2018年6月13日水曜日

アジア太平洋ジャーナル【評論】トランプの「核の傘」に頼り、沖縄☢兵器再配備を容認する安倍政権

 アジア太平洋ジャーナル/ジャパン・フォーカス
アジア太平洋と世界を形成する諸勢力の分析

2018年5月21日
Volume 16 | Issue 11 | Number 1

日本と沖縄における米国の核態勢の強化を要求する日本政府の核兵器タカ派たち

【記事】グレゴリー・カラキ
【コメント】スティーヴ・ラブソン

グレゴリー・カラキは、憂慮する科学者同盟の中国プロジェクト主幹、上席アナリスト。米中間の異文化交流を中心に中華人民共和国に関して執筆。

スティーヴ・ラブソンは、ブラウン大学東アジア研究名誉教授。著書に、Okinawa:Two Postwar Novellas (Institute of East Asian Studies, University of California, Berkeley, 1989, reprinted 1996), RighteousCause or Tragic Folly: Changing Views of War in Modern Japanese Poetry (Center for Japanese Studies, University of Michigan, 1998), Southern Exposure: Modern Japanese Literature from Okinawa, co-edited with Michael Molasky (University of Hawaii Press, 2000), TheOkinawan Diaspora in Japan: Crossing the Borders Within (University of Hawaii Press, 2012), Islands of Resistance: Japanese Literature from Okinawa, co-edited with Davinder Bhowmik (University of Hawaii Press, 2016)。翻訳書に、Okinawa’s GI Brides:Their Lives in America by Etsuko Takushi Crissey (University of Hawaii Press, 2017)。1967年から68年にかけて、辺野古の第137武器補給部隊所属、米陸軍招集兵として沖縄に駐留しており、アジア太平洋ジャーナル寄稿・編集者。

米日安全保障会談で着席する前に、米国のレックス・ティラーソン国務長官、ジェームス・マティス国防長官と握手する日本の小野寺五典防衛大臣、河野太郎外務大臣。

米国の核態勢を増強するドナルド・トランプの意向は、ますます右翼化する日本政府の熱烈な支持を得た。河野太郎外務大臣はトランプ政権が2月はじめに核態勢の見直し(NPR)を公表してからほどなく、非核兵器の脅威に米国と日本が対抗するために頼ることのできる低出力核兵器の選択肢を強調するなど、米国核兵器政策の新たな方針を「高く評価します」と表明した(米国の「核態勢の見直し」の公表について:外務大臣談話)。

河野がトランプのNPRを支持したことは、日本の軍事力の規模と役割の拡大を許容するように日本の平和憲法を改定するなど、安倍首相の地政学的な野望を抑制できる穏健派として河野を見ていた向きにとって、驚きだった(2月7日付け朝日新聞社説「核戦略と日本/これが被爆国の談話か」)。

米国が核兵器の役割をさらに増して強調することに対して、安倍の自由民主党の保守的指導層の内部で支持することは、目新しいものではない。9年前のこと、自民党に忠実な外務省職員らが米国議会の委員会で証言し、米国の核政策に関してオバマ政権に助言していた。彼らの証言は、トランプのNPRのうち、最も物議をかもす項目の一部――とりわけ、他国による核兵器の使用を戦略的に抑止するためではなく、むしろ核武装国および非核武装国に対して限定的核戦争を遂行するための選択肢とされるので、戦術核兵器と呼ばれている低出力核兵器を重視する項目――の下書きであるかのように読める。

安倍首相は最近、2009年の委員会で証言した役人らのひとり、秋葉剛男〔あきば・たけお〕を日本の外務省で官僚トップの地位にとりたてた。秋葉氏は、それに自民党の核武装論者たちは望んだことを成就するまで長く待たなければならなかったかもしれないが、米国の核兵器の役割に関する彼らの見解は、まさしく米国政府の公式政策になろうとしている。


当時と現在

憂慮する科学者同盟(UCS)は、秋葉氏が2009年2月25日の議会委員会で陳述した発言の記録文書を、質疑に対する応答の――委員会職員による――手書きノートと併せて入手した。その「米国の拡張抑止に関する日本の視点」と標題された陳述書は、次の2点の基本的な要請を表明している――

  • 「核抑止を日米安全保障体制の中核」に据える米国大統領声明
  • 米国の核兵器能力を、(a)弾力性、(b)信頼性、(c)即時対応性、(d)識別性と選択性、(e)隠密性/顕示性を備え、(f)他の諸国が自方の核兵器能力を拡張したり近代化したりするのを思いとどまらせるのに十分なレベルに維持すること

オバマのNPR2010年版は、その発言を提示した日本の当局者たちを疑う余地なく失望させた。オバマは地域安全保障における米国核兵器の役割の縮小を強調した――

「合州国は冷戦が終結したとき、海軍水上艦および汎用潜水艦から核兵器を除去するなど、前方展開核兵器を太平洋地域から撤収させた。合州国はそれ以来、中央戦略部隊、および危機にさいして東アジアに核兵器システムを再配備する能力を頼りとしてきた。

「核兵器は同盟諸国および提携諸国に対する米国の安全保障における基幹要素であることは実証されてはいるが、合州国は地域安全保障構造を強化するために、在来型米軍駐留戦力の前方展開と戦域弾道ミサイル防衛を含め、非核兵器要素に頼る度合いを高めている。合州国の国家安全保障戦略において、核兵器の役割が縮小されるとともに、これら非核兵器要素は抑止負担に果たす役割は大きくなるだろう」

トランプ大統領のNPRは、秋葉氏が2009年の議会委員会で提示した発言で表明された好みにオバマのNPRよりもずっと合致したアジアにおける米国の核選択肢の役割を論じている。トランプのNPRは次のように述べる――

「現時点で核兵器にまつわる米国の選択肢の柔軟性を拡大し、低出力核兵器の選択肢を含めることは、地域的な武力侵攻に対して信頼しうる抑止力を保全するうえで重要である……合州国はNPR2010年版において、とりわけアジアにおいて数十年にわたり抑止と同盟諸国の安全保障に貢献してきた核武装SLCM(海洋発射巡航ミサイル)の撤収を表明した。われわれは直ちにこの能力の回復を図る施策に着手するだろう…」

米国議会委員会における秋葉氏の証言は、オバマ大統領が撤収したSLCMについて、それが「選択肢の柔軟性を備えている(すなわち、低出力、海洋配備〔隠密性〕、スタンド・オフ〔敵側の射程外から発射、つまり残存可能〕であり、徘徊可能)」なので、保持することが好ましいと提言していた。そのSLCMとは、核装備トマホーク対地攻撃ミサイル、TLAM/Nのことである。

このタイプの「柔軟性のある」核兵器の選択肢がトランプのNPRに目立って登場する。日本人の陳述は、核の柔軟性を「危機における敵の脅威の広範な多様性に対処しうる」兵器を保持することと定義していた。敵の脅威には、「深部・強化地下施設、移動可能な標的、サイバー攻撃、対衛星攻撃、対接近/地域拒否能力」が含まれていた。この場合、日本人の陳述で使われていた「対接近/地域拒否能力」とは、中国の従来型軍事能力に言及したものである。

トランプのNPRは、サイバー攻撃のような「新しい形の敵対行動」など、非核攻撃に対処するのに、合州国は核兵器を使用するであろうという明確な宣言で裏打ちしているように、日本の核兵器容認派たちに対して、彼らが2009年に要求した「柔軟性」のすべてを保証している。新NPRは同時に、新たな米国の核兵器によって、宇宙、サイバー能力を含め、中国の従来型軍事能力を無力化する戦略を裏書きしている。トランプ政権が中国の非核兵器軍事能力に対抗するために、核兵器を使用する意図は、同政権の国家防衛戦略にもやはり書き込まれている。

沖縄を再び核の島に?

2009年の日本側発言に関する手書きノートによれば、委員会の共同委員長のひとり、ジェームズ・シュレシンジャー元国防長官が、沖縄に米国の核兵器を再配備することに備えて、日本が国内政策を調整することは可能かと質問した。秋葉氏は、日本は非核三原則を保持しており、その1967年の初発表以来、1971年の国会採決もそうだが、その後も日本政府のさまざまな人士によって再確認され、いまだに国内の強い支持があるとシュレシンジャーに警告して応じた。その三原則は、日本は国内において、核兵器を保有せず、製造せず、持ち込みを許さないと宣言している。

だが、日本の世論に懸念があるものの、日本の島、沖縄に米国の核兵器を再配備する準備をすることは「わたしには、説得力があるように思える」と、秋葉はシュレシンジャーに語った。トランプのNPRがアジアに再配備することのできる新たな戦術核兵器を重視しており、安倍政権がトランプのNPRを明確に支持していることを考慮すると、沖縄の米軍武器弾薬貯蔵施設を格上げし、島内に米国の核兵器を保管することが可能になるようにすることで両者が合意している可能性を検証するだけの価値がある。

秋葉氏のように、アジアにおける米国の核兵器の役割拡大を支持する官僚らにとって、沖縄における米国の核兵器の再配備は道理にかなっていると思えるかもしれない理由がいくつかある。

その第一に、米軍が沖縄に米国の核兵器を再配備することを認める日米間の秘密合意の存在がある。その合意は1969年、沖縄の施政権を日本政府に変換するための法的手続きの一環として、ニクソン米国大統領と佐藤栄作・日本国首相によって署名された。合州国は第二次世界大戦の終結後、沖縄を占領し、広大な米軍基地の一群を築き、それが今日までその島に残っている。いくつかの基地に米国の核兵器が備蓄されていたが、1972年に日本政府の求めに応じて撤去された

その合意は数十年にわたり秘密を保たれており、両国は合意について、いまだに公然と論議することを拒んでいる。その細目の多くは、野党だった日本民主党(DPJ)が2009年から2012年まで短期間ながら政権を握っていたさい、日本の外務省が実施した公的調査によって、ついに公開された(外務省「いわゆる『密約』問題に関する調査結果」)。

秋葉氏なら説得力があると思っているかもしれない、沖縄に米国の核兵器を再配備するもうひとつの理由として、米国と日本の当局者らがニクソン・佐藤合意にもられた文言の両義性を利用することができるし、米国が沖縄を再び核の島にすると決定するなら、関連する二国間協議に関する情報の流布を厳重に統制することによって、その後の手続きを不透明にできる。

シュレシンジャーの問いかけと日本側の回答からうかがい知れるが、米国は日本政府に同意を求めるだろう。だが、その同意は、明文化されたり、公表されたりする必要もない。ニクソン・佐藤合意の文言は意図的に曖昧にされ、官僚機構のかなり低レベルにおける単純な告知で十分であると思われる。この類いの低レベル合意であれば、総理大臣ら、自民党政権関係者は、沖縄に核兵器を再配備していたことに関する佐藤・ニクソン合意についての議論を避けるのに50年以上も使っていたのと同じような否定論拠を与えられることになる。

米軍核兵器の存在の可能性は、米国政府が軍備について確認も否認もしない方針をとっているので、世界の目には、さらに不可視になるだろう。米国が質問に対して沈黙するなら、日本政府が再配備に同意するのが大きく容易になる。外部者の調査がおよばなければ、公に知られることも論議されることもなく、米軍核兵器は騒がれることなく沖縄に戻されるだろう。

沖縄が秋葉氏にとって説得力があると思える最終的な理由は、米国が沖縄の辺野古集落に新たな軍事基地を建設していることである。このプロジェクトには、新基地に近接し、かつて米軍核兵器が保管されていた武器弾薬貯蔵所の大幅な改修が含まれている。辺野古は1969年のニクソン・佐藤合意において、両国にとって日本における米国の核兵器を再配備するために両国にとって好ましい適地であると言及されている。

同じ穴のムジナ

日本の安倍晋三首相は、国際的に右に出るもののない忠実なドナルド・トランプ支持者に数えられる。安倍首相は政権交代準備期にトランプを訪問した最初の世界的な指導者であり、最近の選挙戦では米国大統領との緊密で個人的な友情を強調していた。

秋葉氏は、とりわけ拡張核抑止の問題について、安倍の筆頭外交助言担当〔外務事務次官〕である。秋葉氏は、米日拡張抑止対話(EDD)の第一次日本側代表団数名を選別し、組織して、引率し、米国の核兵器施設を歴訪した。米国の新たな核態勢の見直しの公表と安倍政権の臆することのない支持を考えると、登場人物3名の全員がアジアにおける米国の核兵器の役割拡大が必要なことで一致しているのが明らかなようだ。

安倍首相が核兵器に抱く見解はヒロシマでオバマ大統領に挨拶するイメージに象徴される最近の印象を得たアメリカ連邦議会議員の大方にとって、自民党がトランプの核大勢見直しを支持するのは驚きであるかもしれない。ワシントンの最近の会合で、議会の古参議員であり、抜群に事情通の国家安全保障専門家は、河野外務大臣がトランプの核態勢見直しを支持する声明を公表したと知らされて、安倍は河野の間違った声明を公式に訂正したのかとたずねた。

トランプの核態勢見直しに反対している米国人は気づくべきである。これからの日々、数週間か数か月か、核態勢見直しにまつわる論争が展開するだろうが、トランプの核態勢見直しに賛成を表明する自民党関係者らは、日本を防衛するために米国の核兵器の役割を拡大することに反対している日本国民とその選良たちの多数派を代表していない。だが、彼らは、トランプの核態勢見直しの背後で揺るぎなく整列している安倍首相の見解を代表している。

(本稿の原本は憂慮する科学者同盟によって2018年2月18日に公表された)

日本政府関係者らが米国に「核の傘」維持と核兵器の再度の沖縄持ち込みを要請
――スティーヴ・ラブソンによるコメント

憂慮する科学者同盟の中国プロジェクト主幹、グレゴリー・カラキは2018年2月15日付け記事において、日本政府外務省の高官が2009年の米国議会の委員会で証言し、沖縄に核兵器を再度持ち込むことに賛意を表明したと伝えている。議会メモの記録によれば、秋葉剛男は、沖縄に核兵器を戻すために準備することは「わたしにとって、説得力があるように聞こえる」と陳述した。秋葉は2015年9月、外務省の行政職最高位、外務審議官にとりたてられた。クラキは東京で2018年4月25日に催された記者会見で、日本が米国の「核の傘」に頼りつづけていることを、世界の核兵器の数を削減するための、いかなる努力にとっても、主たる障壁になっていると批判した。核武装制限を強化するための米中間対話を促すための憂慮する科学者同盟の取り組みにおいて、「わたしの仕事にとって、日本は無二最大の邪魔になっています」と、彼は述べた1。

議論の核心に、米軍核兵器を配備する島としての沖縄の役割の可能性、沖縄住民の強固な反対にもかかわらず、辺野古に新たな基地を建設する計画に密接に関連した可能性がある。クラキは沖縄に核兵器を再び持ち込む可能性について、「沖縄が秋葉氏にとって説得力があると思える最終的な理由は、米国が沖縄の辺野古集落に新たな軍事基地を建設していることである。このプロジェクトには、新基地に近接し、かつて米軍核兵器が保管されていた武器弾薬貯蔵所の大幅な改修が含まれている」と書いている。クラキは、新たの航空基地が建設されると、貯蔵所に核兵器が備蓄されるかもしれないと沖縄住民に警告した2。彼は、基地計画地、辺野古の2016年3月3日抗議集会に参加し、沖縄住民に建設反対運動をつづけるように訴えた3。

わたしは米陸軍招集兵として、1967年7月から68年6月にかけて、「戦術」核兵器が備蓄されていた辺野古の武器弾薬貯蔵施設に配属されていた。沖縄の丘の上や飛行場に、地対空(対航空機)核ミサイル(ナイキ・ハーキュリーズ)、砲撃ロケット(オネスト・ジョンおよびリトル・ジョン)、地雷(原子爆裂弾)が配備されていた。その当時、嘉手納航空基地にはまた、中国とソ連極東部の全域に到達する地対地核ミサイル(メイスB)が存在した。辺野古の基地では、陸軍第137武器科の配下で軍用犬連れの歩兵部隊が連日24時間の警備をしていた。それに加えて、近隣のキャンプ・シュワブの海兵分遣隊が基地を取り囲んで完全戦闘装備の演習をやっていた。基地のそばの道路には「停車禁止」標識が掲示されており、停車する者はだれでも、たとえパンクしたタイヤの交換のためでも、銃を突きつけられて逮捕され、独房に勾留されて、身体検査と尋問の羽目にあった。

1959年のこと、那覇航空基地に配備されていたナイキ・ハーキュリーズの一発が事故で発火し、陸軍兵2名が死亡、1名が負傷した。弾頭が跳ねあがり、地上に転がったが、爆発はしなかった。第137武器科のわれわれはナイキ・ハーキュリーズの任務を憂慮しており、ソ連の航空機の翼を破壊することができたとしても、空中の核爆発は放射線を発散し、地上の沖縄住民とわれわれを危険にさらしていたことだろう。

1972年、沖縄の施政権が日本に返還された日の少し前、すべての米軍基地は無傷のまま、高度保安警備は消失し、陸軍の第137武器科は海兵隊キャンプ・シュワブ(第2ゲート)の一部になった。

キャンプ・シュワブ第2ゲート(2014年撮影)

日本政府が沖縄から核兵器を搬出する経費を負担したことを記録した明細書は、米国政府が核兵器の存在を認めた最初で唯一の機会を示している4。核兵器が除かれてから、海兵隊は基地を従来型(非核)兵器の貯蔵のために使っている。しかしながら、核兵器貯蔵区画は今日にいたるまで無傷のままであり、短く刈られた草と芝生で覆われ、鋼鉄ドアを備えたコンクリート製イグルー(ドーム)が残っている。

要塞化され、施政権返還の前に核兵器を格納していた地下イグルー(2014年撮影)

貯蔵区画を高い金網で取り巻くフェンス(2014年撮影)

その一方、基地の後遺症はしつこく残る。1960年代に第137武器科で就役していた陸軍退役兵3名が放射線被曝に関連した形態の癌を発症したとして、米国政府に対する賠償請求訴訟を起こした。1名は黒色腫で片眼を失った。別の1名は2016年、彼の訴訟審理が開かれる数週間前に死亡した。おまけに、アメリカ人にとっても、沖縄住民にとっても、この辺野古の元核兵器貯蔵施設における深刻な環境災害が終わっていないという厄介な可能性が残っている。米国環境保護庁によれば、「現役施設と放棄施設の両者を含め、1,000か所を超える場所が放射能で汚染されている。その箇所のサイズは、研究室の小さな一角から大規模核兵器施設までさまざまである。汚染は、ビル内の装置と同じく、空中、水中、土壌中で見つかるかもしれない」5。

ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は1991年末、米国外基地からすべての戦術核兵器を撤収するように命じた6。トランプ政権はいま、長年の政策をくつがえして、海洋発射ミサイルに「低出力」(かつての用語では「戦術」)核弾頭を装着するつもりである。オバマ大統領の軍縮・不拡散担当特別顧問だったジョン・ウオルフスタール(Jon Wolfsthal)は、この変更を「まったく不必要」という。それに彼は、低出力核兵器を弾道ミサイル潜水艦に搭載する場合、いざ発射となれば、艦の位置を明かしてしまうことになるので「極めて間抜け」という7。核兵器は日本を「防衛」せず、戦争が勃発すれば、配備国に攻撃を招く。沖縄に再び核兵器を持ち込む提案は、「ドクター・ストレンジラヴ*」の着想である。

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Notes

1 Naotaka Fujita, “U.S. analyst: Japan’s nuke stance obstructs arms control,” The Asahi Shimbun, April 26, 2018.

Yukiyo Zaha, “Foreign Affairs Vice Minister Akiba denies making his 2009 statement” Ryukyu Shimpo,March 6, 2018.

"American scientist visits Henoko to support protesters," Ryukyu Shimpo, March 3, 2016. 

4 William M. Arkin and William Burr, “Where They Were,” Bulletin of the Atomic Scientists, Vol 55, No. 6. 

5 See article at EPA website: here.

6 Stephen Young, “25 Years Ago President Changed Nuclear Policy,” Union of Concerned Scientists,September 27, 2016.

7 Jonathon Freedland, “Trump is the real nuclear threat,” The Guardian, August 11, 2017.

【クレジット】

The Asia-Pacific Journal / Japan Focus, “Nuclear Hawks in Tokyo Call for Stronger US Nuclear Posture in Japan and Okinawa,” by Gregory Kulacki with a comment by Steve Rabson, posted on June 1, 2018 at https://apjjf.org/2018/11/Kulacki.html.

2018年5月26日土曜日

台北タイムズ【#フクシマ☢惨事】台湾ダイソー、輸入禁止処分と罰金1億5300万円

 TAIPEITIMES

2018年5月24日 

台湾ダイソー、商品輸入の禁止処分
By Kuo Chia-erh  /  Staff reporter

昨日も客が出入りする台北市内のダイソー店舗。この日本の安売り雑貨チェーンは輸入日を偽ったことから2年間にわたる輸入禁止を課せられた。
Photo: CNA

中華民国経済部は5月23日、日本のディスカウント系列店舗を展開する大創産業が、輸入許可を得るために取引の日付を偽っていたとして、あらゆる商品の台湾への輸入を2年間にわたり禁止する措置を課せられたと発表した。

経済部は同社に対して輸入許可を取り消し、罰金4164万台湾ドル(1億5200万円)を課したと、台北の立法院で国際貿易局の李冠志副局長が述べた

経済部はまた、同社の輸入品の一部がすでに市場に入った可能性があることから、税関当局に通告していると李福局長が付言した。

李副局長の発言は、「時代の力」党の黃國昌主席が先月、ダイソーが2015年の6か月にわたる輸入差し止め期間中に日本から商品を輸入していた疑いがあるのに見て見ぬふりをしていると経済部を糾弾したのを受けたものである。

政府は2011年3月の福島第一原子力発電所核惨事を受けて、日本からの食品および高リスク産品に対する輸入規制を強化してきた。

ダイソーは、食品の輸入が禁止されている日本の5県から違法に食品を輸入していたことが発覚し、2015年に全商品の台湾への輸入を禁止されていた。

貿易法の規定によれば、差し止め期間中であっても、罰則が課せられる前に取引が成立していれば、輸出入が可能になる。

だが、黃主席は、差し止め期間中に台湾に輸入されたダイソー商品の大半は罰則の適用後に発注されたものだったと述べた。

ダイソーは告発を否定したが、同社ウェブサイトに掲載された声明は、政府から承認をえるために日付を改変するという間違った決定を経営陣が下していたと言明した。

企業データによれば、この日本の安売り雑貨チェーンは20,000品目以上を販売しており、台湾で約60店舗を展開している。

【クレジット】

Taipei Times, “DAISO banned from importing goods to Taiwan,” by Kuo Chia-erh, posted on May 24, 2018 at;

【国内報道】



2018年4月17日火曜日

英紙インディペンデント「ポルトガルが電力需要の104%を #再生可能エネルギー で生産」

 

ポルトガルは3月時点で国内電力消費の104%を再生可能エネルギーで発電

電力の大半は風力・水力発電で生産

リディア・スミス Lydia Smith 
2018年4月5日木曜日 12:52 BST

ポルトガルの港湾都市ポルトの近く、アグサドウラ(Aguçadoura)海岸の沖合で撮影された浮体風力発電機。AFP/Getty Images

ポルトガルは3月時点で、少なくとも過去40年間で初めて、国内で必要とされる分に余りある電力量を再生可能エネルギーで生産した。

同国の送電網運営事業者、RENのデータによれば、時たま電力供給の上限分を補完するために化石燃料が使われたものの、先月の同国内電力消費量の103.6パーセントが再生可能発電資源(renewable sources)によって生産された。

これまでの最高レベルは、2014年に達成された99.2パーセントだった。

ポルトガル再生可能エネルギー協会および持続可能性追求グループ“ZERO”による報告は、この成果は再生可能エネルギーの将来が孕(はら)む可能性の「実例」であると謳う。同報告はいう――

「再生可能エネルギー電力(renewable electricity)は2040年までに、費用効率の高い形で、ポルトガル(Portugal)本国における年間電力消費総量を保証することができるようになるだろう。

「これらのデータは、ポルトガル電力部門における歴史的節目を示唆するとともに、再生可能エネルギーが確実で発展しうる電源として、国内の電力需要を完全に賄うものとして頼りがいがあることを実証している」

ポルトガルにおける気象条件もまた、湿潤で風が優勢な気象が水力発電ダムと風力発電機の出力を高めるので、再生可能エネルギー電源の生産性向上に役立った。

水力発電ダムは月間電力消費量の55パーセントを賄い、風力発電は42パーセントを賄った。

スコットランドにおける再生可能エネルギー電力生産は昨年、国内電力需要の3分の2以上を環境適合型発電方式で調達し、過去最高レベルを達成した。

スコットランドは電力需要の68.1パーセントを再生可能電力資源で賄い、これは2016年に達成した54パーセントに比べて、14.1パーセントの上昇にあたる。

スコットランドの電力消費総量の68.1パーセントに相当する分が再生可能電力資源で賄われており、これが対前年比14.1パーセントで上昇していると見積もられている。

スコットランド政府職員らは、これは英国(UK)内の他地域に比べて45パーセント高いと述べた。

昨年の実績では、風力発電が34パーセント、水力発電が9パーセント上昇した。

More about: 

【クレジット】

The Independent, “Renewable energy generated 104% of Portugal's electricity consumption in March,” by Lydia Smith, posted on Thursday 5 April 2018 12:52 BST at;

救援連絡センター機関紙【#郡山通信】#フクシマ☢惨事七周年を言祝ぐシニシズム



国家権力による弾圧に対しては、 犠牲者の思想的信条、 政治的見解の如何を問わず、 これを救援する。

郡山通信

核惨事七周年を言祝(ことほ)ぐ冷笑主義(シニシズム))

生涯忘れられない、あの東日本大震災と巨大津波、そして東京電力・福島第一原子力発電所のメルトダウン事故が引き起こしたフクシマ核惨事から七周年の歳月は、決して短いとは言えない。だが、原発推進勢力にとって代表的とされる放射性核種、セシウム137の半減期は約三〇年。安全になるまで、辿るべき路は遠い。

JR郡山駅前の風景

筆者らが毎週ほぼ欠かさずに挙行している「原発いらない金曜日!郡山駅前フリートーク集会」もまた、二〇一二年夏以来、まもなく六周年を迎える。二〇一二年六月、あの梅雨の季節、野田内閣による大飯原発の再稼働方針を阻止するため、永田町の首相官邸前に数万の人びとが詰めかけ、大いに盛り上がった市民行動「紫陽花革命」に呼応して発足した当初、数十人の市民が参集し、地方都市としては目立つ集会だったが、時の経過とともに先細り、それでも今なお、ほんの数人ながら息長く継続している。

スピーカーで目下のテーマソング『ふるさとは原発を許さない』を流し、「郡山市民のみなさん、ご通行中のみなさん」と呼びかけても、立ち止まる人はほぼ皆無、駅頭の人びとは押し黙って通りすぎるのみ。


今月二日の金曜日には、広げたバナーの文言「子どもたちを避難させて」に反発したビジネスマン風の中年男性が、「地元の住民として、こういうの(スローガン)は許せない」と食ってかかる始末。「オメェー、ドこに勤めてんだ」、若い女性が脅されたこともあったけ。

県民運動を装って

除染・復興事業の巨額資金が、農・漁協、商工会、生協、医師会、教育界など、ありとあらゆるルートに流れ、寄らば大樹の陰、いわば暗黙の「被曝地戒厳令・翼賛体制」が成立しているかのようである。

その好例が「原発のない福島を!県民大集会」であり、この市民運動を装った集会は、初年度の郡山市開成山球場の集会のあと、去年まで福島市内で開催されていたが、今年は福島第一原発から南に一八キロ足らず、二〇一五年九月に避難指示が解除された楢葉町の天神岬スポーツ公園で開催するという。



実行委員会の参加団体は、漁協、森林組合、生協、農協それぞれの県連合会、女性団体など。かつては福島県内で脱原発運動の主体だったが、今は有名無実化した「ハイロアクション福島」が加わっているのが物悲しい。

集会アピールを拾ってみても、「福島第二原発の廃炉」、「福島県を再生可能エネルギーの開発拠点に」、「福島県の復興」など、内堀雅雄県知事の謳い文句とさほど変わらない。

愛とは被曝し合うこと

さて拙稿を閉じるにあたり紹介したいが、リベラル紙と目される毎日新聞は、大震災七周年を目前に控えた雛祭りの三月三日、オピニオン欄に「時の在りか:愛とは被曝し合うこと」というシニカルな標題のコラムを掲載した。



筆者は伊藤智永・編集委員であり、日本記者クラブ取材団の一員として、福島県内被災地で暮らす著名三氏にインタビューを試みている――

菅野典雄・飯館村長「震災に遭っていなければ、こんな村づくりはできない」

田中俊一NRC初代委員長 「放射能汚染の環境で生き抜く力を持つ子供たちを育てたい」

玄侑宗久・福聚寺副住職・芥川賞作家 「愛し合うって、被曝し合うこと」(放射線量が高い山寺に移り住む若いカップルの恋愛物語『竹林精舎』より)

実際に汚染土を引き取った檀家がいたという。(その彼は)「祝福されるべきだと思う」…玄侑さんは、厳粛に微笑したそうだ。

一縷の望み

同じ毎日新聞のオンライン版が、三月二三日付け記事「福島第一原発事故・避難訴訟/東電に6.1億円賠償命令、『ふるさと喪失』認定/地裁いわき支部」、同日付け福島版は記事「双葉町の小川さん、損害の評価低く」を配信している。


この訴訟では、住民側は損害として「ふるさと喪失」(1人二〇〇〇万円)と避難生活に伴う損害(1人月五〇万円)に分けて主張し、東電側は国の指針に基づいて慰謝料を支払っており、それ以上の賠償を拒否していた。裁判長は「地域での生活や人のつながりを失い過酷な避難生活を強いられた…」などと指摘し、避難指示区域住民に百五〇万円、緊急時避難準備区域の住民に七〇万円の慰謝料を加算するのが妥当としながらも、個々の事情を考慮しなかった。

原告団事務局長の金井直子さんは、「被害の重さを分かってもらえなかった」と判決への失望は隠せず、「今後も戦い続けたい」と控訴の決意を表明した。今も全域避難が続く双葉町からいわき市に避難する養蜂家、小川貴永さんは、判決後に「地域での暮らしの全てを失ったのに損害の評価が低く、あきれた」と残念がる。

ともあれ東京電力にとって、敗北は敗北…全国で約一万二〇〇〇人が起こした約三〇件の集団訴訟のうち、これまで七件の判決で全敗である。福島原発告訴団が提起した東電の旧経営陣三名に対する刑事裁判の成り行きにも注目したい。

(井上利男。原発いらない金曜日!郡山駅前フリートーク集会・世話人。ブログ「原子力発電・原爆の子」、ツイッター<@yuima21c>)