米国環境保護庁が新たに策定した放射線防護対策指針には骨の髄まで凍りつく…核時代のジョージ・オーウェル風 #ダブルスピーク(二重語法)
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— inoue toshio 子どもを守れ! (@yuima21c) 2016, 1月 15
わたしたちの環境は放射能で汚染されている。認めるか否かにかかわらず、これが、毎朝、わたしたちが目覚めざるをえない現実世界である。核世界ネットワーク(NuclearWorld Network)は、マーティが、放射能が生命と環境におよぼす破壊的な作用について心配しているので存在する。彼女はわたしたちがわたしたちのDNAの統合性を保全しなければならないと信じている。わたしたちは選択的摂取の法則を有利に用いることによって、来るべき世代に強健な遺伝子基盤を伝えられるかもしれない。
骨の髄まで凍りつくような
新しい放射線防護対策指針
ロザリー・バーテル博士 Dr. Rosalie Bertell
バーテル博士は1989年の講演で、放射線学的な事象と放射性核種の環境放出を報告するさいに用いた2つの戦術について、次のように率直に説明している――
「被曝がいかに些細なことであるか、公衆に印象づけるために、2つの戦術があるようですので、最近、むしろ悪化しております。1つ目の戦術は、数字を小さくすることです。そこで、みなさんがしばらく放射能被曝や事故を報告する仕事に関わっていらっしゃったなら、スリーマイル・アイランドでたぶん80ミリレムとか、バックグラウンド放射能が100ミリレム、労働者は年間5,000ミリレムまで許容されているといったことばが語られていたことを憶えておられるでしょう。いまは変わりましたので、80ミリレムの代わりに0.8ミリシーベルトということになります。0.8は小さな数字です。労働者が5,000ミリレムの被曝をするのに替えて、いまは50ミリシーベルトの被曝です。このように、彼らは100倍大きい単位に変更し、数字を100分の1に小さくしたのです。ですから、これがひとつの戦術です。
「もうひとつの戦術は、あらゆるものをパーセントで表して、『さて、君のミルクに少しばかりヨウ素131が含まれているが、大丈夫だ。許容レベルのほんのわずかなパーセントにすぎない』と言えるようにすることです。ところで、その許容限度の由来はどこなのか、あなたがたのミルクに放射性物質が入っていても、大丈夫だとだれが言ったのか、告げられることはありません。だが、許容レベルのほんのわずかなパーセントと言い表すことすら、その許容レベルが常軌を逸して高いので、非常に欺瞞的なことなのです」
この講演がなされた以降、米国および海外において、悪名の高さでフクシマを筆頭に、数多くの放射能災害が勃発した。ホワイトハウスは最近、わたしたちの飲用水と土壌に含まれる放射能の「許容」レベルを劇的に引き上げた。こんなことが、あなたやわたしの提案や相談もなしになされたのだ。政権は許容レベルを引き上げることによって、わたしたちの放射能被曝の「新たな正常値」をでっちあげようとしている。
核のオーウェル風ダブルスピーク
Nuclear Orwellian Doublespeak
わざとことばを捻じ曲げ、あいまいな言語を駆使して、
人びとを誤った方向に誘導することが核PR工房の要諦
これで、すべて「許容レベル」の範囲内と合法的に言えるようになるので、核産業にとって、大勝利である。しかしながら、ホワイトハウスが許容する「許容レベル」は、ジョージ・オーウェルのダブルスピーク(doublespeak: 二重語法)に相等する。
ダブルスピークは、わざとことばに衣を着せて、ことばの真の意味を歪曲したり、偽装したり、あるいは逆転させたりする。これは、非常に狡猾な形態の操作であり、精妙な形態の洗脳であって、さまざまに多くの方法で容赦なくアメリカ国民に対して使われているが、特にマスメディアが盛んに活用している。核産業版の「真実」が心地よく聞こえるように、ダブルスピークが採用されている。ダブルスピークは、曖昧さと混乱を醸成することを意図して設計されている。
政治家たちや核ロビイストたちが「許容できる」と決めたものは、実際には容認できるものではないが、米国の主流メディアはそのことを報道する労をとっただろうか? もちろん、否である。米国の大手報道機関が核発電所のオーナー企業そのものに所有されていることが判明している。利益相反について語ろう!
犬に成り下がった環境保護庁
The EPA Has Gone To The Dogs
環境保護庁はいま、核産業の肥満した愛玩犬になっている。
新たな防護対策指針の策定以降、ものごとは悪化した。
環境保護庁(EPA)は新たな防護対策指針(PAG)を策定した。新たに確定されたPAGは悲惨なことに、きわめて杜撰〔ずさん〕な代物であり、それをオブラートで包んでいる。PAGには、広範囲にわたる「放射能緊急事態」につづいて、政府部局が採用を許された、避難、避難所、食品規制など、一連の施策に対応した条項が定められている。
核産業を防護するだけの新防護指針
New
Protective Guidelines Only Protect the Nuclear Industry
核計画をいじくるとなれば、オーウェル風ダブルスピークが連発される。防護対策指針(PAG)という名称を例にあげれば、これらPAG条項はわたしたちを実際に防護することにほとんど関わっていない。むしろ既存の核産業の防護に関わっているのだ。おまけに、対策があるとしても、ほんのちょっぴりしかない。核汚染の浄化対策となれば、無策に毛が生えた程度のものであると発言しても大丈夫だとわたしは信じる。
これら「防護」指針条項がゆるくて、ほとんど使い物にならず、政府機関が核汚染に対処し、浄化するための措置を採ることをほんのわずかしか求められないので、癌罹患率、不妊、遺伝子変異が日常茶飯事になるだろう。わたしなら、対策指針なんて、お笑い草とまで言いたいところだが、そう言ったとしても、ホワイトハウスが自分たちの責任を真剣に果たすことを拒む直接の結果として、苦しむことになる世代に敬意を示さないことにはならないだろう。
卑劣な戦術
Sneaky
Tactics
米国の主流メディアから核に反抗する論議が
一言も聞こえないのは驚くべきことだろうか?
フクシマの責任があるゼネラル・エレクトリックは、同時に
(ざっと挙げるだけでも)NBC、CNBS、USAネットワーク、
歴史チャンネル、Bravo TV、SYFYケーブルTV、ライフタイムTV、
バイオグラフィ・チャンネルのオーナーでもあるので、
たまたまそうなっているわけではない。
2013年4月15日のこと、新しいPAG、つまり防護対策指針に関するパブリック・コメントの募集が連邦広報に掲載され、EPAはそれと同時に、新PAGを即時に発効させた。パブリック・コメント募集は明らかに、新PAGを公論の俎上に載せる幻想を与えるための猿芝居に過ぎなかったのである。
オバマ政権のもとで公表された新PAGは、うなぎ登りに上昇する癌罹患率、遺伝子変異、流産、不妊、その他、これら新PAG条項の直接的な結果として出現するはずの放射線が誘発する健康問題に対する配慮にまったく欠けているので、わたしたちの健康をリスクに晒すことになる。(これら健康問題の大多数は皮肉なことに、被害者の貧弱な食習慣、放射能恐怖症、「遺伝性素因」、その他もろもろのせいだと容易に決めつけることができるが、「核放射線」ということばがまったく口にされないというのは疑わしい)
あなたが新PAG条項の的外れぶりの影響の全体像を理解するなら、あなたを無防備で安全策のないまま放置するため、意図的に仕組まれた曖昧で誤解を与える言語は、あなたを骨の髄まで凍りつかせもする。根っこにある問題は、これら新PAG条項が「放射線被曝を制限するために推奨される防護対策がなにもないまま、大量放射線被曝を許容している」という公然たる事実に潜んでいる。
新PAG条項は被害に侮辱を加える仕打ちとして、新たな変更を脚注に埋め込んでいる。変更箇所は文書そのものには書かれておらず、他の報告に言及する引用が付されているだけである。すでに飲料水安全法(SDWA)で定められている防護対策に比べて、新PAG条項がどうなのかについて、一言も触れられていない。
新「許容レベル」は懸念の種
The New
“Permissible levels” are Disturbing
これら新PAG条項には骨の髄まで凍りつく。
新「許容」放射線レベルには人口抑制政策が
全面的に書き込まれている。
新しい防護対策指針は「環境責任を果たすための公務員連合」(PEER)によれば、食品、水、大気、環境の許容放射能レベルを懸念すべきほどまで引き上げることになる。PEERは、地方、州、連邦レベルの公務員たちの全米組織であり、彼らは新PAG基準にまつわる環境保護庁の内部Eメールに関して警戒心を抱いている。PEERは、飲料水の「ストロンチウム90による被曝を1,000倍近く、ヨウ素131による被曝を3,000倍ないし100,000倍、放射性のニッケル63による被曝を25,000倍近く引き上げる」と主張している。
これまでの制限値はわたしたちが「50年間で5レムを超える」被曝をしないように保証していたので、EPAはその責任に背を向けている。
これら新PAG条項が即座に撤回され、責任に適う旧PAG条項が復活しないかぎり、棺桶に打つ最後の釘になるのかもしれない。
うさんくさいことに、EPAは2011年以来(たまたまフクシマが世界全体に容赦なく放射性毒素を放出しはじめたのと同年に)、限度の引き上げを計画してきた。PAG条項は「助言」であり、新たな規制の提案であれば求められるような公の議論を必要としないと考えられたため、計画を策定する会合は法の抜け穴を使って密室で開かれた。しかしながら、これら新「許容レベル」があたかも規制と同じ重みをもつかのように扱われているので、問題が持ち上がった。PEERが情報公開法(FOIA)にもとづいて入手した内部文書が、新「許容レベル」はコップ一杯の飲料水が「生涯の許容被曝量に匹敵するもの」を含んでいても容認されるような代物であることを示す証拠を明らかにしている。
これらPAG条項は、「現場責任者」に旧限度を無視する大幅な自由裁量権を認めているので、とても鵜呑みにできる代物ではない。それによれば、環境保護庁は責任を問われることもない。最も心配なのは、「現場責任者」という用語が非常に曖昧であり、誤解を招くことである。わたしは、だれが「現場責任者」として適格なのかと問い詰めることがわたしたちの義務であると信じている。わたしの念頭に浮かぶ最初のものは、クリップボードやチェックリストを持った社畜、新PAG条項のありとあらゆる抜け穴に通じた白衣姿のEPA職員の類である。新PAG条項はどの面を切り込んでも、全体としての米国民に災害をもたらす呪文なのだ。
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Sources:
【クレジット】
Nuclear World Network, “New Protection Action Guidelines Will Leave You
Chilled to the Bone,” December 26, 2015 by Marti LeRoux; http://www.nuclearworld.net/pag/.
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