勝利まであと一歩、最終段階を迎えた
福島集団疎開裁判へ皆さんの支持と視線を!
今年6月24日、郡山市の小中学生14名が郡山市を相手に訴えた「子供たちを安全な場所で教育せよ」を求めるふくしま集団疎開裁判は、まもなく裁判所の判断が下されます。
この間の裁判の中で、次の事実が明らかにされました。
1、 子供たちは、3月の事故から8月末までの積算値だけでも7.8~17.2mSvに達するような環境で学校教育を受けていること。
2、 子供たちは、今後、チェルノブイリで、郡山市と汚染度が同程度の地域で発生した次の健康被害が予想されること(琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏の意見書)。
通常であれば、甲状腺のがん等は10万人当たり数名しか子どもには出ないのに、
(1)、5~6年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増し、9年後の1995年には子ども10人に1人の割合で甲状腺疾病が現れた。
(2)、がん等の発症率は甲状腺疾病の10%強の割合で発病、9年後には1000人中13人程度となった。
3、子供たちは、今、チェルノブイリ事故による住民避難基準に基づいて作成された郡山市中心部の「土壌汚染マップ」によれば、次の避難指定地域で教育を受けていること
子供たちが通う7つの学校のうち、
(1)、2校が住民に移住義務がある移住義務地域(土壌汚染マップの赤丸)に該当
(2)、4校が住民に移住権がある移住権利地域(土壌汚染マップの黄色丸)に該当
(詳細 →ふくしま集団疎開裁判のブログhttp://fukusima-sokai.blogspot.com/)
これに対し、郡山市(最終準備書面)は、郡山市民の子供たちの上記主張に「不知」と答えるのみで、転校の自由があるのだから危険だと思う者は自主的に引っ越せばよい、安全な場で教育を受ける権利を侵害したのは東電であって自分たちではない、だから郡山市は子どもたちを安全な場所に避難させる義務を負わないと反論しました。「転校の自由」論とは福島の現実を見ない残忍酷薄な暴論です。
しかし、このような異常な環境で、異常な健康被害を予見しながら、子供たちをこのまま被ばく環境に置くことは本来、絶対に許されないことではないでしょうか。これは万人が認めざるをえない真理です。しかし、国会や政府はこの真理を無視し続けて来ました。そこで私たちは「人権の最後の砦」として国会や政府の病理現象を正すことを本来の使命とする裁判所に訴え出ました。しかしそのためには、この裁判を担当する3人の裁判官の力だけでは不可能です。裁判官たちによる世直しを支持する多くの市民の存在・バックアップが必要不可欠なのです。
まもなく、この裁判の判断は下されます。裁判所はいま、裁判の原点に帰り「人権の最後の砦」としての使命を果すのかどうかという試練の前に立っています。もし裁判所が勇気を奮い初心を貫いたなら、それは14人の子どもの命を守るばかりか、福島県の子どもたちの命を守る画期的な判断となるでしょう。この裁判所の勇気と初心を支えるために、どうか、、疎開裁判の正しさを確信する全国・全世界の無数の皆さんの支持と注視を郡山の裁判所に注いで下さい。
(文責 ふくしま集団疎開裁判 弁護団 柳原敏夫)
ふくしま集団裁判ブログ参考リンク:
10・15ふくしまの子どもを守れ!郡山デモの報告
債権者最終反論書提出の報告
講談師・神田香織さんビデオメッセージ
俳優・山本太郎さんビデオメッセージ
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