スイスの国民投票
段階的な核発電撤廃の厳しいロードマップを否決
2016年11月27日
目下、スイスの電力供給量の38パーセントが核発電による。写真:REUTERS |
スイス国民は核発電の段階的撤廃の厳しいロードマップを導入する国民投票発議を否決した。
SRF公共テレビの予測値は55%対45%で発議提案の敗北を示した。
カントン(スイスの州)の大半で提案が否決された。
緑の党が後押しした計画では、来年中にスイスの核発電所5か所のうちの3か所を閉鎖し、最後の核発電所を2029年に閉鎖することになっていた。
目下、核発電所5か所でスイスの電力の40%近くを賄っている。
日本のフクシマ核惨事のあと、スイス政府は国内電力供給を2050年まで段階的に再生可能エネルギーに転換すると言明していた。
政府は、核発電所は安全とみなされる限り操業を続けるべきだと述べていたが、詳細な予定表を策定していなかった。
環境保護論者たちは、いかなる核反応炉も45年を超える稼働を許されるべきでないと陳述していた。つまり、少なくとも2か所はほぼ即座に閉鎖しなければならなかった。
しかし、財界首脳部と政府は、核発電所をあまりにも早急に閉鎖すれば、電力不足を招き、化石燃料依存率を高めると主張した。
スイス国民が否決したのはなぜか
【解説】イモジェン・フォルクスBBCジュネーブ通信員
スイスの有権者はいつも決まって政府と財界リーダーの忠告に従順であり、核発電にしがみつく結果も例外でなかった。
スイス国民に多くは国内の老朽化した核発電所を実際に心配しているものの、急いで閉鎖すれば、エネルギー不足に陥り、停電さえも招きかねないという恐れが勝っていたことが判明した。
スイスの電力は3分の1あまりを核発電に頼っている。スイス経済は目下、競争力が世界トップにランクされており、有権者はその地位を揺るがすような施策をなんら望んでいない。
さらに言えば、スイス政府は、エネルギー生産を再生可能エネルギー源に向けて転換し、国内の核発電依存を段階的に削減し、最終的に脱却するという長期計画を維持している。
【クレジット】
BBC, “Switzerland votes
against strict timetable for nuclear power phaseout,” posted on Nov. 27, 2016
at; http://www.bbc.com/news/world-europe-38120559.
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