内閣府国家戦略室に設置されたエネルギー環境会議が主催した、8月1日「エネルギー・環境の選択肢に関する福島県民の意見を聴く会」にて、わたしの意見を表明する機会をえました。その会合の速記録が国家戦略室サイトに公開されていますので、司会者(下村健一内閣審議官)あいさつ、細野豪志環境大臣あいさつ、わたしの意見表明の部分のみをここに抄録します。
それにしても、発言を許された3分間なんて、とても短いですね。
他の方がたや他会場の意見表明を読みたい方のために、必要なリンクを付しておきます。
写真提供:Takemoto |
福島市(平成24年8月1日開催)
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(p.1~3)
エネルギー・環境の選択肢に関する福島県民の意見を聴く会
■日時
平成24年8月1日(水)14:30~19:00
平成24年8月1日(水)14:30~19:00
■場所
福島テルサ FTホール
福島テルサ FTホール
■参加者数
一般参加者:161名 報道関係者:47社130名
一般参加者:161名 報道関係者:47社130名
■政府側出席者
細野豪志 環境大臣/原子力発電所事故収束・再発防止担当大臣/内閣府特命担当大臣(原子力行政)
細野豪志 環境大臣/原子力発電所事故収束・再発防止担当大臣/内閣府特命担当大臣(原子力行政)
(内閣官房)清水康弘 内閣審議官、日下部聡 内閣審議官、下村健一 内閣審議官
(経済産業省)高原一郎 資源エネルギー庁長官、後藤収 経済産業省大臣官房審議官、山田尚義 東北経済産業局長
(環境省)鈴木正規 地球環境局長、鳥居敏男 東北地方環境事務所長
(内閣府)倉持隆雄 内閣府政策統括官
■当日の模様
※一般参加者のお名前については、英文字に置き換えさせていただきました。
※一般参加者のお名前については、英文字に置き換えさせていただきました。
<開会>
◎司会者(下村審議官)
大変長らくお待たせいたしました。ただいまから、エネルギー・環境の選択肢に関する福島県民の意見を聴く会を始めさせていただきます。本日はお忙しい中、そして大変お暑い中をお集まりいただきまして本当にありがとうございます。きょうは147 名の方にご来場いただいております。そして報道関係は45 社125 人の方がいらっしゃいます。参加を申し込まれた方の中で意見表明を希望された方から、無作為抽出で30 名の方にご意見の表明をいただきます。今、壇上には15 人の方にお並びいただいていますが、後ほど前半後半で分けさせていただいて、後半でもう15 人の方にご登壇いただきます。
今、政府はこの「エネルギー・環境会議」という場で、震災と、その後の東電福島原発事故を受けて、エネルギー・環境戦略の見直しということを行っております。6 月29 日のこの会議におきまして、2030
年のエネルギー・環境に関する三つの選択肢というものを取りまとめました。そして、以来、全国各地でのご意見を伺う会とか、さまざまな方法で今、国民の皆さんからご議論をいただいているという段階です。その中で、本日のこの場、福島県民の意見を聴く会という場を設けました。
ここで、まずその流れの中でのきょうのスケジュールをご案内いたします。まず初めに、エネルギー・環境会議の副議長を務めます細野豪志環境大臣からあいさつをいたします。次いで、政府担当者から、このエネルギー・環境に関する選択肢の概要について、ご説明をいたします。その後、抽選で決まりました30 人の意見表明者の皆さんから、ご意見を表明していただきます。この時間は休憩をはさんで、前半と後半に分けさせていただきまして、15 人ずつの方にお話を伺い、前半、後半のそれぞれの終わりの部分で、またそれぞれ、この中同士で、今の意見を聴いてこう思うがどうだろうかとか、ちょっとここを補いたいといったかたちでキャッチボールを行えればと思っております。そういったことが全て終わりましてから、皆さまにまたアンケートなどをお書きいただきまして、それも全て参考にさせていただきまして、エネルギー・環境の大きな方向を定める、革新的エネルギー・環境戦略、これを政府として決定するという段取りになっております。
それでは、まず開会にあたりまして、細野環境大臣からごあいさつ申し上げます。大臣、よろしくお願いいたします。
<大臣による冒頭の挨拶>
本日は大変皆さんお忙しい中、意見聴取会にお運びをいただきまして心より感謝を申し上げます。今日はウィークデーでございますので、それぞれ様々なご都合をですね、繰り合わせてお集まりをいだいたものというふうに思います。特に発表者の皆さんには事前のご準備も含めて、本当に今日こうして、それぞれの皆さんのご見解を表明をしていただくということで、重ねて感謝を申し上げます。ありがとうございます。はじめに、福島の皆さんにはですね、昨年の3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、大変なご迷惑、ご負担、そして依然として不自由な生活をですね、過ごしておられる方がたくさんいらっしゃると思います。そうしたすべての事について、政府を代表してまず心よりお詫びを申し上げたいというふうに思います。本当に申し訳ございませんでした。依然として、政府の対応が十分できていない中で、皆さんに大変不自由をおかけをしている状況でございますので、その問題についてはですね、できる限り福島県民の皆さまお一人お一人の声にこれからも耳を傾させていただいて、まさに皆さんの生活が少しでもですね、元に戻るように、さらにはいい方向にいくように努力をしてまいりたいと、そのように考えております。大変ご不自由をおかけいたしますけれども、ぜひ皆さん、お体に気を付けてお過ごしをいただきたいというふうに思います。さて本日はですね、エネルギー・環境についての意見を皆さんから聞かせいただきます。全国でこの意見聴取会をやっております。原発からですね、グリーンへという大きな方向性のもとで、3つの選択肢を政府では皆さんに提示をさせていただきました。それぞれの意見聴取会におきましては、それぞれのシナリオについて皆さんに意見をいっていただくという形をとっておりますが、この福島に関してはですね、それぞれのシナリオということではなくて、純粋に抽選をいたしまして、それぞれの皆さんにお話をいただくという、そういう形をとらせていただくことにいたしました。その理由というのはですね、福島におけるこの意見聴取会というのは他の場所での意見聴取会とは全く違う意味合いがあると考えたからであります。大変な原発事故が昨年起こりました。そしてその中で我々はエネルギーの問題について考えなければなりません。もっともですね、この原発の問題について深刻な影響を受けておられて、この問題にですね、問題意識をもっておられる福島県民の皆さんには、自由にご発言をいただくということが、これが政府としての責任ではないかというふうに考えたからであります。またご発言をいただく人数につきましても、他の会場から比較をいたしますと、できる限り数を増やしまして、多くの皆さまにご発言をいただきたいというふうに考えました。時間が若干長い時間になりますけれども、福島の皆さんの関心の高さということを考えれば、これも政府としては取るべき方針ではないかというふうに考えました。30名ということでございまして、この選にもれた方については大変申し訳ございませんけれども、直接ご発言をいただくという機会が無いわけでありますが、そこはですね、アンケートという形をとらせていただきたいと思います。今日は皆さんのお手元にアンケートがまいりますので、ぜひともですね、そこにそれぞれの皆さんの思いをお書きください。それについては、私はもちろんですが、政府の関係者が全てのアンケートの中身につきまして目を通しまして、その意見をしっかりと受けとめたうえで、これからのエネルギーの政策について検討する材料とさせていただきたいと、そのように思っております。今日の意見聴取会はこれまでのエネルギーの議論の中でも、もっとも重要な聴取会だというふうに思っております。私どもも心して聞かせていただきますし、ぜひ皆さまのご協力をいただいて有意義な会にしたいというふうに思っております。ぜひともご協力をいただけますように、心よりお願いを申し上げます。今日はご来場をいただきまして、本当にありがとうございました。
写真提供:Takemoto |
(p.19~21)
◎司会者(下村審議官)
ご報告申し上げます。先ほど6 名の方がロビーにいらっしゃるということでしたが、さらに加えて、合計8 名の方に新たにお入りいただきました。ご入場いただいた皆さま、もしかしましたら、ちょっと分かりませんが、入り口でお時間を要してしまったかもしれません。その間、貴重な話を聞く時間が減ってしまったことをおわび申し上げます。
それでは続けます。続きましては9 番の方、よろしくお願いいたします。
◎意見表明者9
皆さん、こんにちは。郡山市のI と申します。私は郡山市内の県営住宅に住んでおりますが、自分の自室の前が広場になっていまして、そこに大型の遊具が設置されています。
その場所で測定してみますと、1 時間当たり常時0.8 マイクロシーベルト内外の放射線量を示します。法規に定められた放射線管理区域の設定基準を1 時間当たり線量に換算すると、単純計算で0.6 マイクロシーベルトになります。「労働安全衛生法」に、事業者は必要のあるもの以外の者を管理区域に立ち入らせてはならないなどと定められています。この広場は本来なら、部外者の立ち入りが厳しく禁止されるはずの放射線管理区域に相当する場所です。
ですが現実はどうでしょう。放射線管理区域の標識もフェンスもバリケードなども設置されず、団地住民の幼い子どもたちが自由に出入りして遊んでいます。この団地の管理責任は福島県知事にあるはずです。その県知事が任命した放射線健康リスク管理アドバイザー3 名は、健康リスク回避を図らず、もっぱら放射線安全キャンペーンに奔走し、その代表格、山下俊一氏は、ミスター100 ミリシーベルトと国際的に揶揄されるありさまであり、山下氏が指導する福島県立医科大学の県民健康調査は、県民に信用されておりません。
福島県に見る放射能被ばく対策の実態の奥には、国の基本的な姿勢があるはずです。
昨年3 月の事故発生直後、アメリカ政府は自国民に原発事故現場から80 キロメートル以内の地帯からの待避を指示しました。イギリス大使館は、羽田空港に香港行きチャーター便を用意して、自国民だけでなく、旧植民地である香港の市民まで国外退避させたそうです。
翻って、わが国の対応はどうだったか。事故のさなか、SPEEDI 情報さえも隠し、逃げ惑う被災民を無駄に被ばくさせたことは周知の事実です。昨年11 月内閣官房に低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループが設置されました。これは国内外の科学的知見や、評価の整理、現場の課題の抽出を行う検討の場とされていますが、報告書や発表、概要などを読んでみると、低線量による健康被害を軽視するものが多く、また11 月28 日第5 回会合に、海外から招かれた報告者は、原子力産業との共存を説くICRP の科学事務局長、クリストファー・クレメント氏、あるいはベラルーシのエートス(ETHOS)プロジェクトで知られるジャック・ロシャール氏であり、政府の放射線被ばく対策は、健康リスクを回避するためのものではなく、これを隠ぺいし、経済的、社会的要因を重視する姿勢を見せています。
細野豪志原子力行政担当大臣をはじめ、内閣は国民の命と健康、なかんずく子どもたちと命と健康、そして未来を守るといった全体の奉仕者としての公務員の本文を忘れ、倫理的な混迷に陥っています。
昨年6 月、郡山市内の小中学生たちが、法律で定める一般人の年間被ばく許容限度、1 ミリシーベルト以下の安全な場所での教育の実施を求める仮処分を、福島地方裁判所郡山支部に申し立てました。ところが、野田佳彦内閣総理大臣が、なんの根拠も道理もなく、福島原発事故の収束を宣言したのと同じ、昨年12 月16 日、福島地裁の判事たちは、年間100 ミリシーベルト未満の低線量被ばくによる健康への影響は実質的に確認されていないなどという、放射線安全プロパガンダを宣言する、無謀な論理でこれを却下しました。法の番人たる裁判所までもが、いわゆる原発ムラによる圧力に屈したのです。
目下、この通称、ふくしま集団疎開裁判は、仙台高等裁判所で抗告審が行われていますが、世界市民法廷など、市民による合法活動によって、世界の良識の注目を集めています。日本が法治国家であるか、子どもたちを守る社会であるか、世界が今福島を見つめております。
◎司会者(下村審議官)
ありがとうございました。
◎意見表明者9
まだ。
◎司会者(下村審議官)
そうですか。ごめんなさい。ちょっとお時間が2 分ほど超過しておりますので、じゃあ手短にお願いします。また、もう1 回後ほど発言機会がございますので。
◎意見表明者9
じゃあ、もう1 点ありますので、その次の機会にじっくりと述べます。お願いします。
◎司会者(下村審議官)
分かりました。ありがとうございます。申し訳ございません。皆さまから、ご意見を伺うために、きょうは30 人という、いつもよりずっと多くの方にご登壇いただいておりまして、制約するのが本当に心苦しいのですけれども、ご協力よろしくお願いいたします。
では、10 番の方お願いします。
……
(p.32~33)
◎司会者(下村審議官)
ありがとうございました。以上で前半の部、15名の方からのご意見表明をいただきました。ここから、まだ言い足りないこと、それから新たにほかの方のご意見を耳にして、こういうことを加えたいというようなことがあれば、挙手をいただきたいのですが、かなりお時間が押しております。司会として、ちょっとつらいところなんですけども、きょう率直に申しまして、大阪や広島など過去の会場で、シナリオのいろいろな異なる意見の方同士のディスカッションというのは、この場でかなりあったのですが、きょうは本当にかなり同じ方向を皆さん向いていらっしゃいます。ここは、本当に議論というよりも、言い足りないことだけお話しいただいて、なるべく時間を短くして、後半の方のお時間を確保したいと思います。
そのうえで、先ほどの9番の方から、そのほか手をお挙げいただければ、今一言ずつ。では、今と逆順でまいりましょう。じゃあ9番の方から、若いほうの番号へ向かってお願いします。
◎意見表明者9
はい。郡山市のIです。先ほどは郡山市内の団地を例に子どもたちの放射線被ばくをしている状況が放置されている、こういう無責任な国に原発を動かす資格はない、そういう論点で組み立てたわけです。
もう1点、2030年時点での原発の依存比率です。そういう前提で、この意見の聴取会、この会場は別ですが、そういう前提に立っていると思うのですが、2030年の経済状況です。この経済規模が、果たして成長は今よりも大きくなっているのか。あるいは現状維持であるのか。あるいは、今の経済よりも縮小しているのか。そういう前提が全く欠けているんです、不思議なことに。国家戦略を立てるのに、ほぼ20年後ですよね。17、18年後。このときの経済がどうなっているか、ビジョンを示していないわけです。私の意見でいえば、経済規模は必然的に減っているはずです。というのが、2000年代に人口がピークに達して、もう既に縮小局面に入っています。
これから、原発事故の影響もあって、人口はどんどん加速的に減少するはずです。ですから、経済が縮小するということは、エネルギー消費も減るはずです。ですから、原発を廃止すれば、石油の使用量は減る。これはうそです。原発を廃止しても、たった今、現在の石油使用量は減っていくはずです。ですから、その中で、原発を動かすのは新しい時代が目の前に迫っているのに、古い体制にしがみついて、まるで、そのまま滅んでしまった恐竜の末路を見るようなことになると思います。
私たちとしては、賢い哺乳類になって、新しい時代のエネルギーの使い方、これを真剣に考えなければならないと思います。もしも、原発に固執していたら、そのチャンスを失ってしまいます。ですから、今から新しい時代に適応できる哺乳類になって、エネルギー消費の効率化です。効率化技術をどんどん改善しなければならないと思います。ありがとうございました。
◎司会者(下村審議官)
ありがとうございました。それでは続いて7番の方__
……
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