2018年11月13日火曜日

救援連絡センター【#郡山通信】#フクシマ☢惨事のフェイク VS ファクト



国家権力による弾圧に対しては、 犠牲者の思想的信条、 政治的見解の如何を問わず、 これを救援する。



郡山通信
フクシマ惨事
フェイクvsファクト

「フェイク・ニュース」といえば、トランプの常套句だが、わたしたち、とりわけ福島県民は二〇一一年三月のフクシマ核惨事からこのかた、フェイクに満ちた社会に生きることを強いられているといっても過言ではないだろう。

国連の場でフェイク対決

国連で十月二三日、人権理事会の危険物質・廃棄物に関する独立調査担当者、バスケッツ・トゥンジャク氏が記者会見に望み、「日本政府が放射線被曝の許容レベルと自ら定めていた基準を二〇倍に引き上げた決定は、痛恨すべき措置であり、子どもたちの健康に重大な影響を与える可能性がある」と述べ、福島第一原発の近隣地域に、子どもたちと妊娠年齢の女性を戻すのを中止するように日本政府に要請した。


この発言が国際的に通用するファクトであり、米国最大の通信社、AP通信がこのニュースを配信し、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなど、全米各地と世界のメディアがオンライン版に掲載した。

翻って「肝心のわが国のメディアは?」といえば、筆者がウェブ検索でヒットしたのは、日本経済新聞の記事とテレビ朝日の動画の二点のみ。

いずれも和の国メディアお好みの両論併記で、日本政府代表が「不正確な情報に基づいた声明が発表されることで、被災地の風評被害が助長されかねない」と反論したと伝えている。つまり、日本は国連機関専門家の発言をフェイクだと決めつけたのだ。一方のAP通信は、日本政府代表の反論をニュース価値のない強弁と見たのか、まったく触れていない。

処理水≠汚染水?

福島県富岡町で八月三〇日、郡山市と東京で三一日に開催された通商産業省「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」説明・公聴会で配布された資料では、「現在、タンクに貯蔵されているALPS処理水(≠汚染水)は、トリチウムを除く放射性物質の大部分を取り除いた状態」と説明され、処理水が汚染水では断じてないとほのめかされている。


二〇一一年のフクシマ核惨事勃発の直後、フランスのアレヴァ社に大金を払って導入した放射能汚染水処理装置がまったく使い物にならず、代替機として導入した日立製の高度液体処理設備(ALPS)はこれまで、水と同じトリチウム水を除く全核種を検出限界以下まで除去できると喧伝されてきた。

このトリチウム汚染水を海洋に放出処分する問題が、AP通信二〇一六年四月付けスクープ記事で明るみに出て、英紙ガーディアンなどが報道した。フォーブス誌は「トリチウム問題を解決するには?飲んで見せることだ」とからかい半分のタイトルを付した投稿記事を掲載した。例によって、日本メディアの報道は見当たらなかった。

AP通信記事によれば、当時の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、原発構内に立ち並ぶタンクのトリチウム水をすべて集めると、五七ミリリットルにしかならないといって、青い水の入った小瓶を振って見せた。

経産省小委員会の初会合が二〇一六年十一月に開かれており、AP通信のスクープが先触れだったことがわかる。先般の公聴会で、汚染水の海洋放出に反対する声が沸騰し、委員たちのなかに初めて仕事しはじめた先生方がいるのだろうか。東京電力は追い詰められたのか、「処理水八九万トンのうち、八四%は法定許容限度より高い濃度の放射性物質を含有」などと白状した。

更田豊志・原子力規制委員長は、状況不利と見たのか、沈黙。ところが、東電旧経営陣の刑事裁判を意識したのか、新たに「原発事故のさい、高齢の入院患者を移動させるリスクなどを考慮して、一週間で一〇〇ミリシーベルトの被曝を避難の目安に」などと発言する始末。この目安と一般人の「年間」被曝限度一ミリシーベルト、どちらがフェイクなのだろう?

原発マフィア天領の知事選挙

十月二八日は福島県知事の投開票日。自公に加え、立憲・社民など、共産党を除く全政党県本部が長野県生まれで旧自治省出身の現職、内堀雅雄候補に支持を表明し、選挙戦はまったく盛り上がらない無風状態だった。結果は、内堀候補が有効投票数の九一%にあたる六五万票を獲得して圧勝。ところが、投票率は四五%に過ぎず、シラケきった県内政治状況を浮き彫りにしている。ともあれ、もっぱら「風評払拭!」「福島復興!」スローガンを唱えるのみで、県民の被曝状況を顧みない大政翼賛的な県政がこれから四年間も継続することになる。


(井上利男。原発いらない金曜日!郡山駅前フリートーク集会・世話人。ブログ「#原子力発電_原爆の子」、ツイッター:FukushimaWatch @yuima21c








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