2016年2月8日月曜日

英紙ガーディアン【海外ニュース】ニューヨーク州のインディアン・ポイントで地下水に☢#トリチウム☢漏れ



ニューヨーク、市街に近い地下水の放射能漏れを調査
マンハッタン北方40マイルに立地する核発電所で「警戒すべきレベルの放射能」が検出され、アンドリュー・クオモ州知事が審査を命令。


  ニューヨーク州ブキャナン、インディアン・ポイント・エネルギー・センター。
  Photograph: Ricky Flores/AP

ニューヨーク駐在、サム・シールマンSam Thielmanアラン・ユハスAlan Yuhas
201626日(土)

ニューヨーク市の北に位置する核発電所で放射性物質が地下水に漏れ出て、アンドリュー・クオモ州知事が土曜日、州による調査を命じ、糾弾する事態にいたった。

クオモ知事は、マンハッタンの北方約40マイル[約64キロ]、ブキャナンのインディアン・ポイント・エネルギー・センターに設置された観測井戸3か所で検出された「警戒すべきレベルの放射能」に関して、調査を命令した。

クオモ知事は、「われわれの最大の関心事は施設の近くに居住する州民の健康と安全であり、地下水への漏れが脅威にならないようにすることであります」と健康・環境関連の当局者に宛てた調査命令書簡に記した。

一本の井戸では、放射能レベルがリッターあたり12,300ピコキューリーから8,000,000ピコキューリーへと65,000%近く上昇した。施設の所有企業、エンタージー社(Entergy)は、汚染されたのは地下水だけであり、飲用水ではないと強調しているものの、環境保護局が定める飲用水中のトリチウム最高限度汚染レベルは、リッターあたり20,000ピコキューリーである。
[訳注]1Bqは単位時間あたり壊変する原子数で定義され、27.0×1012Ci27pCi)に等しい。http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=18-04-02-01

知事公務室は、汚染は敷地外に移動していないと述べた。クオモ知事はエンタージー社に対し、インディアン・ポイントを閉鎖し、その他、さらに州北方にある同社施設の操業を継続するように勧告した。

知事は健康・環境関連の当局者らに、「放出の拡大範囲、予想される期間、原因、ならびに環境と公衆の健康に対して予想される影響を特定」するように指示した。

エンタージー社は土曜日の午後遅くなってステートメントを発表し、「現場の地中で上昇したトリチウム濃度は弊社の基準に合致していないものの、公衆の健康または安全におよぶ影響はございません。放出量は連邦の許容限度より何千倍も下回っております。トリチウムは現場または敷地外の飲用水源になんらの影響も与えておりません」と述べた。

同施設はニューヨーク市の電力需要の約30%をまかなっている。インディアン・ポイントは12月に緊急停止を3度起こし、知事公務室が同所の操業と安全基準に対する審問を発令し、その後にそれを延長する事態にいたっていた。

土曜日の漏れはこれまでで最も深刻なものであったようだが、この施設は近年、何度もトリチウム漏れを起こしている。公益事業委員会のオードリー・ザイベルマン(Audrey Zibelman)委員長は、既存の審問の結果を出す期日である大統領誕生日の215日を迎えようとしている。

クオモ知事は声明を出し、「このインディアン・ポイントの最近の失策は受け容れがたい」と述べた。知事は、「これは、インディアン・ポイントにおける放射能汚染水漏れの最初の例ではない」と明言し、「この失策は、インディアン・ポイントが公衆の健康と環境を守る形で操業をつづけることができないと、さらにまた実証している」と付け加えた。

トリチウムは放射性の水素同位体であり、皮膚を透過しないものの、癌を含め、疾病の原因になり、健康リスクをもたらすと考えられている。

知事公務室は、漏れの開始時と期間に関して見解を求める即座の対応を取ってはいなかった。




【クレジット】

The Guardian, “New York investigates radioactive leak in groundwater near city,” by Sam Thielman and Alan Yuhas in New York, posted on Saturday 6 February 2016 23.24 GMT at;

【地図】




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20131124日日曜日

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