2016年9月26日月曜日

サイエンス・デイリー【科学ニュース】チェルノブイリ・フクシマ規模事故の再来の可能性が大きい

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科学ニュース
――研究機関から

専門家らによれば、チェルノブイリまたはフクシマ・タイプの事故再来の可能性が大きい

掲載:
2016919
出処:
サセックス大学 University of Sussex (News)
概要:
歴史的事故のこれまでになく大規模な統計学解析によって、核発電に特有の極めて高いリスクが過小評価されており、今後の惨事を防止するために大変革が必要であると提言されている。

これまでになく大規模な核事故解析を実施したリスク専門家らの研究チームは、今後、チェルノブイリやフクシマに匹敵する規模の惨事は世人が考えるよりもずっと早く起こりうると警告している。

イングランドのサセックス大学とスイスのチューリッヒ工科大学の研究者たちは、200件を超える核事故を解析し、そのうえで――これまでの災害のさい、業界が実施した対応の効果を評価・照合し――核発電リスクの厳しいアセスメントを提示している。

研究者らの結論は憂慮すべきものであり、核事故が起こる頻度は実質的に減っているものの、これは中・大規模事象の抑制によって達成されたという。彼らは、フクシマ・チェルノブイリ規模の災害が勃発する可能性は100年あたり一度や二度では済まず、米国スリーマイル・アイランドにおける1979年のメルトダウン事故(損害額100億米ドル)に匹敵する事故が10年ないし20年毎に起こるだけでは済まないと見積もっている。

論文の筆頭著者、スペンサー・ウィートリー博士は、「わたしたちは、核発電のリスク・レベルが極めて高いことを明らかにしました」といい、次のように説明する――

「スリーマイル・アイランドやチェルノブイリなど、事故に際した業界の対応に前向きな影響を認めることができましたが、フクシマのような激甚災害の可能性を取り除くためには不十分です。そのような可能性の芽を摘むには、大部分が第二世代テクノロジーのものである現在の反応炉の大群に対する抜本的な変革が必要とされています」

Energy Research & Social Science(エネルギー・リサーチ&社会科学)、Risk Analysis(リスク解析)2誌掲載の論文2点で公表された研究は、核産業に対して、事故データに関してこれまで以上の透明性を迫る斬新な圧力になっている。

核産業の「不備があり、不完全なこと甚だしい」公表データは、リスクに対する自信過剰な態度を招いている、と研究は警告している。研究チームは、彼ら独自の解析は業界自体が公表したデータより3倍多いデータを含んでいるという事実をあげている。これはたぶん、報告類を編纂する国際原子力機関が核部門の規制と推進という二重の役割を担っているせいだろう。

この新論文の執筆陣は、報告類、学術論文、プレスリリース、公文書、新聞記事から彼らのデータを収集した。その結果、前例のない――これまでで最大の独立解析の2倍の規模の――データセットが得られた。著者らはさらにまた、このデータセットは重要な情報源であり、不断に発展させ、一般市民と共有する必用があると強調している。

論文を共著したサセックス大学サセックス・エネルギー学群のベンジャミン・ソヴァクール教授は、次のように語る――

「わたしたちの結論は冷徹です。国際原子力機関が事故や事象を予測するさいに――特に極端事象の影響に注目する場合に――用いている標準的な方法論には問題があることを示しています。

「次に起こる事故は、一般市民が考えているより、ずっと切迫しているかもしれませんし、ずっと過酷なものかもしれません」

研究チームはまた、事故の格付け方法を根本的に考えなおすように求め、現行の方法(不連続的な7段階のレベルに分ける国際原子力事象評価尺度)は非常に曖昧であり、定義が貧弱で首尾一貫していないことが多いと論じる。

研究チームは新しい解析で、資産の破壊、緊急事態対応費、環境の修復、避難、罰金、保険金請求などの諸要因を計算して、事故ごとのコストを米ドルで算定した。また、1死亡例ごとに、米国政府が人名の価値を計算するさいの金額、600万ドルのコストを加算した。

この新しい解析は、2011年のフクシマ事故と1986年のチェルノブイリ事故の合算コストが4250億ドル――他の全事象のコストを合算した総額の5倍――になることを示した。

しかしながら、これら2件の極端事象は、国際原子力事象評価尺度で7――最高過酷レベル――に格付けされている。フクシマだけでも、影響の現実的な甚大さを評言するには1011のあいだのスコアが必要だろう。

著者らはさらにまた、とりわけ総体的な影響に関心が向けられる場合、このような総体的影響の頻度・過酷度に関する確率論的解析が業界標準の確率論的安全性評価を補完するツールとして使われるべきだと強調する。

ソヴァクール教授は、次のように付言している――

「チェルノブイリとフクシマのような破局事故は過去の遺物でないことを、結果が示しています。

「たとえ新しい核テクノロジーを導入するとしても、古い核施設を運転したままにしている限り――運転許可を延長し、既存反応炉の免許を更新している最近の傾向に鑑み、その可能性が大きいですが――そのリスク、および地球の核反応炉の大群を運転することの総体的リスクは残ります」

著者らは最後に、この論文は比較的な性格のものではない、つまり他のエネルギー源のリスクを数値化していないと強調している。これは核発電のみのリスク評価を提示しており、それ故、多くの基準を考察しなければならなくなる、複数の電力源に関するポートフォリオの選択肢のなかから、単一の電力源について、単一の基準を伝えるものである。

共著者のディディエ・ソーネット教授は、次のように強調している――

「われわれの研究は核産業をけなしているように見受けますが、他の考察や改善の余地を考えると、今後において、実際に核エネルギーが魅力的になるかもしれません」

研究チームが解析した核事象のコスト・トップ15リストは次のとおり――

1.
ウクライナ、チェルノブイリ(1986)………………………
2560億ドル
2.
フクシマ、日本(2011)………………………………………
1660億ドル
3.
敦賀、日本(1995)……………………………………………
155億ドル
4.
TMI、米国ペンシルヴェニア州(1979)………………………
110億ドル
5.
ベロヤルスク、旧ソ連(1977)…………………………………
35億ドル
6.
セラフィールド、英国(1969)…………………………………
25億ドル
7.
アセンズ、米国アラバマ州(1985)……………………………
21億ドル
8.
ヤスロフスケ・ボフニチェ、チェコスロヴァキア(1977)…
20億ドル
9.
セラフィールド、英国(1968)…………………………………
19億ドル
10.
セラフィールド、英国(1971)…………………………………
13億ドル
11.
プリマス、米国マサチューセッツ州(1986)…………………
12億ドル
12.
チェペルクロス、英国(1967)…………………………………
11億ドル
13.
チェルノブイリ、ウクライナ(1982)…………………………
11億ドル
14.
ピカリング、カナダ(1983)……………………………………
10億ドル
15.
セラフィールド、英国(1973)…………………………………
10億ドル

Story Source:
Materials provided by University of SussexNote: Content may be edited for style and length.

Journal References:

  1. Spencer Wheatley, Benjamin K. Sovacool, Didier Sornette.Reassessing the safety of nuclear powerEnergy Research & Social Science, 2016; 15: 96 DOI:10.1016/j.erss.2015.12.026

  1. Spencer Wheatley, Benjamin Sovacool, Didier Sornette. Of Disasters and Dragon Kings: A Statistical Analysis of Nuclear Power Incidents and AccidentsRisk Analysis, 2016; DOI: 10.1111/risa.12587


【クレジット】

University of Sussex. "Risk of another Chernobyl or Fukushima type accident plausible, experts say." ScienceDaily. www.sciencedaily.com/releases/2016/09/160919113044.htm (accessed September 25, 2016).



2016年9月19日月曜日

ツリーハッガ―樹木愛好家「米国で検査したハウスダストの90%が有毒化学物質で汚染」~日本では☢汚染も…?

  

ハウスダストの90%が有毒化学物質で汚染

メリッサ・ブレイア―
MelissaBreyer (@MelissaBreyer)
Living / Green Home
2016
914



   © DutchScenery

ハウスダストを徹底的に調べた包括的な研究が、ダスト試料の90パーセント以上からフタル酸類や難燃剤類などの有害化学物質を検出した。

ダストにご注意を、ふ~(溜息)。

脅迫的にきれい好きだったり、典型的な消費財を自宅に持ちこまなかったりすれば、この厄介な問題に悩まなくてもいいだろう。だが、その他大勢のわたしたちが注意しなければならないことに、ハウスダストの形で自宅に入りこみ、無害と思える粉が、日常使いの製品に由来する危険な化学物質にまみれていることを新たな研究が突きとめた。

有毒なダストの塊の可能性があるとしても驚くことはない――これはすでに当サイトで取り上げたトピックである――が、この新しい研究は、ハウスダストから検出される有毒化学物質に関するメタ分析としては最初のものである。その結果、平均的なアメリカ人が消費財および建材に由来する、嫌悪すべき、混沌とした化学物質――癌、ホルモン作用撹乱、生殖問題など、雑多な健康に対する影響をおよぼす化学物質――にさらされていることが明らかになった。
[訳注]メタアナリシスmeta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること。メタ分析メタ解析とも言う。(Wikipediaメタアナリシス」より)

この新しいデータは、ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院、『沈黙の春』研究所、天然資源保護協議会、ハーヴァード・T・H・チャン公衆衛生大学院、職業&環境医療プログラムの研究員らが結集した多機関合同研究班によって提示されている。

ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院のアミー・ゾータ准教授、科学博士にして理学修士は、「わたしたちの研究は、ハウスダストに認められる消費財化学物質に関する最初の包括的な分析です。その知見によって、人間が、とりわけ子どもたちが日常的に、ダストに含まれ、深刻な健康問題に関連する多種多様な化学物質にさらされていることが示唆されています」と述べる。

ゾータ博士と彼女の研究班は、種々26点の査読審査済み論文および米国内14州の家庭で採取したダスト試料を分析した未公開データセットからデータを収集した。研究班は全データを総合して、ヴィニール床材、個人用品や洗浄剤、建材や調度品など、消費財や家庭用品に由来して、わたしたちの家庭に侵入する、潜在的毒性を有する45種類の化学物質を見つけた。

論文の著者らは、消費財の化学物質は空気中に放出されて、ダストに沈着するという。化学物質は肺に吸引されるし、皮膚を通して吸収されさえもする。

以下に、肝要な知見をいくつかリストアップしておこう――

数多くの研究を総合して、家具、ベビー用品、その他の家庭用品でよく見つかる難燃剤であり、TDCPP[トリス(1,3 - ジクロロプロピル)ホスフェート]という既知の発癌物質などの有害な化学物質が、ダスト試料の90パーセントで見つかっている。

屋内ダストは例外なく、4種の有害な化学物質を特に大量に含んでいる。その4種とはすなわち、フタル酸エステル類、フェノール類、難燃剤類、高レベルにフッ素化された化学物質類(HFCs)である。

フタル酸エステル類は、ダストの1グラムあたり7,682ナノグラム――他のものに比べて、数桁も高い膨大な量――という最高レベルの蓄積を示している。DEP[ディーゼル排気微粒子]、DEHP[フタル酸ジエチルヘキシル]、DNBP2,4-ジヒニトロ-6-secブチル・フェノール]、DIBP[フタル酸ジイソブチル]などのフタル酸エステル類は、ダストに最高レベルで蓄積しているだけでなく、数多くの深刻な健康被害と関連付けられている。アメリカ連邦議会が2008年、フタル酸エステル類による被害を懸念して、子どもの玩具の製造でこれを使うことを禁止したものの、数百品目もの消費財に野放しではびこっている。

洗浄剤、その他の家庭用品で使われている化学物質、フェノール類は、難燃剤、それにフライパンのような焦げつかない商品の製造に使われるHFC[ハイドロフルオロカーボン]類に次いで、二番目に高レベルに危険な化学物質分類に属していた。

さらにいっそう厄介なことに、種種雑多な化学物質の多くが、発癌性や発生・生殖毒性など、同じような健康リスクに関連しており、集合的にふるまって、問題をこじらせる。つまり、少量の被曝であっても、影響が混じりあうなら、とりわけ発育中の乳児と幼児の場合、作用が増幅される。天然資源保護協議会の専従科学者である共著者、ヴィーナ・シングラ博士は、「わたしたちのリビングルームのひとつ残さずに存在してよさそうな毒物と検査されていない化学物質の数と毒性レベルは、わたしにとってショッキングでした」といった。彼女は、「日用品と建材に使われている有害化学物質は、わたしたちの住宅に汚染の蔓延という結末をもたらします――これらの危険な化学物質は、より安全な代替品に取り替えられるべきです」と言い足した。

以下に列挙する予防策を講じれば、役に立つだろう――

潜在的に危険な化学物質を含有する身繕い商品や家庭用品を避ける(ある意味、当サイトTreeHuggerのマントラ。下記のリンク先の情報が有益)。

HEPA(高効率空気中微粒子分離)フィルタを備えた真空掃除機で頻繁に掃除する。この種の掃除機は効率的に微粒子を捕捉し、標準型の掃除機が空気中に再循環させるような汚染物質とその他のアレルギー源を取り除くことができる。頻繁にフィルタを交換し、詰め物付き家具の掃除を忘れないこと(コーチやクッションの下を掃除する)。

湿式モップでカーペットを敷いていない床を頻繁に拭き掃除し、ダストや土埃が貯まるのを防ぐ(乾式モップはダストを舞い上がらせる)。

家具を新規に購入するさい、ラベルをチェックし、染み忌避剤、抗菌処理剤、難燃化学物質を使っているものはすべて避けるべし。

湿らせた綿布で家具を拭く。ホコリを払う場合、合成スプレー剤や合成払拭剤は――望ましくない化学物質を加えるだけなので――避けること。

割れ目や隙間に詰め物をして密閉し、手が届きにくい箇所にダストや土埃が貯まるのを防ぐ。

オゾン空気清浄機は――オゾンは肺を刺激し、ダストやその他の浮遊粒子を除去しないので――避ける。

幼い子どもが這い回ったり、座ったり、遊んだりする場所は格別な注意を払う。幼児は床に最も接近して生きており、有害ダストにさらされている(しかも、影響に弱い)。

「沈黙の春」研究所(Silent Spring Institute)の環境被曝科学者、ロビン・ドッドソンさんは、「消費者には、より健全な選択をし、わが身を日用品の有害化学物質から守る能力が授かっています。こうしたことが、自分の健康だけでなく、より安全な製品に市場が転換するうえでも、実質的な違いをもたらします」と語った。研究で見つかった化学物質についてさらに学び、研究の双方向性図形をご覧になるためにNDRC(天然資源保護協議会)サイトをご訪問ください。
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Tags: Chemicals | Cleaning | Diseases | Health | Toxins

【クレジット】

TreeHugger.com, “90% of house dust tested has toxic chemicals,” by Melissa Breyer, posted on September 14, 2016 at;