2018年9月13日木曜日

#英紙ガーディアン【#東芝】カンブリア州のムーアサイド原発新設計画が破綻の瀬戸際

The Guardian    



カンブリア州の原発新設計画が破綻の瀬戸際

東芝の原発販売計画は政府の「危なっかしい」資金調達目論見をめぐって混乱

アダム・ヴォーン Adam Vaughan @adamvaughan_uk
2018911

カンブリア州のムーアサイド原子力発電所の外観のアーティストの目で見た印象
Composite: NuGeneration Limited/PA

カンブリア州に原子力発電所を新設する計画は、その背後に控える東芝の子会社が労働力の60%にあたる人員を一時解雇し、事業の売却をめざす最後の企てに乗り出すにおよんで、破綻の瀬戸際に差し掛かっている。

東芝は国際核プロジェクトから離脱して、ムーアサイド原発に注ぎ込んだ4億ポンド[580億円]のいくばくかなりとも回収しようとして、国際合弁企業体NuGen[ニュージェン=NuGeneraton]を韓国の国営企業Kepco[韓国電力公社]に売却することになっていた

しかしながら、英国政府が原子力発電所に資金を融資する新たな提案をする素振りを見せたこともあって、Kepcoの最終決定は遅れていた

そのため、NuGen6週間にわたり職員らと競技した果ての911日、仕事を60%削減することを余儀なくされた。

組合は、事業の問題点が示すように、政府がムーアサイドに投資する必要があることがわかったと指摘した。

GMB全国書紀、ジャスティン・ボーデンは、「この極めて重要なエネルギー事業の前途に迫る破綻は、情けないことに何か月も前から予測できることだった」という。

骨と皮になったNuGen職員らは目下、東芝20193月末に完全離脱を書面で表明する前、今年末までにKepcoと商談を成立させることに全力をあげている。

成功の可否は、規制当局評価ベース(RABregulatory asset base)モデルとして知られ、政府が検討中の原子力発電所の新たな資金調達手法にKepcoが乗るかどうかにかかっている。

当局者らは、この方式が政府の核にかける熱意の成果を他の方式よりも安価に消費者に届けられるはずだと考えている。

失敗すれば、6基もの新規核発電炉、北西部で数千もの雇用、数十億ポンドの投資といった閣僚たちの夢に大きな穴が残ってしまう。

ビジネス大臣ビジネス、企業および規制改革大臣]グレグ・クラークは当初、英国は新規原発RAB6月に整うと予想しているといった。

その方式の提案は、開発業者のEDFエナジーが建設リスクのすべてを引き受けた見返りに、電力保証価格認められたヒンクリーポイントC原発の事例に類似した資金調達モデルを計画していたKepcoの事業に混乱を持ちこんだ。

RABモデルは主として、長期・資本集中型事業を扱う水道業界で採用されてきた。テムズ潮路トンネル――ロンドンの「スーパー下水本管」――は、最大級に世間の注目を浴びながら、論争の的になっている最近の一例である。


この手法は、事案の固定経費総額と事業支援者の固定償還金額を設定することになり、規制当局――原子力発電所の場合、可能性が最も高いのはOfgem[ガス・電力市場規制局=Office of Gas and Electricity Markets]――が関与する。

サフォーク州サイズウェル第二原子力発電所を建設したがっているフランスのCDFエナジーは、このモデルを熱烈に後押ししており、これが財務コストを大幅に引き下げ、したがって消費者にも安上がりになると信じている。

同社はサイズウェルCの資金の大半を年金基金が提供すると予測しており、RABを活用すれば確実性が保証されると意気込んで、経費が160億ポンド[23000億円強]程度に収まると見積もっている。

エコノミスト、ディーター・ヘルムは影響力を備えた政府顧問であり、社会は新規に原発を欲するか否かを決定しなければならないが、ヒンクリーの資金調達の過程で財務システムの改善が図られたはずだと発言した。

ヘルムは、「市場は決定できない。その決定が前進するとすれば、RABモデルはヒンクリーのモデルにとって説得力と好適性を兼備している」と書いた

だが、ジェレミー・コービンが政権の座につけば、このモデルは捨てられそうである。労働党はRABと原子力の組み合わせを「消費者にとって壮観なほど危なっかしい取引」とみなした。

影の内閣エネルギー大臣、アラン・ホワイトヘッドは、「このような大規模で複雑の事業の建設がコストや工期の点で限度を超えるか否かを賭けるのに、顧客請求金を使うのは、無茶な行為だ」と発言した。

業界消息筋は、テムズ潮路プロジェクトの前CFO(最高財務責任者)が先ほど業務部に迎えられたのは、この手法の裏で政府が動いたことを示す「非常に有望なサイン」だといった。

本紙ガーディアンが知るところでは、新規原発の財務を検討するために、約30名の政府職員の集団が召集されている。新規原発のRAB適用に関する政府の実現可能性調査は来年1月に結果が出ると予測されている

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【クレジット】

The Guardian, “Plans for new Cumbria nuclear power station on verge of collapse,” by Adam Vaughan, posted on September 11, 2018 at https://www.theguardian.com/business/2018/sep/11/toshiba-plans-for-new-cumbria-nuclear-power-station-on-verge-of-collapse.













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