2012年4月24日火曜日

小学校鼓笛パレードと幼稚園児除染チーム


この記事は4月22日付け投稿「ふくしまキッズパレード~子どもの歓声、復興の力」の続編になります。4月21日付け福島民友がまたまた驚くべきニュースを実にさりげなく伝えていました。






 
福島市教委は20日までに、東京電力福島第1原発事故の影響で昨年中止した市小学校鼓笛パレードについて、今年は5月16日に実施することを決めた。児童への放射線の健康影響に配慮し、パレード区間の短縮や放射線量測定の徹底など放射線対策を万全に実施する方針。
 鼓笛パレードの実施は、故郷「ふくしま」への誇りと自信の醸成、多くの観衆を前に練習成果を発表し、達成感や充実感を味わうことによる精神的な成長を促すため決定した。同市教委が佐藤俊一郎教育長名の文書を19日付で保護者に通知した。恒例のパレードで今回が35回目。市内の公立小学校51校から3795人が参加する。
 パレード区間は、県庁通りの新浜町の交差点を出発し、本法寺交差点を右折、新町万世町通りを国道13号までたどるコースを予定する。区間延長は例年の約900メートルから約300メートル短縮し、約600メートルとする。
 区間内の放射線量については今月5日に区間内9カ所で測定し安全性を確認したほか、開催2日前となる5月14日にも測定する。さらに当日は、参加全児童をバスで待機場所から送迎するほか、マスクを配布するなどの対策も講じる。
 市教委は「放射線に対する保護者の不安も理解できるが、鼓笛パレードの実施による子どもたちの成長がより重要と考えた」と話している。


(2012年4月21日 福島民友トピックス)

  いかがでしょうか。これには、さまざまな批判があるようです。たとえば――

福島市教育委員会が「小学生たちの福島市内パレード」を強行開催





同日の同じ福島民友が、さらに驚くべきニュースをさらにさりげない調子で伝えています。幼稚園児たちたちがポストを磨いた郵便局の周辺放射線量を想像するには、添付の図表類をご参照ください。




一生懸命にポストを磨く
園児たち=掛田郵便局
20日の「郵政記念日」に合わせ、伊達市霊山町の神愛幼稚園(本田十和子園長)の園児たちは同日、同市の掛田郵便局と霊山総合支所のポストの清掃活動に取り組んだ。
 このうち、同郵便局には年長組の園児8人が訪れ、同郵便局の高木利己担当課長に「いつも手紙を届けてくれてありがとうございます」と書いた感謝状を手渡した。園児たちは雑巾を手に一生懸命にポストを磨いた後、思い思いにポストを飾り付けた。
 清掃後、高木担当課長からお礼のプレゼントが贈られた



(2012年4月21日 福島民友トピックス)






平成24年2月24日
原子力災害現地対策本部(放射線班)

福島県災害対策本部(原子力班)
縦軸:調査地点数 横軸:計測値μSv/時

No. 8~23:掛田地区

神愛幼稚園_位置図
【関連記事】



【4.27後記】
目には見えず感覚で捉えられない放射能と放射線の作用を理解するには、こころの働きが必要になるはずです。地元メディアがこのできごとを美談仕立てで報じることが可能だったのも、放射能や放射線のこの特質によります。子どもたちのポスト磨きというできごと、その現場の放射線値という公表データ、これら二つの事実の裏に潜みながら、察知するのが容易な関連を無視するのも、こころの働きです。故意であるか無知であるかはわかりませんが……
本稿はかなり大きな反響を招いたようですが、その一端を知るのに便利な Togetter を作成なさった方がいらっしゃるのでリンクを紹介しておきます。「放射能」よりも「放射脳」ということばを使いたがるのも、こころのふしぎな働きのはずですね――

0 件のコメント:

コメントを投稿