2013年5月28日火曜日

5.20「#ふくしま集団疎開裁判」#アレクセイ_V_ヤブロコフ 博士・郡山講演プレゼンテーション


「ふくしま集団疎開裁判」の会 郡山連続講演会
第2回 アレクセイ・V・ヤブロコフ博士講演
『チェルノブイリ被害の全貌~福島への教訓
』
日時  2013年5月20日(月)午後6時30分~
会場  郡山市総合福祉センター5階集会室
講師  アレクセイ・V・ヤブロコフ博士
     (岩波書店『
調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』編著者)
主催  ふくしま集団疎開裁判の会
    チェルノブイリ被害実態レポート翻訳チーム
【講師略歴】
Алексей Владимирович Яблоков 
生物学博士。ロシア科学アカデミー評議員。欧州放射線リスク委員会(ECRR)協議委員会委員。チェルノブイリ事故当時、ゴルバチョフ書記長のアドバイザーを務め、被曝者のその後について25年以上追跡調査。下記書籍を編著、同事故による死者数は1986年から2004年の間で少なくとも98万5000人に達するとの推計を発表。福島事故後、被曝による健康への影響の過小評価を警告。


【新刊案内】「フクシマ後」を生きるすべての人びとのために
『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店、定価5,000円)


アレクセイ・V・ヤブロコフ、ヴァシリー・B・ネステレンコ、アレクセイ・V・ネステレンコ、ナタリヤ・E・プレオブラジェンスカヤ〈著〉/チェルノブイリ被害実態レポート翻訳チーム〈訳〉/崎山比早子〈日本語版序〉/星川 淳〈監訳〉
大惨事から27年、北半球全域を覆った放射能による死者数は約百万にのぼり、その環境被害は今も進行中である――。多年にわたる調査と5,000以上の文献に基づき、衝撃的な被害の全貌を報告した決定版データ集、待望の翻訳。


【英語PDF版リンク】


講演ツアー案内(チラシより転載)
アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会

2013年5月
18日(土)東京
19
日(日)盛岡
20
日(月)郡山
21
日(火)外国特派員協会(東京)
22
日(水)京都


1986年のチェルノブイリ原発事故は、北半球全体に膨大な放射性物質を飛散させ、人間と生態系に即時から中長期にわたる放射線被曝をもたらしました。とりわけ原発から至近距離にあるベラルーシ、ウクライナ、ロシアの被害は深刻で、汚染地では健康な子どもの割合が20%以下になったと言われるほどです。しかし、IAEA(国際原子力機関)やWHO(世界保健機関)による“公式”な報告は組織的に事故の影響を過小評価し続けてきたため、被害の実態を知る医師や研究者たちが強く異を唱えるようになりました。それらの声とデータを徹底的に拾い上げたのが、ゴルバチョフの科学顧問を務めたヤブロコフ博士とベルラド研究所を創設したネステレンコ博士が中心になってまとめ、ニューヨーク科学アカデミーから2009年に英訳版が刊行された『チェルノブイリ――大惨事が及ぼした人と環境への影響』です。
今回、その邦訳『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)が4月26日に刊行されたことを受けて、主著者であるヤブロコフ博士に同書の内容と、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染に対処する上でチェルノブイリから学ぶべきものをお話しいただきます。教訓の一つは、大規模かつ継続的な被曝の影響が甲状腺がんにとどまらず、幅広い疾病や症状として表れることであり、それらに対する適切な監視と手当てを行うには国内外の英知と資源を結集しなければならないことです。

【リンク】
IWJ Independent Web Journalビデオ
郡山会場 5/20ふくしま集団疎開裁判の会 ヤブロコフ博士 郡山講演会 文字おこし(講演部分)
ブログ『みんな楽しくHappy ♡ がいい♪』東京会場 <講演部分>アレクセイ・ヤブロコフ博士5/18(内容書き出し)
「ふくしま集団疎開裁判」公式ブログヤブロコフ 博士郡山講演会プレゼンテーション資料(PPTスライド画像。本稿の姉妹版。日本語訳表記のみですが、シンプルに一覧できます)




2013年5月18~22日 日本講演ツアー
東京/盛岡/郡山/京都


福島に伝える
チェルノブイリの教訓
(人間と環境に対する影響)


アレクセイ・V・ヤブロコフ
モスクワ、ロシア科学アカデミー
(yaburokov@voxnet.ru)








『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』
(サンクトペテルブルグ2007、ニューヨーク2009、キエフ2011、東京2013年刊)

(記事、報告書など5,000点を超える文献を反映した)
本書は、チェルノブイリ事故の影響に関して、
おそらく最新の
(業界や政府から)独立した
調査報告書であろう。


ヤブロコフ2013年

Solid cancers incidence in Russia
Bryansk (heavily contaminated)  and Kaluga (less contaminated) provinces
(Ivanov et al., 2004)

ロシアにおける固形癌の発症数
ブリヤンスク(重度汚染)、カルガ(軽度汚染)両州
(イワノフほか、2004年)

Dynamics of the thyroid cancer morbidity after Chernobyl :
Belarus and Ukraine
チェルノブイリ事故後の甲状腺癌死者数の動向:
ベラルーシとウクライナ



Dynamics of the breast cancer morbidity, under different levels of radioactive contamination 
(Nat. Belarusian Report, 2006)

さまざまな放射能汚染レベルにおける
乳癌発症数の動向
(ベラルーシ政府報告、2006年)



 
Frequencies of miscarriages (%) in 1987 – 1999
1 - liquidators families; 2 - Ryazan province  (Russia)
(Lyaginskaya et al., 2007)


1987~1999年期間の流産の頻度(%)
1 リクビダートル(事故処理作業員)家族  2 リャザン州(ロシア)


(リャギンスカヤほか、2007年)

Number of the newborns with congenital malformations, 1983 – 1996, Luginy district, Zhytomir province, Ukraine(Godlevsky, Nasvit, 1999).
1983~1996年期間、ウクライナ、ジトームィル州
ルギヌイ地区における先天性奇形出産の数

(ゴドレフスキー、ナスヴィト、1999年)

Typical Chernobyl-induced congenital malformations (www.progetto.humus)
チェルノブイリ関連の先天性奇形の典型例

Prevalence of trisomy-21 in Belarus and West Berlin  Change-point (“broken stick”) model (Sperling et al., 2008).
ベラルーシおよび西ベルリンにおける
トリソミー21(ダウン症候群)有病率の比較

相転換点(「断線」)モデル (スペルリングほか、2008年)


Number of bilateral lens opacities and level of incorporated Cs-137 in children, Belarus
(Arynchyn and Ospennikova, 1999)
ベラルーシの子どもたちのセシウム137体内取り込み量と
両眼水晶体内混濁症状の数

(アリンチン、オスペンニコワ、1999年)


チェルノブイリ放射線被曝に関連する健康障害:
·         血液および循環器系;
·         内分泌系(糖尿病など);
·         免疫系;
·         呼吸器系;
·         複合疾患(同時に複数の健康障害)
·         泌尿生殖器官系疾患と生殖障害;
·         骨格系;
·         中枢神経系;
·         消化器官(歯など口腔内器官を含む);
·         成人および子どもの両方におよぶ早期老化;
·         突然変異;
·         出生時性別比率の変化(男児が減少);
·         複合疾患(同時に複数の健康障害)

Deviation of infant mortality from the long-term trend in Germany (left) and Poland (right) (Korblein, 2006)
ドイツ(左)とポーランド(右)における
乳児死亡率の長期的傾向からの逸脱
 
(コルブレイン、2006年)

Infant mortality in Norway, Switzerland, Sweden and Finland,1980 - 2006, and undisturbed trend line.
Based on official statistical data (Korblein, 2008) 

ノルウエー、スイス、スエーデン、フィンランドにおける
1980~2006年期間の
乳児死亡率
および影響を受けない自然傾向のライン

出典:公式統計データ (コルブレイン、2008年)


Total mortality in heavily and less contaminated areas, Russia, 1984 - 2004  (Khudoley et al, 2006)
ロシアの高度汚染地域及び低度汚染地域における
1984
~2004年期間の
総死亡率
(クドレイほか、2006年)



放射線に対する不安が薄れていくにもかかわらず、
惨事のあと、死亡率が増大しつづけているので、

単純に心理学的要因(「放射線恐怖症」)が
確定的な理由とはならない。



チェルノブイリ汚染地帯では、ハタネズミ、
ツバメ、カエル類にも、突然変異率の増大など、
同じような健康障害が観察されているというのに、
「放射線恐怖症」で片付けるとは、
いったい何事か?



研究対象になったすべての動植物に
惨事以前には稀であった形状異常/奇形が観察される。


研究対象になったすべての動植物と微生物に
汚染度の低い地域に比べて
高レベルの突然変異率が観測される。




チェルノブイリの教訓
教訓1.  一般人に対する放射線の安全性に関する公的機関による通知を信頼してはならない;
教訓2.  独立機関による空気、食品、水の放射線モニタリング体制を確立しなければならない;
教訓3.  独立機関による各種の放射性核種を統合したモニタリング体制を確立しなければならない。


More than six years now, the Hippocratic Vigil has been held in front of the WHO headquarters (Geneva),
each working day between 8 am and 6 pm

(www.independentWHO.org)
すでに6年以上前からWHO本部(ジュネーブ)前で
平日欠かさず午前8時から午後6時まで
「ヒポクラテスの見張り番」が挙行されている

(http://independentwho.org/jp/)

フクシマ
チェルノブイリ
に匹敵するWHOによる新たな隠蔽
【(訳者による参照ビデオ引用】                   



チェルノブイリ
1986年 WHO「直ちに危険はない」「癌発症リスクはありえない」
2005年 WHO:死亡者総数(1986~2056年)約9000人
    疾病者数 約200,000人
フクシマ
2013年 WHO「放射線によって最悪の影響を受けた地理的範囲の外部であれば、福島県内であっても、予測されるリスクは低いままであり、基調となる比率内の自然変動幅を超える癌の増加は予想されない」

Infant mortality: Japan 2002 – 2012 (left)
Germany 1980 – 1994 (right)    
(Korblein, 2013)
乳児死亡率:日本 2002年~2012年(左)
ドイツ 1980~1994年(右)

(コルブレイン、2013年)


Decline in Live-Birth Numbers in 9 month after in Kiev city (Ukraine, 1987), and in Fukushima province (2012)
(Korblein, 2012)
事故後9か月のキエフ市(ウクライナ、1987年)と
福島県(2012年)における生存出産の減少  

(Korblein, 2012)





チェルノブイリが導く日本の将来予測
増加:
- 染色体の突然変異(2011年から)
- 先天性奇形(2011年末から)
- 乳児および周産期死亡(2011~2013年)
- 白血病(2011~2014年)
- 甲状腺結節(2011年から)、甲状腺癌(2015年から)
- 血液・血管疾病(2012年から)
- 脳傷害(2012年から)
- 早期老化(2014年から)
減少:
- 精子の数(2011年から)
- 新生男児の数――男女出生数の変化(2011~2012年)
免疫系の障害――感染症など(2013年から)
ホルモン分泌系の障害――性的発達の異常、初経、
更年期障害、糖尿病など
(2013年から)



日本における放射性核種汚染に関する予測
(チェルノブイリにおける環境の事実にもとづく)
6~10年内に土壌上層と空気中の
電離放射線レベルが上昇する
(植物の根が放射性核種を
根圏〔15~25cm〕から地表に運搬する)



フクシマ後の各個人/公衆の健康に関して考えうる指標
- 染色体異常の数
- 眼球水晶体混濁の症例数
- 口腔内と膀胱の上皮組織の細胞遺伝学的な特徴
- 免疫学的な試験
- 血液組成
- 精子量分析
- 新生児、死産、新生児の男女比率
- 死亡率(乳児死亡、突然死など)
- 出生時体重
- 先天性奇形の比率



平均ミリシーベルト線量で
現実的な安全性を判断できない。
現実的な各個人の安全は
各個人の放射線負荷量を反映する。

推測するための設問:
最初の数日/数週間の線量は?
「ホット・パーティクル」線量は?
まだらな汚染分布の影響は?
すべての放射性核種の線量なのか?



各個人の放射線負荷量は、
歯のエナメル質、染色体、眼球水晶体、
および

ホール・ボディ・カウンターによる体内蓄積測定
によって測定できるかもしれない。

安全でないレベルは20ベクレル/kg(子ども)、
50
ベクレル/kg(成人)以上である。

人間と環境に対するフクシマの負の帰結は
これからの多年にわたり数世代にわたる
日本の現実となるだろう。


チェルノブイリ/フクシマの主要な教訓

わたしたちの惑星を原子力で危険にさらす
核産業の意志は、人類と地球に対する核兵器と
同等レベルの惨事
という結果を招くだろう。



2013年5月18~22日、日本
東京/盛岡/郡山/京都


ご清聴ありがとうございました!
アレクセイ・ヤブロコフ

yablokov@voxnet.ru

Yablokov, 2013

********* 以下、補追 *********


線量にもとづく安全規制(「mSv/年」)は
非現実的で間違っている。

理由:
- 地域汚染の点在(「ホット・スポット」)
- 放射能に対する感受性の個人的なばらつき
- 食品嗜好の個人的なばらつき
- 身体的活動の個人的なばらつき
- そして、時間と屋内・屋外のちがい
- 線量を構成する、すべての放射性核種を考慮する推計のむつかしさ(α線、γ線、β線放射核種)
「ミリシーベルト/年」=「病院内平均気温」と同じ類い

Typical patchy fallout (Greece as example, E. Simopolous data),
and dynamics of Chernobyl’ radioactive contamination
典型的にまばらな放射性降下物分布
(ギリシアの例、E・シモポラウスによるデータ)
およびチェルノブイリ放射能汚染の動向



チェルノブイリの重度汚染地帯で
野生生物が繁栄しているように観測されることが
時にあるが、その見かけは偽りである。


·   形態形成学的、形態遺伝学的、免疫学的に検証すれば、その地帯で調査された植物、魚類、両生類、哺乳類のすべての生息生物は貧弱な状態にあった。

·   この地帯は「ブラック・ホール」にたとえることができる。
一部の生物種が、非汚染地域からの移動によって、その地で生き残ることができるだけかもしれない。

ベラルーシ、ウクライナ、欧州部ロシアの4万ベクレル/km2以上の汚染領域において、1990年から2004年までの死亡率の上昇は≈ 4.0%だった。同地のチェルノブイリ関連の死亡者数は惨事から最初の15年間で237,000人近くに達した。
チェルノブイリ事故による放射性核種の最大60%はソ連邦領域の外部に沈着したので、1987年から2004年までの期間中のチェルノブイリ関連死亡者の世界総数は800,000人近くに達すると推測しても差し支えないだろう。
チェルノブイリ災害に起因する(死産数の増大を含む)世界の出産障害は、死亡者数に数十万人分を加えるはずである。



公的な予測のすべては
平均実効線量という
方法論として無効な概念に
もとづいている



現実的な各個人の線量を推計するさいの主要な難事(1)
推測するための設問:
最初の数日/数週間の線量は?
「ホット・パーティクル」線量は?
まだらな汚染分布の影響は?
すべての放射性核種の線量なのか?



現実的な各個人の線量を推計するさいの主要な難事(2)
·  器官や組織の「平均荷重係数」はどれほど正しいのか?
·   空気、食品、水の「平均消費量」はどれほど正しいのか?
·   画一的な幻像(健康な白人男性、年齢20歳)を用いるのは、どれほど正しいのか?


現実的な各個人の線量を推計するさいの主要な難事(3)
チェルノブイリ惨事後の最初の3年半の期間における
医療統計の全面的な秘密主義/偽造


「…緊急活動に従事した労働者にとって…心血管系失調症の診断は、
まさしく
放射線に関連した健康状態の変化などありはしないといわれるに等しかった…つまり、診断は器質的神経性症状を除外していない」

1987年1月付け、ソ連邦厚生省の秘密電報より(コワレフスカヤ、1995年)

BEIR(電離放射線の生物学的影響に関する諮問委員会)/UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の掲げる主要な前提条件である平均実効線量という概念は大量のデータに矛盾している。

·       個人の「実効(等価)線量」(mSv〔ミリシーベルト〕 – WHO〔世界保健機関〕/IAER〔国際原子力機関〕の主要な判定基準)は、人間に対する現実的な放射線照射レベルを判定するのに有効たりえない。




いかなる放射線災害の影響に関する客観的な情報も
次の各項を比較することによって得られる;
-           環境が同じであり、居住地の放射能汚染度だけが異なる住民集団の死亡率;
-           災害後の同じ人間集団の健康状態;
-           特に放射線と関連した障害についての同じ人間集団の健康状態(たとえば、安定染色体の異常)

Chernobyl radionuclides: 43% of Belarus, Ukraine and Russia
37% - other Europe, 20% - Asia, North America and Africa
チェルノブイリ放射性核種: ベラルーシ、ウクライナ、ロシアに43%、その他のヨーロッパに37%、アジア、北アメリカ、アフリカに20%
Radionyuclide' 
plums in 10 days
after the Catastrophe

惨事10日後の
放射性プルーム
の分布

(Livermore Nat. Lab., 1992)


(リヴァーモア国立研究所、1992年)






Dynamics of the thyroid cancer morbidity after Chernobyl:
 
Greece and Romania
チェルノブイリ惨事後の甲状腺癌死亡数の動向:
ギリシアとルーマニア




人体内の下記放射性物質レベルを正確に評価するための
直接的な方法がいくつかある:
・汗、尿、糞便、毛髪、爪に含まれるa、γ、β放射能の測定
     (安全でないレベルは、子どもで20 Bq/kg以上、成人で50 Bq/kg以上);
・ホール・ボディ・カウンターを用いたγ放射能蓄積量の測定;
・甲状腺、胸腺、眼球、鼠径、首、腋窩、鼠径リンパ節におけるγ、β放射能の測定;
・中期間または長期間、残存するa、γ、β放射能の(遺体火葬灰)測定;
・さまざまな器官のa、γ、β放射能の(生検または遺体)測定



フクシマ事故の影響に関するWHO報告から
(2013年2月)
「放射線によって最悪の影響を受けた地理的範囲の外部であれば、福島県内であっても、予測されるリスクは低いままであり、基調となる比率内の自然変動幅を超える癌の増加は予想されない」


個人別放射能(総)負荷量は
次の体組織を「記録」することによって
計算できるかもしれない:
-           歯のエナメル質

-           染色体

-           眼球水晶体、など

                                                                                                                                      


2013年5月15日水曜日

地元紙が宣伝する福島県の「子どもの被曝」安全・安心キャンペーン

まず、次の2013年5月12日付け福島民報記事をお読みいただきたい――


2013年5月12日
記事の導入部を引用してみよう――
県と福島医大は6月から、東京電力福島第一原発事故に伴う甲状腺検査に関し、「本県が他県と比べて特異な状況にない」とした環境省の調査結果について情報共有化を推し進める。県内全ての小中学校、高校、保育所、幼稚園の計1700カ所余りの父母、教職員らを対象に検査の内容や意義などを伝える説明会を開き、リスクコミュニケーションを本格化させる。県民、教育関係者の放射線への不安解消につなげる。
出だしを読むだけで、福島県と県立医大のねらいが、子どもたちの甲状腺癌発症から県民の目をそらすための新たな放射線安全キャンペーンにあることは明らかである。ちなみに、記事中の調査結果は環境省の発表とされているが、調査事業「平成24年度原子力災害影響調査等事業(甲状腺結節性疾患有所見率等調査事業)」の入札公告官庁は資源エネルギー庁、問合せ・応札窓口は経済産業省電気・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課となっている――
福島民報記事によれば、説明会の実施要項は次の通り――
実施会場:
公立の小学校                      472校
中学校                            232校
高校(全日制・定時制)             93校
公立幼稚園                        201施設
認可保育所                        317施設
私立小学校                         3校
私立中学校                         8校
私立高校                           17校
私立幼稚園                        147施設
認可外保育所                      213施設
施設単位の開催を基本とするが、地域単位で実施することも想定。
受講対象者:
①在校児童、生徒とその保護者、
②乳児を持つ地域の父母らも受け付ける方向で調整、
③県外避難者への対応も検討、
④教育関係者向けには、保護者からの問い合わせに対応できる問答集をマニュアルとして作成し、配布することも視野に。
講師:
福島医大放射線医学県民健康管理センターの甲状腺検査担当者ら、
県内の甲状腺検査の実務担当者20人程度を活用、
県外の専門家の協力、
県内各地の医師を説明担当者として養成。
説明内容と目的:
環境省がまとめた他県との比較調査をはじめ、県内の検査結果の概要、生涯にわたり子どもの健康を見守る甲状腺検査の意義などを説明する。放射線の影響に関する知識も伝え、正しい理解を促す。
資金の手当て:
平成24年度に政府から交付されたリスクコミュニケーション対策費約6億円の一部を充てる。
いかがだろうか? 福島県と県立医大は、疑問に満ちた環境省発表を好材料として前面に押し立て、新たに包括的で大規模な安全・安心キャンペーンを推進しようとしている。また福島民報記事は、次のような解説を付記して、キャンペーンの一翼を担っている――
■A2判定本県、3県より低く
県内の子どもの甲状腺検査結果は【表①】、環境省が実施した青森、山梨、長崎の3県の甲状腺検査結果は【表②】の通り。小さなしこりなどがある「A2判定」(二次検査の必要なし)の割合は41・2%だった本県の甲状腺検査結果の方が低かった。同省は「検査人数の違いなどを総合的に考慮すれば、ほぼ同様の結果。福島に特異な状況は見られない」とした。

念入りなことに、用語解説も添えている――
※リスクコミュニケーション 放射線や化学物質など健康への影響が心配される物・事象について、事業者や行政が説明会などで住民に正しい情報を伝え、互いに意思疎通を図った上でリスク(危険性)の軽減に取り組むこと。
福島県の場合、この解説文を次のように校正すべきだろう――
※リスクコミュニケーション 放射線や化学物質など健康への影響が心配される物・事象について、事業者や行政が説明会などで住民に歪曲した情報を伝え、互いの意思疎通の混乱と遮断を図った上でリスク(危険性)を隠蔽すること。

“Hunger Strike at Tent Plaza, Hunger Strike Anywhere”



Tent Plaza (Tento-hiroba), settled at a corner of the Ministry of Economy, Trade and Industry (METI) site, Tokyo, ever since September 11, 2011, has been serving as an essential foothold for all the people seeking for the way to break with nuclear power, including nuclear disaster victims and evacuees from Fukushima.
METI, however, without giving ear to deep voices of those people, has launched legal action to obtain the surrender of the tent site. (The 1st oral argument will be held on May 23.)
And we, the Tent Plaza stuff, are going to take a continuous joint hunger strike and sit-in action from May 16 to May 21, in order to express our unyielding intention to call for the METI’s withdrawal of litigation, and to represent the solidarity of all the people struggling to break with nuclear power.
There should be many people who cannot come to the Tent Plaza in front of METI building, and still want to join our action. So, we humbly request each and every of such people everywhere in Japan and in the world to take her/his own support action at the very spot she/he is at, in accordance with our word, “Hunger Strike at Tent Plaza, Hunger Strike Anywhere.”
We hope to create big surge of people’s demand to save the anti-nuclear tents by requesting you anywhere to take your own unique action united with “Hunger Strike at Tent Plaza.”
ü  Please inform us when and what kind of action you or your group can take as a “Hunger Strike Anywher”;
E-mail: tentohiroba@gmail.com
Fax:    81-3-6206-1102

【至急!】拡散希望 ★テントでハンスト/どこでもハンスト★



経済産業省前テントひろばは2011年9月11日の設置以来、福島の被災者、避難者をはじめ、全国の脱原発を求める人々にとって不可欠な拠り所として機能してきました。
ところが経産省はこの切実な声を省みることなく、テント敷地の明け渡し訴訟の提訴に踏み切りました(5月23日第1回口頭弁論)。
そこでテントひろばでは訴訟の取り下げを求める不退転の意思を表明し、脱原発を願う全ての人々との連帯を表すために5月16日から21日まで連続共同ハンスト・座り込み行動を行います。
経産省前テントひろばに来ることはできないが、ぜひ自分も参加したいと思われる方々も多数おられることと思います。そこで「テントでハンスト/どこでもハンスト」を合言葉に広く全国各地の皆さま、世界各地の皆さまにもこの連続行動に合わせて、お住まいの地で支援行動を起こしていただくよう、お願いいたします。
「テントでハンスト」に連帯するユニークな行動を各地で行っていただくことで、脱原発テントを守ろうという大きなうねりを拡げて行きたいと思います。
1.   「どこでもハンスト」に参加してくださる方・グループも申込みをしてください。その際、どのような形態での行動かもお記しください。
連絡先はメール(tentohiroba@gmail.com)
またはファクス(03-6206-1102)にてお願いします。
(件名に「どこでもハンスト」とお記しください)。
2.   「テントでハンストどこでもハンスト」チラシ → ダウンロード
3.   裁判について詳細は http://tentohiroba-saiban.info/ をご覧ください。
テントでハンスト/どこでもハンスト主催団体:
            経産省前テントひろば(070-6473-1947)
以上は、黒田節子@原発いらない福島の女たち

English(英語): 世界のみなさんに向けて拡散をお願いします!

2013年5月13日月曜日

#ふくしま集団疎開裁判 郡山連続講演会:第1回5月12日 西尾正道さん「甲状腺疾患と内部被曝」

◎あなたのアクションが間違った判決をただします->今すぐ、判決直後アクションに参加を!

「ふくしま集団疎開裁判」の会 郡山連続講演会
第1回「甲状腺疾患と内部被曝」
n  日 時  2013年5月12日(日)午後1時30分~
n  場 所  郡山市富久山総合学習センター(サンライフ)
n  講 師  西尾 正道 氏(北海道がんセンター名誉院長)

IWJ_FUKUSHIMA1

講演の部

http://www.ustream.tv/recorded/32725209

質疑応答の部
http://www.ustream.tv/recorded/32729791


第2回予告「チェルノブイリ被害の全貌~福島への教訓」
n  日 時  2013年5月20日(月)午後6時30分~
n  会 場  郡山市総合福祉センター5階集会室
     (郡山市役所裏 TEL 024-924-2950)
n  参加費  無料
n  講 師  アレクセイ・V・ヤブロコフ博士
     (岩波書店『チェルノブイリ被害の全貌』編著者)

n  共 催  チェルノブイリ被害実態レポート翻訳チーム
詳細情報→ リンク

2013年5月8日水曜日

国内メディア報道に見る【#ふくしま集団疎開裁判】高裁決定 


郡山市内の子どもたちが安全な場所での教育の実施を求めていた通称「ふくしま集団疎開裁判」で、4月24日、仙台高等裁判所は抗告を却下しました。
郡山市内の子どもたちだけでなく、日本の子どもたちの未来を決めるといっても過言ではない、この仙台高裁決定はAP通信記事になって世界を駆けめぐりました。一方、肝心のわが国では、この重大ニュースはほとんど報道されず、投稿筆者の寡聞のせいか、高裁決定の内実がうかがえる実質的な内容を備えた主流メディアの記事は、毎日新聞の4月25日付け福島版記事と東京新聞の5月3日付け特報記事だけです。
記録のため、ここにこの2本の記事の紙面画像を、クレジットとして紙名と掲載日付を付して紹介します。

2013年4月25日付け毎日新聞/福島版
テキスト:毎日jp記事(4.25福島版)

「集団疎開」申請を却下 高裁決定「直ちに悪影響の証拠ない」


2013年5月3日付け東京新聞/特報部

テキスト:5.3北陸中日新聞・朝刊

2013年5月7日火曜日

【海外論調】引き裂かれた東北、未来世代に引き継ぐ負の遺産


アジア太平洋ジャーナル:ジャパン・フォーカス
アジア太平洋…そして世界を形成する諸勢力の批判的深層分析

Vol. 11, Issue 10, No. 4, 2013年3月11日
引き裂かれた東北
未来世代に引き継ぐ負の遺産

Tohoku Has Been Rent Asunder for Future Generations
ロジャー・パルヴァース
Roger Pulvers

いま3つに裂かれた東北がある…2011年3月11日以来、ずっとそうなのだ。
本州北東部の一部には、その日の東日本大震災とそれが引き起こした巨大津波の影響を直接受けなかった各地が含まれている。第2の部分は、浸水したり破壊されたりした沿岸の各地である。3番目は、福島県の町や村であり、福島第1原子力発電所からの放射能汚染の影響をこうむった。
3.11地震後の津波の高さを示す地図

しかし、以上のように区分するとしても、東北地方全体と、ある意味では、日本のすべてとが、現在と将来にわたり、放射能に、または汚染の恐怖に汚染されている。
わたしは1970年にはじめて岩手県宮古市を訪れているが、たったいまも、その美しい港街への訪問から帰ってきたばかりだ。過去2年間、被災地に行く度、いつでも最初に気づくらしいものは、鳥たちである。今回もノスリにタカ、シラサギにカラス…そして、空き地に家族であるように思えるハクチョウたちを見た。
空の巣は、木の上や見捨てられた建物の軒下など、そこら中にあった。鳥たちは、2011年3月11日のあと、地上に生きる動物たちすべての暮らし向きを変えてしまった災難など忘れてしまったかのようだ。
宮古市はいくつかの村を市域内に合併し、その結果、人口がほとんど6万に達している。その村のひとつが田老であり、この地はとりわけ甚大な津波被害をこうむった。田老には、1958年に完成し、1966年に増強された高さ10メートルの防潮堤があった。だが、田老を襲った津波は、高さ12メートルに達した。津波がそこの陸地に襲来したのは、地震の約40分後、午後3時25分である。土地の人たちは、自分たちの防潮堤を重んじすぎていたので、それが多くの人たちが逃げ遅れる原因になったという。田老の人口の5パーセント近く、200人の人びとが津波で死亡した。


3.11津波に襲われる宮古
壁で囲った宮古の護岸も同じように役に立たなかった。黒い水が堤防を乗り越えるシーンの映像は何度も見られたが、これは宮古で撮影されたものである。
今日、市街の広大な区域が荒地になっている。膨大な量のガラクタが波止場と野球場に集められ、山と積まれている。鉄道は閉鎖され、再開はされないだろうとわたしは聞いた。道路利用だけが、かつて風光明媚なことで名高かった三陸海岸のこの区域に出入りする唯一の方法である。
2013年3月2日、岩手県宮古市の赤前保育園。
筆者の隣が、1948年に保育園を設立した小関さん。
中央の白髪女性は、翻訳者、児童書出版者の
末盛千枝子さん。末盛さんの現在の主な活動は、
被災地の子どもたちに絵本を届けること。
子どもたちは絵本を家に持ち帰ることができる。
わたしはのちほど、8歳を筆頭に5人の子どもがいる夫婦の家におじゃました。妻とわたしは、6年間に生まれた4人の子どもを育てあげた…だが、5人とは! 家は小さかったけれど、子どもたちは母親と一緒に絵本を読み、お母さんから、そして地域社会全体から注がれる愛を感じていた。「花は咲く」の歌詞さながらだった――「花は咲く…いつか生まれる君に」
これと対照的なのが、汚染された各地の状況である。そのような場所でのわたしの経験を語るより、先月「低線量放射線の影響」に関するデータを同僚のアンダース・モラーとともにオンライン公表した生物学者、ティモシー・ムソーにお鉢をまわしたい。ムソーとモラーは、2011年3月以来、福島で長期間過ごしただけでなく、チェルノブイリに20年間以上も通ってきた。
「放射線はそこら中にあるが、見ることも、嗅ぐことも、感じることもできない」と彼らは書く。だが、汚染地帯で訪問者たちは「ぶざまにも不均等に成長した樹木、昆虫、鳥類、その他の動物のおびただしい異常」に気づく。「これらは、放射線被曝に誘発された遺伝子変異によって引き起こされた」
ふたりの生物学者たちは、「ソ連、フランス、日本といったさまざまな国で、政府や政府機関による、チェルノブイリおよびフクシマに関する情報の抑圧」があったと断言する。日本にいたっては、「科学者たちに、公衆衛生や低線量放射線の生態学的影響に関する研究課題への関心に偏りがある世界は、原子力産業界の他にどこにもない」と彼らは指摘する。彼らはさらに踏み込んで、オンライン研究論文で、日本の核科学者を1950年代にタバコ産業に雇われていた医学者たちに匹敵するという。
世界保健機関は、最近、福島原発事故による放射線の健康に対する影響は重大なものでないと主張した。だが、ムソーとモラーによる研究は、明確な視点から、このような主張を検討することを迫る。人間の世代交代は、30年間台のできごとである。したがって、チェルノブイリ惨事の影響でさえ、いまだに研究対象は基本的に第1世代に留まっている。
「われわれは負の影響の第1段階を目撃しているだけなのかもしれない」と彼らは書く。「次の事故は3000万もの人びとを放射能汚染で被曝させるかもしれない。… (チェルノブイリ近くの)鳥類、齧歯動物、昆虫類はいま第25世代、またはそれ以上の世代のものであって、これらの生物に関して記録されたチェルノブイリ由来の低線量放射線による負の影響は、人間について報告されているものよりもずっとひどい」
このような知見について読むとき、わたしは、赤前保育園の園児たちの明るい顔や、お話を読んできかせる母親の声を聴いている幼い子どもたちのキラキラした目の輝きを忘れることができない。宮古の人びとは、彼らの生活と日本のすべての人たちの生活を変えてしまった2年前のあの日以来、思いもつかない喪失と過酷さに苦しんできた。だが、彼らは少なくとも「花は咲く…いつか生まれる君に」という希望を抱くことができる。
しかし、東北の汚染された各地で暮らしを築いていた人びとには、帰還の望みはない。彼らは、彼らを騙し、騙しつづけている政府と原子力産業に拉致されたのだ。
現在の日本政府が、安倍晋三総理大臣のリーダーシップのもと、原子力産業を再建する意向であるという事実そのものが、福島県の放射能汚染による被害者に対する侮辱であるだけでなく、この国に生きるすべての人びとに対する途方もない規模の攻撃である。
安倍さん、あなたは「強い日本」を願うという。だが、国を防衛すると称する豪腕が、国を粉砕し、その住民のあらゆる希望を奪うことになるだろう。
すべての敵が国外から来るのではない。核化した日本は、この国の人びとに迫る最大のテロなのだ。このテロがつづくなら、花が咲くとしても、いま生きている子どもたちといつか生まれる世代の墓に咲く花だけだろう。

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本稿は、英字紙ジャパン・タイムズ、Counterpoint欄掲載の記事に若干の変更を加えた改訂版
ロジャー・パルヴァースは、作家、劇作家、舞台演出家、翻訳者であり、東京とシドニーで時間を配分して活動している。40冊を超える本を出版。最近著は“The Dream of Lafcadio Hearn”(『ラフカディオ・ハーンの夢』)。彼はアジア太平洋ジャーナルの提携パートナーである。


転載・引用のさいに推奨されるクレジット表記:
#原子力発電_原爆の子/アジア太平洋ジャーナル Vol. 11, Issue 10, No. 4, 2013年3月11日「引き裂かれた東北、未来世代に引き継ぐ負の遺産」――ロジャー・パルヴァース http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2013/05/blog-post.html
Roger Pulvers, "Tohoku Has Been Rent Asunder for Future Generations," The Asia-Pacific Journal, Vol. 11, Issue 10, No. 4. March 11, 2013.
http://www.japanfocus.org/site/view/3913

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――アンダース・パぺ・モラー、ティモシー・A・ムソー

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