2016年7月23日土曜日

コモン・ドリームス誌【グリーンピース最新報告】#フクシマ☢惨事による河川と海洋の堆積物汚染





Common Dreamsサイト掲載:2016721

グリーンピース:
ポスト・フクシマ放射性物質の「極めて高度な」急増

懸念されるべきは、「進行中であり、将来にもわたる脅威であって、基本的には福島第一核発電所そのものから漏出しつづけている放射能によるもの」

ナディア・プルピス(常勤記者) Nadia Prupis, staff writer

福島県内の現在の河川は2011年以前と比べて数百倍も高いレベルの放射能を帯びているとグリーンピースは報告する。(Photo:Matthias Lambrecht/flickr/cc)

グリーンピース・ジャパンは719日(水曜日)、福島地域の河川の放射能レベルが、少なくとも160,000人の住民に避難を余儀なくさせた核災害が勃発した2011年の前に比べて、数百倍も上昇していると報告した

環境団体の新たな報告書、“AtomicDepths: An assessment of freshwater and marine sediment  contamination:The Fukushima Daiichi nuclear disaster—Five years later (pdf)『水に沈む放射能:東京電力福島第一原発事故から5年 淡水域および海水域の堆積物に対する放射能調査と分析』pdf)は、過去5年間を振り返って、危険な化学物質、セシウム137が、阿武隈川、新井田川、太田川の岸の土壌に存在してことを明らかにした。

グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当活動家、柏木愛さんは、「わたしたちが河川系沿いに認めた極めて高レベルの放射能は、フクシマ核災害に由来する環境汚染および一般人の健康リスク、双方ともに甚大であること、末永くつづくことを浮き彫りにしています。これらの河川試料は、安倍政権が住民の居住にとって安全であると明言している各地で採取されたものです。ところが、結果は、この核の破局的事態のあと、正常に復することはないと告げています」と語った。

報告書は次のように記す――

福島県とその隣接県はいくつか大小の河川系を有しており、河川は汚染された高地の森林から沿海域平野に流れ下り、最終的に太平洋に流入する。これらの河川系、とりわけ阿武隈川、鳴瀬川、中北川、名取川、久慈川、那珂川は、真野川、新田川、太田川、請戸川などの小河川系も同様だが、数千平方キロにおよぶ集水域を有している。

報告書はさらに、次のようにつづける――

人間およびその他の生物の健康に対する影響をともなう、フクシマ核災害が海洋環境にもたらす放射線学的影響は、当初の歳月だけのものではない。その影響は、進行中であり、将来にもわたる脅威であって、基本的には福島第一核発電所そのものから漏出しつづけている放射能によるものであり、耕地森林、河川、湖沼、河口域など、福島県全域の陸地汚染から移動する放射能によるものである。

「結果は、この核の破局的事態のあと、正常に復することはないと告げている」
――グリ―ンピース・ジャパン
ジャパン・タイムズは、琵琶湖は関西地方の約1400万人に飲料水を供給する水源なので、特に論争を招きやすいと報道している。

関西電力株式会社は、琵琶湖に近い福井県の核反応炉を再稼働したがっているが、地域の住民はそれらの停止継続を求めて闘っているとジャパン・タイムズは伝える。

グリーンピースは次のようにいう――

高レベルに汚染されたままの地域の避難命令が20173月に解除されることになっているが、これは迫り来る人権危機であり、とても容認できるものではない。甚だしく広大に汚染された森林と淡水系は、こうした生態系の除染は簡単にできないので、予見しうる未来にわたって放射能の永続的な供給源のまま残るであろう。

グリーンピース・ジャパンの世界エネルギー上席担当、ケンドラ・ウルリックさんは、「福島県沿岸沖合の堆積物の放射能レベルは、陸地汚染レベルに比べて低いのですが、これはわたしたちの予想どおりであり、他の調査とも整合しています。太平洋の莫大な規模と強力で複雑な海流が合わさって、海洋環境への最大規模である単一の放射能放出が汚染の広範な拡散をもたらしたことになります」と述べた。

グリーンピース報告書は、「大いに喧伝された凍土壁」、つまり汚染地下水を遮断する障壁を造るための地下冷却システムが、「損壊した反応炉建屋の内部で高レベル放射能を帯びた水と混ざるのを防ぐために、地下水の流入を止めるのに失敗した」と報道されたのと同時に公開された。

ウルリックは、「科学界は、この災害の影響に関する研究を継続するために支援を供与されなければなりません。森林と河川に由来して進行中の汚染に加えて、破壊された核施設の現場に膨大な量で存在する放射能が福島県沿岸の地域社会および太平洋にとって最大規模の核の脅威になっています」と語る。

「何十万トンもの高レベル放射能汚染水、地下水汚染を減らすための凍土壁の明白な失敗、反応炉3基の溶融炉心という前例のない課題、このすべてが複合して、収束からほど遠い核の危機として現存しています」と、彼女はいう。

本記事は、クリエイティブ・コモンズ表示・継承3.0非移植ライセンスの条件でライセンスされています。

【クレジット】

Common Dreams, “Greenpeace: 'Extremely High' Jump in Post-Fukushima Radioactive Chemicals,” by Nadia Prupis, staff writer, posted on July 21, 2016 ato;

【参照記事】

ハンギョレ新聞

Greenpeace Japan



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