2016年2月2日火曜日

【資料】日本国行政当局者各位宛て国際環境疫学会(ISEE)書簡 Re: ☢#Fukushima

国際環境疫学会(ISEE







お知らせ
日本政府当局者各位宛て書簡 Re: フクシマ(原文PDF

事務局: Infinity Conference Group
(連絡先: Doreen Albertson)
 1035 Sterling Road, Herndon, VA 20170
 703-925-0178 (電話) 703-925-9453 (Fax)
 info@iseepi.org (Eメール)
 www.iseepi.org (ウェブサイト)

会長、フランシーヌ・ラディン博士 Francine Laden, Sc.D.
財務担当、ヴェロニカ・ビエイラ博士 Verónica Vieira, D.Sc.
次期会長、モノリス・コゲヴィナス博士Manolis Kogevinas, M.D., Ph.D.

この書簡は下記の日本の当局者各位宛て――
環境省総合環境政策局環境保健部長、北島智子様
福島県保健福祉部県民健康調査課課長、 小林弘幸様
環境省環境大臣(確認済み)、丸川珠代様

拝啓

最大の環境疫学者国際職能団体、国際環境疫学会(ISEE)のわたしたちは、同輩らを代表し、福島県民の甲状腺癌の発症リスクが事前の予想より大幅に高い率で上昇していることを示している最近の科学的証拠について懸念しております。

先ほど公開された研究1は、福島県民の甲状腺癌の発症リスクが日本国民全体の12倍になっていることを実証しています。公開論文の解説で指摘されているとおり、これは常軌を逸して高いリスクです。この研究は、フクシマ核惨事が地域住民にもたらす長期的影響を監視するための適切なデータおよび研究の不足にまつわる事前の懸念を受けて、実施されております。研究の暫定的な結果が、20159月にサンパウロで開催されたIAEE年次会合で実施された特別シンポジウムで発表されております。シンポジウムにおける議論は、フクシマ事故が健康におよぼす影響の探求に対する当学会員の並々ならぬ関心の強さを示しておりました。

この研究は、甲状腺癌症例の早期発見・治療を可能にするために、事故の被害を受けた人びとに対する継続的で組織的な一斉検査が必要であることを浮き彫りにしております。今後のそのような研究は、被害住民の直接利益に加えて、電離放射線のリスクに関する世界共有知の構築にとっても、非常に大きな価値があるものになるでしょう。

わたしたちは、国民の福利に奉仕する当事者である行政府に対して、福島県民の健康を科学的に記録し、追跡するため、また2011年に勃発した事故によるリスクをよりよく理解し、評価するために、一連の施策を開発なさるように訴えます。わたしたちは、事故後も環境に残存していると考えられる放射能による住民の被曝を詳細に監視することが、科学と予防の両面の理由により、必要であると信じております。

そのような研究は、核事故が健康におよぼす影響、ならびに被害住民のリスクを低減する方策に関する世界共有知にとって計り知れない貢献になるでしょう。

ISEEには、必要とされる場合、学会員の専門技能を活用して、諸活動を補助し、支援する用意があります。わたしたちは、独立の国際専門技能団体であるISEEの関与に関して、貴国が、いつ、どのように構想なさるのか、お知らせいただきたいと願っております。

当方の書簡に関する貴方の見解について、またこの重要な案件に関する今後の貴方の計画について、ご返信くださるよう、こころからお願い申し上げます。

敬具







フランシーヌ・ラディン博士
ISEE会長

CC:世界保健機関

1 [下記関連記事の論文]Tsuda T et al, Thyroid Cancer Detection by Ultrasound Among Residents Ages 18 Years and Younger in Fukushima,Japan: 2011 to 2014. Epidemiology
2015 DOI: 10.1097/EDE.0000000000000385

【クレジット】

ISEE letter sent to Japanese Authorities Re: Fukushima (PDF);

【関連資料】

岩波書店『科学』2015年9月号記事
国際環境疫学学会会長から津田敏秀氏への返信(2015 年 5 月 6 日付)

【関連論文】

20151011日日曜日

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