ジャック・ロシャールは、フランセ・ブサンソン(BS)大学およびパリ・パンテオン・ソルボンヌ(MS)にて経済学を学んだ。3年間の教師経歴のあと、1977年、放射線防護評価研究センター(CEPN)の研究員となり、1989年、理事に就任した。CEPNは、1976年設立の非営利団体であり、核エネルギー分野において、放射線防護の技術的、医療経済と社会的側面の研究およびコンサルティング業務をおこなっている。その目的は、社会科学ならびにリスク評価および管理の新規なコンセプトの啓発であった。
(http://www.cepn.asso.fr/)
放射線防護におけるジャック・ロシャールの主な貢献は、最適化原則を実施するための方法論を開発したことである。ロシャールは、学術専門誌投稿ならびに国際会議資料として、最適化の理論および実践の両面にわたる数多くの論文を公表した。早くも1982年には、学術会議や研修会によって、アララ(as low as
reasonably achievables=合理的に達成可能な限り低く)文化のヨーロッパ普及を主眼とした欧州委員会の放射線防護プログラムの枠組みにおいて英国放射線防護委員会(NRPB-UK)との連携を主導してきた。
ロシャールはまた、放射線リスク評価および管理の分野において、健康と環境に対する核燃料サイクルの影響に関するいくつかの研究に貢献し、この分野の方法論の問題に関する論文を公表し、さまざまな国際専門家グループに参画してきた。
ロシャールは1990年代初期より、チェルノブイリ事故後の状況の管理に関連するいくつかの国際プロジェクトに従事し、とりわけベラルーシでは、エートス・プロジェクト(1996~2001)およびCOREプログラム(2004~2008)を担って汚染地域で1年間以上も過ごした。
ジャック・ロシャールは1997年から1999年まで、フランス放射線防護協会(SFRP)の会長を務めた。また国際的な放射線防護分野に手広く参画している。2000年より、国際放射線防護学会(IRPA)の役員である。2005年から2009年にかけて、OECD原子力機関の放射線防護・公共保健委員会(CRPPH)の委員長を務めた。1993年、第3委員会の書記としてICRPに参加し、1997年、第4委員会の委員になって、2009年、同委員会の委員長に就任した。
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