “Colorado wildlife refuge at old nuclear plant is open - for now,” by Keith Coffman, posted on September 25, 2018 at https://www.reuters.com/article/us-usa-nuclear-refuge/colorado-wildlife-refuge-at-old-nuclear-plant-is-open-for-now-idUSKCN1M5195?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_medium=Social&utm_source=twitter.

【関連記事】

201892日日曜日
1957911日、ロッキーフラッツ(コロラド州):この冷戦期の工場はデンヴァーから16マイルに位置し、核兵器のプルトニウム起爆物を製造していた。同工場は、米国史上で2番目に大規模な産業火災といわれることになる事態に陥り、人間が吸引可能なプルトニウム239およびプルトニウム240の粉体13.6ないし20キログラムに着火した。プルトニウム捕捉用の濾過装置が破壊され、プルトニウムが排気筒から放出され、デンヴァーの各所を汚染した。風下住民に対する警告・保護措置は、なんら実施されなかった。

2018830日木曜日
全米で最も新しい国定野生生物保護区は、一面プレィリーグラス[訳注:イネ科の高草]で覆われ、エルクの一群が生息しており、来月、コロラド州の最大都市のすぐ外側で一般公開される予定になっている。だが、デンヴァー州首都圏の7校区がすでに、保護区で野外学習をするのを学校が公認することを禁止している。地元保健当局のトップは、自分がそこに行くようなことはおそらくないだろうという。それに町は、土壌含有物の成分を巡って提訴している。






2018年9月25日火曜日

南華早報/AFP【海外ニュース】史上初の女性外相会合に 日本は男性閣僚を派遣





EDITION: INTERNATINAL

カナダが主催した史上初の女性外相会合に
日本は男性閣僚を派遣

河野太郎外相がふと気づくと、女ばかりの写真撮影で男は自分ひとり

2018年9月23日(日曜日)

「家族集合写真」撮影のためにポーズをとる各国外相ら。Photo: AFP

この種のものとしては史上初の女性外相会合は対外政策に「女性の視点」を取り入れると誓った。


AFP:フランス通信社

920日に開幕した2日間の会合は、世界の女性外交最高責任者をモントリオールに集め、紛争防止、民主的な成長、性差にもとづく暴力といった主題を重点的に取り上げた。

カナダの最高幹部外交官、クリスティア・フリーランドは、「この会合は歴史的な好機になりました」と発言し、次のように述べた――

「これは、ピンクのゲットー強調は訳者による]を創設するわけではありません。正反対です。世界の女性たちと少女たちの役割と権利の重要性を強調するものです。

集合写真撮影に応じる日本の河野太郎外相。Photo: EPA

「これは、指導的立場の女性たちがこれらの権利を擁護するために具体的に関与する方法を話し合うためのものです」

各国外相らは、ニューヨークで来週に開催される国際連合総会の一環として執り行われる会合の協議で得た果実を分かち合うことになる。

17か国の外交最高責任者らは、来年中に――たとえ非公式であっても――定期的に会合することを誓った。

フリーランドとともに会合の共同世話人を務めた欧州連合外務・安全保障政策上級代表、フェデリカ・モゲリーニは、「わたしたちは種子を植え付けましたが、わたしはそれが美しい花をつける木に育つと信じております」と述べた。

会合ではフリーランドとモゲリーニに加えて、アンドラ公国*、ブルガリア、コスタリカ、クロアチア、ドミニカ共和国、ガーナ、グアテマラ、ホンジュラス、インドネシア、ケニア、ナミビア、ノルウェイ、パナマ、ルワンダ、セントルシア**、南アフリカ、スゥエーデンの閣僚たちが一堂に会した。
[訳注]*ヨーロッパ西部のピレネー山脈中にある立憲君主制国家。**西インド諸島のウィンドワード諸島中央部に位置する英連邦王国の一国たる立憲君主制国家。

モントリオール会合の初日だった921日(金曜日)、日本の河野太郎外相は集合写真の撮影に参加した唯一の男性だった。

河野は会合日程の一部に参加した。彼は時事通信の報道によれば、女性の権利・権限を拡大するための施策を推進している安倍晋三首相政権の「前向きな姿勢」をアピールするために会合に出席した。
安倍政権は「すべての女性が輝く社会づくり」を重要政策に掲げているが、安倍内閣の女性閣僚は2人で、世界的に低いレベルにとどまっている。河野氏は、安倍政権が女性の地位向上に前向きな姿勢をアピールするために会合に出席した。

しかしながら、安倍内閣は大部分が男性で占められており、女性閣僚は2名に過ぎない。

サミットが閉幕した922日(土曜日)、列席者のうちの12名が、1989年にモントリオール理工科大学で殺害された女性14名を追憶するためにモントリオール公園に建立された墓石に献花した。
[訳注Wikipediaモントリオール理工科大学虐殺事件(École Polytechnique Massacreまたはthe Montreal Massacre)は、1989126日にカナダケベック州モントリオールのモントリオール理工科大学で起きた事件である。犯人はマルク・レピーヌ (Marc Lépine) という25歳の男性で、半自動ライフルと狩猟用ナイフを用いて28人を銃撃、うち14人を殺害(いずれも女性)、14人に怪我を負わせた後、自殺した。
慰霊碑
殺人犯は女性を狙ったことから憎悪犯罪者と目され、他にも14名を負傷させた。

【クレジット】

South China Morning Post, “When Canada hosted first-ever meeting of women foreign ministers, Japan sent a man,” dispatched by Agence France-Presse, posted on Sunday, 23 September, 2018 at https://www.scmp.com/news/world/united-states-canada/article/2165371/when-canada-hosted-first-ever-meeting-women-foreign.

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2018924日月曜日
先ず、指摘しなければならないのは、安倍首相は場違いな人物だったということ…。彼は全体会議の演説を主として、現世代のうちに、彼とウラジミール・プーチンの政権在任中にロシアと平和協定を締結したいと嘆願するために使った。それとは対照的に、他の諸外国指導者たちは皆が皆、ロシアと極東地域において進行中または計画中の大規模な投資活動について活き活きと語った。安倍には諸外国の対ロシア協力に匹敵するものがほとんどなく、その代り、ヴィデオを上映して、ロシアにおける日本の取るに足りない尽力に人間の顔を貼り付けることで埋め合わせをしようとしていた。そのヴィデオは、2年前に二国間関係を新たな水準に導くために安倍が提案し、ロシアが受け入れた150案件の事業のうち、日本がロシアで実施中のさまざまな保健関連と技術関連の事業(交通管理、ゴミ処理)のあらましを短く紹介するものだった。