2014年11月13日木曜日

英紙インディペンデント: フクシマ由来の放射性元素「米国西岸の沖合で検出」



THE INDEPENDENT
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2011年フクシマ由来の放射性元素
「米国西岸の沖合で検出」

Radioactive elements from 2011 Fukushima meltdown 'detected off the coast of the US'
研究者たちは太平洋を横断する放射能の動きを追跡するには、さらなる調査が必要であるといった。

アダム・ウィズナールADAM WITHNALL  20141111

2011年の福島第一原発メルトダウンによって太平洋に漏出した放射性元素がカリフォルニア沖合で初めて検出された。

ボランティア研究者たちが、放射能を帯びた海水塊を追跡するために西海岸から150キロ沖合の海水を調べてきた。

化学海洋学者、ケン・ビューセラーとウッズホール海洋学研究所(WHOI)の研究仲間たちは、ある論文がクシマからの元素が2013年に到着すると予告して以来、その到着を待っていた。

ビューセラーは今、北カリフォルニア沖合の海洋からセシウム134――20113月のメルトダウンだけにしか由来しない成分――を含む試料が採取されたという。

ウッズホール海洋学研究所の報告書は、検出された放射性セシウム同位元素の量が「人間や海洋生物に対する測定可能なリスクを予測しうるレベルよりもはるかに低い」と述べた。

ビューセラーは、「このレベルは、ごく微量の放射能を識別しうる高機能の装置だけで検出しうる程度のものです」という。彼は北西部公共ラジオ局による取材に、自分は影響を受けた地元の海域で泳いだり、漁獲された魚を食べたりしても心配しないと答えた。     
フクシマ由来のセシウム134を含む海水試料が採取された海域を示す衛星画像(ウッズホール海洋学研究所)。

それでもこの知見を「些細なこと」と受け取ってはならないと、ビューセラーはいう。フクシマ由来のフォールアウトを含む可能性がある海水を監視する意志のある米連邦機関が存在しないので、国民はリスクを抱えたまま放置されていると彼はいい、これは注意を要する「進展中の状況」なのだと付け加えた。
「大衆からの資金集めは、一般社会と連携し、海岸の近くで進行している事態を解明するための重要な手段であることは変わりません。ですが、海流がセシウムを岸辺に運ぶ経緯を理解するために、海洋科学者は沖合でもっと働かなくてはなりません」と、ビューセラーはいった。
「ですから、海岸調査ネットワークを維持するために市民科学者が必要ですし、同時にこれと同じような研究船と包括的な沖合研究も必要なのであって、こちらの方は、一般市民が維持するには、あまりにも資金がかかりすぎます」
ビューセラーは、20141113日、ヴァンクーヴァーで開催される環境毒物・化学学会(SETAC)総会において、研究結果を発表する。
【参照文献】


【参考図】 ウッズホール海洋学研究所ポスターより、比較のために…



 【国内メディア報道】更新:1017
 米ウッズホール海洋学研究所は15日までに、カリフォルニア州北部沖約150キロの太平洋で、東京電力福島第1原発の事故で流出した微量のセシウム134を検出したと発表した。1立方メートルあたり2ベクレル未満と、米政府による飲料水基準値の千分の1以下で、人体や海洋生物への影響はないという。
 同州ユリーカ沖で8月に採取された海水から検出した。東日本大震災から約3年半で太平洋を渡ったことになり、同研究所は「注意深く継続的な監視が必要だ」と主張した。
 米政府はセシウムを対象とした海洋調査を行っておらず、同研究所が1月に調査を開始、検出は今回が初めて。
 セシウム134は自然界に存在せず、半減期が2年のため「流出源は福島しかあり得ない」としている。(共同)
毎日新聞 10月17日付け社会面
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