2012年1月26日木曜日

放射能汚染地帯で暮らす福島県民の苦悩






【資料①】――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                           平成231226
郡山市
市長  原 正夫 殿

                           安全・安心アクションIN郡山
                           代 表  NT
                           〒963-◯◯◯◯
                           郡山市◯◯町◯◯◯◯
                            ℡ ◯◯◯◯◯◯◯◯

          『 除染に伴う一時保管場所についての要望書 』

 私たちは、今月15日に、『除染に係る要望書』を提出しています。その上で、森まさ子参議院議員から提出されていました第179国会(臨時会)の質問第六三号「除染に関する質問主意書」に対する政府答弁書で、除染に伴う一時保管場所についての見解が示されています(別紙参照)。
 これらを踏まえまして、郡山市内で除染により生じた汚染土壌や汚泥を一時保管している公園・スポーツ広場についても、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)」に準拠して、境界にさく又は標識を設けるなどの方法によって保管の場所の周囲に人がみだりに立ち入らないようにするなどの措置を速やかに講じていただきたくお願い申し上げます。

【資料②】――――――――――――――――――――――――――――――――――――


                         平成231219

110-0015
東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F 電話:03-3835-2110
ヒューマンライツ・ナウ事務局 御中
安全・安心アクションIN郡山
代 表 ◯◯◯◯
副代表 Ne.T
963-◯◯◯◯
郡山市◯◯町◯◯字◯◯◯◯
℡&Fax

東京電力福島第一原子力発電所事故後の郡山市の現状について(報告・要望)

謹啓 師走の候、貴会におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 先ずは、突然にお手紙を差し上げますご無礼を何卒ご容赦下さい。
 さて、私たちが住んでいる郡山市には、安全な食品や生活環境の下で、夢を抱いて子どもを育てながら生活できる安全・安心の確保が急務です。
 そのため、郡山市に居住する乳幼児や小中高校生の保護者が多数を占める当会は、様々な人々とネットワークを構築し、多様な分野の関係者の協力や支援を得ながら安全・安心の確保のための活動を展開しています。しかし、如何せん、設立間もない会であり、微力でもあり、行政機関への要望・意見・提言等が中々受け入れてもらえないのが現実で、困惑しています。
 そこで、郡山市の行政や議会の説明責任の放棄及び情報の隠蔽により生じている「生存権」や「知る権利」の侵害事案について、貴会にご報告申し上げ、当会の活動をご理解いただき、その上で、ご協力・ご支援賜れれば幸甚に存じます。
◎第1 郡山市で行われている除染について
1 除染についての当会の見解
1)低線量被ばくによる健康被害については、専門家の間でも意見に相違をみており、また、安全な除染の方法については未だ確率されていないと理解しています。そのため、素人である私たちが、安全性が確立されないままで、加えて専門的な指導を受けないままで除染を行うことは、単に二次被ばくを助長するものと考えています。
2)私たちは、決して除染そのものを否定するものではありませんが、子供達や、将来、妊娠・出産を控えている者そして妊娠中の者など、これ以上の被ばくを可及的に避けなければならない人々も居住する環境の中での除染活動は非常に危険性を含んでいると考えています。
3)最近では、専門家の間でも除染の効果について疑問視され、除染の限界についても検証する必要性があるとの報道もみられます。事実、郡山市の市街地では除染により1割程度の低減率しか認めず、郡山市の放射性物質による汚染状況、除染の効果と、その安全性等を総合的に勘案すると、住民による除染には疑問を禁じえません。
2 住民間の摩擦
1)補助金交付事業(郡山市線量低減化活動支援事業)の名の下に、郡山市は地域住民(町内会)を主体とした除染活動を積極的に推奨しています。
2)本来の町内会活動は、住民の自主性に委ねられるべきものであるにも関わらず、一部の町内会では、地域の除染活動への参加を強制しています。そのため、将来、妊娠・出産を控えている者までもが除染活動に参加を強いられ、住民間のトラブルの原因となっています。
3 行政・住民間の摩擦
1)「郡山市除染マニュアル」や広報では、除染に伴って生じた土砂類の一時保管場所は、学区内の公共用地(公園やスポーツ広場)を…地域の合意…の上で選定するとしています。
2)一部の地区では、町内会の役員と、郡山市の間でのみ選定が進められ、地域住民への説明会や住民集会すら開かれず、地域住民には回覧板で告知するのみです。
3)一時保管場所については、「郡山市除染マニュアル」で…人が立ち入ることがないように囲いを設け、放射性物質を含む土砂等を埋設している旨を表示…と定めながら、実際には、非表示、非公開としています。そのため、一時保管場所の周辺住民ですら、認識していない者も多数存在すると思われます。
4)その理由について、郡山市は、風評被害が生じる恐れがある、不法投棄される恐れがある、保管後の空間線量が問題ない値であるとしています。
4 問題点
1)本来、安全性の確立が不十分な除染活動は、行政が主体となって行うべきものであるにも関わらず、町内会に委ねる行為そのものが、行政の職務放棄・不作為と考えています。
2)一時保管場所の選定は、行政が主体となって行うべきものであり、このような郡山市の姿勢は行政としての責任の放棄そのものであり、更に説明責任までも放棄していると考えています。
3)一時保管場所を非表示・非公開とすることについては、合理的な事由も存在しないため、住民固有の知る権利を侵害するものと考えています。
◎第2 郡山市の食の安全に関する取り組みについて
1 食の安全(特に学校給食)についての当会の見解
1)原発事故から9ヶ月を経て、未だ市民は放射能による外部・内部被曝の危険性にさらされ続け、市内の小中学生の多くは、外部被曝のみで既に年間1mSv/hを大きく上回ることが予想されています。
2)同様に、農作物についても、東日本の各地で暫定基準値を上回る例が散見され、県内の新米については、福島市大波地区など4地区で収穫された玄米から暫定基準値を上回る放射線量が検出され、出荷自粛となっています。そのため、福島県では、県が実施した調査でコメから放射性物質がわずかでも検出された地区に再調査が終わるまで出荷見合わせなどを要請することについて検討に入っています。
3)このように、食の安全に対する信頼が不安視されている現状では、学校給食における食材についても同様のことが懸念され、保護者としては不安が払拭されない日々を過ごしています。
4)学校給食の目標を達成するには、学校給食法の目的にかなった運営組織を確立すると共に、関係教職員のみならず、保護者や地域の方々の協力を得ることも重要な要素とされています。
5)学校給食は、児童や生徒に提供されていること、基本的には児童や生徒そしてその保護者に食材選択の機会が与えられていないことから、行政には、より高いレベルでの安全性の確認と、児童・生徒そして保護者へのきめ細かな説明が求められると考えています。
2 郡山市における学校給食の現状
1)事故発生以来、学校給食については学校側から文書による連絡は何度かありましたが、対面による説明と質疑応答の場が設けられていません。そこで、対面形式での説明や質疑応答の機会を定期的に設けてもらうことを目的として本年12月定例市議会に請願書を提出しました。
2)当該請願について、文教福祉常任委員会において、賛成3名、反対6名で否決されました。主たる反対の理由は、定期的に開催することについて行政の負担が増える、不安を煽る、そして日常の中で対応すべきとのことでした。
3)更に、全体会でも、これまで学校給食については保護者に連絡しているとの理由で、反対多数で不採択となりました。
4)郡山市では、以前より地産地消の名の下に地元産米「あさか舞」を学校給食で使用され、平成23年度産新米についても、先月中旬頃から学校給食での使用を開始しています。しかし、上記1の2)で既述しましたように、郡山市で収穫された新米についても県は再調査をすることとし、それまでの間の出荷見合わせについて検討している段階にも関わらず、郡山市では学校給食に提供されています。
3 問題点
1)郡山市に住みながら子育てをする者にとっては、食の安全・安心の確保は極めて重要な問題と捉えています。そのため、学校給食で提供されている食材の安全・安心の担保についても大きな関心事の一つです。
2)このような見地から、学校給食について、保護者へのより詳細な説明や質疑応答の場を設けていただきたく、標記請願書を提出しました。私たちは、単純に一保護者として、実際に子ども達に提供されている学校給食の食材等について、市の担当者よりお互いに顔が見える状態で、詳細な説明を受け、その上で疑問点などについてお伺いしたいと考えていました。そのことにより、相互の理解が深まり、私たちの食に対する不安は払拭されるものと考えていました。
3)しかし、郡山市議会は、行政の負担増、適宜、保護者には連絡している等を事由に不採択とし、本来は市民に寄り添うべき市議会が行政に寄り添うという、すなわち、あってはならない事態と考えています。
4)また、安全性が十分に担保されていない状況下での地元産の新米(あさか舞)を漫然と学校給食で使用続ける姿勢そのものにも疑問と不安を禁じえません。
◎第3 私たちが考える人権侵害について
1 行政の説明責任
1)安全性が確立されていない除染活動を、行政が主体となって実施せず、住民に求め、更に、除染に伴って生じた土砂類の一時保管場所の選定についても住民に委ねるなど、正に行政がその責任を放棄しています。
2)除染に伴って生じた土砂類の一時保管場所を選定するに当り、市側は一部の町内会長とのみ話合い、周辺地域の住民への説明すら放棄しています。
3)学校給食で提供されている食材(コメ)についても、積極的に行政としての説明責任を果たそうとしていません。
2 行政の透明化
1)一時保管場所について、非表示・非公開とするなど、「郡山市除染マニュアル」を遵守しないばかりでなく、私たちの知る権利を侵害しています。
2)学校給食で提供されている食材についても、体面での説明、質疑応答の場を設けようとせず、連絡による方法のみで、学校給食法や、学校給食衛生管理基準からみても不適切そのものです。
⇔(引用開始)
1)3(調理の過程等における衛生管理に係る衛生管理基準)の1の(1)の四で…献立作成委員会を設ける等により、栄養教諭等、保護者その他の関係者の意見を尊重ること。…と定められています。
2)4(衛生管理体制に係る衛生管理基準)の1の(1)の四で…校長等は、学校保健委員会等を活用するなどにより、栄養教諭等、保健主事、養護教諭等の教職員、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、保健所長等の専門家及び保護者が連携した学校給食の衛生管理を徹底するための体制を整備し、その適切な運用を図ること。…と定めています。
⇔(引用終了)
3 このような行政の説明責任の放棄、行政の不透明化は、現在の福島県に住む者にとっては、基本的な人権でもある生存権や知る権利そのものが侵害されている深刻な事態と考えています。
*この件に関する担当者
安全・安心・アクションin郡山
顧 問  武本 泰 
連絡先  080-1809-3169

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