2017年3月17日金曜日

ボツになった新聞投書「#フクシマ☢惨事~ダブルスタンダード」

下記のコラムは毎日新聞の読者投書欄『みんなの広場』に投稿したものですが、どうやらボツの憂き目にあったようで、せっかくなので、ここに公開します…
今月10日付け本紙は、「原発事故による風評被害で来場者や売り上げが減少したとして、栃木県那須町のゴルフ場経営会社が東京電力を相手取り、約8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、宇都宮地裁(吉田尚弘裁判長)は9日、約5300万円の支払いを命じた」と伝えた。
地裁は、「ゴルフ場で測定の放射線量が13年5月時点で放射線障害防止法が定める規制値(年間1ミリシーベルト)を超えていた」ことを根拠として、風評被害と売り上げ減少の因果関係を認定したそうである。翻って那須市に隣接する福島県内では、「放射能レベルが年間20ミリシーベルト以下に下がった」ことを名目にして、各地の避難指示が次々と解除され、来月からの新年度では「帰宅困難区域」が残るだけである。
規制値を超えれば、ゴルフ客が遠のいて当然。そして規制値の20倍以下になれば、避難者が帰還して当然であり、自主避難者の住宅支援は打ち切り。これは、あまりにも理不尽なダブルスタンダードではないだろうか。

【関連記事】
201739日付け毎日新聞

【関連サイト】

【ウィキペディア】

2011312日に発生した福島第一原子力発電所事故後、ゴルフコースから毎時2~3マイクロシーベルトの放射線量が検出されるようになった。運営会社は、事故の当事者である東京電力に対し汚染の除去を求め、同年8月に東京地方裁判所に仮処分を申し立てた。これに対し東京電力側は「飛散した放射性物質は無主物であり、当社は除去の責任を負わない」と主張。東京地裁は同年1031日に、「現状でゴルフ場の運営が不可能とは認められない」としてゴルフ場側の訴えを退けた。同ゴルフ場では、7月の福島オープンゴルフ予選の開催を断念、従業員17人も9月までに退職している。

『#救援』3月10日付け寄稿「#フクシマ☢惨事6周年~~汚染県土の”復興”」


国家権力による弾圧に対しては、 犠牲者の思想的信条、 政治的見解の如何を問わず、 これを救援する。


郡山通信
フクシマ惨事6年
~汚染県土の「復興」~

二〇一一年三月、東京電力福島第一核発電所が未曾有の放射能災害を引き起こして、早くも六周年。一二年六月、霞が関一帯で盛大に繰り広げられた「あじさい革命」行動を受けて、JR郡山駅西口ひろばでフリートーク集会が発足してからも、まもなく五年になるが、わたしたちはごく少人数ながら、今も毎週「原発いらない金曜日!」の幟を駅前モニタリング・ポストの傍らに立てている。「郡山市民のみなさん、ご通行中のみなさん」と呼びかけても、ごくわずかの例外を除き、目を背け、押し黙ったまま通り過ぎる通勤者や旅行客。

「わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった」(マタイ福音書)

キリスト教徒でもないのに、救世主のことばを引用して申しわけないが、この六年間、福島県の状況を見せつけられてきて、「砂上の楼閣」という警句がつくづく念頭によぎる。もっともこの場合、「放射能汚染県土の復興」というべきか…

先日の二月二四日、リオデジャネイロ五輪体操競技の金メダリスト、内村航平氏が復興庁嘱託「復興応援大使」として福島県庁を訪問し、内堀雅雄知事と懇談した(福島民報「『福島の良さ広めたい』内村選手、知事と懇談)。昨年十一月のこと、自主避難者らと支援者たちが住宅支援打ち切りの撤回を求めて県庁を訪れたが、内堀知事は「県という組織全体で『丁寧に』対応していく」として、面会を拒否した。農協のピーチガールや震災地・熊本県のクマモンなどは復興の後押しとして大歓迎の知事だが、被曝不安を訴える被災者は復興の邪魔でしかない。

昨年十一月のこと、福島県教組郡山支部が企画した「原発事故被害フィールドワーク」に参加した。核被災地写真家、飛田晋秀氏の案内で、郡山市から国道二八八号線で三春町と田村市都路(最初の避難指示解除地区)を経て六号線に移り、双葉町、浪江町を北上したあと、飯舘村に向かうバスツアーである。

三春町に整備された福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」で小奇麗に展示された核事故の状況と復興に向かう福島県の力強い姿を学んだあと、都路の山中を進むと車窓に次々と目につく仮置き除染廃棄物フレコンバッグの山。浜通り地方の帰宅困難区域を貫く国道六号線に入ると、車内でさえ放射線値は四マイクロシーベルト/時まで上昇する。沿道の住宅や店舗はフェンスで閉鎖され、草ぼうぼう…脇道にはすべて頑丈な検問ゲートが設置され、制服に簡単なマスクだけの若い警察官が立番している。

浪江町立請戸小学校は、ポーランド人写真家、アルカディウス・ポドニーシンスキ氏のフォトエッセイで有名になった津波遺構である。校舎内を散策すると、一階は備品があらかた流され、二階は教室のコンピュータなどがそのまま残り、チェルノブイリ避難地域の写真でもはや見慣れた光景さながら。
南相馬市から峠を超えて飯舘村に入ると膨大なフレコンバッグの山が次々と現れる。案内人の飛田氏によれば、村人口が六〇〇〇人であり、一人あたり一億円の除染費をかけたそうである。

平地に出るとフレコンバッグの列は見えなくなり、新築なった飯館中学校が御影石造り門構えの威容を誇る。学校の建設費はネットであれこれ検索しても不明だが、やはり新築の公民館には十一億円かけたそうだ。週刊誌『女性自身』記事によれば、アンケート結果として、避難指示が解除になれば家族で村に戻るという保護者は4人だという。菅野典雄村長は村民懇談会で中学一年女子に「村に帰るメリットってなんですか?」と(涙声で)質問されて、「少人数制の授業ができるかもしれませんし……」と言い放ったそうである。

福島県は県民の不安をよそに、各地の除染作業が進捗したとして、政府とともに帰還困難区域を除く避難指示地域の指定解除を急ぐ。解除の基準は年間被曝レベル二〇ミリシーベルト以下であり、電離放射線障害防止規則に定める一般人の年間被曝限度の二〇倍。憲法が定める法の下の平等に背く、この超法規的方針の理由はなんだろうか?

今冬、撮りためた写真を携えて講演するためにパリを訪問した飛田氏によれば、彼の地の反原発人士たちは、それが世界原発ムラの意向であると見ているそうだ。つまり、フランスかどこかで新たな核事故が勃発すれば、フクシマ基準が先例となるのだ。

福島の闇は深い。だが、絶望の淵に沈むわけにはいかない。今週も金曜日には、いつもの顔ぶれが郡山駅前ひろばに集まるだろう。

(井上利男。「#原発いらない金曜日!」郡山フリートーク集会世話人。ブログ「#原子力発電_原爆の子」。ツイッター:@yuima21c


【関連メディア記事】

224日付け福島民報
 東日本大震災の被災地を支援する「復興応援大使」を務めるリオデジャネイロ五輪体操男子金メダリストの内村航平選手は23日、県庁を訪れ、内堀雅雄知事と懇談した…

20161129日付け毎日新聞/福島版
東京電力福島第1原発事故で、国の避難指示が出ていない地域から避難した「自主避難者」に対する住宅の無償提供を県が来年3月で打ち切ることに抗議し、自主避難者らが28日、県庁を訪ね、内堀雅雄知事との面会を求めた。打ち切り撤回を求める文書を持ち、知事室そばの廊下を通った内堀知事に声をかけたものの、面会には至らなかった。同日の記者会見で内堀知事は「県全体で丁寧に対応する」と、改めて面会には応じない考えを強調した…

20161015日付け女性自身
「どんな人でも520年も村長を務めたらダメ。村民の声に耳を傾けなくなるから」と、ある村民が話すように、原発事故後の5年間は、「復興」に邁進するあまり、今年8月には、約85千万円も復興関連予算をつぎ込んで、村に公民館を新設。ハコモノ政治と批判を呼んだ。9月にもそのハコモノ政治に拍車をかけるような驚くべき事実が明らかになった。 '184月から、村内で0歳~15歳までの一環教育を開始するために、幼保一体型「認定こども園」を新設するというのだ。それを含めたスポーツ公園など周辺教育施設の予算総額は、57億円。費用は国に要求するという…

201644日付け女性自身
「私たちが、村に帰るメリットってなんですか?」
冒頭のように、涙ながらにそう訴える女生徒に対して、「まぁ、メリットを一生懸命考えていきたいと思います。帰ったら帰ったで、少人数制の授業ができるかもしれませんし……」と回答。帰還する人が少ないから少人数教育になるのに、それがメリットとは……

20151025日付け当ブログ記事
津波の影響を見るために、海岸に行ってみると、ありとあらゆる建物が破壊されている。4年たっている。瓦礫処理が継続中だが、あらかたの被害物件は片付いている。1棟のコンクリート・ビルが聳(そび)えている。東電のお金を使って建てられた校舎は津波の破壊力に耐えていた。幸運にも、児童たちは近くの丘陵に逃げていた…

【関連サイト】

新しい視点で福島を撮る飛田晋秀「福島のすがた」

【関連動画】



2017年2月14日火曜日

#人民日報【#Facebook】#フクシマ☢高レベル放射線☢通行危険情報



2017214

在日中国大使館は福島の高レベル放射線に関して通行危険情報を発布している。
在日中国大使館は、福島で測定された極めて高いレベルの放射線に関して本日の現在時点までに注意喚起情報を公布した。この情報は、中国外務部が先週、日本政府が「福島の放射能漏れの影響を消却する措置について、責任ある説明を提示する」ことを希望して公布した安全警報を受けて出された。
東京電力は先日、6年近く前に福島第一核発電所が津波で損壊したさい、メルトダウンをこうむった反応炉3基のひとつ、2号炉の内部で1時間あたり650シーベルトに達する高レベル放射線を記録した。そのように高い放射線レベルでは、人が被曝すると数秒間で死亡しかねず、ロボットでさえ、壊れるまで2時間以下しか正常に機能できないだろう。
発電所とその周辺地域は核災害激甚地のままである。特定の地域は放射線レベルが高いため、いまだに居住するのに安全でない。したがって、旅行者や住民は通行計画を適切に調整するように勧告されている。



People's Daily, Chinaさんが写真2を追加しました。

The Chinese Embassy in Japan issues travel alert on the high nuclear radiation levels in Fukushima
The Chinese Embassy in Japan issued a reminder earlier today on the extremely high nuclear radiation levels measured in Fukushima. This reminder came after the safety alert issued by the Chinese Foreign Ministry last week, hoping that the Japanese government would “give a responsible explanation on how they would offset the impact of the Fukushima nuclear leakage”.
Recently, Tokyo Electric Power (Tepco) has recorded high nuclear radiation levels up to 650 sieverts an hour inside reactor No.2, one of the three reactors that experienced a meltdown when a tsunami damaged the Fukushima Daiichi nuclear power plant in Japan almost 6 years ago. At such high level of radioactivity, a person could die in seconds if exposed, and even a robot would only be able to work for less than 2 hours before destroyed.
The power plant and the area surrounding it remain a nuclear disaster zone. Certain area is still unsafe to live in due to the high nuclear radiation. Tourists and residents are hence advised to adjust their travel plan accordingly.
【クレジット】
Facebook post by People's Daily, China, at;
https://www.facebook.com/PeoplesDaily/posts/1437114569673689.





2017年2月6日月曜日

#フクシマ☢惨事6周年【拡散歓迎】★第6回原発いらない地球(いのち)の集い★

とりあえず、報告に代えて、IWJ_FUKUSHIMA1が伝える当日の福島市内デモ行進の様子…
Stream Online

今年も その日に女たちはやります!全国の皆さま、お待ちしていますよ~。

★第6回 原発いらない地球(いのち)の集い★


とき:2017年 3月11日(土) 12時~16時

ところ:福島市市民会館 (福島市霞町1-52)福島駅から徒歩20分

駐車場100台
福島交通:市内循環バス 「附属小学校前」停留所 より徒歩 1
福島駅から徒歩20分

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原発事故から6年が過ぎましたが、子どもたちには甲状腺癌が多発し、帰還の強制や「自主避難者」への住宅支援打ち切り、汚染土のリサイクルなど、私たちを取り巻く状況は厳しさを増しています。福島の被害を隠蔽し、原発再稼働を進めようとする政府・原子力マフィアと対峙し、手を取り合い、この世界を切り開いていくために、3.11は福島に集いましょう。


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【日程】

★分科会:    12:10 ~ 13:40
○帰還政策と放射能安全キャンペーン
○福島と沖縄の人権蹂躙
○被ばく労働問題
○東電責任追求と脱原発/再稼働反対

★全体会:    13:40 ~ 14:50
○分科会報告・ディスカッション
○福島県への要望書・決議文採択

★市内デモ行進:    15:10 ~ 16:10
○鳴り物、プラカードなど各自ご準備ください。

★3月12日(日): 東京から参加する人たちが、オプショナルツアー 『列車とバスで行く浜通り』 を計画中。
詳細はしばらく お待ち下さい。

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【主催】 原発いらない福島の女たちFukushima women against Nukes
電話 080-3190-7368

【協力】 スリー・ノンの女たち

311チラシ(2月1版).pdf
【参考までに】

2017年1月27日金曜日

☢#世界終末時計☢30秒進んで真夜中12時の2分30秒前に…❗

原子力科学者会報
真夜中12時まで230










Home › About Us › Press Releases › Board moves the Clock ahead
2017126 07:28

週末時計の針を進める委員会決定

凡例:[訳注]。The United States は字義通りに「合州国」と訳す。

原子力科学者会報の科学・安全保障委員会は70年にわたる世界週末時計の歴史ではじめて、象徴時計の針を真夜中12時に向けて30秒進めた。

Read the Science and Security Board’s 2017 Doomsday Clock Statement.
Read the press release.
Watch the videotaped Doomsday Clock Announcement
Read our FAQ on the Doomsday Clock.
See the multimedia presentation “A timeline of conflict, culture, and change.”

会報の科学・安全保障委員会は世界週末時計声明2017年版で、世界の指導者たちは、人類生存に対して最も差し迫った脅威、すなわち核兵器と気候変動を理解し損ねていると指摘している。ドナルド・トランプと彼が指名した閣僚候補の幾人かが両方とも、気候変動に関する圧倒的な科学の共通認識に対して表明した不信のみならず、核兵器の使用および拡散に関するトランプの不穏な発言が、偏狭な愛国主義の世界的な登場と相まって、委員会の決定に影響をおよぼした。

レイチェル・ブロンソンRachel Bronson事務局長兼パブリッシャーと会報役員3名が、本日午前、ワシントンDCのナショナル・プレス・クラブで開かれる記者会見に出席し、委員会の決定に対する質問に答える。ブロンソンは、「今年は終末時計70周年にあたりますが、時計に関する審議は通常に増して切迫感に包まれているように思われました……信頼しうる情報源が攻撃され、フェイク[でたらめ]ニュースが幅を利かせ、双子の脅威、核兵器と気候変動を合州国の次期大統領が語るのに、傲慢でしばしば無謀な態度でことばを操っておりました」と語った。

委員会の声明は、核兵器と気候の脅威を抑制するために、世界の指導者たちが踏むことのできる一連のステップを概説している。声明は次のように結論している――

「これまでの20年間、世界終末時計の分針は、1980年代初期以降で真夜中12時に最も近い正刻3分前で据え置かれていました。科学・安全保障委員会は最近2度の年次終末時計声明で、『世界的な破局の可能性は非常に高く、惨事のリスクを減じるために必要な行動をただちに起こす必要があります』と警告していました。わたしたちは2017年になって、危険がさらに大きくなり、行動の必要性がさらに切迫していることを突き止めました。真夜中12時になるまで230秒であり、時計は秒を刻み、世界に危険が迫っています。賢明な公職たちは直ちに行動すべきですし、人類を導いて、瀬戸際から遠ざけなければなりません。公職たちが行動しなければ、賢明な市民たちが前に踏み出し、道を先導しなければなりません

世界終末時計声明2017年版の公表は、プラウシェアズ基金の寛大なご支援によって可能になった。

【クレジット】

The Bulletin of the Atomic Scientists, “Board moves the Clock ahead,” posted on January 26, 2017 at;


 【記者会見】

2017年1月24日火曜日

ネーション誌【評論】ホワイトハウス報道官のオーウェル風記者会見






The Nation > POLITICS  MEDIA  DONALD TRUMP

トランプ大統領在職3日目
ホワイトハウスから飛び出す見え透いた嘘

トランプの側近が嘘で固めているので、ホワイトハウス報道官、ショーン・スパイサーは彼の立場で「真っ赤」な嘘を吐いている。

ジョン・ニコルス John Nichols @NicholsUprising
2017123

ホワイトハウス報道官、ショーン・スパイサーは、2017121日、ワシントンDCの記者会見で話し、怒りの評言を連発している。 (Rex Features via AP Images)

凡例:(原注)、[訳注]。当ブログでは、”the United States”を字義通りに「合州国」と訳す。

将来においてジョージ・オーウェルの『1984年』が研究されるさい、ドナルド・トランプ大統領の初フルタイム執務日の終わりにおこなわれた、ホワイトハウス報道官、ショーン・スパイサーの異例な説明が間違いなく言及されるだろう。

トランプはその前日、信任なしの――というのも、一般投票の54パーセントが支持しなかった候補にすぎず、筆頭対立候補に300万票に迫る差で負けていた――最高司令官として、宣誓をしていた。僭称大統領は、パッとしない群衆に向けて16分間の盛りあがりに欠ける就任演説をし、有権者の96パーセントが彼を拒否し、彼の就任に向けた熱狂のほどの証拠が「穏当」という用語に新しい意味を与えた首都の街路をパレードした。

翌日の朝、同じ首都の街路は、とりわけ女性、そして人道一般に向けた新政権の政策に異を唱えに来たアメリカ人の群衆――控えめに見積もって50万人あまり――で埋め尽くされた。彼らアメリカ人は、この大統領に対する異議の全米的な(そして世界的な)噴出の一環として、行進し、集会を開き、英紙ガーディアンが「ワシントンの女性マーチがトランプのフルタイム執務初日に影を落とす」というヘッドラインで報道するほど劇的に盛り上がった。

これは、反対派が「少数派大統領」となじる人物の新任報道官にとって悪夢のシナリオだった。スパイサーが練達の広報担当であれば、幾通りもの方向から状況を取り上げることもできただろう。あるいは、パーティで疲れ切ったトランプのスタッフが談話になにか付け加えるなどとだれも期待していなかった土曜日の夜、スパイシーは単純になにも言わなくてもよかった。

しかし、トランプとその補佐人らは彼の大統領職務の正統性が問われていることをじゅうぶん認識している。彼らはまた、彼の支持者らが2016年選挙戦における自分たちの選択の見識を疑いだしていることを腹の底から恐れている。(トランプは大統領選挙当日に46パーセントの得票率だったものの、リアルクリア・ポリティクスthe RealClear Politics:政治情報サイト]平均値は就任式の前日の彼の支持率をほんの41.8パーセントとしている――そして、一部の調査は支持率を32パーセントとしている)

そこでスパイサーは――誤用されることの多い"Orwellian"[オーウェル風]ということばの使用を利するような罵倒を振りまいて――しゃべった。

トランプの部下は、「昨日、わが国と世界が権力の平和な移行を目撃し、大統領が権力の交替と均衡はワシントンから合州国市民に移ったと語ったとき、メディア人士の一部は意図的な虚偽報道にふけっておりました」と宣った

つまり、新政権が注意深く組み立てた談話に疑問をはさむようなニュース報道を信じるなというわけ。

スパイサーはくどくどと、「就任式の写真類は、ある特定のツィートでは、ナショナル・モール[連邦議会議事堂とリンカーン記念館の間の国立公園]に詰めかけた膨大な支持者の群衆を極小化して見える具合にわざと構成されていました。モールの草を保護するために敷物が使われたのは、わが国の歴史で初めてのことです。その効果として、人びとの立っていない区域が目立つ結果になりましたが、過去の場合、草がこれを見えなくしていたのです。フェンスと磁気計数機もまた初めてモールのはるか後方に設置されておりましたので、数十万の人びとが過去の就任式ほど素早く近づくのを邪魔していました」と言い張った。

つまり、自分の目で見ているものを信じるな。

スパイシーは続けてこう語った――「群衆の規模について正しくない数字もまた、ツィートされました。国立公園局がナショナル・モールを管理しているのですが、同局はなんら数値を公表していませんので、数値を把握している人はいませんでした。ところで、このことは、今日の抗議行動参加者を数えようとする、いかなる試みにも同じようにいえることです」。

つまり、「公的」情報源、つまりトランプのホワイトハウスの類いが与えたものではない、いかなる数値も受け入れるな。

スパイサーは次いで、トランプ就任式の間違った印象をかもすために意図的に選ばれた数値を伝え、「これは、かつて就任式を目の当たりにした最大規模の群衆でした……」と断言した。スパイシーは言いたいことで収めるために、問答無用の決め台詞を付け加えた――「以上!」。

ポリティファクトPolitiFact:政治情報サイト]は間髪をいれず、発言とデータを点検し、その報告に「ドナルド・トランプはこれまでで最大規模の就任式参列群衆を得たのか?計数値は違う」という見出しをつけた。この無党派の事実検証サイトは、新しいホワイトハウス報道官が口にした複数の虚偽事項を検証したあと、その報告を「われわれはスパイシーの主張をパンツに火評価する」という最終行で締めくくった。けだし、真っ赤なと同類である。

さらに格上のトランプ官僚、ケリーアン・コンウェイ大統領補佐官はその翌日の朝、NBC報道番組『ミート・ザ・プレス』の司会者、チャック・トッドに、「大統領がホワイトハウス報道官に、演壇の前に初めて登場して、嘘を言い立てるように頼んだのはなぜですか」と質問された

「あなたは、それは嘘だとおっしゃっています…そして、ショーン・スパイサー、わたしどもの報道官はそれに代替できる事実を申しました」と、コンウェイは応えた。トッドは、「代替できる事実は、事実ではありません。その類いは虚偽です」といって、真実で対抗した。

「代替できる事実」を売り歩く、ドナルド・トランプの代理人たちは、ただの熱心派党員ではない。ジョージ・オーウェルは、独裁主義者たちが「現実操作reality control」を熱望するディストピア[暗黒郷『1984』]の未来を想像した。お役人たちに求められているものは、「注意深く組み立てられた嘘を告げながら、完璧な真実性を意識している」能力なのだった。トランプと彼の政権スタッフは、オーウェルが警告した権威主義者なのだ。

【クレジット】

The Nation, “3 Days Into Trump’s Presidency, Blatant Lies Are Coming Out of the White House,” by John Nichols, posted on January 22, 2017 at;

【メディア報道】

毎日新聞


【ワシントン西田進一郎】スパイサー米大統領報道官は23日、トランプ政権発足後、初めてとなる定例記者会見を開いた。政権と主要報道機関は、20日の大統領就任式の参加者の数などを巡って対立が収まらない。スパイサー氏はAP通信など主要媒体から質問させる「慣例」に従わず、インターネット電話を使ってホワイトハウス外の記者も参加させる制度の導入も発表した。トランプ政権はメディアとの関係も大きく変えようとしている。
ニュースサイトでつづきを読む: 
http://mainichi.jp/articles/20170125/ddm/002/030/092000c#csidx3cf43a787d450b7ae1fd81649c33e41 
Copyright 毎日新聞


【関連記事】

トランプ大統領【布告】シリーズ:
【付録】



小説「1984」がアマゾン1位に、「もう一つの事実」で売り上げ急増

【1月26日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)新大統領をめぐって虚実入り乱れた論争が繰り広げられている米国で、英作家ジョージ・オーウェル(George Orwell)の小説「1984年(1984)」がベストセラーに浮上し、米通販最大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の25日の売り上げランキングで1位となった。