2011年9月21日
東京電力株式会社
取締役会長 勝俣 恒久 殿
取締役社長 西澤 俊夫 殿
〒963-0201 福島県郡山市大槻町
井上利男 ふくしま集団疎開裁判の会 代表
前略
下記の書類は、去る9月19日、「さよなら原発 6万人集会」当日に貴本社ビルに向かって、街路を挟んだ向かいの歩道脇で読みあげたものです。同書類を直接、貴社に手渡したかったのですが、はるばる福島県から貴社を訪問した貴社福島第一原子力発電所事故の被災者一向に面会しようとする貴社の社員もいなくて、また事故の直接被害者一行から加害企業である貴社のビルを守る警視庁警官隊に阻まれて、それはかないませんでした。よって、ここに同封して送付いたします。
付きましては、下記書類に明記された要求2項目について、2011年10月7日必着にて、当方宛てにご回答くださるようにお願いいたします。
草々
記
2011年9月19日付け抗議・要求書............... 1通
以上
2011年9月19日
東京電力株式会社
取締役会長 勝俣 恒久 殿
取締役社長 西澤 俊夫 殿
〒963-0201 福島県郡山市大槻町
井上利男(署名・捺印)
ふくしま集団疎開裁判の会 代表
抗 議 ・ 要 求 書
本年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所は複数の原子炉において全電源喪失、水蒸気爆発、核燃料メルトダウンという未曾有の大事故が発生しました。貴社はこれを「天災」「想定外の事態」と強弁しましたが、かねてから貴社の津波想定を超える貞観地震の史実が指摘され、社内にも津波による全電源喪失の恐れの指摘があったなど、次々と明らかになった事実により、この事故は貴社のいう「想定外の事態」ではなく、安全性よりも経済性を重視する貴社の傲慢な姿勢および怠慢が招いた人災であったというほかありません。
その結果、貴社は膨大な量の放射能を環境中に放出し、海洋・大気・大地を放射能汚染しました。そして原発周辺の多くの人びとに避難を余儀なくさせ、福島県浜通りおよび中通り地方を中心に、東北南部および関東北部の広大な地域の住民に放射線被曝を強い、健康障害に対する多大な心配と不安を抱かせています。
しかるに貴社は、被害住民に対して、もっぱら「国が設置した原子力損害賠償紛争審査会が策定する補償に関する指針を踏まえて適正に対処してまいります」と応えるのみで、貴社みずから真摯に対応し、率先して除染を行い、被曝住民の健康被害を防止し、被害に対して、ただちに適切な補償を約束するといった加害者として当然の義務を果たそうとする姿勢がまったく見受けられません。
わたしたち「ふくしま集団疎開裁判の会」は、これまでの貴社の行為に対し厳重に抗議するとともに、以下のように要求します――
記
1 放射能汚染地域の汚染実態を早急に把握し、正常値に復旧するためにあらゆる処置を講ずること。
2 被曝地住民、とりわけ子どもたちの健康障害を防止するために、妊婦・幼児のいる家族の避難、教育施設・児童福祉施設などの集団疎開の促進など、あらゆる処置を講ずること。
以上
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