2016年11月17日木曜日

#フクシマ☢医療利権の草刈り場にはびこるベンチャーの一例

…というわけで、おもしろくもないが、日本語訳してみました。医療利権企業とそれに絡まる行政や政府機関の癒着ぶりの一例を紹介しておくのも、おそらく無駄ではないでしょう。(訳者)


福島県の「TMT・医療結合」ベンチャー、HealtheeOneが創業資金として80万米ドルを調達

20161116日水曜日

【福島県いわき市発】株式会社HealtheeOneは福島県いわき市で設立された法人であり、TMT(テクノロジー、メディア、テレコミュニケーション)と健康管理を結合した分野の製品とサービスを開発すること、および日本国内外で供給することをめざしている。同社は本日、このフクシマTMT・ヘルスケア事業の起ち上げがいわき市の補助金を受けるとともに、HealtheeOne発足資金として、提携先に株式を発行したり、政府保証金融機関の日本政策金融公庫から劣後ローンを受けたりして、80万米ドル[8690万円/1117日]を調達した。
[訳注]劣後ローンとは、他の特定の債権又は一般の債権より支払い順位が劣るローン。

HealtheeOneは目下、国内外に20名程度の要員を擁し、クリニック向けに斬新なビジネス支援サービスを開発しており、2016年末までに発売・発表することをめざしている。同社はこの80万米ドルを、製品工学、販売・マーケティング、顧客サービス各チームの開発を増強・加速するための資金に使う意向である。

HealtheeOneについて

HealtheeOneがご提案する価値は、地方の地域社会が適正で思いやりのあるヘルスケアに対するアクセスを享受できるようにすることにあります。弊社のテクノロジーは、弊社の営業およびサービスと相まって、たとえば、第一線に立つ医療従事者様が日々にこなす事務作業のストレスと負担の軽減に貢献するとともに、手術担当医様が患者様とご家族様とご満足度を高めるための支援をいたします。弊社は最初の製品を2016年末までに発売する所存であります。

HealtheeOneはまた、福島県に創設された新規事業として、地域の産業再活性化・発展のTMTおよび医療の分野における主要な役割を担うべく努めてまいります。

協賛のおことば

HealtheeOneは、第一線に立って多忙な医療従事者の日常的な負担を軽減し、その結果、患者とその家族のための医療サイクル全体にとって多大な価値創造に貢献するものであり、わたしはその発足をこころから喜んでおります。HealtheeOneは福島県いわき市に本社を置いており、わたしは近い将来に革新的な医療モデルを開発するものと確信しております」
――山本雄士
株式会社MinaCare創業者・CEO
ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー
東京大学卒、医学士、博士
ハーバード大学大学院経営学研究科より経営学修士。

HealtheeOneは、いわき市が積極的に支援している、将来性が屈指である有望ベンチャー起業です。わたしどもは、急速に進む人口の高齢化、人口あたり医療・看護従事者数の不足など、いわき市が直面している社会問題に対して、HealtheeOneの事業とビジネスが解決に資するものであり、構想力のあり、社会的意識の高い、この新規事業がいわき市から急速に発展し、成長するものと多いに期待しております」
――荒川洋
福島県いわき市産業振興部長、経済産業省による融資について。

HealtheeOneの事業は、2011年の津波と原子力発電所事故で被災した福島県の湾岸地域において、高齢化社会の医療問題の解決を実践的に促進し、産業開発を加速するものであり、日本政策金融公庫は同社の創業に融資することによる支援を決定しました。当公庫はHealtheeOneのさらなる成長を心待ちにしております」
――伊藤真
日本政策金融公庫・東北創業支援センター所長

「わたしたちは、首尾よくビジネス提携先の皆さまに80万米ドルの創業資金をご提供いただいたと発表することを嬉しく思っております。医療は必要不可欠であり、万人にとって常に手の届くものでなくてはならず、これはわたしが2009年に在宅末期医療の患者の家族として感じたことです。しかしながら、利用可能性と一定レベルの医療サービスを保証するためには、第一線の医療従事者は休む暇なく献身しなければなりません。わたしたちは、弊社のテクノロジー、サービス、情報が看護・医療従事者の非医療業務を最小化するとともに、患者の皆様とご家族の満足度を最大化するものと信じております。さらにまた、わたしたちは東京から鉄道で2時間の福島県いわき市のTMT・医療結合創業企業として、デラウェア州ではなく、いわき市を登記地に選ぶことにより、模範になることを意図しています」
――小柳正和
株式会社HealtheeOne創業者・CEO

創業者プロフィール

小柳正和 株式会社HealtheeOne創業者・CEO

「コヤ」は1976年に福島県の生まれ、東京の伊藤忠商事の企業内起業家、携帯電話補償サービスを営むアシュリオン・ジャパン株式会社の製品・リスク・補償管理部長、スイスのネットワーク仮想化ソフトウェアのベンチャー企業、ミドクラの経営企画副プレジデントとしてTMT産業の職務経歴を積む。彼はまた、町や都会のゴミ拾い活動をおこなう日本のNPOGreenbirdのパリ・グループの発足メンバーとして非営利団体事業に従事。

医療分野で献身する彼の情熱は、2009年に福島県いわき市の自宅で父親が終末期医療を受けたため、毎週末に東京・福島間を往復した個人的な体験に根ざしている。

コヤは慶応大学の工学士号(電気工学科)を取得、フランスのHECパリ経営大学院の修士号を保持。
https://www.globenewswire.com/newsroom/ti?nf=NjYyNTc3OCMxNDA0OTU3IzIwODIwMTA=
Media Contacts:
HealtheeOne Inc.

【クレジット】

EconoTimes, "HealtheeOne Inc., a Fukushima “TMT x Healthcare” Startup, Raised US$0.8 Million in a Seed Round," posted on November 16, 2016 at;

【参考サイト】


HPで得られる情報は、これだけ…

医療ガバナンス学会 (2015106 06:00)
スイスMidokura
小柳 正和

東日本大震災以降、福島県いわき市の医療環境は厳しい状態が続いていると言われている。総合商社やベンチャー企業にてITや通信ビジネスを手がけてきた私がいわき市の医療環境を意識することになったきっかけは、震災より前の2009年に思いがけず末期癌になった私の父をいわきの自宅で看取った経験に遡る。

2008年秋、父はステージIII Bの肺がん宣告を突然受けた。間もなく父はいわき市内の大きな病院で抗がん剤治療を開始した。父の闘病生活を受け、当時私は東京都内の総合商社社員であったが毎週末に高速バスで東京いわき間を往復した。ある日、主治医から私たち家族に話があった。父にこれ以上の治療を施しようがなく、またこの大きな病院は治療するための施設であるということだった。つまり終末期に突入したため転院を奨められたのだ。喜怒哀楽が豊かだった父はがん宣告後は家族が驚くほど冷静で感情を剥き出すことはなかった。だが転院の話に父の落胆は大きかった。信頼していた医師から見放されてしまったという感情からだった。あらゆる選択肢を家族で話し合った。Quality of Lifeを考慮した結果、母が介護休職を取得して父を自宅で看取ることとした。

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