世界原子力ニュースは、原子力産業を支援する世界的な業界団体、世界原子力協会が運営する情報配信サービス(ウィキペディア)@W_Nuclear_News
フクシマ核燃料の位置特定に宇宙線
Cosmic rays to pinpoint Fukushima cores
http://www.world-nuclear-news.org/RS-Cosmic-rays-to-pinpoint-Fukushima-cores-1108144.html
Cosmic rays to pinpoint Fukushima cores
http://www.world-nuclear-news.org/RS-Cosmic-rays-to-pinpoint-Fukushima-cores-1108144.html
2014年8月11日
ミューオン(μ粒子)検出器を組みこんだシステムを活用すれば、損壊した福島第1原発原子炉の溶融炉心の正確な位置を特定できるはずである。東芝による授与契約にもとづき、意思決定科学インターナショナル株式会社(DSIC)が同システムを提供することになっている。
DSICシステムは建屋の上部と下部に設置した2器の検出器の測定結果を比較することによって、原子炉建屋内を貫通するμ粒子の経路を確定し、内にある燃料の正確な位置と状態を特定できるはずである。(イラスト:LANL)
ヴァージニア州ミドルバーグに本社を置くDSICは、2器のμ粒子検出器を製造して納入し、それが原発建屋に設置される。検出器は東芝の福島原発全般プロジェクトの一環に組み込まれ、原発内の核燃料の位置と状態を確認する。契約額は公表されていない。
μ粒子は、宇宙線が地球の大気圏上層部に突入するさいに生成される素粒子。自然界でこの素粒子は1平方メートルあたり約10,000μ粒子の割合で地表に届いており、無害である。μ粒子追跡装置はこの粒子が対象物を貫通するさいに検出して追跡する。μ粒子が物質を貫通するさい、軌跡がわずかに変化し、その方向変化は物質の密度に相関している。ウラニウムやプルトニウムなど、核物質は非常に密度が高く、それ故、特定が比較的容易である。DSIDはマルチモード受動型検出システムにこの技術を採用し、港で放射性物質を探るためのコンテナ検査に使っている。
検出器が生成する3D 画像は、損傷した福島第1原発原子炉の炉心内燃料の状態と位置の明瞭な描写図をもたらすはずである。これは、東芝が安全で効率的な汚染除去プランを開発するのに役立つだろう。
東電と日本原子力委員会はそれぞれ違ったコンピュータ・モデルを用いて、福島第1原発炉心の位置を解析してきたが、1号炉について同じ結論に達している。両モデルとも、1号炉の77トンの燃料すべてが原子炉容器から直下のドライウエル区域に溶け落ちていると予測した。2号炉と3号炉については、両モデルの結果はそれぞれ違っているが、総合すると107トンの炉心の30~40%が容器内に残っており、他はドライウエルに落ちているようだ。
DSIC社長兼CEOは、「福島第1原発の復旧を支援し、人員のための安全な労働環境を支え、確保するために、わが社のソリュージョンを役立てていただくことが、わたしどもの喜びとするところです」と語った。
技術開発
DSISのμ粒子検出システムは、ロスアラモス国立研究所(LANL)が独自に発明した技術にもとづいている。
ロスアラモスの主任研究員でμ粒子断層撮影チーム主査、クリストファー・モリスは最近、「ロスアラモスの研究者たちは福島の原子炉複合施設を破損した2011年地震と津波から数週間以内にμ粒子透過撮像法の改良にとりかかりました。わたしたちは18か月のうちに、われわれの技術を磨きあげ、遠隔的に核物質の位置を探り、特定する技術として、ロスアラモス方式が従来型のμ粒子透過撮像技術より優れており、現場で採用できることを示す論文を発表しました」とコメントした。
LANI技術最高責任者(CTO)、ダンカン・マックブランチは、研究所の技術によって「プラント運転員がじっさいに内部へ潜りこむ必要なしに、炉心物質の状態を確定することが可能になります」と語った。さらに付けくわえてこういう――「ビデオ内視鏡検査やロボットの導入などの侵入型技術は、放射能放出のリスクを冒すことになります。おまけに、このような技術はせいぜい物質の位置特定のための部分的な映像を送ってくれるだけです。μ粒子透過撮像技術によって、プラント運転員は内部の核物質の位置を見て、その状態を確定し、より安全でより迅速な除染法を設計するための情報に欠かせない知見をえることができます」。
リサーチ・執筆:世界原子力ニュース
Filed under: Contracts, Nuclear fuel, Japan, Fukushima accident
©2014 World Nuclear Association, 22a St James's Square, London,
SW1Y 4JH, UK. Registered in England and Wales, number 01215741
|
訳者の一言、二言…
メルトダウン核物質が床面より深く沈み込んでいる場合には、位置の特定すらできないのではないか。たとえ、すべて特定できるとしても、クリーンアップは別の話だろう。所詮、核マフィアによる、核マフィアのための、核マフィアの手前みそ情報サービス。
唯一わかることは、利権は廻る…これだけ。
0 件のコメント:
コメントを投稿