2011年12月4日日曜日

毎日新聞投稿『福島県は自主避難を封じるな 』

12月2日付け毎日新聞
東日本大震災:借り上げ住宅制度、福島県「募集停止を」 各自治体に要請

 ◇入居希望者困惑

東日本大震災被災者向けの「民間賃貸住宅借り上げ制度」を利用して多くの県民が他県に自主避難している福島県が、全国の都道府県に対し、今月末で同制度の新規受け入れを打ち切るよう要請していることが分かった。福島県災害対策本部によると、11月下旬に事務レベルで要請、近く文書で正式に連絡する。年度替わりの来春に自主避難を検討している人や支援者からは「門戸を閉ざすのか」と戸惑いの声が上がっている。【安藤龍朗、浅妻博之】
新規打ち切りの理由について、同対策本部県外避難者支援チームは(1)災害救助法に基づく緊急措置で、恒常的な施策でない(2)避難先の自治体から「期限について一定の目安が必要」と指摘があった(3)東京電力福島第1原発の「ステップ2」(冷温停止状態)が、政府の工程表通りに年内達成が見込まれる--などと説明している。既に同制度で避難している人は引き続き入居できる。
同制度は、避難先の自治体が一定額までの借り上げ費用を肩代わりし、福島県を通じて国に請求、最終的に国が負担する仕組みだ。例えば山形県への避難者は最長2年間、自己負担なしで入居できる。
福島県は5月、同県全域を災害救助法の適用範囲と46都道府県に周知。これを機に、国が定めた避難区域外の県民も制度を利用し山形、新潟両県などへの自主避難が急増した。
福島市の自宅に夫を残して岩手県北上市に5歳の長男と自主避難している主婦、広岡菜摘さん(31)は「来春から夫と家族3人で一緒に暮らせるように福島県外の場所を探している。経済的な負担が既に相当あったので、新規受け入れがなくなると困る」と話す。
避難希望者のネットワークづくりに取り組む市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の中手聖一さん(50)=福島市=は「小中高校生のいる家庭は来年3月の年度替わりで自主避難を検討している人が多い。除染で安心感が高まれば別だが、年内で避難する緊急性がなくなったとは言えない。県民が流出するのを防ぐのが狙いでは」と疑問を呈した。
福島県によると、同制度利用者のみの統計はないが、公営住宅も含めた県外の「住宅」には4万6276人(11月16日現在)が身を寄せている。
毎日新聞 2011年12月2日 東京夕刊
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この記事を読んで、怒りが収まらない筆者(わたし)は、次のような記事を毎日新聞読者蘭「みんなの広場」に投稿してみました。採用されるかどうか、わかりませんが、とりあえずここに再録しておきます。本記事読者のみなさんにも、各位独自のアクションを切にお願いします。
@yuima21c  inoue toshio
*** 以下、引用 ***


【タイトル】 福島県は自主避難を封じるな

【本文】
12月2日付け本紙によれば、福島県は全国の都道府県に対し、東日本大震災被災者向けの「民間賃貸住宅借り上げ制度」を打ち切るように要請するという。その理由として(1)この制度は緊急処置であり、恒常的な施策でない(2)第1原発の冷温停止状態の年内達成が見込まれる――などを上げているが、はたして、これで県民を納得させることができるだろうか。

たとえ政府発表が信用できるものとしても、原発事故現地である福島県内各地の空中放射線量と放射性セシウム土壌中蓄積量は、依然として他県のそれらに比べ物にならないほど大きい。子どもを持つ親たちが心配のあまり、万難を排して自主避難を願うのは切実な思いからであると佐藤県知事をはじめ、県の官僚たちは考えないのだろうか。

人口流出や県勢衰退の懸念のみが先行して、子どもの健康と未来を守りたいという、人間として当然の願いを踏みにじるなら、末代に禍根を残す悪政であるといわねばならない。

***引用、終わり***

ここで、福島県知事にあなたの声を届けるサイトを紹介しますーー


「避難の権利」ブログ

【緊急署名】福島県知事さん:自主避難者をこれ以上苦しめないでください!

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