2011年10月15日土曜日

10月15日郡山宣言

あの3月11日から早くも7か月あまり、未曾有(みぞう)の放射能汚染をもたらした東京電力福島第一原子力発電所の事故はいまだに危機的な状況を脱しておらず、文部科学省が、学校・保育所などの校舎・校庭・園庭などの利用判断基準として、法令を無視して定めた1時間あたり3.8マイクロシーベルトという、いわゆる暫定(ざんてい)基準値も今なお撤回されていません。

その結果、放射線健康障害防止法で定められた放射線管理区域の基準値、1時間あたり0.6マイクロシーベルをはるかに超える放射線を浴びながら、子どもたちが学校に通い、保育所・幼稚園に送り迎えされ、乳幼児を抱いた母親や妊娠中の女性たちが通りを行き来しています。

外部被曝の危険に加え、わたしたちは呼吸・飲食などによる内部被曝の危険にもさらされています。国が定めた食品に含まれる放射性物質の暫定規制値、1キログラムあたり500ベクレルは諸外国の基準をはるかに超え、核戦争勃発のさい、飢餓を防ぐためにやむを得ないとされる緊急時基準値であると聞いています。しかも、福島県は、従来の地場産品振興策を改めて食の安全を図るどころか、「がんばろう!ふくしま」スローガンのもと、なおいっそう強引に地産地消キャンペーンを推進しています。

その結果、わたしたちはスーパーの食品売り場で途方にくれ、子どもを学校に通わせている親たちは、学教給食を拒否するべきかどうか、はたまた自主避難に踏み切るべきかどうか、悩みに悩んでいます。

もう、たくさんです。わたしたちは次のように求めます。

1. 東京電力株式会社は、すべての事故被災者に真摯(しんし)に向き合い、徹底的な除染と健康被害の防止、生命・財産被害の賠償のために全社をあげて力を尽くさねばなりません。

2. 国は、日本国憲法、教育基本法、放射線健康障害防止法などの法令、世界人権宣言、子どもの権利条約などの国際条約を守らなければなりません。

3. 福島県をはじめ各県、そして各市町村は、国の方針に盲従することなく、地方自治体としての責務を果たし、住民の健康と財産を守り、事故被害の救済を実現するために、先頭に立って行動しなければなりません。

4. 裁判所は、「人権の最後の砦」として、通称「ふくしま集団疎開裁判」において賢明な判断をくだし、これから頻発すると予想される同じような裁判の模範を示さなければなりません。

さらに、わたしたちは次のように全国と世界の人びとに向けて誓います。

5. わたしたちは、わたしたちの生命・財産と権利、とりわけ、かけがえのない子どもたちの命と未来を守るために、また人間が人間として人間らしく生きる社会を実現するために、あらゆる努力を尽くします。

以上をもって、わたしたちの10月15日郡山宣言とします。

2011年10月15日

「ふくしまの子どもを守れ!郡山デモ」参加者・支持者一同

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