2013年3月25日月曜日

【資料】福島県鮫川村からの報告


 2013年3月24日、福島市「チェンバおおまち」で開催された「原発いらない地球(いのち)のつどい」で、鮫川村焼却炉問題連絡会のメンバーが報告が焼却試験について臨場感あふれる報告をなさいました。この問題は、単に人口3800の小さな村にとどまらず、原発事故被災地全体に影響がおよぶものであり、全国的にも注目を集めています。当日配布された連絡会作成の資料を、ここに再録して、全国のみなさんの参考に供します。(yuima21c)
【資料1】
 2013218
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課長 山本昌宏 様
鮫川村村長 大樂勝弘 様
抗議声明
去る212日(月)鮫川村青生野地区住民が、焼却炉建設への同意取り消しを求める要望書を村長に提出しました。これを受け、村長は同意を得るよう努力し、得られるまで稼働しないと言明しました。
そして早速、223日(土)に青生野地区で環境省より説明の場を設けると聞きましたが、驚くことに対象が青生野地区住民のみであり、報道機関を受け入れないということです。
7億3千万円もの国費を投じながら秘密裏に進めてきたことに、地域住民はもとより全国的な批判を集めていることは周知の通りですが、まだ懲りずにこのような密室での手続きを改めようとしない姿勢に強い憤りを覚えます。民主主義を全く無視する横暴で卑劣なやり方であり国民の理解は到底得られません。
環境省及び鮫川村長は鮫川村、北茨城市、およびいわき市での説明会の場において「説明が遅れた」ことを謝罪し、また北茨城市長から「これだけ地域住民が反対しても工事を行うのか」との質問にも回答していません。あの謝罪は一体何だったのでしょうか。そして回答もしないうちから青生野地区住民のみを対象とした説明会を企画するとは、あまりにも近隣自治体や住民を愚弄していると言わざるを得ません
上記の通り青生野地区の住民の大半は反対を表明しました。そして隣接市、町住民も大反対しています。まずはこれらの声に答えて下さい。
高濃度放射性廃棄物という超危険物を大量に扱う施設を建設するのであれば、少なくとも自治体を超えた地域住民の合意を得るのが筋であり、巨額の国費を使う公共事業であるなら、広く国民のコンセンサスを得るのは当然です。
私達はこれまでの不当で不公正な進め方、及び危険な本焼却炉に強く抗議し、密室での手続きを改めること、および本焼却炉を白紙撤回するよう改めて強く要求します
鮫川村焼却炉問題連絡会
【資料2】




東京電力は13日までに福島県鮫川村に対し、福島第一原発事故の損害賠償として約3800万円を支払った。同社が自治体に対し賠償金を支払うのは初めて。
原発事故以降、県内では牧草から基準値を上回る放射性物質が検出されたため、同村は3月から米国産の干し草を購入し、村内約140戸の畜産農家に配布している。今回は4月から6月までに購入した干し草約750トンの購入費などについて同社と交渉を続けていた。8月29日に村役場で行われた交渉で同社が全額負担することで合意し、5日に村に入金された。
2012/09/14 11:18 カテゴリー:福島第一原発事故
【資料3】

(別添4)
Ⅰ 仕様書(骨子)
1.業務の目的
平成23311日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質により汚染された農林業系副産物(稲わら、牛ふん堆肥、牧草、バーク、きのこ原木、果樹剪定枝等)が大量に保管されている。これらは長期保管による性状の悪化や臭気問題も懸念されており、早急に処理を行わなければならない状況にある。
その対応策として、焼却処理によって減容化、安定化させることが有効な手段であるが、8,000Bq/kg超の農林業系副産物を焼却した事例が少なく、焼却処理における放射性物質の挙動等に関する知見の蓄積を図るとともに、焼却処理の安全性等を確認していく必要がある。
本業務は、上記の状況を踏まえ、8,000Bq/kg超の農林業系副産物(以下、「焼却対象物」という。)の減容化と安定化を図るため、仮設の小型焼却炉(付帯施設その他本業務の実施に必要な施設を含む。以下、「仮設焼却システム」という。)を設置し、焼却による減容化に関する実証実験を行うものである。
2.業務の内容
(1)仮設焼却システムの基本計画
仮設焼却システムの概要(別紙)を踏まえ、安全性、効率性及び経済性を考慮した仮設焼却システムの基本計画を策定する。計画の策定に当たっては、放射性物質の取り扱いに対する安全性、仮設焼却システム周辺への飛散防止等の措置を講じた構造・仕様を検討する。
(2)仮設焼却システムの設計
基本計画で策定した内容をもとに、焼却対象物の収集・運搬に応じた焼却対象物の仮置き場、前処理設備、焼却方式、焼却炉の構造、排ガス処理設備、管理型処分場での処分を前提とする焼却灰処理設備、焼却灰貯留設備等を検討し、施設仕様を決定する。
また、作業全体の流れを踏まえ、作業の安全性、効率性及び経済性のほか、放射性物質の飛散防止、作業員の被爆低減及び周辺環境への影響を考慮した機器仕様を決定し、仮設焼却システムを設計する。なお、本業務実施場所入口の公道から焼却施設(煙突含む)が見えないように設計すること
(3)仮設焼却システムの施工
設計成果に基づき、各種法令を遵守して、仮設焼却システムを設置する。
設置場所の造成を行う場合は、必要に応じ、地元自治体及び環境省と協議するものとする。
また、送電施設、用水施設、公道入口から施設までの搬入路等のインフラを必要な範
囲で整備する。
(4)仮設焼却システムの運転・管理
a)       作業の安全性、効率性及び経済性を考慮した上で、仮設焼却システムに係る運転管理計画書を放射性物質汚染対処特措法、電離放射線障害防止規則等の各種法令に基づいて作成する。また、実証試験計画書を作成し、焼却対象物を用いた実証試験を実施する。
b)       実証試験計画書の作成に当たっては、排ガス濃度、焼却灰等の性状及び放射性セシウム濃度、運転管理データ等を計測し、安全に運転されていることを確認するとともに、焼却対象物を組合せ、焼却灰等の放射性セシウムが高濃度とならず(管理型最終処分場での処分を想定)、安全で安定的な処理が行える条件の調査について計画するものとする。
c)       焼却対象物のうち、収集・運搬の対象となるのは、稲わら、牛ふん堆肥、牧草とし、地元自治体の保管場所から仮設焼却システムへ収集・運搬を行うこととする。なお、収集・運搬は、放射性物質汚染対処特措法等関連法令及び廃棄物関係ガイドラインに基づき適切に行うものとする。
(5)焼却灰の管理
焼却灰は、仮設焼却システム設置場所又はその隣接地に、管理型最終処分場での処分を想定し、放射性物質汚染対処特措法令及び廃棄物関係ガイドラインに基づき必要な処理をし保管する。
(6)打合せ協議
各年度に、環境省担当官と事業着手時、業務完了前及び事業実施期間中の必要な時期に行うものとし、打合せ後速やかに、請負者は打合せ記録を環境省担当官に提出する。
(7)報告書等の提出
a)       実証試験の調査結果について、随時報告する。
b)       各年度事業における成果を整理し、報告書としてとりまとめる。
なお、平成24年度業務対象は、上記(1)から(7)とする。
また、平成25年度及び26年度対象業務は、上記(4)から(7)の業務とする予定
である。
3.業務履行期間
契約締結の日から平成25年3月31日までとする。


【資料4】
(別紙)
1.設置場所
福島県東白川郡鮫川村大字青生野字江堀320
2.敷地面積
1,600
㎡(40m×40m)程度
3.焼却炉能力
処理能力:200kg/時間未満かつ火格子面積が2㎡未満
4.運転条件
稼働時間:原則として平日 8:00から17:00(焼却処理時間 7.5時間/日程度)焼却期間:平成269月までに終了するとして計画のこと。
その他 :排ガス中の放射性セシウム濃度は、鮫川村との協議により、放射能濃度等測定方法ガイドライン(平成2312月)に定める分析条件の検出下限値(2Bq/m3)以下とする。
 また、本業務実施場所入口の公道から焼却施設(煙突含む)が見えないように設計すること。


5.焼却処理対象物
表1 焼却対象物別の処理量 単位(トン)
副産物の種類
汚染濃度
合計
備考
8,000Bq/kg
8,000Bq/kg以下
稲わら
20
0
20
4,500Bq/kg
牛ふん堆肥
0
8
8
水分70~80%
9,900
11,000Bq/kg
牧草
200
0
200
水分50%程度
2,380
3,700Bq/kg
堆肥原料落葉
10
20
30
網袋にて保管
1,000
30,000Bq/kg
庭木・立木
342
0
342
1m×1~20cm(径)
合計
572
28
600

注 1)村内にある焼却対象物を焼却することとし、数量は見込みである。
2)牧草は1個あたり300500kg程度のロールにこん包、フィルムでラップして保管中。
3)収集のための運搬距離は平均10km。なお、堆肥原料落葉は、業務開始後にまとめて搬入されるほか、庭木・立木は、実施期間中発生の都度搬入される。
6.実証試験計画書
実証試験計画書の作成に当たっては、以下の調査事項を必須とする。なお、管理型処分場での処理を前提とし、焼却灰の放射性セシウム濃度が高濃度にならないようにすること。
【調査事項】
焼却対象物のうち、焼却灰等の放射性セシウム濃度が高濃度にならないと考えられるものについて単独で焼却し以下の調査を行う。
(1)燃焼等についての基礎的データ
・焼却対象物、焼却灰、ばいじんについて、下表の○のデータを収集する。

重量
水分
灰分
発熱量
熱しゃく減量
含有量及び溶出量
焼却対象物


焼却灰



ばいじん




(含有量及び溶出量は、重金属、ダイオキシン、放射性セシウムについて調査する。)
・排ガス中の、NOxSOx、HCl、ダイオキシン、ばいじん、放射性セシウムの濃度(ダイオキシン、ばいじん、放射性セシウムは集じん装置出入口で計測)
※燃焼温度、排ガス中のばいじん濃度は連続して測定・監視を行う。
(2)セシウムの挙動等に関する基礎データ
・元素組成分析(焼却対象物、焼却灰、ばいじん)
C
HONSCAlCaFeKMgNaPSiZnCs(安定)


【資料5】

5.除染方法(3)可燃物の焼却試験・・【飯舘村】
○焼却試験対象物: 枝葉・刈草・落葉
○焼却炉: 固定床式、焼却能力;毎時29kg、焼却温度800℃以上
○排気ガス処理: バグフィルター及び消石灰・活性炭投入、HEPAフィルター
試験結果: 重量減容率:85~98%、体積減容率:96%以上
焼却前試料の放射能濃度: 約24,000~ 91,000Bq/kg
焼却後の灰の放射能濃度:約500,000~2,000,000Bq/kg
排気ガス中の放射能濃度:
バグフィルター通過後:最大で1.31Bq/m3※
HEPAフィルター通過後:全6回の試験とも不検出
※)原子炉周辺監視区域外の空気中濃度限度:50Bq/m

 
大成・間組・日本国土・三菱マテリアル・アトックス・関場共同企業体

【資料6】

【資料7】

鮫川村に建設中の高濃度放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。
2013322

報道関係者様 各位
3回目青生野地区限定説明会開催について
本日322日鮫川村地域整備課長より青生野地区で3回目の住民説明会が開催されることを確認致しました。
日時は327日(水)1830より、場所は前回と同じ集落センターになります。今回も村は青生野地区住民のみを対象とし、報道関係者の方々も一切入れないという姿勢を貫いています。
当会には青生野に職場を有し事業者として村に納税する者もおりますが、非住民であるとして参加を認められていません。これらの不当性について、当会は改めて近日中に抗議声明を出す予定です。
報道関係者の皆様は前回の説明会会場において、報道の自由の侵害であり由々しき事態である、村は都合の良い情報しか出さないと鮫川村の不当性を訴えておられましたが、全くその通りだと思います。もとよりこの事案は、環境省が主体となっている事業なのです。税金を使って国が行なう事業に報道の制限を課すことは到底許されません。したがって、この報道規制については、環境省を説得するほうが容易なのではないかと考えますが如何でしょうか。
大樂村長が民主主義のルールをことごとく破ってきたことは、周知のとおりです。恐らく同じような政治が全国各地でもまかり通っていることが想像されます。地方自治が掛け声だけで終わっているのはこのような構造的な問題が大きいのではないでしょうか。大樂村長に見られる村長権限の乱用などを端緒にして、地方自治の闇に切り込むような取材もぜひ進めて下さるようお願い致します。
本焼却実証実験事業については、上記の非民主的なプロセスを始め、焼却炉の危険性、経済的非合理性、近隣市町住民を無視し、青生野地区住民のみの了解を以って意思決定しようとしている同意形成プロセス無視の行政手法など、挙げればきりがない程に問題が山積しています。
そしてそのしわ寄せは、事業も始まっていないというのに、地域住民の分断、避難を余儀なくされる人々など、深刻な問題をすでに生み出しているのです。焼却炉から拡散される放射性汚染物質による二次被害とは別の、福島原発事故由来の二次被害はすでに始まっています。これらについてもぜひ皆様のお力で世の中に伝えて下さるようお願い致します。
 
鮫川村焼却炉問題連絡会


お知らせ1
農林業系副産物の焼却施設計画について
昨年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故により、放射性物質が広範囲に拡散したため、深刻な影響が広がっています。本村においても、放射性物質により汚染された家畜飼料、落ち葉などの農林業系副産物の処理が大きな問題となっています。
現在、村内にある放射性物質で汚染された農林業系副産物は、農家の敷地内に一時保管されている稲わら、堆肥など30㌧、現地に仮置きされている牧草サイレージ、落葉など230㌧、これから行う住宅除染で発生する草木類など340㌧、合計で600㌧を見込んでいます。それらを国が整備する中間貯蔵施設等へ搬入するまでの間、放置しておくことはできず、少ない面積で仮置きするためには減容化を図る必要があります。
このため村では、環境省が行う焼却実証事業を導入することにしました。農林業の一刻も早い復興と、より安心して暮らせる生活環境を取り戻すために、皆様のご理解とご協力をお願いします。
n         設置場所 地元の意向を考慮して、地区名は公表していませんのでご理解をお願いします。
n         焼却期間 平成25年2月~平成26年9月までの20カ月間の予定
n         焼却炉稼働時間 原則として、平日の午前8時~午後5時
n         焼却炉構造 焼却能力は1時間当たり200㎏です。放射性物質が外部に放出しないための高度の機能を持つバグフィルターを設置します。このフィルターの性能は、すでにほかの地域で実施された焼却炉の実証実験で 99.9%以上の放射性物質が除去されたことが確認されています。
n         監視体制 ①排ガス出口(煙突の手前)でダストモニターによる連続監視で排ガス処理が適正に行われていることを監視します。村が独自に設定した基準値は、検出下限値以下とします。基準値を超える可能性がある場合は、焼却作業を中止して点検と確認を行います。/②焼却施設周辺の空間線量率を定期的に測定します。/③村内にあるモニタリングポストの数値を監視し、焼却前の数値と比較します。
 放射能濃度および空間線量率の測定結果は随時公表します。
n         焼却灰管理 焼却により減容化した焼却灰は、セメントと混合、固化物にして防水性のフレコンパックに詰め遮水シートで覆い、遮へい効果(98%減)があるとされる 30cm 以上の覆土をして、焼却施設敷地内に保管します。保管期間は中間貯蔵施設等へ搬入するまでの5年程度を想定しています。
※参考事例…バグフィルターの性能・放射能濃度基準値は、独立行政法人「日本原子力研究開発機構」が除染モデル実証事業で実施した相双地方の2町村の焼却試験結果です。

【リンク】

『STOP!核の焼却処分場』 鮫川村焼却炉問題連絡会リーフレット


【署名】 

      

環境大臣 石原伸晃 殿
鮫川村仮設焼却炉建設の白紙撤回を求める署名
国・環境省は、福島県鮫川村に高濃度に汚染された稲わら等の焼却処分場を建設しています。焼却物にはキロ当たり8,000ベクレルを超える指定廃棄物が含まれ、二次汚染の発生が懸念されます。環境省の資料では、排ガスはバグフィルターを通し放射性物質をほぼ100%除去できるとしていますが、根拠薄弱で信用できません。
環境大臣 石原伸晃様鮫川村長 大樂勝弘様
  国が市町村で進めようとしている8,000ベクレル/kg超の放射性廃棄物を燃やす焼却炉建設に反対します。今回の鮫川村でのモデル実験をもとに今後福島県各市町村で焼却事業が進められます。福島県が新たな二次汚染地帯となり、健康被害や農作物への影響、風評を招くことにつながります。

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