2011年10月15日土曜日

10・15郡山デモ「郡山市への申し入れ書」

福島原発事故から7ヶ月です。いまだに事故は収束せず、見通しも立っていません。
これまで知らされてこなかった事実が、この間、次々と私たちの前に明らかにされています。8月末公表のセシウムの土壌汚染の実態。9月末公表のストロンチウム・プルトニウムの検出結果。福島の子130人健康調査の結果、10人の甲状腺機能に変化の10月4日のニュース。そして、一昨日、「郡山で妊娠したお母さんが避難先で出産、生まれたお子さんはチエルノブイリハートといわれる心臓に穴が開く病気と判明し、ショックで苦しんでいる」という話を聞きました。覚悟していたとはいえ、怖れていた現実を知り、私たちも言葉を失いました。

郡山市議会の答弁で、郡山市は「10年先、20年先の子どもの健康リスクは誰も分からない、だから今できる除染をやる」と答えました。除染をやる以上、郡山市も現状が危険だと認識しているのです。そうであれば、除染の前にまず、放射能に感受性の高い子どもたちの避難や疎開を実施すべきです。除染にはおのずと限界があるのは今日明らかであり、過去の歴史でもスリーマイル島事故やチエルノブイリ事故後4、5年で子供たちに白血病や甲状腺がんなど重大な疾患が増大するのははっきりしているからです。
これは子どもを持つあるお母さんの手記です。

「子どもたちが受けた被爆量に、今後も今の量や早さで蓄積されるのはとても心配です。最低でも一時避難は郡山市内全ての子どもたちに必要だと思うのです。郡山市は除染に努力するということは、危険だということです。家の大掃除をするとき子供たちを外に出しませんか、それと同じです。

放射能を舞い散らせている今、子供たちを郡山市にいさせるべきではありません。ぜひ集団疎開をさせてください。なぜ集団疎開なのか。自主避難に踏み切れない大人や親の都合により、郡山市から避難できずにいる子どもたちが大勢いるからです。それは我が家もそうです。

自主避難出来ない理由は
① 長男が高校受験生で大事なとき
② 子どもたちの転校への反発と不安
③ 経済的な負担
等々です。高い放射能を浴びて暮らす子供たちをどうか郡山市全体で守ってください。」

また、或るお母さんはこういう書いています。

「風の便りで、市長さんには中学生のお孫さんがいらっしゃると聞きました。そのお孫さんを放射能から守るために自主避難させているということを知りました。

私にも同じ中学生の息子がおります。しかし、主人の仕事のため自主避難はできずにいます。せめて、市長さんが、ご自分のお孫さんと同様に、郡山の子どもたちも放射能から守るために集団避難させることにしてくださり、子どもたちの命を守ってくださればどんなにいいだろう、と願わずにはいられません」

原発事故後、市長は全国に先駆け校庭の表土除去をし、原発の「廃炉発言」をしました。その考え、行動は正しいものでした。今月11日には、茨城県東海村の村長も「東海第二原子力発電所を廃炉にすべきだ」という自身の見解を表明しました。「事故で目が覚めた。原発に今後も依存していく街づくりには限界がある。原発に依存するのではなく、これまでとは違う村の在り方を考えなくてはいけないと思う」と理由も述べました。

郡山市長も全国に先駆け「廃炉発言」をし、中学生のお孫さんに避難という正しい被ばく措置を取ったのですから、東海村の村長と同様、「事故で目が覚めた」方の筈です。是非、この態度を首尾一貫させ、「郡山市の小中学生全員、集団疎開にすべきだ」という正しい被ばく措置を表明して下さい。市の決定ではなくても、ご自身の見解としてでもよいですから。

そうすれば、郡山市民は言うに及ばず、日本中の市民が力を合わせ、手をつなぎ、あらゆる知恵を絞り実現へむけて路を開きます。

私たち市民の願いはただ一つ、「子どもを守りたい」です。そのために、次の申し入れをします。



1、子どもたちを放射能が年1mSv以下の地域に集団疎開・避難をさせてください。

2、既に自主避難している子どもたちに、早急に経済的・その他必要な支援を実施してください。

3、就学前の子どもたちを持つ家庭・妊婦・これから妊娠の可能性のある方たちに生活支援つきの避難を実施してください。

4、大人も一時避難もしくは一時保養できるシステムを、他の自治体と共同で、作ってください。

5、安心して避難出来るように、留守宅の警備をする地域ぐるみのシステムを作ってください。

日本中、世界中がいま郡山市の行動に注目しています。

以 上

   2011年10月15日

福島の子どもを守れ!郡山デモ参加者一同

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