2013年6月11日火曜日

拡散希望!【子どもの甲状腺癌】#アレクセイ_V_ヤブロコフ 博士のメッセージ(第2信)#甲状腺乳頭癌

当ブログ前掲記事「【子どもの #甲状腺 癌】#アレクセイ_V_ヤブロコフ 博士のメッセージの続報として、博士から重要な補足情報が寄せられましたので、日本語訳とその原文に第11回・福島県「県民健康管理調査」検討委員会・配布資料の関連データを併せて掲載します。
博士によれば、「チェルノブイリ後の甲状腺癌のほとんどの症例は乳頭癌でした」が、はたして福島県が公表した甲状腺検査データは確認症例のすべてが甲状腺乳頭癌であることを明示しています。
(翻訳・文責:井上)
@Ustream 郡山講演会
2013.06.10【第2信】アレクセイ・V・ヤブロコフ博士から
トシオさん
あなたのブログにわたしの投稿を掲載してくださり、大変ありがとう。
補足したいことがあります。
甲状腺癌には、いくつかの型があります。主な型は、甲状腺の濾胞癌と乳頭癌です。特筆すべきことに、チェルノブイリ後の甲状腺癌のほとんどの症例は乳頭癌でした。日本の子どもたちの甲状腺疾患の症例も甲状腺乳頭癌であれば――それが福島の放射性降下物の結果であるとみなす、もうひとつの理由になるでしょう。
よろしくお願いします。
アレクセイ
Dear Toshio,
Many thanks for placing my letter to your blog.
I would like to ADD.
There are several different forms of thyroid cancers/ Tow main forms are follicular and papillary ones. What is remarkable that after Chernobyl in mostly cases it was papillary form. If Japanese children also have had papillary form of this cancer- it may be additional reason for count it as result of the radioactive Fukushima fallouts.
The best
Alexey

(②-11
()結果概要
① 細胞診結果
(i) 平成23年度                        平成25年5月27日現在
・悪性ないし悪性疑い    12例(手術8例:良性結節1例、乳頭癌7例
・男性:女性            5例:7例
・平均年齢              17.3±2.0歳(13-19歳、震災当時11-17歳)
・平均腫瘍径            14.1±7.6mm6.0-33.0mm
(ii)平成24年度                        平成25年5月27日現在
・悪性ないし悪性疑い    16例(手術5例:乳頭癌5例
・男性:女性            9例:7例
・平均年齢              16.1±2.6歳(11-20歳、震災当時9-18歳)
・平均腫瘍径            18.1±9.2mm8.4-34.1mm

 平成23-24年度合計
悪性ないし悪性疑い 28例 (手術13例:良性結節1例、乳頭癌12例)

【参考情報】
内部被ばくを考える市民研究会
サイト 2013.06.09付け記事
ヨウ素131を呼吸器で吸うことによる、小児甲状腺がんのリスク」から
一部引用します:
川根が書いた『ベラルーシ・プロジェクト報告』でも紹介したように、ベラルーシでチェルノブイリ事故以前に見られた小児甲状腺がんはすべて髄様がん(ずいよう)であり、チェルノブイリ事故以降、ベラルーシで爆発的に増えたのが甲状腺乳頭がんです。ベラルーシの医師は甲状腺乳頭がんは「放射性物質誘導がん」である、と説明してくれました。
ベラルーシで多発しているのは「乳頭がん」です。
乳頭がんが820件、92
髄様がんが17件、1.9
濾胞がんが17件、1.9
未分化がんなどその他36件、4
  ――2008年の統計より
 福島の子どもたちの小児甲状腺がんがすべて甲状腺乳頭がんであるならば、原発事故による放射性物質を体内に摂取したことによって引き起こされたと考えなくてはいけません。(以下、略)

2013年6月10日月曜日

【子どもの #甲状腺 癌】#アレクセイ_V_ヤブロコフ 博士のメッセージ

65日に開催された福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の場で、18歳以下の子どもたちの甲状腺癌が12人、その(ほぼ確定的な)疑い例が17人に急増したという甲状腺検査結果が公表されました。
参考までに、現在までの公表数値を時系列で並べてみましょう――
2012.09.11 第08回検討委 甲状腺癌:01 疑い例:01
2013.02.13
 第10回検討委 甲状腺癌:03 疑い例:07
2013.06.05
 第11回検討委 甲状腺癌:12 疑い例:15
こうしてみれば、診断調査の進展とともに甲状腺の悪性腫瘍が幾何級数的に増えていることが紛れもなく明確になっているはずです。
11回検討委員会開催の2週間ばかり前、520日に「ふくしま集団疎開裁判」の会が開催した講演会で「チェルノブイリ被害の全貌~福島への教訓」を語ってくださったアレクセイ・V・ヤブロコフ博士に、今回の公表結果についてのご見解をお願いしたところ、さっそくご返信をいただきましたので、往復Eメールの形でご紹介します。
(文責・翻訳:井上)
@Ustream 郡山講演会



2013.06.06【往信】
福島の子どもたちに増大する甲状腺癌診断
Thyroid cancer diagnoses increasing among Fukushima children
アレクセイ・ヤブロコフさま
あなたもすでにご存知でしょうが、福島県立医大が実施している調査によって、福島の子どもに甲状腺癌が12人、そのほかにも(ほぼ確定的な)疑い例が17人と診断されました;
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/06/05/national/fukushima-survey-lists-12-confirmed-15-suspected-thyroid-cancer-cases/#.UbALH0BM_Tp.
わたしたち「ふくしま集団疎開裁判」の会は、ウェブサイトにて世界の人びとに見解表明を呼びかけています;
http://www.fukushima-sokai.net/action/opinion_after-e.php
あなたのご見解を同サイトのエントリー欄にご記入くだされば、わたしたちはとても幸甚に思います。あるいは、このEメールにご返信くだされば、翻訳のうえ、わたしたちのブログに掲載させていただきます。
感謝をこめて
イノウエ・トシオ
Dear Alexey Yablokov,
I guess you may already know the news, but I would like to inform you that an ongoing study conducted by Fukushima Medical College has found 12 Fukushima children with confirmed thyroid cancer diagnoses with 15 other suspected (almost confirmed) cases; http://www.japantimes.co.jp/news/2013/06/05/national/fukushima-survey-lists-12-confirmed-15-suspected-thyroid-cancer-cases/#.UbALH0BM_Tp.
We, the Fukushima Collective Evacuation Trial team, are asking people around the world to post comments at our web-site; http://www.fukushima-sokai.net/action/opinion_after-e.php.
If you can post your comment on the entry form at the site, we would be very grateful. Or otherwise, if you write yours as a reply to this E-mail, I would like to translate it for posting at our blog.
Thanking you with best regards,
Toshio Inoue

2013.06.07【復信】
Re: Thyroid cancer diagnoses increasing among Fukushima children AY
トシオさん
Eメール、ありがとうございます。甲状腺癌の増加――これは、チェルノブイリの経験からして不可避のなりゆきです。チェルノブイリでも、やはり3年以内にそのような増加がはじまり、5年目にはWHO(世界保健機関)・IAEA(国際原子力機関)さえも認めなければなりませんでした。これからの歳月――わたしは確信しておりますが――わたしたちは(福島県にとどまらず)日本でそのような増加を目に見える形で目撃することになるでしょう。
当局側の見解を予期するのは簡単――甲状腺癌は治癒可能である、というはず。わたしの見解をいうなら、確かに治癒可能――だが、人びとは一生を高価な薬品に縁切りがたく頼ることになる。
また、わたしたちは甲状腺癌の進行に留意しなければなりません――最も重要な点として、甲状腺癌がいくつか他の癌を進行させます。いつ、どこで、どのような頻度でそれが起こるか――これは、放射性降下物、食物連鎖、各個人の放射線感受性、人口密度など、などに依存します。
この見解をあなたがたのサイトに投稿してください。
Dear Toshio,
Thanks for your letter. Elevation of thyroid cancer -it is just what inevitable follow from Chernobyl experience. In Chernobyl also such elevation start in 3 years and even WHO-IAEA in five years have to accept it. In coming years -I am sure- we will have in Japan (not only in Fukushima prefecture) such visible elevation.
It is easy to predict what will be official response- thyroid cancer is curable. My comments: right, it is curable- but people all life will be deeply depending from expensive medicine.
And we have to mind that thyroid cancer elevation - the first mark that later it will elevate some other cancers. When, where and how many - depend on radioactive fallouts, food chains, individual radio-sensitivities, population densities etc. etc.
Please put it on your site.

New!【投稿の続編】

ヤブロコフ 博士のメッセージ(第2信)甲状腺乳頭癌

【サイト内リンク】
【サイト外リンク】
ヤブロコフほか編著『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店、定価5,000円)

2013年6月7日金曜日

【#甲状腺 癌の急増】メディア報道と素人計算

6月5日、福島市で開催された福島県の「県民健康調査」検討委員会の席で、子どもの甲状腺の2次検査の結果、癌が12人、その疑い例が15人に見つかったと報告されました。メディアはこの衝撃的なニュースをどのように報道したでしょうか。

まず、民報TV報道から見てみましょう。


次は新聞報道です。毎日新聞の広域版では見出しに「甲状腺」の語句が見当たりません。
【出所】201266日付け「毎日新聞」第3社会面
赤枠の記事を拡大してみると…検討委員の入れ替えについての話題がクローズアップされ、甲状腺検査や甲状腺癌のニュースは後段に潜んでいました。


では、福島版を開いてみましょう。さすがはご当地記事、大きな扱いです。でも、見出し「原発事故との関連否定」がまず眼に飛び込み、メインテーマ「甲状腺がん子ども12人」を圧倒しています…
【出所】201266日付け「毎日新聞」福島版
では、客観的データを紙面に追ってみましょう。
【出所】201266日付け「毎日新聞」福島版
参考までに、早川由紀夫氏の線量マップを…
【出典】早川由紀夫の火山ブログ「放射能汚染地図」(八訂版)

【出所】201266日付け「福島民友」紙面

さて、このデータをもとにTwitter上で素人計算をしてみました。


66日付け #福島民友【表:甲状腺検査の市町村別2次検査結果】
たとえば郡山市の場合、1次検査実施者50,805人 
2
次検査対象者442人のうち、2次検査実施者は5だけ
 そして、悪性、悪性疑い例が2
 http://twitpic.com/cvpqhn

http://twitpic.com/cvpqhn -
【郡山市】 442 × 2 ÷ 5 = 176.8
つまり1次検査総数50,805人のうち、悪性、悪性疑い例約177人という計算。
実に287人に1人の甲状腺癌、疑い例
http://twitpic.com/cvpqhn -
2011年度】205×11÷16613.58 40,768÷13.583002
2012年度】935
×16÷25558.66 134,735÷58.662297 
http://twitpic.com/cvpqhn -
201112年】1,140×27÷42173.11 175,503÷73.112,400.53
つまり総合的に計算すると、2,400人のうち、1人が甲状腺癌・疑い例!
http://twitpic.com/cvpqhn  
2011
年度は3000人にひとり、2012年度は2300人にひとりの
 #甲状腺癌 ・疑い例の割合になる。計算をしていて、空恐ろしくなる!
場所の要因よりも時間経過要因が関係しているのではないだろうか?
甲状腺検査Mapと早川由紀夫氏Mapを比べてみよう。 2011年度検査地域は、原発に近い高線量地帯で1例/3000人、 12年度検査地域は低線量地帯なのに1例/2300人の 癌または疑い例の比率になる計算
http://twitpic.com/cvqmd8
 

2013.06.08【補足】上記の計算があまりにも簡略で、正確な予測とはいえませんが、検討委がいうようにデータが出るまで座して待つ余裕はないはずです。

最後に権威者の先生にご登場いただきましょう…
元「放射線影響研究所理事長」、「長崎大学名誉教授」の肩書きと「国連科学委員会などの国際機関」小さなコラムに権威をこて盛りにして、「科学的に見て」とのたまう長瀧重信氏 http://t.co/c8yvhosxq9
【出所】201266日付け「福島民報」紙面

【関連togetter】

宗教学者、島薗進氏の連続tweets

記者会見~福島県「県民健康管理調査」検討委員会
FoE Japan 満田夏花氏の実況tweets

【OurPlanet-TV】ビデオ:検討委員会・記者会見

甲状腺がん12人・悪性疑い15人〜福島県調査

投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 06/05/2013 - 18:56