3月11日付けのポピュラー科学記事— Fukushima☢Watch (@yuima21c) 2018年9月11日
…遅ればせながら、せっかくなので翻訳してみようか#フクシマ☢惨事の7年後:合衆国近海に微量の放射性物質
7 Years After Fukushima Disaster: Little Radioactive Material in US Waters https://t.co/jpuQ4pC20N @LiveScience
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フクシマ☢惨事7年後:米国沿岸海域に微量の放射性物質
ロウラ・ゲゲル、上席記者 Laura
Geggel, Senior Writer
2018年3月11日
日本の北東部でマグニチュード8.9の地震が巨大津波を引き起こし、福島第一原子力発電所のメルトダウンを招いてから7年たった。原発から放射性物質が大気と海に放出され、合衆国の西岸に向かって漂いはじめてから7年である。
7年が経過した今、米国・カナダ西岸周辺海域は、どのような放射線レベルになっているのだろうか?また、本土の大気と土壌は、どのような放射線レベルになっているのだろうか?
マサチューセッツ州ウッズホール、ウッズホール海洋研究所の主任科学者、ケン・ビューセラーは、合衆国とカナダの太平洋沿岸海域は汚染されていると分析が示しているが、それでも環境保護庁が定めた連邦基準を優に下回っているという。(Japan
Earthquake & Tsunami of 2011: Facts and Information)
ビューセラーは、「リスクが非常に小さいので、無視できるとわたしは考えます。わたしはその海域で泳いでもかまいません。その海域で獲れたシーフードをなんの心配もなく食べるでしょう」とライヴ・サイエンスに語った。
だが、ニューメキシコ州立大学の一機関、カールスバッド環境モニタリング研究センターの主任科学者、プーナム・タクールは、一部の人たちが福島第一原子力発電所に由来する放射能について、健康に関連する不安を抱いているのは理解できると述べた。
タクールは、この恐れの一部は、放射能が目に見えず、匂いもないこと、高レベル放射線被曝が致死的な癌のリスクを高めるという事実に由来しているといった。この恐れによる不安は、科学者と一般人の交流を増やせば癒やされると、タクールは言い足した。
タクールは、「これは50年前に遡る話ですが、歴史を振り返れば、核産業は一般人に対して非常にオープンとはいえませんでした」とライヴ・サイエンスに語った。しかし今、ビューセラー、クマール、その同僚たちのような科学者らが彼らの研究成果を公開しており、入手がたやすくなったので、たぶん人びとの恐れは軽減されているだろうと、彼女はいった。
大気圏内プルーム
タクールが環境モニタリング誌に2012年、共同執筆した論文によれば、大気圏内放出物――3月12日に放出が始まり、コンピュータ・モデルによれば、3日後に北米西岸に到達した放射性物質――は、ヨウ素131(半減期が8日)、セシウム134(2.1年)、セシウム137(31.1年)、それに痕跡レベルのテルル(3.2日)、ヨウ素132(2.3時間)を含んでいた。
研究者らは、事故から9日後、放射性の雲が北米を横断したと、その論文に書いた。この期間中、低レベルのフクシマ放射性核種が、雨水、飲用水、草、牛乳から検出されたと研究者らは記した。
しかしながら、「合衆国各地で検出された放射線量レベルはすべて非常に低く、国民と環境に懸念をもたらすいかなるレベルより、じゅうぶん低いと知っておくことが大事である」と研究者らは書いている。
研究者らは、たいがいの放射性物質の半減期がとても短いので、放射線レベルは2011年4月から5月にかけて大幅に低くなったと書いた。タクールは、例えばセシウム131は半減期が8日であり、10回の半減期で実質的に「皆滅」したといった。研究者らは、いくつかの検証の結果、フクシマ核惨事関連の検出可能な放射性核種はなかったことが判明したと延べた。(Fukushima
Radiation Leak: 5 Things You Should Know - Live Science)
◯印は、2011年から2017年にかけてセシウム137レベルが測定された箇所を示す。すべての海水試料は、核兵器実験の結果として、フクシマ核惨事以前から存在していたセシウム137も含む。Credit: Jessica Drysdale/Our
Radioactive Ocean
タクールは半減期が2.1年であるセシウム134について、「原発事故後、数週間は検出されていましたが、今は存在しません。量がとても少なかったので、なくなってしまいました」といった。彼女は、7年間もたったので、「アメリカ全国の誰かが(セシウム)134を見つけることができたなら、心底ビックリします」と付け加えた
セシウム137の半減期は30.1年で、抜群に長いが、より大きなストーリーのなかで見ることが重要だと、タクールはいう。合衆国は1950年代から1960年代にかけて核兵器実験をやっていたので、セシウム137が元もと存在していたのだ。
「フクシマからの(セシウム137)測定値がどれほどになっても、非常に少量であり、だれも被害を受けないでしょう」と、タクールはいった。
海洋汚染
ビューセラーと彼の研究仲間たちは、「セシウムは放出された放射性汚染物質のなかで最も多く存在する類いのひとつなので、またなんらかの形のセシウムは環境のなかに数十年間も残存するので」、海洋汚染を検証するさい、セシウムに的を絞ったと「われらが放射能の海.org」サイトに書いた。
ビューセラーの研究チームは民間の科学者と研究者の助けを借りて、2011年からこのかた、太平洋におけるセシウムの拡散を追跡してきた。
北アメリカ海岸沿海のセシウム・レベルは低いものの、レベルの高い沖合の海水が海岸に向かって移動するので、高くなりつづけている。モデル計算はレベルがすでに頂点に達したと弾き出したが、ビューセラーは、「レベルが海岸沿いで低くなるまで、もう1年か、あるいはもっとかかることになりそうです」といった。
カナダの研究グループが魚類に含まれる低レベル・セシウム137を検出した。このグループ――統合フクシマ海洋放射性核種モニタリング(InFORM)ネットワーク――は、そのウェブサイトによれば、学界、政府、非政府組織と民間科学者が連携して、データを獲得するために活動している。
これらのグラフは合衆国沿岸海域のセシウム137レベルを示す。実線は時間経過に沿った線形傾向を表し、2011年から2017年にかけてレベルが上昇していることを示している。Credit: Jessica Drysdale/Our
Radioactive Ocean
2016年のサケ検査結果は、魚体で検出されたセシウム137汚染の最大値はカナダ保健省の対策レベルの1,700分の1より低いことを示しており、InFORMは、「人間にとっても、環境にとっても、健康リスクになるとは知られていない」とそのウェブサイトに書いた
ビューセラーは、科学者らにしても、海洋中の放射性核種がフクシマ以前のレベルに戻るのにどれほどかかるか、はっきりとわからないが、おそらく数十年はかからず、年単位のことだろうと語った。その期間中にも、放射能レベルは分子が惑星の上を動き回る様相を教えてくれるという格別な理由で、研究者たちは放射性核種のレベルを監視しつづけるだろうと、彼はいった。(Timeline
of Events at Japan's Fukushima Nuclear Reactors)
ビューセラーは、「世界の諸国は400基の原子力発電反応炉を稼働しており、その多くは海岸や川沿いにあります。(このデータがあれば、わたしたちに役立って)こういう事故が勃発すれば、わたしたちの前途になにが起こるか、少しはマシに知ることができます」と述べた。
Original article on Live Science.
【クレジット】
Live
Science, “7 Years After Fukushima Disaster: Little Radioactive Material in US
Waters,” by Laura Geggel @LauraGeggel,
posted on March 11, 2018 at https://www.livescience.com/61986-fukushima-anniversary-radiation-levels.html.
【関連記事】
2017年8月24日木曜日
ALPSと呼ばれる装置は、もっと有害な物質を汚染水から精製する、または除去するように設計されています。ビューセラーはもっと監視する必要があると言います。
「わたしは独立の立場で個別にタンクを調べ、放射能として圧倒的な優位を占める(dominate)トリチウムだけでなく、ある程度までタンク内に残っている、セシウム、ストロンチウムなど、劣位の原子を検査したいと思います」
2016年6月4日土曜日
米国ウッズホール海洋研究所の海洋放射線化学者、ケン・ビューセラー氏によれば、漏出した放射性物質の80パーセントあまりが海に流出したので、フクシマ事故の影響は「未曾有のもの」であるという。
2016年4月16日土曜日
「わたしであれば、これまでに日本で放出されたものより大量のトリチウムが(英国のセラフィールド施設から)アイリッシュ海に放出されたと思います」とビューセラーは述べた。目下のところ、フクシマ核惨事によって、0.1ないし0.5ペタベクレルのトリチウムが太平洋に漏出または放出されたと目されている。
2015年12月27日日曜日
ウッズホール海洋研究所の主任研究員、ケン・ビューセラーは災害勃発の3か月後に最初の海水試料を採取しており、太平洋におけるフクシマ由来の放射能を観測する人たちの第一陣に数えられる。彼は2014年、海洋放射能データの大量収集に役立てるために、市民観測活動グループ――Our Radioactive Ocean[われらが放射性の海]――を発足させた。
2015年10月1日木曜日
今年はじめにルニットを訪れ、礁湖のなかの堆積物試料を収集したウッズホール海洋研究所の上席研究員で海洋化学者、ケン・ビューセラーは、「そういう人たちは、ホット・スポットのガラクタのなかで息を吸いながら、泥土を掘っているのです。これでは、水泳に比べて、健康に影響をおよぼす可能性のある線量が何百倍も何千倍も高くなるはずです」と語った。
Climate change threatens radioactive storage dome in south Pacific – video https://t.co/tc78KpajNt— Fukushima☢Watch (@yuima21c) 2018年9月11日
2015年4月8日水曜日
ウッズホール海洋学研究所(WHOI)の科学者たちは、北米の沿岸で採取した海水試料から、2011年の福島第一原子力発電所事故に由来する微量の放射能を初めて検出した。ブリティッシュ・コロンビア州ユークレットにおいて、ユークレット水族館の協力により2月19日に採取した試料に、人間と海洋生物に対して影響を与える恐れがあると国際的に認められたレベルよりじゅうぶん低い、極微量のセシウム(Cs)134および137が含まれていた。
2014年11月14日金曜日
モニタリング活動を主導するWHOIの海洋化学者、ケン・ビューセラーは次のようにいう――「わたしたちは北カリフォルニア沖合において、フクシマ由来のセシウム134を検出しました。たいがいの人はフクシマ以前からすでにセシウムが太平洋の海水中に存在していることがわかっていませんが、それはセシウム137同位元素だけなのです。セシウム137は30年の半減期でもって放射性崩壊するものであり、1950年代と60年代の大気圏中核実験によって環境中に持ちこまれました。わたしたちはセシウム137と併せて、セシウム134も検出しました――これもやはり自然状態の環境中に存在せず、半減期がたった2年です。したがって、現時点における、この太平洋中のセシウム134の唯一の発生源はフクシマということになります」
2014年11月13日木曜日
2011年の福島第一原発メルトダウンによって太平洋に漏出した放射性元素がカリフォルニア沖合で初めて検出された。ボランティア研究者たちが、放射能を帯びた海水塊を追跡するために西海岸から150キロ沖合の海水を調べてきた。化学海洋学者、ケン・ビューセラーとウッズホール海洋学研究所(WHOI)の研究仲間たちは、ある論文がクシマからの元素が2013年に到着すると予告して以来、その到着を待っていた。
2013年8月27日火曜日
ケン・ビューセラー博士はウッズホール海洋学研究所の上席科学者であり、フクシマ周辺の海域を調査してきた。「これは断然のこと、まだ収束していません。チェルノブイリは多くの意味で1周間の火災・爆発事象であり、海に関わる可能性とは無縁でした。われわれは2011年からずっと、建屋であれ、地下水であれ、あるいは新たなタンクの漏れであれ、原発サイトから漏出しているといってきました。敷地内の放射能汚染水のすべてを本当に閉じこめる方法はありません。汚染水が地下水に流入すれば、海に注ぐ川と同じで、地下水の流れを本当に止めることはできません。水を汲み上げることはできますが、いくつのタンクを敷地内に造りつづけることができるでしょうか?」
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