国家権力による弾圧に対しては、 犠牲者の思想的信条、 政治的見解の如何を問わず、 これを救援する。
郡山通信
フクシマ ☢ 惨事
復興相の暴言と在庫一掃人事
四月一日前後、帰宅困難区域を除いて避難指示が一斉に解除されたのを受けて、四月四日、閣議後に開かれた復興庁の記者会見で、当時の大臣、今村雅弘氏は「(自主避難は)本人の責任でしょ」などと暴論を吐き、政府の責任をあくまでも追求するフリージャーナリストに「出て行きなさい。二度と来ないでください」「うるさい」などと怒鳴った。
今村氏の暴言は一過性のものとはとても言えない。たとえば、避難指示解除を目前に控えた三月一二日のNHK日曜討論で、今村氏は「ふるさとを捨てるというのは簡単だ。戻って頑張っていくんだという気持ちを持ってもらいたい」と発言し、帰るに帰れない避難者たちの心情を踏みにじっていた。
そして、四月二五日の自民党二階派のパーティ。今村氏は「名誉挽回のチャンス」としてお膳立てされた講演で、「いろいろお騒がせしております」と苦笑してみせたうえで、東日本大震災について、被害額が二五兆円と説明し、「これは東北で、まだあっちの方で良かったのであります。首都圏に近ければ…云々」と言い放ってしまったのだ。
この暴言がとどめの一発。神経を逆なでされた範囲が、福島核惨事現地の福島県から大震災・大津波被災地の三県を中心として東北全域に一気に拡大してしまったうえ、反響が熊本大震災現地にまで飛び火してしまった。この無神経な発言が安倍執行部の逆鱗に触れ、その翌日、鈍感居士は事実上の更迭である辞任表明に追いこまれてしまった。
では、後任の復興大臣に指名された吉野正芳氏とは、どのような人物だろうか。
いわき市を中心とする福島五区選出の衆議院議員。とはいっても、福島県在住の筆者にとって、寡聞にして初耳の人物であり、ネット検索にかけても政治家としてめぼしい実績が見当たらないようだ。いわき市民は「ここらじゃ有名な大きな木材店のお坊ちゃま…三・一一の時も吉野さんが率先して、被災地のために動いてくれた記憶がありません」という。歴代の復興大臣は初入閣組であり、「在庫一掃セール」の陰口も聞こえる。立正大名誉教授の金子勝氏は、「…のっぺらぼうでも務まるだろうと、官邸が復興相ポストを軽視している裏返しです」と酷評する
福島県出身の政治家として期待する向きも多いようだが、安倍復活政権で最初の復興大臣も、郡山市を中心とする福島三区選出の根本匠氏だった。筆者は、根本氏が朝日新聞福島版の就任時インタビューで「末は総理大臣」とばかりに鼻高々と語っていたのが妙に忘れられない。根本復興大臣の抜群に目を引く功績は「原発事故子ども・被災者支援法」の骨抜きであり、水野靖久参事官による暴言ツイッター騒ぎは、彼の在任中のいまだ記憶に新しいできごとだ。
吉野正芳・新復興大臣はまた、ウィキペディアによれば、「神道政治連盟国会議員懇談会」「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーであり、二〇〇一年時点で選択的夫婦別姓制度導入に賛同していたが、二〇一四年の調査では、「どちらともいえない」としている。
吉野氏はまた、自民党「原子力規制に関するプロジェクトチーム(PT)」の座長も務めていた。昨年一〇月には、PTが原子力事業者に対するヒアリングをおこない、噂のパンツ大臣、高木毅元復興相がその席で、再稼働のための審査に時間がかかりすぎていると指摘していた。
吉野復興大臣は就任の翌日、福島、宮城、岩手三県を歴訪し、「被災地に寄り添う」と触れ回ったが、このフレーズは歴代復興大臣の定番リップサービスだろう。吉野氏自身は、二〇一一年五月時点の衆議院予算委員会で、福島第一原子力発電所事故の第一義的責任を、東京電力ではなく国が負うべきと主張している。彼は福島民報のインタビューで、「福島第二原発の存廃は事業者が判断するというのが政府の統一見解だ」とも明言しているので、「原発事業者に寄り添う」というのが本音ではないのだろうか?
ともあれ、暴言大臣は石もて追われた。だが、核惨事被災者が心安らかに生活できる日は遠い。そして原発いらない金曜日!グループのわたしたちが、駅前ひろばに立つ日々もまだまだ終わらない。
【参照記事】
投稿者:
ourplanet 投稿日時: 火, 03/14/2017 - 03:37
復興庁の今村雅弘大臣は14日、原発事故の自主避難者に対し、「故郷を捨てるのは簡単」だと発言したことについて説明し、「ふるさとを取り戻すために頑張って欲しい」という意味だったと、改めて福島県へ帰還するよう求めた。また自主避難者の個別の対応については福島県が行っており、心配はないと強調した。
日刊ゲンダイ 2017年4月27日
東日本大震災について「まだ東北でよかった」と暴言を吐き、更迭された今村雅弘前復興相。26日、後任に吉野正芳元環境副大臣(68)が起用されたが、永田町にはシラケた空気が漂っている。ロコツな「滞貨一掃人事」とみられているためだ。
REUTERS ロイター
Business | 2016年10月25日 14:54 JST
[東京 25日 ロイター] - 自民党の原子力規制に関するPT(吉野正芳座長)は25日、原発事業者からのヒアリングを行った。関西電力 (9503.T)の豊松秀己副社長が、東日本大震災以降、長期間にわたる原発停止で専門技術を持つ人材が流失している、などの問題点を指摘した。
今村雅弘復興大臣が4月4日の記者会見でフリージャーナリストに避難者の苦境に対する国の責任について質問され、「(自主避難は)本人の責任」、「裁判でもなんでもやればいい」などと言い放ち、あげくの果てに記者に対して「出て行け」などと怒鳴ったのを、暴言として主流メディアも報道した。だが、これを単に大臣の浅はかな資質による一過性の暴言で済まされるだろうか?☢放射能は、物理的に「見えない」だけではない。— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2017年5月15日
政治・社会的に「見させない」。心理的に「見たくない」。
☢被曝地戒厳令は、軍事・警察力の形では「見えない」。
メディアの力で「見させない」。わざわざ「見たくない」。
だから、意識・意志的に「見なければならない」。
【追補】5月17日更新
#フクシマ☢惨事「風評被害」払拭政策…— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2017年5月16日
オリンピック・パラリンピックの政治利用を堂々と公言❗
吉野・復興大臣「東京五輪で福島農作物活用を」
丸川・五輪大臣「風評被害払拭のために、五輪はぜひとも利用をしたい」#NHK/福島 https://t.co/uEwPfzkji8 pic.twitter.com/5P94OTKmpN
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