2014年8月12日火曜日

ABCテレビ(オーストラリア)福島県内の放射性核種の移動

The Movement of Radionuclides through Fukushima – ABC TV Australia
 “Catalyst” 科学シリーズ
STORY ARCHIVE
201487
放射性降下物のダイナミックな移動
RADIATION FALLOUT
http://www.abc.net.au/catalyst/stories/4059031.htm
(本稿は、公益教育目的のために上記番組のトランスクリプトを日本語訳したものです。ビデオは埋め込み不能なので、上記リンク先でご視聴ください。訳者)
番組キャスター、マーク・ホーストマンが福島県内を旅し、福島第1原子力発電所が事故を起こした3年以上も前からの放射性降下物の動きを検証する。
マーク・ホーストマンのシリーズ番組:
Catalystフクシマ旅行の途上、車に搭載したり野外に持ち込んだりしたセーフキャスト放射線計測器「bガイギー」で測定した放射線分布図。各地点のデータを見るには下記リンクをクリックすること。リンク先の地図上で、各地点にポインターを合わせると、地図の左側に放射線量レベルがCPM1分間あたり電離計数値)とµSv/h1時間あたりマイクロシーベルト)で表示される。緑から茶、さらに赤から黒へと色調が移るごとに放射線量レベルが高くなる。最高の記録値は、福島第1原発周辺の立ち入り禁止区域の外れにあったホット・スポットの7 µSv/hだった。
https://api.safecast.org/en-US/bgeigie_imports/15354

番組トランスクリプト
0:08
ナレーション
北国、福島県はかねてより美しい風光で知られています。活気あふれる市街を冠雪の山並みが包みこんでいます。勢いよく流れる川が実り多い農業を育みます。
ところが、2011年の地震と津波のあと、福島県は放射性降下物ですっかり知られるようになってしまいました。福島第一原子力発電所の爆発とメルトダウンのため、危険な量の放射性排出物が放出されました。フォールアウトは各種のアイソトープの混ぜ物であり、ヨウ素など、一部は数日で減衰しますが、セシウム137の場合、そういうわけにはいきません。セシウムが半減するまで30年もかかります。

0:58
マーク・ホーストマン
福島県の山並みを見ると、絵のように完璧ですが、核分裂炉惨事による放射性プルームの80%が海に吹き流された一方、その20%は日本の陸上の河川と森林に沈着したことを覚えておいて、損にはなりません。

1:17
ナレーション
では、その後、陸上汚染はどうなったのでしょうか? 日本人の方がたはぜひとも知りたいと切望しています。
1:23
菊地宗光(郡山市保健所放射線健康管理課)
冷静に放射能というものに向き合っていかなくてはならない、と思います。

1:32
ナレーション
予期せぬ場所に答えを求めて、フォールアウト地帯を貫く放射能ロードを旅しています。この旅は、フランス人とカナダ人の堆積物科学者チームを道連れに山の中でスタートします。

1:46
オリヴィエ・エヴラ―ド
わたしたちはセシウムをトレーサー(追跡子)、丘陵の斜面から河川へ、そして海へと移動する物質の分散を追跡する特定トレーサーに使います。
1:55
ナレーション
セシウムにまみれた地勢は、彼らの堆積物移動研究にとって理想的な場所です。
2:05
マーク・ホーストマン
ここは福島第1原発を取り巻く20キロ圏土地入り禁止区域の外れです。わたしの背後の土地は非常に汚染されていますので、だれにも立ち入りが禁止されています。

2:27
ナレーション
オリヴィエ・エヴラ―ドの研究チームは立ち入り禁止区域のすぐ外側で新たに沈着した堆積物と周辺の土壌の放射線量を測定して比較します。セシウム137は水に溶け、除染が困難で、体内に入りやすいので、人間の健康と安全に対する懸念材料になります。
2:49
オリヴィエ・エヴラード
この地域では台風と雪解けが侵食現象を誘発する主要な原因になりますので、わたしたちは試料測定を年に2度しています。

3:00
マーク・ホーストマン
春に雪が溶けると、ここに水が奔流となって押し寄せ、新しい堆積層を残しますので、わたしたちはここにいるのです。この研究チームはこれら河川堆積物を3年にわたり研究してきたのですが、放射能レベルはいまだに高いままです。じっさい、ここで得た表示値は、この地域のすべての河川堆積物のなかで最高値になっています。
3:20
ナレーション
この土壌は融雪によって川に流れこんだものですが、1時間あたり約5マイクロシーベルトの放射をしています。これは一般人に安全だとされている最高線量率の約50倍にあたります。そして、ほんの数メートル離れた林床ではさらに高くなり――7マイクロシーベルトに達します。

3:42
オリヴィエの研究仲間
6
から7ですね。

オリヴィエ・エヴラード
ああ、川の上よりもっと高い。

マーク・ホーストマン
どうして、そうなる?

オリヴィエ・エヴラード
森には植物がどっさり、腐食がどっさりあって、土壌を侵食から守っている。だから、森林に汚染物質の膨大な在庫がいまだに残ることになる。

マーク・ホーストマン
長く残るのか?

オリヴィエ・エヴラード
そう、そのとおり。
4:00
ナレーション
林床は放射線量が大きいので、長く留まるわけにはいきません。さらに川を下って、このダム湖は地震が堰堤(えんてい)を壊したので、空になっています。湖底が1時間あたり約6マイクロシーベルトの線量を放射していますので、将来の貯水が問題になるのは明らかです。

4:23
オリヴィエ・エヴラード
ここには、汚染物質の滞留箇所がまだたくさんありますので、水位が再び上昇すれば、ずっと後になって海へ押し流さると推測できます。
4:35
ナレーション
つまり、最初のフォールアウトのあと何十年にもわたって放射線レベルが脈動的に連続して上下することがありうるということになります。これはとりわけ、放射線に被曝する可能性が高い下流域の人口密集地域の場合、もっと重要なことになります。
4:54
マーク・ホーストマン
これは阿武隈川です。福島市を貫いて流れています。流域が汚染地域で最大です。ですから、この環境のなかで放射能がどこにあり、どのように動くのかを理解することが、放射能がどのように食物連鎖を介して人間に届くのかを知るのに不可欠です。

5:13
難波謙治教授(福島大学:生命・環境学)
いま川のなかに流れているセシウムのほとんどは粘土や個物粒子にくっついています。これはなかなか生物には行きにくいです。ただ、有機物にくっついているセシウム、それから水に溶けているセシウムは簡単に生物体に入りこみます。

5:35
ナレーション
難波謙治教授と学生たちはこれまで2年にわたり、このモンスーン帯河川における有機物とそれが運ぶセシウムの量との関連を探求してきました。遠心分離機で浮遊粒子を集めるために、5時間かけて何トンもの川水を汲み上げ、回転させるのです。試料はガンマ線分光計で分析し、放射線を放射する元を特定します。川の土壌や植物性物質の粒子は小さいかもしれませんが、そのサイズが問題になります。

6:09
難波謙治教授
粒子が小さいほど、表面に放射性セシウムを付着させる容量が大きくなります。

マーク・ホーストマン
すると表面積が大きくなって…

難波謙治教授
そうです。

マーク・ホーストマン
…体積との関係においてですね。

難波謙治教授
そうです。

マーク・ホーストマン
したがって、表面に放射性セシウムを固着させる容量が大きくなる。

難波謙治教授
そうです。
6:26
ナレーション
つまり、最も小さな粒子が最も放射能が強くなるということになります。
6:31
難波謙治教授
これらの有機物粒子が放射性セシウムを含有していると、魚に摂取され、魚体に移行することがありえます。

6:45
ナレーション
これでは人間が消費するには心配ですし、予防措置として川漁は禁止されてきました。放射能問題とその脅威の認識が日本で大きくそびえたち、モニタリングはもはや科学者たちだけの仕事でなくなりました。ユニークな市民科学プロジェクトが東京の都心部から世界規模に育とうとしています。
7:07
ジョー・モロス
どのようにものごとがかみあって動くのか、確信がもてないなら、基本的にこれが実例になります。わかりますか?

7:14
ナレーション
SAFECAST
(セーフキャスト)が、ハンダゴテなど使ったこともないボランティアたちに放射線の検知と記録をする機器の組み立て方を教えています。
7:22
アズビー・ブラウン
わたしたちはこの運動がこのような状況で効果をあげる市民アクションの先例になればと願っています――ひとつには、なにが起こっているか、究明する方法を人びとに教え、ふたつには、その情報を効果的に活用し、自国の政府を動かすために、「わたしたちはそれを調べあげ、これを突き止めました。あなたがたはXだとおっしゃるが、わたしたちはYであると気づいたのです。理由をお聞かせください」というのです。

7:44
オカダ・アサコ
わたしたちは、たとえば放射線とか、数かずの環境のデータの問題に対して余りにも人に任せすぎているという印象があって、やはり一人ひとりがデータを自分でちゃんと一からつくって知ることが非常に大事なことだと思って参加しています。

8:06
ナレーション
技術者であり古くからの住民、ジョー・モロスは、「bガイギー」ブランドで知られ、ベルト、バイク、車にクリップ留めできる安価なポータブル放射線計測器の開発に助力しました。
8:17
ジョー・モロス
さて、ここにあるのは明らかに肝心な部品である検出器です。これはガイガー・ミューラー計数管です。直径5センチのパンケーキ形ですので、感度が高く、日本国内のたいがいの場所で遭遇する低レベルの場合に役立ちます。そして上面にGPS受信機があり、場所と時間を読み取り、記録装置がデータをSDカードに書きこみ、これがディスプレイで、それにもちろん、マイクロ・コントローラもあって、システム全体を制御しています。

8:42
ナレーション
これが、この自作キット検出器の特別な点です。だれでも放射線量を地図上に記録し、一日に何千もの測定データを自動的に収集して、ウェブサイトにアップロードできます。セーフキャストはクラウドソーシング(ネット上で不特定多数のボランティアに作業参加を求めること)を介して、数百の計測器を動員し、放射線量に関する世界最大の公開データベースを構築しています。
9:03
ピーター・フランケン
わたしたちは現在、一月あたり約100万件の測定をし、日本国内の7000万か所に迫るデータを蓄積していて、いまやこれが日本国外にもじっさいに広がっています。

9:14
ナレーション
セーフキャストはまた、福島県内の自治体と協力しています。
9:19
菊地宗光
郡山市はセーフキャストと協力しまして、郵便局の集配バイクに線量計を付けまして、広い道路から細い路地まで、市内ほぼ全域の空間線量を測って、マッピングして、それを提供していただいております。

9:40
ナレーション
固定式の放射線モニターは、いまやバスの停留所や公衆トイレのように都市景観の一部になっています。セーフキャストは準・公的な立場から、自前の測定に比べて政府の測定値がどうなのか、一般市民に知らしめています。セーフキャストのなかで、ジョーほどに多くのデータを集めたボランティアはいません。
10:06
ジョー・モロス
じっさい、今日、わたしが行こうとしている所は、まだカヴァーされていません。

マーク・ホーストマン
セーフキャストの新しい領分ですね。

ジョー・モロス
そうです。わたしたちがフクシマで3年目であることを考えれば、ほとんどすべての道路を複数回カヴァーしたのには、ビックリします。
10:21
ナレーション
ジョーは過去数年でほぼ80,000キロを走破し、その間、5秒ごとにガイガー測定器が計測値を読みとりました。この街は放射性プルームに覆われ、ひどく汚染しました。
10:38
ジョー・モロス
この町は汚染が深刻で、避難になったのですが、いまでは明らかに人びとが戻っています。

10:46
ナレーション
ジョーの目論見のひとつは、除染の実効性を検証することです。
10:51
ジョー・モロス
そうですね、除染で最高の効果を望むなら、もちろん基本的にすべてを浄化する必要がありますが、ものが集まっていそうな箇所に集中すべきです。こういう側溝の底は、水が流れこみますし、塵芥がこびりつくので、すぐ近くの地面より汚染されていそうです。

マーク・ホーストマン
こういう具合に測定するのですか。

ジョー・モロス
それでできますが、この溝の深さは1メートルぐらいなので、遠すぎます。掃除されていなければ、底の堆積物はおそらく非常に高度に汚染されているでしょう。

マーク・ホーストマン
ここからでさえ、この通りでこれまでに調べたどこよりも高い値になっちゃう。
11:20
ジョー・モロス
それにいいですか、ほんの2メートル離れるだけでも、道の下側のほうが上側よりも汚染されています。放射能が降り注いだ当日、おそらく均一に汚染されたのでしょうが、さまざまな環境要因が原因になって、さまざまな度合いで洗い流されたり移動したりしたのでしょう。ですから、線量レベルが下がった地域で放射能が消えたのではなく、移動しただけであり、なんらかの場所を覆ったり集積したりしたのでしょう。このパイプの下をご覧ください。そこに検出器を置くと、実にホットなはずです。

マーク・ホーストマン
ピープ音が盛大だ。

11:52
ナレーション
この測定の単位は、CPM、つまり放射能の強度を表す電離現象の1分間あたり計数値です。住民がこうしたホット・スポットに気づいているなら、少なくとも避けることはできます。
12:04
ジョー・モロス
ここの所は心配しますか…そのう、放射線…

地元の女性
大丈夫だという話ですから、大丈夫だと思って生活しています。


ジョー・モロス
この人は大丈夫だと考え、それほど確信してはいないが、基本的に大丈夫と思っているのです。ありがとうございました。

地元の女性
ありがとうございました。

マーク・ホーストマン
ありがとう。
12:18
ジョー・モロス
では、もう少し見てまわりましょう。

マーク・ホーストマン
さて、家や庭、農地が混在しているこの集落で、ほかに見るべき変わったものはありますか?

ジョー・モロス
ひところ、わたしたちはもともと、土地の汚染度を示す地図の作成を試み、そこで栽培する食品の危険度を見積もろうとしていました。ところが、土壌中の有機成分とか、砂質度の違い、土壌に投入された他の非有機資材といった要因がありますので、農地の汚染レベルや線量測定値と食品の状態のあいだにほとんど相関関係がないことに気づきました。ほうれん草や、日本のハーブ、紫蘇は明らかにセシウムを蓄積する傾向がありますので、少しでも汚染された地域で栽培するべきでありません。

13:03
ナレーション
でも、よいニュースですが、この場所の除染の結果、当初、高線量だったのが安全なレベルに下がりました。しかし、いまだに避難区域のままの場所では、大群の作業員らが森林地や水田を除染しています。突貫工事で植生は剥ぎ取られ、表土は除去されています。汚染物質は袋詰めされ、運びだされます。
13:29
マーク・ホーストマン
この国を除染するのに要する作業な壮大な規模には、仰天します。シドニーやパース、ブリスベーンに匹敵する面積の地域を切り刻み、剥ぎ取り、洗いあげなければならないと想像してみてください。公的に汚染認定され、この種の除染を要する日本の地域の面積は、オーストラリア諸州の首都をすべて合計したものより広いのです。

13:51
ナレーション
だが、袋詰めの汚染物質の処分問題はまだ解決していません。また、土地を除染するにしても、どこまで除染すれば安全レベルになるのかについても、保証の限りではありません。ジョーはつい先程、数百メートルほど登った森林内と、この除染したばかりの地区の放射線量計測値を比較してみましたが、なんの違いもありませんでした。

14:13
ジョー・モロス
この辺りの線量レベルは1時間あたりほぼ0.6から0.7マイクロシーベルトあります。人びとが避難区域に戻るために日本政府が設定した目標レベルは0.23マイクロシーベルトですので、政府が定めた基準値に届くのに必要なレベルの約3倍にあたっています。

マーク・ホーストマン
作業の後でも、そうですか。

ジョー・モロス
除染しても、この結果です。
14:35
ナレーション
さらに、オリヴィエのチームは、除染作業が実施されている地域の侵食が下流域の汚染を増加させていることを明らかにしています。このことは、河川が海への汚染流出の途切れることのない供給源であるとするオリヴィエたちの知見を反映しています。

14:52
オリヴィエ・エヴラード
取水地の上流部で、最近の河川堆積物の汚染が減衰していることがわかって、とても驚いています。

マーク・ホーストマン
では、白点ですか?

オリヴィエ・エヴラード
確かに白点です。一方、沿岸部では重度に汚染された堆積物の集積が認められ、ここに黒点で示されています。

15:14
ナレーション
数年間にわたり、セーフキャストの試料採取地データの75%以上が、融雪期ごと、雨季ごとの高地から沿岸への放射能の急速で大規模な移動を示しています――これは、これまで想定されていなかった新たな汚染源です。

15:32
オリヴィエ・エヴラード
わたしはこれを実に特筆ものの知見だと思うのですが、なにかをしてみようとする物語で、人間は自分がそれを制御していると考えますが、制御してはいません。すべてを支配しているのは、まさしく自然なのです。

15:47
ナレーション
日本で放射能が人間の健康に影響をおよぼす様相が目に見えるようになるのは、これからのことです。少なくとも1世代はつづく問題に対処するために、正確で標準化されたデータを備えたオンライン・マップを人びとに提供することは、極めて重要な手段になります。
16:02
ジョー・モロス
わたしたちは、人びとに参加していただき、その人たちに率先して参画していただいているので、わたしたちの実践を信頼してくださる、そのような方途を見つけました。その人たちがデータ収集を手伝えば、その信頼性を心から信じることができるようになりますので、人びとが理解でき、信じられるような形でメッセージを発信するのに役立ってきました。

16:18
菊地宗光
原発事故というものは、福島県民にとって、あるいは日本にとって、大変不幸なできごとでした。でも、それを回復するために、わたしたちもがんばっていますし、世界中の放射線・放射能の研究者、あるいは環境学者、いろいろな方がたの支援をいただいて、一刻も早く復旧したいと思っています。みなさん、協力をよろしくお願いします。

番組スタッフ
レポーター:          マーク・ホーストマンMark Horstman
プロデューサー:   マーク・ホーストマン
リサーチャー:    ドミニク・パイル Dominique Pile
カメラ:                 ケヴィン・メイ Kevin May
音響:                    スティーヴ・ラヴィチ Steve Ravich
エディター:          ヴォーガン・スミス Vaughan Smith
制作協力
オリヴィエ・エヴラード博士 Dr Olivier Evrard
フランス気候科学・環境研究所
難波謙治教授
福島大学・環境微生物学者
アズビー・ブラウンAzby Brown
KIT
未来デザイン研究所KIT Future Design Institute理事長
東京、セーフキャスト東京・ボランティア
ジョー・モロスJoe Moross
セーフキャスト日本・ボランティア
ピーター・フランケンPieter Franken
セーフキャスト共同創設者・日本部長
菊地宗光
郡山市保健所・放射線健康管理課長
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