たまたまアメリカ国立医療図書館サイトでウクライナの子どもたちの肺活量に関する研究論文の要約版を見つけました。これも偶然ですが、論文署名者のひとりは、4月に福島県内など日本各地で講演をおこなったエフゲーニア・ステバーノヴナ教授です。山下俊一らの安全・安心キャンペーンと違って、被爆の影響は全身におよびますので、子どもたちの健康に関心のある方がたの参考になると思います。つらい現実を受け入れることから、子どもたちの未来を開く道が見つかるはずです。
137Cesium Exposure and Spirometry Measures in Ukrainian
Children Affected by the Chernobyl
Nuclear Incident
Erik
R. Svendsen, Igor
E. Kolpakov, Yevgenia
I. Stepanova, Vitaliy
Y. Vdovenko, Maryna
V. Naboka, Timothy
A. Mousseau, Lawrence
C. Mohr, David
G. Hoel, and Wilfried
J.J. Karmaus
出典
US National Library of Medicine
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2866691/?tool=pubmed
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2866691/?tool=pubmed
サウスカロライナ大学アーノルド公衆衛生校・疫学および生物統計学部
Department of Epidemiology and Biostatistics, Arnold School of Public Health, University ofSouth Carolina , Columbia , South
Carolina 29208 , USA . svendsee@mailbox.sc.edu
Department of Epidemiology and Biostatistics, Arnold School of Public Health, University of
要約
背景:
1986年のチェルノブイリ事故の後、ウクライナの汚染されたノロディチェスキー地区の子どもたちは年1度の医療検査参加を義務化された。子どもたちは汚染された土壌、空気、食べ物によってセシウム137(半減期=30年)に被曝していた。
方針:
筆者らは、「自然実験」手法および長期展望集団研究計画を採用し、児童415人を対象に1993年から98年まで1888回の測定を繰り返して、土壌中セシウム137と肺活量測定値の関連を調査した。
方法:
29.0から879キロベクレル/平方メートルまでばらつきのある、ごく普通の基準村落土壌セシウム137測定値を被爆指標として用いた。検査全般にわたり同一の呼吸器科医師によって標準化された肺活量測定手順とウクライナの子どもたちに特有な予測平均値が用いられた。
結果:
土壌セシウム137測定値が上位20%に入る村に住む子どもたちの強制肺活量が予測値の80%未満になる率は2.60倍高く(95%信頼区間1.07~6.34)、1秒間の強制呼吸量が80%未満になる率は5.08倍高かった(95%信頼区間1.02~25.12)。筆者らは、土壌セシウム137増大にともなう気道閉塞(1秒間あたり強制呼吸量/強制肺活量、絶頂期呼気流、最大呼気流が強制肺活量の25%、50%、75%)および強制肺活量の抑制の両面の統計的に有意な証拠を見つけた。
結論:
以上の調査結果は他に見られず、チェルノブイリ原子力発電所の風下で見受けるような低線量放射性汚染物質によって慢性的に被爆している子どもたちへの影響として重大な気道閉塞と抑制があることを示唆している。
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