2011年5月31日火曜日

朝日新聞記事をめぐって ジャーナリズムを問う

朝日新聞オンライン(asahi.com)に次のような記事が掲載されました――

放射能から守りたい 小中学生の避難広がる 福島

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東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、原発から約60キロ離れた福島市福島県郡山市で、子どもを県外へ避難させる動きが続いている……

記事は、福島市教育委員会によると市外に転校した小中学生は4月から527日までに216人、郡山市教育委員会の調べでは、郡山市外から県外へ転校した小中学生が403人にのぼるとつづき、「このまま住み続けたら、将来、子どもの健康にどんな影響が出るかわからない」などの声とともに実例を紹介しています。また「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」による29日の相談会についても触れています。

530日、朝刊を開いてみると、この記事が見当たりません。福島県では夕刊は発行されず、朝・夕刊を統合した総合版となっています。編集のさい、夕刊掲載のこの記事をデスクは採用しなかったのでしょう。

その結果、夕刊が配達される首都圏など福島県外の読者はこの記事に接し、一方、不安に駆られ、実用的な情報に切に求めている福島県内の読者にこの記事が提供されないのは、どうしたことでしょう?

さっそく朝日新聞福島総局に電話してみました。受付嬢は「ご意見承ります。ご要望は記者に伝えさせていただきます。なお、詳しくは東京本社にご連絡ください」というばかりで、埒(らち)が明きません。

そこで東京本社お客さま窓口(03-5540-7616)に電話してみました。記事にまつわるいきさつを伝え、不安に駆られている福島県内の親御さんたちの実情を説明し、この記事が福島県内配達の紙面で読めないとは理不尽であると訴えました。受付の女性は非常に同情し、記事が掲載されなかったのは不思議ですねと同情してくれました。明61日にでも掲載してほしいと要望すると、まちがいなくデスクに伝えると答えてくれました。

明朝の紙面に掲載されるかどうか、もちろんわかりません。ともあれこの件で、朝日新聞のジャーナリズム、読者に対する姿勢が問われていると、小生は考えます。

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