2018年9月24日月曜日

ロシア・インサイダー【海外論調】東方経済フォーラムで間抜けを演じた安倍晋三首相

Reality check media
実情検分メディア『ロシア・インサイダー

ロシアの東方経済フォーラムで途方もない間抜けを演じた安倍首相

それにしても、彼の対ロシア政策の全体がジョークであり、ロシアの非常にリアルな懸念――日本がロシアに敵対的なアメリカ合衆国の軍事衛星国であること――を無視して、千島列島と引き換えにちっぽけな経済投資の見通しをちらつかせている

凡例:(原注)、[訳注]。太字は、ロシア・インサイダー編集者による。

ギルバート・ドクトロウ Gilbert Doctorow 2018年9月15日
[訳注]ギルバート・ドクトロウは、1967年にハーバード大学(Magna cum laude)を卒業し、博士号を取得。 1975年にコロンビア大学から歴史学優等学位を授与。ドクトロウは研究を終えた後、ソ連と東ヨーロッパに焦点を当てたビジネスキャリアを追求。25年間、米国および欧州の多国籍企業で、マーケティングに携わり、地域の管理責任者として従事。出処:大摩邇(おおまに)ブログ「アメリカを救うために、ネオコンと戦争屋をホワイトハウスから粛清せよ VeteransToday

第4回東方経済フォーラムの全体会議が912日水曜日に開催され、ホスト国のウラジミール・プーチンと北東アジア諸国を率いるお歴々が重要な演説をおこなったが、世界の報道界には半可通の注目を集めただけであり、経済、地政学、防衛の分野の分析に供されるべき数多くの材料のうち、わずかな要素だけが強調される始末だった。

ウラジミール・プーチンが演説でスクリパル神経毒物事件に言及し、英国のテレサ・メイ首相が1週間前に軍参謀本部情報総局(GRU)の工作員と名指したロシア人容疑者らはすでに出頭しており、彼らはごく普通の一般市民であって、犯罪者でないと言明し、用意周到だが、疑問符のつく彼の評言を一部の筋は真に受けた。ソ連の時代からこのかた空前の規模で、フォーラム開催都市から近いロシア極東部で実施され、最初の例として中国軍とモンゴル軍の部隊が参加したヴォストーク(東方)18軍事演習に注目する向きもいた。ロシアがいう参加戦力の数(戦闘員300,000人、航空戦力1,000機、戦車・装甲兵員輸送車36,000両)が誇張されているかどうか、また演習が緊急事態のスケジュールに沿って7,000キロにわたる連邦版図に戦力を展開するロシア軍の能力を真に実証したのかどうかについて、アナリストらに議論の余地はあった。非常に少数のメディア、例えば英紙フィナンシャル・タイムズは、自国のメリットに沿ったフォーラムの経済的意義に注目した。同紙は、ロシア極東部およびロシア連邦全般において中国が進めている投資の背後に潜むリスクを計算する記事を公開した。

筆者の知るかぎり、北東アジアの指導者たち相互間のダイナミクス[拮抗する力関係の動態]を検証した主流メディアはなかった。

フォーラムの公式開幕の前日、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、主賓格、中国の習近平主席と二者会談をおこなった。彼はまた、日本の安倍晋三首相とも会談した。どちらのケースでも、会談後に長文の報道用声明が発行され、それは内容が充実し、時宜にかなったものだった。

さらにもっと興味深かったのは、5か国指導者たちが全体会議の演壇に登場したことだった。ロシア、中国、モンゴルの大統領や主席、日本と韓国の首相が一堂に介して、互いに演説を拝聴し、質問に応じるのを目の当たりにする稀な機会になった。

司会は、ロシアの経済的および政治的のフォーラムの最近の伝統を裏切って、遠慮がちであるか、あるいはクレムリンの権威主義者に楯突くことで欧米の視聴者を面白がらせる意地悪な質問をぶつけるNBCネットワークやブルームバーグの関係者ではなく、ロシアで最高に有能であり、最高の視聴率を稼ぐテレビ・ジャーナリストのひとり、セルゲイ・ブリリョフ(ロシア1)が務めたので、なおさらのこと、質問は時宜にかなうものだった。彼の質問は事前にクレムリンと調整されていたようであり、そのような形式のものとしては、これまでに見てきたものよりも調査が行き届き、真相を明かすものだった。

筆者は以下の文章で、フォーラムの進行のなかで、筆者の同業者の注目から抜け落ちているとおぼしき非常に重要で明白な話題、すなわち安倍晋三と北東アジア領域における日本の政治的位置づけについて、諸国指導者たちの発言と公開の会合がわれわれに告げることに関心を向けることにする。

ロシアの国営テレビ局が、全体会議の演説、フォーラム開催に先立つ二国間会談のあとのウラジミール・プーチンと彼の賓客の記者会見の完全ライブ映像、その他、フォーラム内外の重要なできごとをコメントも付けずに放映して、世界の視聴者に提供したので、筆者は壁にとまったハエのように特権的な見物席の利点を生かして、筆を進める。北米にいる同業者は時差の関係で熟睡していたかも知れないが、当地ヨーロッパでは、極東から放映されるロシアの放送は、朝食時間、またはそれ以後に届いたので、興味を掻き立てる映像やスピーチに活き活きした頭で向き合うことができた。

先ず、指摘しなければならないのは、安倍首相は場違いな人物だったということ…。彼は全体会議の演説を主として、現世代のうちに、彼とウラジミール・プーチンの政権在任中にロシアと平和協定を締結したいと嘆願するために使った。それとは対照的に、他の諸外国指導者たちは皆が皆、ロシアと極東地域において進行中または計画中の大規模な投資活動について活き活きと語った。安倍には諸外国の対ロシア協力に匹敵するものがほとんどなく、その代り、ヴィデオを上映して、ロシアにおける日本の取るに足りない尽力に人間の顔を貼り付けることで埋め合わせをしようとしていた。そのヴィデオは、2年前に二国間関係を新たな水準に導くために安倍が提案し、ロシアが受け入れた150案件の事業のうち、日本がロシアで実施中のさまざまな保健関連と技術関連の事業(交通管理、ゴミ処理)のあらましを短く紹介するものだった。

日本の事業はすべて安上がりである。すべて見た目にまったく控えめであり、ロシアが日本政府の言いなりに平和条約に署名しさえすれば、人民の暮らしを改善するために、日本がロシアに授けることのできる大規模な援助を示唆するものであり、つまり、南千島列島を日本の主権下に返還する条約に署名するだけでよいというのだ。

日本の対ロシア協力事業のヴィデオと謳い文句の効果は、安倍が意図していたらしい効果と完全に逆だった。だが、今日のロシアと日本の相対的な交渉の立場に関して、安倍の全般的に時代遅れな理解と完璧に一致していた。映像の編集方針はすべて一方的、豊かで技術的に優れた日本が、感謝の気持ちを表すロシアに手を差し伸べるというものだった。これは、参加諸国のすべてが相互間の交易と投資によって諸国の開発計画における協力の緊密化を図り、相互に扶助するという、他の国々の指導者たちによるフォーラム演説の全般的な基調とは相反している。

韓国の首相はプレゼンテーションで、同国はウラジオストクに近接した土地(ツヴェズダ)におけるロシア最大の造船コンビナートの建設に参加するとともに、先進的な液化天然ガス輸送船舶の対ロシア主要供給国でありつづけると表明しており、ここにバランスの取れたウィン・ウィン手法を見ることができた。あるいは、北朝鮮との関係が正常化されしだい、鉄道輸送路をシベリア横断鉄道に接続し、さらにはヨーロッパにまで伸ばしたいという韓国の熱意にそれを見た。さらにまた、スエズ運河やアフリカのホーン岬沖合を経由する航路の代替案として、ロシアが開発に熱心な北極海航路の基盤整備における韓国の参加にそれを見た。

モンゴルの大統領は、対ロシア合同エネルギー事業を説明し、ともに既存であるか計画中であるロシアの鉄道と港湾基盤を経由した石炭輸送の計画・願望を語っており、われわれは彼の演説にそれを見た。

安倍晋三の対ロシア政策手法は、1970年代と1980年代を思わせる遺物であって、そのころの日本は活力に満ちたアジアの虎として、世界中の尊敬と羨望を享受しており、アメリカのいたるところで財産を買いあさり、そのころのソ連といえば、没落とまで言わなくとも、深刻な経済停滞に悩み、エネルギー資源の新規買い手と新規投資家を探していた。

中国は今日、40年前に日本が装っていた戦略的提携国の地位を占めている。中国はロシアの主要な融資国、投資国、輸出先国である。中国は先端技術の供給国として、往時と現在の日本ほどには高くランク付けされてはいないかも知れないが、民間航空の分野と同じく、先端技術の分野でもロシアの対等な合弁開発提携国になっているのだ。

中国の貿易と投資の現時点における重要性は、フォーラムの卓越したメッセージのひとつだった。ウラジミール・プーチンは二国間会談のあとの記者会見で、中国との今年の二国間貿易は20%以上も伸びて、1000億ドルを上回るだろうと認めた。さて、この数値1000億は全体会議の演説で、今回は、極東およびバイカル地域に向けた中国・ロシア両国合同投資事業の額面として再登場した。

日本の投資と安倍の協力事業150案件はこの背景事情と対象的に、総額で二桁ばかり低い。このような「ニンジン」が平和条約締結の日本側条件にロシアが同意するための動機づけになるという考えは、まったく非現実的である。

安倍が口にする南千島列島共同管理の甘いささやきは、支配権放棄に対するロシア側の抵抗を意図的に無視している。真の問題は、全体会議の場でウラジミール・プーチンに質問したセルゲイ・ブリリョフによって直截的に提示されたのであり、彼は千島列島が日本に保有されると、米軍基地の新たな配置拠点、とりわけ対弾道ミサイル部隊の駐留拠点になるのかどうかというロシア側の懸念事項について、二国指導者らは議論しなかったのかと問いかけた。プーチンは話しあったと発言したが、この話題は平和条約の締結を危うくする障害として無視することを選ぶ代物なのだ。

プーチンは壇上で、求められてやまない平和条約を実現するための「自発的」な提言と説明しながら、二国が「前提条件を付けず」に今年末までに進んで平和条約に署名することを提案した。そのうえで、両国が友好国になってから、相互信頼を深めつつ、千島列島のような難問に取り組めばよい。この提案に対して、安倍は後に初めて聞いたと弁明し、日本の外交官らは後に実効的でないとして拒否した。

別の言いかたをすれば、ロシアは日本を米国とその国防総省のトロイの木馬と見ているかぎり、譲歩に合意することはない。また、フォーラムでの言動において、安倍はまたもやワシントンにいる彼のご主人さまたちに対する忠誠を見せつけたのであり、それというのも、核の傘に頼るためには、いかなるものであってもロシア人と協定を結ぶことよりも大事なのだからである。演壇に居並ぶ主演者たち、5か国の指導者らのうち、安倍ただひとりが、ドナルド・トランプの名を挙げ、革新的で勇敢な手を北朝鮮に伸ばし、金正恩との首脳会談をおこなったと、鼻につくほどのお世辞を献上した。彼の発言には、韓国の指導者、文在寅が最初に示し、最近になってまたもや示したイニシャティブ、南北朝鮮およびアメリカ・北朝鮮の対談を最終章に導く主導性について、なんの言及もなかった。

日本は、戦略的かつ大規模な地域内経済統合の地図のどこにも見当たらないが、フォーラムで示された姿よりも遥かに深刻な実情に陥っている。他にも地域結合力として、中国が主導する一帯一路構想、そしてユーラシア経済連合がある。安倍晋三が率いる日本は米国の前哨基地にとどまっており、おおむね北東アジアの地政学的ビジネス環境から切り離されている。地域全体を活性化しているダイナミックな動きに乗るチャンスを見逃しているのだ。中国はフォーラムにおいて、2,000人を超えるビジネスマンと政府代表団を擁し、唯一無二の最大プレイヤーだった。フォーラムで実証されたように腑抜けで気が小さい安倍晋三の統率力のもと、彼の国は落日の土地になる運命にある。


原文出処:Gilbert Doctorow


【クレジット】

Russia Insider, “Japan's Abe Made a Mighty Fool of Himself at Russia's Eastern Economic Forum,” by Gilbert Doctorow, posted on September 15, 2018 at https://russia-insider.com/en/japans-abe-made-mighty-fool-himself-russias-eastern-economic-forum/ri24761#.W59pXRRtfJj.twitter, originally published under the title, “Eastern Economic Forum, Vladivostok: focus on Japan,” on September 14, 2018 at Gilbert Doctorow’s own website, https://gilbertdoctorow.com/2018/09/14/eastern-economic-forum-vladivostok-focus-on-japan/.








2018年9月17日月曜日

ラスヴェガス・レヴュージャーナル【政治】下院議員「政治的思惑がユッカ・マウンテン計画を台無しに」

ラスヴェガス・レヴュージャーナル



合衆国下院議員、ジョン・シミクス(共和党/イリノイ州)がユッカ・マウンテン予備調査トンネルの議会視察を終えた201549日、記者会見に応じる。Las Vegas Review-Journal

ネヴァダ州マーキュリー近くで2018714日、ユッカ・マウンテンの南関門からトンネルに入る議会視察団。Chase Stevens Las Vegas Review-Journal @csstevensphoto

ゲイリー・マーティン/ラスヴェガス・レヴュージャーナル
Gary Martin / Las Vegas Review-Journal
2018912

【ワシントンDC発】ユッカ・マウンテンを核廃棄物の恒久保管場として使えと強硬に主張する議員が912日、弱みのあるディーン・ヘラー上院議員(共和党/ネヴァダ州)を守ろうとする政治的打算によって、国家エネルギー重点方針が歪められていると責めたてた。

ヘラーは再選の見込みが厳しく、銀の州*に核廃棄物保管場を建設する提案の復活に資金手当しようとする議会の努力に対する「妨害」を自分の手柄であると喜んで認めた。
*[訳注]the Silver State=ネヴァダ州の公式ニックネーム。

ヘラーは、「わたしは、自分たちが産出した核廃棄物を自分たちの裏庭からわたしたちの所に移したがっている諸州によって、ネヴァダが踏みにじられるようなことを許しません」と発言した。

ジョン・シムカス下院議員(共和党/イリノイ州)は、ユッカ・マウンテン計画は議会で承認されたが、上院の協議で最終歳出法案から外されており、ポウル・ライアン下院議長は計画の法制化と正式認可に必要な資金手当のために戦いもしなかったと語った。

ライアンの女性広報官はコメントを求められても、即座に応えなかった。

シムカスは、下院エネルギー・商業委員会、環境小委員会の委員長であり、核廃棄物政策はまたもやネヴァダ州選出上院議員の懸念のせいで却下されたと声明で述べた。

ハリー・レイド前上院議員(民主党/ネヴァダ州)は、長年にわたって首尾よくユッカ・マウンテン開発を阻止していた。

ヘラーは、2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝利した州において、11月の選挙で再選を狙う唯一の共和党上院議員であり、「合衆国上院でわたしの指導力が欠ければ、ユッカ・マウンテン計画にゴーサインが出ることになるでしょう」と述べた。

ジャッキー・ローゼン下院議員(民主党/ネヴァダ州)はヘラーに挑戦しているが、ユッカ・マウンテン開発に反対している。ブリアン・サンドヴァル知事とネヴァダ州議会代表団も同じく反対している。ネヴァダ州の農業地帯の諸郡は、事業に関する連邦政策の継続を望んでいる。

シムカスは、認可に対する資金手当を合法化し、ユッカ・マウンテン保管核廃棄物の増量を認める法案を起草しており、資金配分が妥協案から大幅に削り落とされ、101日にはじまる2019年度における事業が実質的に葬り去られるにおよんで激怒した。

シムカスは、「われわれが今後10年間の猶予を与えられていたはずなのに、たったひとりの上院議員の短期的な政治的打算が長期的な超党派政策優先事項に打ち勝ってしまった」と声明で述べた。

ドナルド・トランプ大統領は、ユッカ・マウンテン計画の免許手続き再開に資金を手当することを目指してきており、そして議会は、次年度予算で26800万ドル[300億円]の歳出を認めると圧倒的な票差で採決していた。

シムカスは、新議員と下院歳出委員会の新委員長を迎える次期連邦議会で戦いを継続すると断言した。

シムカスは、「われわれなりの仕事をして、政策を駆け引きに優先する機会がまたありますよ」といった。

サンドヴァル知事は先月、ユッカ・マウンテンの開発に向けた議会の圧力がまたあると予想しており、来年になる前にワシントン政局の機先を制するようにと州政府幹部に指示したと語った。

連邦議会は1987年、ユッカ・マウンテンを核廃棄物の国家保管施設の受け入れ地に指定した。政治の場での反対派が同施設の供用開始を妨げてきた。

シムカス下院議員は、この戦いの真の敗者は「全米50州の納税者」であり、とりわけ廃棄物が暫定的に保管されている原子力発電所が存在する39州の納税者であると述べた。

Contact Gary Martin at gmartin@reviewjournal.com or 202-662-7390. Follow @garymartindc on Twitter.

【クレジット】

Las Vegas Review-Journal, “Congressman: Political considerations derailing Yucca Mountain,” by Gary Martin, posted on September 12, 2018 at https://www.reviewjournal.com/news/politics-and-government/nevada/congressman-political-considerations-derailing-yucca-mountain/.

【関連記事】

20161122日火曜日
アンドリュー・ブロワーズは、核廃棄物の取り扱い方法に関する長期的な問題は、なにひとつ解決していないと書く。それなのに、諸国政府と核産業は深層地下処分場に「埋めて忘れる」政策を、とうてい是認できないのに売り物にしており、これでは現代の核エネルギーおよび核兵器の有毒遺産の重荷を測りしれない将来の世代に押しつけるだけである。

「坊や、これ全部、やがて君のものだ!」。
Cartoon: Katauskes via Greens MPs on Flickr (CC BY-NC-ND)

2016118日月曜日
スタンドフォード報告、2016115日付け
アメリカの核兵器を設計する研究所で発生する放射性物質は、やがて地中に埋設され、少なくとも10,000年間は人間環境から隔離しなければならなくなる。だが、3名のスタンフォード大学有識者によれば、このプロジェクトの安全性解析は、プルトニウム廃棄量の大幅な増大を見越した新戦略を反映するように改定する必要があるという。
――ダン・ストーバー

2015917日木曜日
ラスヴェガス【AP通信】 数十年間にわたり核実験が実施されていた現場の近くの砂漠で提案されている国営核廃棄物処分場によって、地下水が放射能で汚染される可能性をめぐる論争が915日、ネヴァダで再開された。
[注]元記事がすでに削除されたので、リンク付けされていた画像が残念ながら消失。

20141119日水曜日
ユッカ・マウンテンの神話を語るには、手始めに料金のことから語ってもよいだろう。1983年のこと、キロワットあたり1セントの10分の1という、ごく少額の料金がアメリカの電気料金請求書に記載されはじめた。このお金は、原子力時代の巨大な墓に転換中だったネヴァダ核実験場の外れにある大地の小皺(こじわ)、ユッカ・マウンテンにご用立てするものだった。この場所に、放射能が安全なレベルに減衰するまでの少なくとも10,000年間、原子力発電所と核兵器の廃棄物が保管されることになっていた。政府は破綻するかもしれず、文明は崩壊するかもしれなかったが、ユッカ・マウンテンは残ると想定されていた。
子猫ちゃん、色を変えてはいけない              Don’t change color, kitty.
子猫ちゃん、君の色を大事にするのだ           Keep your color, kitty.
真夜中の漆黒のままでいるのだ                     Stay that midnight black.
色変わりが匂わす放射能は                            The radiation that the change implies
間違いなく殺す                                              Can kill, and that’s a fact.


2018年9月15日土曜日

救援連絡センター【#郡山通信】東京2020オリンピック vs #フクシマ☢惨事




国家権力による弾圧に対しては、 犠牲者の思想的信条、 政治的見解の如何を問わず、 これを救援する。


[注記]紙面画像は編集されています。

郡山通信
東京五輪VSフクシマ

さて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催まで二年を切り、世の中はいざしらず、ソーシャルメディアの世界は無償ボランティアの動員、サマータイム導入の提案などの話題で賑わっている。福島県在住の反原発論者としては、そもそもの大会招致の段階から腹立たしいかぎり――

安倍晋三首相は二〇一三年九月、IOC総会で福島第一原発の汚染水について質問され、「状況は完全にコントロールされている」と大見得を切った。招致委員会の竹田恒和理事長も、「福島から二五〇キロ離れているので…危険性は東京には全くない」と発言した。

その後も、組織委員会の森喜朗会長が福島県の佐藤雄平知事(当時)の「(福島県浜通りの)国道六号線で聖火リレー、各国選手団合宿の福島県内誘致」といった要望に、「風評被害で福島県に来ないということがあってはならない」と応じたり、オリンピック大臣が「五輪選手村で福島県産食材を使う」と明言したりということが相次いだ。


聖火リレーを国道6号に 投稿者 suisinjya

そして目下、金輪際、看過できない二つの案件が原発マフィアの構成官庁から提案されている――

①原子力規制庁「リアルタイム線量測定システムの配置の見直し」。つまり、学校や公園など、県内約三〇〇〇か所に配置されている空中放射線量モニタリング・ポスト(MP)のうち、帰宅困難区域以外の地域のもの二四〇〇台を撤去したい。

原子力規制委員会が郡山市説明会で配布した資料より。左機器1種は、公園、学校、駅前などの公共空間、右2種は、官公庁敷地に設置。

Before

After
ご覧のとおり、福島第一原発の周辺30キロ圏を除いて、まるで放射性物質プルームが通らなかったかのよう。

②経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱い」。現在、福島第一原発構内でタンク貯蔵しているトリチウムを含んだ汚染処理水が限界に近づいており、海洋に放出処分したい。


説明・公聴会(郡山会場)1 【注記】スクリーン上の(富岡会場)表記は検討小委員会事務局のミス!!

IOC総会で安倍首相らが見栄を切った手前もあり、復興五輪の建前もあって、しかも福島県の内堀雅雄知事が「福島復興!」「風評払拭!」を唱えていることもあって、野球・ソフトボール競技の予選が福島市あづま球場で挙行されることになっており、国内外からの県内観光客や福島第一原発の視察や取材が増えることが予想され、形だけでも事故が収束した福島の姿を作りたいのだろう。

MPについては設置当初から、検出・表示される放射線値が市販機器による測定値より二~三割ほど低い、設置場所が清掃容易だったりビルの影だったりしておかしいなどと批判が多々あった。だがそれでも、被曝地戒厳令とでもいうべき締め付けのなか、人びとが沈黙していても、これはフクシマ被曝状況を忘れないための重要な実体物なのだ。これを撤去したいと提案する原子力規制委員会は、原子力推進(または隠蔽)委員会と後ろ指さされてもおかしくないだろう。

はたして、これまで県南の西郷村、会津の喜多方市、奥会津の只見町など、放射線値が比較的低い地域で開かれた説明会でも反対の声が圧倒的で、市町村議会でも反対意見決議が相次いでいると聞く。

筆者の居住地、郡山市でも八月五日に説明会が開かれ、約一〇〇名の参加者は反対一色、激昂する声も上がった。

筆者は「昨年、中央図書館が耐震化工事で閉館中、入り口に設置されていたMPが撤去されたが、どうしたのか」と質問した。答えは「駐車場に移動した」。


もともと、このMPは設置場所がおかしかった。三方を壁に囲まれた庇の下であり、しかも手前間近に金属製ショーケイスがわざわざ建てられていた。当時、文部科学省が所管していた「放射線モニタリング情報」オンライン地図では、不思議なことに、設置箇所が図書館入り口ではなく、隣接する緑豊かな麓山公園との境界に印付けられていた。















後日、隣り合わせた図書館駐車場と麓山地区公共施設駐車場を自転車で回って現場検証してみると、見当たらなかった。地図で確かめ、日を改めて探すと広大な公共駐車場の北西の隅っこ、図書館、中央公民館、公会堂に向かう人びとの目に触れない場所をわざわざ選んで設置されていた。


原子力規制委員会:放射線モニタリング情報

②経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱い」説明・公聴会が八月三一日に郡山市商工会議所で開催される。これについては、本稿の締切りに間に合わないので、改めて報告したい。

(井上利男。原発いらない金曜日!郡山駅前フリートーク集会・世話人。ブログ「原子力発電・原爆の子」、ツイッター:FukushimaWatch @yuima21c

【後記】

報道によれば、原子力規制庁は来年度分の「リアルタイム線量測定システム管理予算」全額5億円余りを例年どおり要求したようである。維持管理費に困っていると説明していたのに、なんという少額❗ ともあれ、福島県内各地の説明会で住民の圧倒的な撤去反対の声に配慮したように思え、とりあえずはグッドニュース。だが、オリンピック・パラリンピック開催は再来年のことであり、もちろんのこと、予断は許されない。

【関連記事】

2018821日火曜日
このフクシマが安全だとする積極的なブランド復活は、今もなお進行中のリスクを思い起こさせる物理的な存在を除去することを含んでいる。中央政府は最近、各地の一般向け放射線モニタリング・ポストの80%を撤去すると発表した。これらの放射線監視装置は外部ガンマ線量を測定するだけであり、これは(20113月の爆発で発生したプルームからの放射性降下物として地域を包み込んだ内部被曝性の放射性粒子を原因とする)住民に対する最重要なリスク要因ではなく、また元来、放射線源粒子は地表に存在するので、これらのガンマ線検出器を空中に設置すると読み取り値が低くなると論じることができる。モニタリング・ポストはそれでもなお、リスクが今なお厳然していることを思い出させる具体的で具現的な構造物なのだ。