2016年1月15日金曜日

核世界ネットワーク【海外論調】核時代のジョージ・オーウェル風ダブルスピーク~米国の新しい放射線防護対策指針




マーティ・ルルー Marti LeRoux

わたしたちの環境は放射能で汚染されている。認めるか否かにかかわらず、これが、毎朝、わたしたちが目覚めざるをえない現実世界である。核世界ネットワーク(NuclearWorld Network)は、マーティが、放射能が生命と環境におよぼす破壊的な作用について心配しているので存在する。彼女はわたしたちがわたしたちのDNAの統合性を保全しなければならないと信じている。わたしたちは選択的摂取の法則を有利に用いることによって、来るべき世代に強健な遺伝子基盤を伝えられるかもしれない。

骨の髄まで凍りつくような
新しい放射線防護対策指針
ロザリー・バーテル博士 Dr. Rosalie Bertell
バーテル博士は1989年の講演で、放射線学的な事象と放射性核種の環境放出を報告するさいに用いた2つの戦術について、次のように率直に説明している――

「被曝がいかに些細なことであるか、公衆に印象づけるために、2つの戦術があるようですので、最近、むしろ悪化しております。1つ目の戦術は、数字を小さくすることです。そこで、みなさんがしばらく放射能被曝や事故を報告する仕事に関わっていらっしゃったなら、スリーマイル・アイランドでたぶん80ミリレムとか、バックグラウンド放射能が100ミリレム、労働者は年間5,000ミリレムまで許容されているといったことばが語られていたことを憶えておられるでしょう。いまは変わりましたので、80ミリレムの代わりに0.8ミリシーベルトということになります。0.8は小さな数字です。労働者が5,000ミリレムの被曝をするのに替えて、いまは50ミリシーベルトの被曝です。このように、彼らは100倍大きい単位に変更し、数字を100分の1に小さくしたのです。ですから、これがひとつの戦術です。

「もうひとつの戦術は、あらゆるものをパーセントで表して、『さて、君のミルクに少しばかりヨウ素131が含まれているが、大丈夫だ。許容レベルのほんのわずかなパーセントにすぎない』と言えるようにすることです。ところで、その許容限度の由来はどこなのか、あなたがたのミルクに放射性物質が入っていても、大丈夫だとだれが言ったのか、告げられることはありません。だが、許容レベルのほんのわずかなパーセントと言い表すことすら、その許容レベルが常軌を逸して高いので、非常に欺瞞的なことなのです」

この講演がなされた以降、米国および海外において、悪名の高さでフクシマを筆頭に、数多くの放射能災害が勃発した。ホワイトハウスは最近、わたしたちの飲用水と土壌に含まれる放射能の「許容」レベルを劇的に引き上げた。こんなことが、あなたやわたしの提案や相談もなしになされたのだ。政権は許容レベルを引き上げることによって、わたしたちの放射能被曝の「新たな正常値」をでっちあげようとしている。

核のオーウェル風ダブルスピーク
Nuclear Orwellian Doublespeak
わざとことばを捻じ曲げ、あいまいな言語を駆使して、
人びとを誤った方向に誘導することが核PR工房の要諦

これで、すべて「許容レベル」の範囲内と合法的に言えるようになるので、核産業にとって、大勝利である。しかしながら、ホワイトハウスが許容する「許容レベル」は、ジョージ・オーウェルのダブルスピーク(doublespeak: 二重語法)に相等する。

ダブルスピークは、わざとことばに衣を着せて、ことばの真の意味を歪曲したり、偽装したり、あるいは逆転させたりする。これは、非常に狡猾な形態の操作であり、精妙な形態の洗脳であって、さまざまに多くの方法で容赦なくアメリカ国民に対して使われているが、特にマスメディアが盛んに活用している。核産業版の「真実」が心地よく聞こえるように、ダブルスピークが採用されている。ダブルスピークは、曖昧さと混乱を醸成することを意図して設計されている。

政治家たちや核ロビイストたちが「許容できる」と決めたものは、実際には容認できるものではないが、米国の主流メディアはそのことを報道する労をとっただろうか? もちろん、否である。米国の大手報道機関が核発電所のオーナー企業そのものに所有されていることが判明している。利益相反について語ろう!

犬に成り下がった環境保護庁
The EPA Has Gone To The Dogs
環境保護庁はいま、核産業の肥満した愛玩犬になっている。
新たな防護対策指針の策定以降、ものごとは悪化した。

環境保護庁(EPA)は新たな防護対策指針(PAG)を策定した。新たに確定されたPAGは悲惨なことに、きわめて杜撰〔ずさん〕な代物であり、それをオブラートで包んでいる。PAGには、広範囲にわたる「放射能緊急事態」につづいて、政府部局が採用を許された、避難、避難所、食品規制など、一連の施策に対応した条項が定められている。

核産業を防護するだけの新防護指針
New Protective Guidelines Only Protect the Nuclear Industry

核計画をいじくるとなれば、オーウェル風ダブルスピークが連発される。防護対策指針(PAG)という名称を例にあげれば、これらPAG条項はわたしたちを実際に防護することにほとんど関わっていない。むしろ既存の核産業の防護に関わっているのだ。おまけに、対策があるとしても、ほんのちょっぴりしかない。核汚染の浄化対策となれば、無策に毛が生えた程度のものであると発言しても大丈夫だとわたしは信じる。

これら「防護」指針条項がゆるくて、ほとんど使い物にならず、政府機関が核汚染に対処し、浄化するための措置を採ることをほんのわずかしか求められないので、癌罹患率、不妊、遺伝子変異が日常茶飯事になるだろう。わたしなら、対策指針なんて、お笑い草とまで言いたいところだが、そう言ったとしても、ホワイトハウスが自分たちの責任を真剣に果たすことを拒む直接の結果として、苦しむことになる世代に敬意を示さないことにはならないだろう。

卑劣な戦術
Sneaky Tactics
米国の主流メディアから核に反抗する論議が
一言も聞こえないのは驚くべきことだろうか?
フクシマの責任があるゼネラル・エレクトリックは、同時に
(ざっと挙げるだけでも)NBC、CNBS、USAネットワーク、
歴史チャンネル、Bravo TV、SYFYケーブルTV、ライフタイムTV、
バイオグラフィ・チャンネルのオーナーでもあるので、
たまたまそうなっているわけではない。

2013年4月15日のこと、新しいPAG、つまり防護対策指針に関するパブリック・コメントの募集が連邦広報に掲載され、EPAはそれと同時に、新PAGを即時に発効させた。パブリック・コメント募集は明らかに、新PAGを公論の俎上に載せる幻想を与えるための猿芝居に過ぎなかったのである。

オバマ政権のもとで公表された新PAGは、うなぎ登りに上昇する癌罹患率、遺伝子変異、流産、不妊、その他、これら新PAG条項の直接的な結果として出現するはずの放射線が誘発する健康問題に対する配慮にまったく欠けているので、わたしたちの健康をリスクに晒すことになる。(これら健康問題の大多数は皮肉なことに、被害者の貧弱な食習慣、放射能恐怖症、「遺伝性素因」、その他もろもろのせいだと容易に決めつけることができるが、「核放射線」ということばがまったく口にされないというのは疑わしい)

あなたが新PAG条項の的外れぶりの影響の全体像を理解するなら、あなたを無防備で安全策のないまま放置するため、意図的に仕組まれた曖昧で誤解を与える言語は、あなたを骨の髄まで凍りつかせもする。根っこにある問題は、これら新PAG条項が「放射線被曝を制限するために推奨される防護対策がなにもないまま、大量放射線被曝を許容している」という公然たる事実に潜んでいる。

新PAG条項は被害に侮辱を加える仕打ちとして、新たな変更を脚注に埋め込んでいる。変更箇所は文書そのものには書かれておらず、他の報告に言及する引用が付されているだけである。すでに飲料水安全法(SDWA)で定められている防護対策に比べて、新PAG条項がどうなのかについて、一言も触れられていない。

新「許容レベル」は懸念の種
The New “Permissible levels” are Disturbing
これら新PAG条項には骨の髄まで凍りつく。
新「許容」放射線レベルには人口抑制政策が
全面的に書き込まれている。

新しい防護対策指針は「環境責任を果たすための公務員連合」(PEER)によれば、食品、水、大気、環境の許容放射能レベルを懸念すべきほどまで引き上げることになる。PEERは、地方、州、連邦レベルの公務員たちの全米組織であり、彼らは新PAG基準にまつわる環境保護庁の内部Eメールに関して警戒心を抱いている。PEERは、飲料水の「ストロンチウム90による被曝を1,000倍近く、ヨウ素131による被曝を3,000倍ないし100,000倍、放射性のニッケル63による被曝を25,000倍近く引き上げる」と主張している。

これまでの制限値はわたしたちが「50年間で5レムを超える」被曝をしないように保証していたので、EPAはその責任に背を向けている。

これら新PAG条項が即座に撤回され、責任に適う旧PAG条項が復活しないかぎり、棺桶に打つ最後の釘になるのかもしれない。

うさんくさいことに、EPAは2011年以来(たまたまフクシマが世界全体に容赦なく放射性毒素を放出しはじめたのと同年に)、限度の引き上げを計画してきた。PAG条項は「助言」であり、新たな規制の提案であれば求められるような公の議論を必要としないと考えられたため、計画を策定する会合は法の抜け穴を使って密室で開かれた。しかしながら、これら新「許容レベル」があたかも規制と同じ重みをもつかのように扱われているので、問題が持ち上がった。PEERが情報公開法(FOIA)にもとづいて入手した内部文書が、新「許容レベル」はコップ一杯の飲料水が「生涯の許容被曝量に匹敵するもの」を含んでいても容認されるような代物であることを示す証拠を明らかにしている。

これらPAG条項は、「現場責任者」に旧限度を無視する大幅な自由裁量権を認めているので、とても鵜呑みにできる代物ではない。それによれば、環境保護庁は責任を問われることもない。最も心配なのは、「現場責任者」という用語が非常に曖昧であり、誤解を招くことである。わたしは、だれが「現場責任者」として適格なのかと問い詰めることがわたしたちの義務であると信じている。わたしの念頭に浮かぶ最初のものは、クリップボードやチェックリストを持った社畜、新PAG条項のありとあらゆる抜け穴に通じた白衣姿のEPA職員の類である。新PAG条項はどの面を切り込んでも、全体としての米国民に災害をもたらす呪文なのだ。

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Sources:

【クレジット】

Nuclear World Network, “New Protection Action Guidelines Will Leave You Chilled to the Bone,” December 26, 2015 by Marti LeRoux; http://www.nuclearworld.net/pag/.

2016年1月14日木曜日

ヘルス・マガジン【海外論調】わたしたちはフクシマの放射能を喰っている…


わたしたちはフクシマの放射能を喰っている…
魚介類の血にまみれた癌性腫瘍

Health Magazine  2016年1月12日  Health, Healthy Food

わたしたちはみな、魚が健康によいので、できるだけ多く食卓に載せるべきであることを知っている。だが近ごろになって、はたして魚が健康によいのかどうか、安全性に疑問が抱かれるようになった。おまけに、養殖魚よりも海の天然魚が好まれているが、残念なことに近い将来、魚介類を避けたほうがよくなるかもしれない。

スーパーステイション95[ニューヨークのFM局]が最近、太平洋の放射能レベルがとても高く、2015年6月以降、米国西岸に達したことが公的に記録されたと報道した。わたしたちみなが健康によいと信じている魚介類が、実際には、ストロンチウム90、セシウム137など、放射性物質を取りこんでいるのである。とりわけ恐ろしいことに、ストロンチウム90はカルシウムに似た特性を示し、体内に入ると直ちに骨に取りこまれる。それが放射性物質なので、骨髄に悪影響を与え、白血病やその他の骨と血液の癌の原因になる。太平洋の放射能レベルがとても高くて、ニシン、アラスカ産サケ、カナダ産白身魚などの魚類でさえ、癌性腫瘍にかかりはじめているとスーパーステイション95は伝えた。

最初はGMO[遺伝子組み換え農産物]、次いでモンサントについてわたしたちは聞かされ、今どき、フクシマの放射能がわたしたちの食品を取り返しがつかないまでダメにしており、もうすぐ、食べて健康によいどころか、安全なものはなくなってしまう。毎日の献立に取り入れるように勧められているあらゆる食品が、わたしたちの健康にとって危険になろうとしている。

その一方、ヴィクトリア大学の海洋学科、ジェイ・カレン准教授ら、多くの学者が別の言いかたをしている。彼は、現在の放射能レベルに着目すれば、年に40ポンド[18キロ]の天然魚を食しても、タバコ1日1パックの喫煙に比べて、健康にとって約1/300のリスクにしかならないという。

はてさて、人さまざまなので、科学者が賛成できないようだとしても、事を慎重に考えて、最善の策はなにか決めるのは、あなた次第ということになる。


【クレジット】

Health Magazine, “We Are Eating Fukushima Radiation – Bloody Cancerous Tumors in Fish & Seafood,” http://www.healthmagazine365.com/we-are-eating-fukushima-radiation-bloody-cancerous-tumors-in-fish-seafood/
Source: Healthy Food Team, http://www.healthyfoodteam.com/surprise-youre-eating-fukushima-radiation-bloody-cancerous-tumors-in-fish-seafood/

2016年1月13日水曜日

【ナチュラル・ニュース】フクシマ放射能による米海軍兵らの消耗性疾患


フクシマ放射能による米海軍兵らの消耗性疾患


2015年12月31日
専属記者、デイヴィッド・グティエレス David Gutierrez

【ナチュラル・ニュース】2011年の大地震・津波のあと、日本に救援のために派遣された米海軍水兵たちと海兵隊員たちがいま、ゾッとするような目に見える体の変化など、原因のわからない多種多様な健康問題に見舞われている。

米艦ロナルド・レーガンを旗艦とする米海軍第7艦隊は津波のあと、日本沿岸に針路を変え、救援活動に就役した。兵士らは、災害が福島第一核発電所の複数炉メルトダウンを引き起こしたり、放射性プルームが太平洋一帯に拡散したりしたことを告げられなかった。

航空甲板長のダガン・ホンダ兵曹と航空構造物整備にあたるロン・ライト技術兵は、任務旗艦中のほぼ毎日、終日をレーガンの甲板で支援物資を積み込んで過ごしていたと述べた。任務当初のほぼ1週間、水兵らは放射線防護装備品を支給されていなかった。

「だから、水兵らは放射性粒子まみれになりました」と、フクシマの事業者である東京電力株式会社、その他の被告数社を相手取って、集団代表訴訟に踏み切った水兵や海兵隊員ら200名あまりを代理するチャールズ・ボナー弁護士はいう。

健康問題の連発

ボナー氏によれば、申立人[原告]たちは、癌、腫瘍、脳欠損、出生異常、早死にをはじめ、原因がわからない多種多様な身体状態など、一連の健康問題に見舞われている。これらの健康問題は「非常に人数の多い非常に若い人たちの非常に深刻な疾患なのです」と、ボナー氏は述べた。

ホンダ氏は申立人のひとりである。彼は任務後、ほどなくして、説明のつかない倦怠感と定期的な偏頭痛に襲われはじめ、椎間板が急速に変性していると医者に告げられた。

ライト氏は任務終了後1か月以内に、股間に痛みをともなう腫れ物ができはじめた。彼の睾丸は、まだ艦上で勤務しているうちにテニスボール大に腫れ上がった。

「フクシマからの放射能と関係があるのではないかと質問してみると、医者はぶっきらぼうにノーと告げました」と、ライト氏はいった。

2011年発行のインド内分秘腺・代謝学会誌に発表された研究によれば、内分秘腺障害はフクシマ惨事の実証済みの副作用である――「内分秘腺はすべて、放射線被曝による影響を受けやすい。しかしながら、甲状腺と生殖腺は特に影響を受けやすい」。

申立人らによる他の健康障害の訴えとして、野球ミット大に腫れあがった腕、心臓の不整脈、大量の脱毛、筋肉の消耗、全身の痙攣〔けいれん〕、足の暗赤色変化、歩行能力の喪失などがある。

法の裁きを求める

ボナー氏によれば、東京電力は、フクシマ・メルトダウンによるリスクを意図的に過小評価し、核惨事緊急事態にいたらない程度のものに見せかけようとしたので、水兵らの健康障害に責任を負うべきである。

「東京電力は世界を相手に嘘をつき、メルトダウンは起こらなかった、万事が制御下にあると世界に告げたのです」と、ボナー氏は語った。

訴訟は、東京電力をはじめ、東芝、日立、エバスコ社、ゼネラル・エレクトリック社など、フクシマ施設の建造と運営に関わった企業を被告人に指名している。海軍や米国防総省は指名されていない。フェレス・ドクトリンとして知られる1959年の最高裁判例によれば、軍隊勤務によって負った、いかなる障害についても、兵士らが政府を訴追することは適法とされない。

国防総省は、法的責任を負うことがありえないにもかかわらず、法の裁きを求める兵士らを積極的に妨害してきたようである。2014年のアメリカ連邦議会宛て国防総省報告は、米艦ロナルド・レーガン乗組兵士らが被曝した放射線量は「連邦規制限度を優に下回っており」、観察したかぎり、「このような低レベル線量が健康障害の原因になるとは信じられない」と結論づけていた。

国防総省の軍医たちもまた、病苦の水兵らに診断を与える意思がないことで悪名高いが、おそらく放射能被曝症状の診断が意味することを恐れているのだろう。

Sources:


【クレジット】

Natural News, “Fukushima radiation causes debilitating deformities in US Navy sailors,” Thursday, December 31, 2015, by David Gutierrez, staff writer

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2013年4月14日日曜日

【海外論調】幼魚が死滅するとき――海水温上昇と漁業資源の減少 @hokaimagazine




Coastal Science and Societies 

環境の変化は多くの魚種にとって、乱獲以上に、生息数に悪影響をもたらす最大の要因になっている。Photo by Rotman/Jeff Rotman Photography/Corbis

有益な魚類が幼魚のうちに死滅するとき
気温の上昇が幼魚の生存率を抑制している。

ブライアン・オーウェンズ Brian Owens
2016年1月12日

気候変動が魚を幼いうちに殺害している。世界漁業資源データに対する最近の分析[Changing recruitmentcapacity in global fish stocks]によれば、成魚になるまで生存する魚の比率は過去60年間にわたり、10年間ごとに平均3パーセントの割合で下落している。

生態学博士課程の大学院生、グレッグ・ブリテン(Greg Britten)は39海域における127魚種について、漁業資源量の変化に関する統計をまとめ、幼魚死亡率の増加の要因の大部分が海水温の上昇および植物プランクトン個体数の減少である可能性があると考察した。

この研究は海洋水の温暖化が単なる潜在的な問題ではないことを見せつけている――それが数十年にわたり魚類の個体数に影響をおよぼしているのである。

成魚になるまで生存する魚類の個体数――「漁業資源補充量」――の3パーセントの減少は、検証対象にした魚種のすべてに対する世界平均値である。データをより詳しく掘り下げると、地域ごと、魚種ごとに特有な傾向の統計分布範囲がわかる。

たとえば、北大西洋における漁業資源量は10年間に8または9パーセントの減少を示しており、北太平洋のそれが比較的に安定しているのに比べて激変している。これはおそらく、太平洋における過去数十年間の環境変化の幅が小さく、また大規模な営利漁業の歴史が大西洋に比べて短いからであろう。

ブリテンは、概して植物プランクトン個体数が長期的に最大幅で減少している海域において、漁業資源の補充量が最大幅で減少していることを突き止めた。魚類の幼生にとって、プランクトンが主な餌になるので、これには理があると彼はいう。だが、海水温の上昇のために、低温の深海水に含まれる栄養素が高温の表層水に混じりこみにくくなり、プランクトンの個体数が押し下げられている可能性があるとも彼はいう。

環境要因が魚類の個体数の減少を引き起こした主たる問題ではあるが、大西洋タラのような、いくつかの優良漁獲種にとって、現実には乱獲が、幼魚が成魚に育つまで生存する能力に最大の影響をおよぼしている。

ブリテンは、この研究が地場の魚種個体数における時に気まぐれな短期的な変動の下に長期にわたる持続的な世界規模の減少傾向が隠されていることを示しているので、漁業管理にあたる人たちが将来における資源量管理の方法を決定するに際して、これを活用してほしいと願っている。

カナダ政府海洋水産省がノヴァスコシア州ハリファックスで運営するベッドフォード海洋研究所の漁業学者、ケン・フランク(Ken Frank)は、種々の要因が特定の魚種の資源量に影響をおよぼしている様相のメカニズムに関する詳細な情報がデータに不足しているので、この研究を実地に用いることは難しいだろうという。「これこそ、管理者たちが必要としているものです。メカニズムがわからなくて、どのように改善するのですか」と、彼はいう。

ブリテンは、それでも管理者たちはこの研究の知見を活用する方法を見つけるべきであり、とりわけ環境変化が資源量に影響をおよぼす様相に関する説明を取り入れるべきであるという。「この研究には、管理者たちに有益な情報があります。環境に持続的な傾向が見受けられ、同一海域における21種の個体数が減少しているとすれば、たぶんその傾向を決定のさいに組み込むべきなのでしょう」と彼はいう。

Species: Fish
Scientific Fields: Ecology, Fisheries

【クレジット】

Brian Owens, “When Good Fish Die Young,” Hakai Magazine, January 12, 2016, accessed January 12, 2016, http://bit.ly/1SeLSzq.