下記のコラムは毎日新聞の読者投書欄『みんなの広場』に投稿したものですが、どうやらボツの憂き目にあったようで、せっかくなので、ここに公開します…
今月10日付け本紙は、「原発事故による風評被害で来場者や売り上げが減少したとして、栃木県那須町のゴルフ場経営会社が東京電力を相手取り、約8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、宇都宮地裁(吉田尚弘裁判長)は9日、約5300万円の支払いを命じた」と伝えた。
地裁は、「ゴルフ場で測定の放射線量が13年5月時点で放射線障害防止法が定める規制値(年間1ミリシーベルト)を超えていた」ことを根拠として、風評被害と売り上げ減少の因果関係を認定したそうである。翻って那須市に隣接する福島県内では、「放射能レベルが年間20ミリシーベルト以下に下がった」ことを名目にして、各地の避難指示が次々と解除され、来月からの新年度では「帰宅困難区域」が残るだけである。
規制値を超えれば、ゴルフ客が遠のいて当然。そして規制値の20倍以下になれば、避難者が帰還して当然であり、自主避難者の住宅支援は打ち切り。これは、あまりにも理不尽なダブルスタンダードではないだろうか。
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【関連記事】
2017年3月9日付け毎日新聞
【関連サイト】
【ウィキペディア】
2011年3月12日に発生した福島第一原子力発電所事故後、ゴルフコースから毎時2~3マイクロシーベルトの放射線量が検出されるようになった。運営会社は、事故の当事者である東京電力に対し汚染の除去を求め、同年8月に東京地方裁判所に仮処分を申し立てた。これに対し東京電力側は「飛散した放射性物質は無主物であり、当社は除去の責任を負わない」と主張。東京地裁は同年10月31日に、「現状でゴルフ場の運営が不可能とは認められない」としてゴルフ場側の訴えを退けた。同ゴルフ場では、7月の福島オープンゴルフ予選の開催を断念、従業員17人も9月までに退職している。
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