Beast of Beckermet against the #nuclear menace? a #Lakeland story for #allhallowseve - The Ecologist https://t.co/fQvqoQBmDO pic.twitter.com/KL4MTSf2Qb— The Ecologist (@the_ecologist) 2016年10月31日
ベッカーメットの野獣は核の脅威に反対なのか?
~ハロウィーンの湖水地方ストーリー
マリアンヌ・バークビー Marianne Birkby
2016年10月31日
核の巨大コンビナートが、核廃棄物の投棄処分、掘削孔、河川の浚渫、大規模な新規核発電所をもって、セラフィールドのカンブリア海岸の破壊を推し進めているいま、マリアンヌ・バークビーは、ウッドワーズ、グリーンマン、ベッカーメットの野獣の古の伝説を呼び起こしている。これら飼いならされていない自然の諸力は、勢いづいている核の脅威と戦うために招集されうるだろうか?
【凡例】冒頭の肉筆画以外の画像は訳者による添付。
「わたしは、1月25日の日曜日夕刻、ベッカーメットからルートA595に向かう道で犬の散歩をしていたとき、ナーセリーの森を通りました。時刻は16時45分ごろでした。暗くなりかけており、わたしの目はよく見えませんでしたが、森のなかを歩いていると、枝が折れる音が聞こえました。
「わたしは鹿かなにかの動物だろうと思い、目で確かめるために立ち止まりました。木々を通して見ると、森のなかで150メートルほど向こうの池で、ジンジャーブラウンぽい体毛で覆われた大きな生き物に気づきましたが、それはどうやら水を飲んでいるようでした。
「辺りは暗くなる一方で、その動物はなんだろうと懸命に確かめようとしましたが、立ち止って見つめているうちに、それはわたしを見たようであり、そのとき、後脚で起ち上がり、森の奥へとゆっくり遠ざかりました。その背丈はおよそ6フィート6インチ[約2メートル]、体重はおよそ14ストーン[約196ポンド≒89キロ]と推し量りました。
「体毛で覆われてはいましたが、裸だったので、人間ではありません。また、後ろ脚で立ち去りましたので、鹿でもありませんでした。わたしはベッカーメットの自宅に大急ぎで戻って、妻に目撃したものについて告げました。請け合いますが、これは与太話ではありません。このできごとを警察に届けようとしましたが、笑いものになる恐れがあるので、妻は届けないようにと言い聞かせてくれました。
「わたしは7年前からベッカーメットに住んでおり、ほとんど毎日、森を通っていますが、そのようなものを見たのは空前絶後のことでした」
ウッドワーズ
中世ヨーロッパのウッドワーズは、自然界の番人、つまりグリーンマン[葉で覆われた人物]と置き換えができることから、いとも簡単に中世の伝説で片付けられる。だが、伝説は根強く伝わり、大聖堂、十字架石碑、ストーン・サークル[環状列石]など、重要な聖地では特にそのようである。
ホワイトヘヴン・ニュースの投稿者は、ベッカーメットのナーセリーの森に言及していた。ナーセリーの森は古代から伝わる半自然森林地である。何マイルもつづく古の生け垣がこの森林地から放射状に広がっており、それら生け垣と森林地の生息環境は、カンブリア西部でどんどん希少になっている。
信じがたいことに、この地は、NuGen(ニュージェンレーション=核発電)社が「ヨーロッパ最大の核開発」のために確保した広大な地所の一部になっている。筆頭開発業者は東芝であり、連中はこの計画を「ムーアサイド」と呼んでいる。
友を自称しても…
「現在の計画では、ナーセリーの森(古の半自然森林地)が遮蔽用の盛り土で埋められてしまうので、その喪失が現実になるだろう。これは、ムーアサイド現場におけるかけがえのない生息環境および景観機能の重大な損失ということになる」
ところが、この力強い見解は、FoLDが助けの手を差し伸べるように、この損失は「埋め合わせることができる」とほのめかすことで、骨抜きにされた。「可能な限り早急に埋め合わせを実行して、生物多様性の純損失が発生しないことを確実にするべきである」というが、本当にできるのだろうか?!
古い鉱山
ベッカーメット地域の地下に張り巡らせられた古い鉱山採掘坑の巨大なネットワークからベッカーメットの野獣(B.O.B)が現れて、とりわけ例のほのめかしに片眉をひそめるのが目に見えるようだ。おもしろいことに、前述したB.O.Bの投書には後日譚がある。ホワイトヘヴン・ニュースの前副編集長、アラン・クリーヴァー氏(ASSAP〔超常現象科学研究協会〕の創立会員の一人で、「奇妙な英国」ウェブサイト開設者)が、化物についての投書への返答として、次のように語る――
FB: The White Mare |
「大笑いの合唱のなか、わたしの正体がだれにも気づかれないうちに、ドアから走って退散した。だれにも見られないうちに一刻も早く家に戻るには、野を突っ切るしかないと考え、一目散に逃げた。ご想像のように、わたしのような装束では容易なことではなかった。小さな木立のなかに池があったので一服、膝をついて、水を飲んだ。飲み終えた途端、犬の吠え声が聞こえて、振り返ると男がわたしを見つめていた…」
これは、元のB.O.B話しに負けず劣らず厄介なことだ。ベッカーメットの白い牝馬亭、ナーセリーの森から、セラフィールドとアイリッシュ海以外に、どこにも行き着けない。それにまた、セラフィールドからこれほど近場の泥混じりの水溜りで水を飲もうとする人を、わたしは多くは知らない。
蛇行するイヘン川
セラフィールドの敷地を蛇行するイヘン川 (Copyrighted free use, Link) |
イヘンの姉妹河川、コルダーの河口部は悲しいことに、もはや豊穣な鮭、淡水真珠貝、鰻を宿して海へと蛇行する流れではなくなって、直線に整備され、セラフィールド再処理工場を横切る工業用水路に改変されてしまっている。
NuGenは手をこまねいたまま、協議の結果や予想される開発規制命令に政府のゴム印が押されるのを待ったりせずに、すでにイヘン川を「ムーアサイド」施設の「調査」掘削坑300本の廃棄物の処分場として利用している。これら深い掘削抗から排出される液体・固体廃棄物は必然的に数十年分のセラフィールド漏出物を含有していることだろう。
信じられないことに、眉をひそめる人もなく、抗議の声をあげる環境保全団体、農業者・漁業者組織、あるいは野生生物保護グループもなく、鉄塔が批判の対象として取り上げられただけだ。たとえ、核反応炉が点火されなくとも、深いコンクリート基礎、化学物質とオイルの流出、産業化はイヘン川と地下水に取り返しのつかない被害を与えるだろう。
カンブリア野生生物トラストでさえも、核の鉄塔を広告塔に使う方を選ぶ始末で、もちろんNuGenは大喜びどころでなく、同トラストに加えて、野生エナーデイル湖プロジェクトをも「地球にやさしい」キャンペーンに採用し、次のように宣っている――
NuGenのボランティア活動 |
「NuGenは弊社のムーアサイド事業地に近接している地域の環境保護活動に参画しており、その地域は極めて特別で重要、ますます希少になっている、いくつかの生息域の母体になっております。ギラースウェイト湿泥の泥炭地は実に好例であり、だからこそ、わたしどもは時間を捧げ、この仕事の一助になる機会に飛びついたのです」
わたしたちの野生生物の保護を担う公的機関は、狡猾な核の八岐の大蛇に丸め込まれたようである。たった今、かつてないほど切に、森と野生生物の守護者、ウッドワーズが求められている! だが、だれがベッカーメットの野獣の生息域を守ってくれるのだろうか?
【筆者】
Marianne Birkby
マリアンヌ・バークビーはRFL(「放射能と無縁の湖水地方」運動)の広報担当世話人。RFLは、自由意志で時間と専門技能を捧げる地域の活動家たちのボランティア団体。いかなる形であっても、献金は核の安全を訴えるキャンペーンに直に向けられる。
【クレジット】
The Ecologist, “Beast of Beckermet against the nuclear menace? a Lakeland
story for All Hallow's Eve,” by Marianne Birkby, posted on 31st October 2016
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