ざっと考えても――
- 放射能被曝対策は長期的な観点が必要だが、なぜ性急に解除に踏み切れるのか?
- 校庭で無制限に活動して、内部被曝の恐れはないのか?
- これまでの累積被曝を考慮しているのか?
- 今後の被曝量を推計しているのか?――
福島民友
屋外活動の制限解除へ 新年度から郡山市教委 2012年3月24日
福郡山市教委は23日、原発事故後の小中学校の屋外活動について現在、体育などの屋外活動は1日1時間以内、部活動は1日2時間以内とした市独自の基準、いわゆる「3時間ルール」を新年度から解除することを決めた。
運動会などの学校行事や部活動の大会など、通常より長時間にわたり屋外で活動する場合は、1週間の中で活動時間の調整を図るとしている。
解除の理由について市教委は、校庭の表土除去など学校の除染活動により放射線量は減少し、市内の全公立小中学校86校の平均で校庭は毎時0.2マイクロシーベルト、屋内は毎時0.08マイクロシーベルトとなったことから判断した。新年度以降の屋外プールの使用については検討中。
郡山市の公立小中学校は昨年5月以降続けてきた児童、生徒の屋外活動を1日3時間以内とする制限を新学期から解除する。24日までに郡山市教委が発表した。
これまでは体育などの屋外活動は1日1時間以内、部活動は2時間以内としてきた。校庭の表土除去などにより空間放射線量が平均で毎時0.2マイクロシーベルトとなったため、安全性が確保できたと判断し制限解除を決めた。
市教委は、長時間にわたり屋外で活動する際は、1週間の中で屋外活動時間を調整して対応するとしている。また、屋外プールの使用について検討している。
NHK News
郡山市の学校 屋外活動の制限を解除 4月9日
原発事故の影響で、福島県内の一部の学校では、校庭など屋外での活動時間を制限していますが、郡山市は、去年5月から3時間に限定していた屋外活動の制限について、除染が進んだとして9日、解除しました。
福島県内の一部の学校では、原発事故のあと、子どもたちへの放射線の影響を心配して、校庭など屋外での活動を取りやめたり、制限したりしていました。
このうち郡山市の公立の小中学校では、去年5月から体育など屋外での活動を1日3時間までに制限していましたが、校庭の土を取り除くなど除染を進めた結果、子どもへの影響は問題ないとして、9日から屋外活動の制限を解除しました。
このうち郡山市大槻町にある大槻小学校でも、早速、休み時間に子どもたちが元気に校庭で遊んでいました。
この学校でも、これまで運動会を市の屋内施設や体育館で行っていたほか、休み時間と体育の授業なども合わせて3時間に制限してきました。
制限の解除について大槻小学校の高橋裕昭教頭は「時間を気にせずに外で遊べるのは、子どもたちにとって大変いいことだと思います。子どもの元気な笑顔を見ることができて、とてもうれしいです」と話していました。
では、ごく一部ですが、郡山市が“公式”発表する小中学校の放射線測定値をご覧ください――
小学校測定結果(本庁管内)
地区
|
小学校
|
測定箇所等
|
3月30日
|
4月3日
|
4月6日
|
4月10日
|
|
(金)
|
(火)
|
(金)
|
(火)
|
||||
市内中心部
(郡山駅西) |
大島小学校
|
校庭
|
1cm
|
0.38
|
0.41
|
0.39
|
0.36
|
50cm
|
0.39
|
0.41
|
0.38
|
0.38
|
|||
教室
|
閉
|
0.10
|
0.09
|
0.10
|
0.10
|
||
開
|
0.10
|
0.09
|
0.10
|
0.10
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
金透小学校
|
校庭
|
1cm
|
0.21
|
0.21
|
0.22
|
0.22
|
50cm
|
0.20
|
0.21
|
0.22
|
0.22
|
|||
教室
|
閉
|
0.09
|
0.09
|
0.09
|
0.08
|
||
開
|
0.08
|
0.09
|
0.09
|
0.08
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
芳山小学校
|
校庭
|
1cm
|
0.28
|
0.28
|
0.29
|
0.29
|
50cm
|
0.30
|
0.29
|
0.30
|
0.24
|
|||
教室
|
閉
|
0.10
|
0.10
|
0.10
|
0.08
|
||
開
|
0.10
|
0.09
|
0.10
|
0.08
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
薫小学校
|
校庭
|
1cm
|
0.56
|
0.54
|
0.53
|
0.53
|
50cm
|
0.53
|
0.52
|
0.50
|
0.53
|
|||
教室
|
閉
|
0.12
|
0.11
|
0.11
|
0.11
|
||
開
|
0.12
|
0.11
|
0.11
|
0.12
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
開成小学校
|
校庭
|
1cm
|
0.22
|
0.22
|
0.27
|
0.22
|
50cm
|
0.24
|
0.24
|
0.30
|
0.22
|
|||
教室
|
閉
|
0.10
|
0.10
|
0.06
|
0.07
|
||
開
|
0.10
|
0.09
|
0.07
|
0.06
|
中学校測定結果(本庁管内)
地区
|
中学校
|
測定箇所等
|
3月30日
|
4月3日
|
4月6日
|
4月10日
|
|
(金)
|
(火)
|
(金)
|
(火)
|
||||
市内中心部
(郡山駅西) |
郡山第一中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.38
|
0.39
|
0.38
|
0.38
|
100cm
|
0.48
|
0.50
|
0.50
|
0.50
|
|||
教室
|
閉
|
0.09
|
0.08
|
0.08
|
0.08
|
||
開
|
0.07
|
0.08
|
0.09
|
0.09
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
郡山第二中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.47
|
0.48
|
0.48
|
0.47
|
100cm
|
0.43
|
0.43
|
0.43
|
0.50
|
|||
教室
|
閉
|
0.08
|
0.08
|
0.08
|
0.08
|
||
開
|
0.08
|
0.08
|
0.08
|
0.08
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
郡山第三中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.27
|
0.27
|
0.27
|
0.27
|
100cm
|
0.27
|
0.27
|
0.27
|
0.26
|
|||
教室
|
閉
|
0.07
|
0.07
|
0.07
|
0.07
|
||
開
|
0.07
|
0.07
|
0.07
|
0.07
|
|||
市内中心部
(郡山駅東) |
郡山第四中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.14
|
0.14
|
0.14
|
0.14
|
100cm
|
0.18
|
0.18
|
0.19
|
0.18
|
|||
教室
|
閉
|
0.09
|
0.09
|
0.09
|
0.09
|
||
開
|
0.09
|
0.09
|
0.09
|
0.08
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
郡山第五中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.35
|
0.39
|
0.35
|
0.35
|
100cm
|
0.43
|
0.40
|
0.40
|
0.40
|
|||
教室
|
閉
|
0.12
|
0.12
|
0.11
|
0.11
|
||
開
|
0.12
|
0.12
|
0.11
|
0.12
|
|||
市内中心部
(郡山駅西) |
郡山第六中学校
|
校庭
|
1cm
|
0.26
|
0.28
|
0.25
|
0.30
|
100cm
|
0.25
|
0.26
|
0.25
|
0.26
|
|||
教室
|
閉
|
0.10
|
0.11
|
0.11
|
0.12
|
||
開
|
0.10
|
0.10
|
0.10
|
0.11
|
【関連記事リンク】
郡山市教育委員会担当者に会ってみれば…(2011.4.文書類、2012.4.調査報道記事)
New!【追補4.06】
TYさんの請求により開示された郡山市教育委員会の内部文書:
屋外活動制限(3時間ルール)について
郡山市教育委員会
1 屋外活動制限の設定について
平成23年4月19日、国は、年間の被ばく量を20mSV(毎時3.8μSV)以下と設定したが、本市は、児童生徒の安全を考え、被ばく量をできるだけ低く抑
えるため、屋外活動を3時間に制限。
⇓
2 子どもを放射線から守る低減化策と効果
【低減化策】
1. 校庭の表土除去(4月~12月、91%低減化)
2. 校舎の除染 (4月~12月、86%低減化)
3. 通学路の除染(8月~3月 、平均0.33μSV/h低減化)
4. 個人積算線量測定(第2回結果:年間積算線量推計値0.97mSVへ低減化)
5. 給食の食材検査(12月~)
【現状と効果】
◯ 2月末現在の学校の状況
屋外平均0.2μSV以下、
屋内平均0.08μSV以下と大幅に減少
学校がもっとも安全な場所の一つとなっている
⇓
3 今後の対応
原子力災害対策アドバイザー等の助言を踏まえ、
学校教育活動の充実や運動不足・ストレス解消のため、
継続的な除染活動の実施、
放射線量の推移や風の状況及び
長時間にわたり屋外活動を実施した場合などの配慮
を十分に行うことにより、これまでの
屋内活動制限を新年度より解除する。
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